背景
- 高速道路建設の借金が30兆円存在する
- 日本の道路支出はイギリス、フランス、ドイツ、イタリアの4カ国を総計した額と同等。
- 各国の高速道路料金は以下の通り
アメリカ:93%が無料。有料道路は400kmあたりで6ドル(600円)程度(要出典)なのでほぼ無料に等しい。
イタリア:約20%が無料 。有料高速は約900kmで5600円ほど(日本は東京→広島が約820kmで約17000円)
フランス:24%が無料。有料区間も料金は日本の約1/3。
ドイツ:普通車は全線無料。重量12トン以上のトラックは、1kmあたり平均15セント(約19.5円)。これは日本の大型車のほぼ半額(要出典)。
民主党の政策
高速道路は、原則として無料とします。
これにより、
(1)生活コスト・企業活動コストの引き下げ(最大2.5兆円の国民負担の軽減が可能、家計消費増や企業の設備投資・賃金引き上げ等で内需拡大)
(2)地域活性化(生活道路、地域道路としての利用、サービスエリア・パーキングエリアの活用を含む観光産業活性化など)
(3)温暖化対策(渋滞の解消・緩和、CO2の発生抑制など)
(4)ムダづかいの根絶(バイパス建設抑制による財政負担の軽減など)――を図ります。
首都高速・阪神高速など渋滞が想定される路線・区間などについては交通需要管理(TDM)の観点から社会実験(5割引、7割引等)を実施して影響を確認しつつ、無料化を実施します。
実施に当たっては、道路会社の職員の雇用、首都高速・阪神高速の株主たる自治体の理解、競合交通機関への影響及び交通弱者等に対する十分な配慮を講じます。
無料化賛成派
山崎養世(元ゴールドマン・サックス・アセット・マネージメント・ジャパン・リミテッド社長)
無料化賛成派の主な主張
- 割引より無料化のほうが経済効果が高い
- 新しい道路をつくるのをやめれば十分に借金を返すことができる
- 高額な高速料金は日本だけ
- 料金所撤廃と無期限無料で渋滞は解消される
毎日終日無料ならいつでも高速に乗れるので、現在のように割引日に車が集中することはない。
無料化すれば料金所を撤廃できるので渋滞は解消される。
これに対しては、「無料化による交通量の増大の影響のほうが大きい」という反論もある。
無料化反対派
猪瀬直樹(現東京都副知事、現東京大学客員教授、元道路関係四公団民営化推進委員会委員)
無料化反対派の主な主張
- 無料化しては借金を返却することはできない
- 国主導ではなく民営化する必要がある
- 渋滞が加速する
無料化によって交通量が増えるため、渋滞が加速して「高速」ではなくなる。
これに対しては、「料金所が撤廃されるため渋滞は解消される」という反論がある。
高速道路が無料になると、有料のフェリー・鉄道に対するニーズがなくなり多くが廃線になる。
これに対しては、「利便性の高い高速道路が無料化すれば、不必要なフェリー・鉄道路線は廃止になってしかるべき」という反論がある。
車の利用量が増え、CO2排出量が増える。
これに対しては、「高速走行は一般道走行より燃費が良く、高速無料化による一般道の渋滞解消がCO2削減につながる」という反論がある。
最終更新:2009年09月08日 17:04