「あぁ、つまらない。」
それが真弘のいつもの感情だった。
学校へ行っても、いつも一人ぼっちでいるだけで、
あまり楽しいことはなかった。
友達ともいろいろしゃべったりしたかったが、恥ずかしがりやで
話しかける勇気がなかった。
こんなありきたりの生活にあきあきとしていたのだった。
ある日、いつものように学校から帰ってくると、
自分の部屋でテレビを見て、暇をつぶしていた。
真弘はテレビを見ているときが一番落ち着くのだった。
しかし、一人でいつもいるということで孤独な気持ちになり
テレビを見ていても面白く感じなくなってきた。
テレビに飽きて、電源を消すと
「何か楽しいことないかな~。」とさびしそうにつぶやいた。
スナック菓子とジュースを机の上に置き、だらだらしながら
スナック菓子に手を伸ばし、食べていた。
全部食べ終わると、袋を思いっきりぐしゃぐしゃにして
ゴミ箱へ投げ捨てた。
そして何もすることがなくなり、寝転がっていた。
物音一つない静かな空間が続いた。
しばらくして、真弘は目を閉じ眠りについていた。
そして目の前には、今までと違う世界が広がっていた。
真弘は学校にいた。
クラスのしゃべったことも無い生徒が真弘の所へ駆け寄ってきた。
「今週の土曜日って暇?暇だったら遊ぼうよ!」
真弘はこんな風に遊びに誘われたことがなく、とても嬉しかった。
「うん。いいよ!」
元気よく答えた。
そして、土曜日になった。
真弘は楽しそうに、集合場所のコンビニへ行った。
そのコンビニには数人他の子も集まっていた。
「ごめん。遅れたよ~。」真弘が言った。
「いや全然待ってないよ。じゃあ今からどこ行く?」
真弘は友達とゲームセンターへ行くことが夢だったので、
「ゲームセンターがいいな。」と言った。
みんなは快く賛成してくれた。
ゲームセンターへ行くことになり、とてもワクワクしていた。
そしてみんなでゲームセンターへ自転車で行った。
真弘はゲームセンターでクレーンゲームをやった。
あまりやったことがなかったが、一回でぬいぐるみをとった。
そこでみんなが「すごいね!」
と盛り上がってくれた。すごく楽しかった。
ところが、その世界はだんだんと消えていった。
そして目が覚めて、夢だったことに気づいた。
「夢かぁ。」
真弘は一生このまま目が覚めなければよかったのにと
時計を見ると午前5時で、いつもより一時間くらい早かった。
晩御飯を食べていなかったが、あまり食欲がなかった。
しかし母にすすめられ、少しパンを食べた。
そしてその日も学校へつまらなそうに向かった。
「またこんなつまらない日が続くのか。嫌だな。」
と真弘は思った。
自転車をこいでいる時に、夢のことを思い出した。
すると今の現実がより辛く感じ、あんな夢なんて見なければよかった
と思った。
しかし、心の底ではもう一度あの夢を見たいと思っていた。
それからいつものように、学校へ行きつまらない時間を
過ごした。
そこで、ふと思いついた。
寝る前にあの夢の続きを想像すれば、実際にその夢を
見ることができるのではないか。
そして決心した。あの夢の続きを見る!
だんだんワクワクしてきた。
寝る前どころかほとんどの時間そのことを考えていた。
その夜、寝ようと思ってもなかなか眠れなかった。
そして眠れないことが嫌になって何も考えないことにした。
すると、しばらくしてまた目の前にあの世界が広がっていたのだった
真弘はゲームセンターに友達といたところだった。
今までたまっていたお金を、たくさんゲームに使った。
友達といっしょにシューティングゲームをしたりして
すごく楽しんでいた。
「真弘、お前うまいなぁ。」
「いやそんなことないよ。」
とても盛り上がっていたが、お金も減ってきて、
だんだんゲームに飽きてきた。
落ち着いた雰囲気になっていたが、誰かが
「ボウリング行こうよ!割引券がたくさんあるんだ。」
とみんなを誘った。
「それなら長い間楽しめるね。」
みんな賛成で行くことになった。
真弘はボウリングをするのが初めてで、あまり
よく分からなかった。
ところが友達が優しくいろんな事を教えてくれた。
「まずシューズを借りて、それからボールを選ぶんだ。」
「ありがとう」とお礼を言った。
そして準備ができ、ボウリングを始めることになった。
真弘は初心者ということで、順番は一番最後だった。
友達がまず最初に投げ、いきなりストライクをとった。
「おぉ~!すごいな拓也!」
とても盛り上がっていた。それからも順序よく
他の友達も投げていった。
だんだん盛り上がりも増していったが、次が真弘の番だった。
友達は優しく見守ってくれていた。
「頑張れ、落ち着いて投げればいいよ。」
しかし真弘はとても緊張していた。
そして投げようとしたその時、
ボールを左腕にあててしまったのだ。
「真弘、大丈夫?」と一斉に問いかけた。
「うん、大丈夫だよ。」と真弘は答えた。
しかし、左腕にはめていた腕時計が壊れてしまっていた。
みんなは真弘のところへ駆け寄って心配していた。
「俺の腕時計代わりにあげようか?」
とまで言ってくれた友達もいた。
でも真弘はみんなに心配されたことが、
心の中でとても強く感動していた。
その感動の頂点に達したところで、その目の前のものが消えていった。
目を覚まし、やっぱり夢だったんだと気づいた。
そして、ふと腕時計で時間を見ようとした。
すると腕時計の画面にひびがあり、壊れていたのだった。
真弘はこの腕時計を一生の宝物にした。
終わり
最終更新:2008年07月17日 21:36