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1.始まりを告げる夢

ここはどこだろう…?
気がつけば、私は霧の中をさまよっていた。
しばらくもくもくと歩いてみる。ようやく霧が晴れてきた。
目の前には、見覚えのある公園。
そこには、二つの小さな影があった。
『りーちゃん!! ぼくたち、大きくなったらぜったいに“けっこん”しようね!』
『うん。わたし、ゆーくんの“およめさん”になる!!』
『約束だよ』
『うん、約束』
夕日に照らされた二人の顔はとても輝いて見える。

――ピピ、ピピピ、ピピピピ
携帯のアラームが鳴り、私は目を覚ました。
さっきのは、やっぱり夢…なんだよね?
念のため、軽くほっぺたをつねってみる。
痛っ! うん、間違いなくこっちが現実だ。
それにしては、なんだか全てを懐かしく感じた。
公園に男の子、そして、なりよりあの会話。
まあ、悩んだところで仕方がないんだけど…。
「…よし!」
大きく息を吸い、起き上がる。
ぼーっとしてても、“今日”は待ってくれない。
こうして、私…井原里奈の一日は始まった。

2.夢から覚めて

「里奈、おはよ!」
教室の入ると、親友である綾が笑顔で駆け寄ってきた。
やっぱり綾の笑顔は最高だわ-。
「おはよう、綾」
そんな綾に微笑みながら返事をして、席に着く。
「知ってる? 今日、このクラスに転校生が来るんだって」
そんな話、初耳だぞ。
そんなことよりも…、
「知らな-い。その転校生って男? それとも女?」
これが、一番重要だ。
ちなみに、私の脳内では季節外れの転校生=超イケメン男子ってことになってる。
あ! 季節外れっていうのは、今が七月の初旬だから…。
普通、転校するっていったら学期の始めとかにするもんでしょ?
これも、私の勝手な偏見にすぎないんだけどね。
「それが、まだ不明なの…。先生達に聞いても口を割ってくれないし」
「そっか-」
簡単に口を割るのも、どうかと思うけどさ。
まあ…紹介されるのを気長に待ちますか!

そうこう考えているうちに、先生がやってきた。
「HRを始める。皆、席に着け」
生徒達が自分の席に戻っていく。
全員が、席に戻ったのを確認して“例”のことを話しだした。
「もう皆、知っているとは思うが、このクラス新しい仲間が加わることになった。
…神谷、入ってきてくれ!」

――ガラガラガラ
ざわめいていた教室が静かになる。
入ってきたのは、長い黒髪の似合う美少女だった。
「神谷悠子といいます。一年間、よろしくお願いします」
めちゃくちゃ可愛い! これが、彼女の第一印象。
私の季節外れの転校生に対する方程式はあっけなく崩壊してしまったが、この子なら許せる!
仲良くなれるといいな-。

こうして、私達のクラスに新たなメンバーが加わる。
そして、それは止まっていたはずの歯車が動き出した瞬間でもあった…。
最終更新:2008年07月17日 21:34