アットウィキロゴ

EVOKE -舞- ニシル編第3話 Ⅲ

戻る


前へ 「ニシル編」へ


前へ 「セルド編」第4話へ




――街外れの山間部・山小屋(カガリ宅)――


ニシル「(リビングでセルドの治療を行っていた)…んっ… これで大丈夫…ですよ。(最後に彼の片腕に包帯を巻いて治療を終えた) 」

セルド「ん……(包帯を巻いてもらい、まくっていたシャツの袖を戻す)……うん。悪いなニシル、ありがとう。(具合を確認して礼を言う) 」

ニシル「いえ… …少しだけ怪我が酷かったので、安静にしててください。(そう言うと腰かけていた椅子から立ち上がり、リビングにいるセルドとカガリ、真庭鳳凰の三人にお茶の入った湯飲みを差し出す) 」

セルド「ああ、わかったよ。(湯飲みを受け取り、表情を緩ませて「ありがとう」と伝える) ところでニシル……彼女は……?(声を少しだけ潜め、同室に居るカガリのことを問う) 」

ニシル「ふぇ…?(そう言われてカガリの方に視線を向ける)あ、あの人は――――――!(その際、別室からメモリアの唸り声が聞こえてぴくりと反応する) あ…ごめんなさい。先にメモリアさんの方を看なくちゃ……!(そう言って申し訳なさそうに頭を下げると、濡れタオルと水の入ったコップを構えてトレイに乗せ、リビングから出ていく) 」

カガリ「(セルドの斜め向かいに座って静かにお茶を飲んでいた)……礼を言う。(ニシルが出ていったのを確認すると、細い目で湯飲み内の水面を見つめながらセルドに向かって呟いた) 倒れていたあいつを救ってくれたのは、君なんだろ。ニシルが迷惑をかけた。(淡々とした口調で) 」

真庭鳳凰「(ホクホクと茶を愉しむ)ん~、セルドはよくやったと思うぞ、うむ(ズズー)

セルド「(同じくメモリアのうなり声を耳にし、苦い顔をする)…ああ、彼を頼むよ。(リビングから出て行ったニシルを見て) ……!(カガリの呟きが聞こえ、少々驚いたような表情) …いえ、人として当然のことをしたまでですよ。それともう一人の女の子も協力してくれたので(苦笑しながら) はは…ありがとうございます、真庭さん。(苦笑を向けて) 」

カガリ「そうか…(湯飲みを握った手の内に、きらりと光る指輪があった。凝視するとそこには世界政府を象徴する紋章が刻まれていて、セルドにはすぐにそれが何を意味しているのか理解できた) 」

セルド「――――。(その指輪の紋章を理解し、胸の奥に仕舞い込んでいた世界政府への憧れが顔を出す) カガリさん、その指輪……政府の方だったんですね。(兄であるクラッドへいつか向けたような憧れの色が混ざる瞳でカガリを見る) 」

真庭鳳凰「―――ん、政府。そうか、世界政府の・・・。 」

カガリ「(「そうだ」と呟いて湯飲みを机に置いた)…今は、長期任務で本部から外れているがな… (そう言うと棚の上にある一台の写真立てに一瞥を与える) 」


その写真には―――大きな熊の人形を抱えた、水色の髪をした幼い少女と、その両親と思われる男女… 仲睦まじい家族の姿が写っていた)


コンコン。(山小屋に、在宅を訪ねるノック音が響く)


カガリ「……(ノック音に立ち上がり僅かに戸を開く) 」

セルド「(ノック音に気が付き、戸の方へ目を向ける) そう、なんですか。(そして、カガリの目線に釣られて一台の写真立てを見、「もしかして」と言った顔をして)………この写真は―――― 」

オブリヴィ「すいません、連絡があって来たのですが、アルトが倒れたって本当ですか?(電話してから数十分、様子を見れば徒歩なのはわかるが走ったにせよ息切れひとつ無しでそこに立っている) 」

カガリ「ニシルの知り合いの知りあい…といったところだな。名前は知らないが、おそらくそれらしい奴が奥で眠っている。用があるなら上がっていくといい。(オブリヴィに) ああ、幼い頃のニシルと…その両親だ。13年前の誕生日前日に、あいつは家族を亡くした―――――殺害されたんだ、『能力者』にな…――――――――――」




その頃、月光が差す暗い一室にて―――


メモリア「―――うっ、くぅっ・・・。(横になり、悲痛な表情でうなされ続けている) 」

ニシル「キィ…(濡れタオルと水の入ったグラスを乗せたトレイを持ってメモリアのいる部屋に入る) メモリアさ――――!(部屋に入るや否や彼の容体を見てわっと驚き、足早に彼の元へ寄り、トレイを机の上に置いた)わっ…すごい汗だ…(メモリアさん、怪我もすごいけど… 何かに苦しんでいるみたい…)(横たわる彼を見て押入れを開ける) 」

メモリア「くっ―――お、置いて、行か・・・ないで・・・。(うなされ、何かを求めるように天井に向かって右手を伸ばす) 」

ニシル「んしょ…(押入れから新しい毛布を取り出して、メモリアの汗で濡れた毛布と取り替える) んっ…ん… ……!(頬や額に浮かぶ汗を濡れタオルで拭いていると、メモリアの寝言に反応した)……大丈夫です、大丈夫ですよ。…私はここにいます。(伸ばされたメモリアの手を優しく両手で握りしめ、心配そうに、それでも何とか笑顔をつくって励まそうとしている) 」

メモリア「―――。(一瞬だけ、安心したような表情になるが、それも束の間―――)くっ、ぁ、ああ、あああああああ!!!!(安堵の表情は一瞬で崩され、叫ぶ・・・) 」




『お前は誰だ?』


『―――私は、メモリア。』 」


『お前は何だ?』 」


『私は、演奏家だ。』


『お前はなぜ、生まれた?』


『私は―――わからない。』


『お前の親は、どこへ行った?』


『・・・わからない。』


『お前が、殺した。』


『違う、私は知らない。』


『お前が、殺した。』


『違う、私じゃない。』


『オマエガ コロシタ』


『違う!私じゃない!!』


『オ マ エ ガ コ ロ シ タ』


『違う、違うっ、違う!違うッ!!!』


???「メモリア―――逃げなさい、メモリア―――」


『おまえが、ころしたんだ。』


『違う、私は、私は知らない!私じゃない!!』


『おまえは ひとりだ』


『私は・・・一人だ。』


『おまえに、居場所はいらない。』


『私は・・・居場所がほしい。』


『おまえに、居場所などない。』


『いや、違う、私は、居場所を見つけた。』


『居場所などない、お前は消えてしまえ』


『嫌だ、もう失いたくない。』


『居場所はない。』


『嫌だ、もう消したくない。』


『キエテシマエ』


『嫌だ。』


『ケシテシマエ』


『嫌だ・・・』


『キエテナクナル』


『消えない、消えてしまうのは、お前達だ』


『スベテキエル』



メモリア「『お前達が消えてしまえ!!』



キィィィィ―――ン(その言葉を叫んだ瞬間、机に置かれたトレイがぐちゃり、と歪み、縮んで消えてしまう)


ニシル「あっ――――――!!(メモリアが覚醒したこと、そして同じくして起きた不可解な現象を目の当たりにして目を大きく見張った)…… ……め… …メモリア…さん……?(恐る恐る、目覚めた彼に呟くように声をかける)」

メモリア「はぁっ!はぁっ、はぁっ・・・スーッ―――(深呼吸し、自らの頬を触る、手にはべたり、と血のようなじっとりと張り付いた汗が付着する。) 」


『苦しみが、消滅した。』


ニシル「…あの…っ… (不安の色を浮かべながらメモリアの横顔を見つめる) 」

メモリア「フーッ、フーッ、フーッ。(荒い呼吸を立て、手に付着した汗を見ている)・・・な、何でしょうか。(そして、ニシルの方を向く。・・・どこかその顔には、生きることに対しての意欲を感じられなかった。) 」

ニシル「あの… だ、大丈夫…ですか…?すごく、うなされていたみたいだから…(濡れタオルを両手に心配そうに彼の表情を窺う)……(…………)(メモリアの生気のない表情を見て、ニシル自身の中でも何かが芽生える。だが、『それ』をメモリアのものに同情するわけにはいかないと静かに首を振る) 」

メモリア「―――大丈夫、です、ええ私は大丈夫です。(自分の上着で嫌な汗を拭い、いつもの笑顔を作る。・・・いつもの、やさしげな、作られた笑顔だ。) 」

ニシル「……(メモリアさん…)(不安で陰った目でその表情を静かに見つめていた。その時ふと、ベッドの傍らにある彼のアコーディオンに視線がいった) 」


そのアコーディオンの装飾は、不気味なほどにきれいで、長い間使われたとは思わぬほど手入れが行き届いていて。―――装飾の赤色が、まるで人の血の色のように、鮮やかに見えた。


メモリア「・・・どうしましたか?私のアコーディオンに何か傷でも――――」

ニシル「(メモリアさんはいつもこれで演奏していた… その度に苦しそうな顔を見せて…)(その鮮血のような赤みを帯びたアコーディオンを見て、これまで見てきた彼の様子や言動などを思い返す)…!ぃ、いえ……っ…(慌てて楽器から視線を反らしメモリアと向き合う)……(心配の色を浮かべたまま、何か声をかけようとするが上手く言葉にできず、しばらく室内に沈黙が続く)」

メモリア「―――。(自分の身なりを確認する)その、きっと私の世話をしてくれたのでしょう。―――ご迷惑をおかけしました。 」

ニシル「…あ… い、いえ…っ… ……その…えっと… 体調の方は…(先程のことを目の当たりにして、それが野暮な質問だとは分かっていても、彼に問いかける) 」

メモリア「ああ、体調ですか・・・それが不思議と、とても楽なんですよ。(汗はついたままだが、どこか憑き物が落ちたように楽そうだ、とても、楽そうだ。) 」

ニシル「え……!(予想外の反応に少し驚愕するが、とりあえず彼の表情に釣られて安堵を覚える)そうですか…よかったです。 …あ、でも… もう少しだけ、安静にしていてくださいね。(ぎこちなさそうに微笑むと軽く頭を下げて、部屋を後にした) 」

メモリア「ええ、わかりました。(起こした状態を再び横にする)・・・今見た夢は、一体―――」



――山小屋・別室――


結香「んしょ…(別室ではヒロの治療を行っていた。彼のかすり傷のある頬に薬を塗り、絆創膏をぺたりと貼る) ん、もうだいじょーぶだよっ。(えひひと笑いながらヒロの絆創膏をぽんぽんとつつく) 」

ヒロ「…いつっ……ん、ありがとう!(絆創膏をつつかれ、微笑む) 」

結香「大げさだなー(無邪気に笑みながらヒロの様子を見て更に笑みを零す)…でもびっくりしたよ…!ヒロお兄ちゃんたちが鰐のお兄ちゃんたちと喧嘩してたなんて! でも…でもでも、最後は仲直りできて良かったね…♪(両手を胸に添えて嬉しそうに) 」

ヒロ「ん、あぁ、良かったよ…俺もビックリしたよ、まさか君があいつらと知り合いだったなんてねー(嬉しそうにしている結香を見ながらニコニコしている) 」

結香「うんっ。昔ね、酷いことをする大人から、助けてもらったことがあるんだ。(部屋のベットにぷほんと腰かけ、両足をぷらぷらさせながら話す) ボクは怖いとは思ったことないけれど、鰐のお兄ちゃんたちは本当に優しい人ばかりだったよ。(その時ヒロと結香の中で、以前バキラが、一切の矜持を捨てて土下座をしたこと… そして彼らが、子どもたちの為にあのような活動をしていた事実を告げた描写が横切る) 」

ヒロ「えっ、そんなことが、あったんだ……(……本当に、根は優しい奴らだったんだな……)そういう大人達から子供たちを守るために、頑張ってるんだな… 」

結香「うん、お兄ちゃんたちみたいな優しい人がこの街には多いからね。だからボクはこの街が好きだよっ。(天上の一角を見上げながらにこにこしていたが、ふと何か思い出しかのようにヒロの顔を見つめる) 」

ヒロ「…俺も、そんな風に優しい男になれればいいな………ん?どうしたんだい?(顔を見つめた結香に) 」

結香「…… …… ……実はあの後ね…(互いの中で、おもちゃ屋で別れた描写が思い出され)…そのままお家に帰ろうとしたの。でもね…"誰かに呼ばれた気がした"んだ。聞き覚えのあるような、でも、なんだかよく思い出せない、変な声だったなぁ… その声のする方へ行ってみたら、驚いたことにヒロお兄ちゃんたちのもとに辿り着いちゃったの。(しばらく複雑そうな顔を浮かべながら沈黙をつくるが…)…もしかしてヒロお兄ちゃんがボクを呼んだのかな?(あははと冗談っぽく笑う) 」

ヒロ「変な、声……?俺が無意識に呼んじゃったかもな(こちらも冗談っぽく笑い返す) 」

結香「あははっ…♪本当にそう思いこんじゃうよ~(声を上げて笑いだす)でも…お陰でお兄ちゃんたちの喧嘩を止めることができたよ。きっと―――(そういってスカートのポケットから、以前ヒロにあげた四つ葉のクローバーのしおりを抜き出した)…僕のと、ヒロお兄ちゃんので…『キセキ』が繋がったのかもね…(優しい目でそれを見つめながら) 」

ヒロ「………そうだろうな。君と俺の想いが繋がって……テレパシーで伝わったのかもな……クローバー、ありがとうな(ポケットからクローバーを取り出す) 」

結香「……!(ヒロのクローバーを見てわぁ!と嬉しそうに声を上げる)これからボクたちに、もっと幸せなことが訪れると良いねー♪ 」

ヒロ「…あぁ!(結香の横に座り、肩に手をかける)たくさん、一緒に楽しもうな! 」


カガリ「13年前の誕生日前日に、あいつは家族を亡くした―――――殺害されたんだ、『能力者』にな…(目を伏せるように閉ざし茶を飲む)」




オブリヴィ「ご迷惑をおかけしてすみません、失礼させて頂きます。(ぺこり、と一礼して小屋の入り口近くの邪魔にならないトコロに、背負ったピアノを置いて入る) 」

レオネ「お邪魔しますよっと(オブリヴィの背後からちくわを片手にひょいとあっけらかんとした表所の顔を出し)そのアルトの妹が晩飯にちくわしか置いて行かなかったから付いて来たんだが……(部屋全体の様子を一見し首を僅かに炊げ)さっきのは冗談だ。メモリアの奴無事なのか 」

セルド「アンタは、確かメモリアの……(オヴリヴィを見て驚いたような顔をする)……………グ…ッ(カガリの話を聞き表情こそ変えないものの、湧き出るやり場のない感情に静かに拳を握りしめる) 」

真庭鳳凰「ふむ・・・・・・ニシルにそのような過去があったとは。 」

セルド「レオネ……(オブリヴィに続き、またしても驚かされたような表情に) 」

カガリ「客が多いな…まあ、好きにしていけ。 …当時私はその事件の担当を受け持っていた。当然、ノウハーン家の家庭事情も知っていた。両親亡き後は父方の祖母に引き取られ、以来祖母と二人で生活していたが、中高一貫校に通い始めるようになってからはひとりで寮生活をしていたそうだ。そのままへと高校へと進学した時、私は初めてあいつと接触を図った。(知られざる彼女の過去について、静かに語り始める) 」

オブリヴィ「あの人、いつも無茶ばかり・・・ただでさえ病院通いだっていうのに、一体何してるんですか本当・・・。(じんわりと涙ぐむ)―――。(この話、アルトの知り合いのお話かな・・・後で教える為にも、聞いておかないと。) 」

セルド「…… …… ……。 (神妙な表情をし、静かにカガリの言葉に耳を傾ける) 」

カガリ「私が当時の事件の担当を務めていたことを告げ、その上で、事件解決の為に一緒に行動するかどうかを尋ねた。予想外にもあいつはそれを了承し、高校卒業後に私の元に来ることを望んだ。どうしても、犯人に報復したいのだそうだ。しかし犯人確保の際に私の足手纏いになっては困るため、高校生活の合間を縫って、私はあいつに対し特別強化訓練を行った。2年と半年で体力と基礎的な戦闘能力を身につけることで、犯人である能力者を相手にした時に申し分なく力が振える程にまで成長した。そうして、私たちは犯人の行方を追い続け、今に至るわけだが…」

カガリ「犯人の居所が掴めたからといって、私の忠告も聞かずに一人でこの街まで乗り出し、結果…報復を前に体調を崩した。(この時、セルドが初めてニシルと出逢った日のことが思い出される)このように、『仇』の事を聞くと自我を忘れて感情的になりやすいのがあいつの欠点だ。結果的に、君たちのような関係の無い者にまで迷惑をかけることになるとも知らずにな…(呆れるような口調で言った後、また静かに一口飲む) 」

レオネ「よっ、アンタもアルトの見舞いか。ほらお土産(なに喰わぬ顔でケチャップを塗ったちくわを皿に乗せセルドの前に置く) ああすいません突然お邪魔して、私はカカシのよう突っ立ってますのでどうぞおかまいなく(苦笑し背を預け聞き耳を立てる)……(事件、調査、両親なき彼女。だいたい漠然とした内容はまぁ把握できるが…)……(腕を組み"居る"と認識できる方向を注視)仇討ち……(いつの世の中も変わらないな、残された人間の考える事は) 」

セルド「("足手纏い"―――)(兄と徴兵された紛争が脳裏を過る) ……カガリさん…その『欠点』が分かっているなら、彼女を今すぐその復讐から降ろすべきだ……!あなただって分かってるんでしょう、たったひとり残された彼女まで無駄死させる気なのか!?(感情的になり、湧きでた言葉をそのままカガリへぶつける) 見舞いっていうか、俺も一応患者様だぞ(目を伏せてレオネに)お土産はありがたく頂いておくけどな(苦笑しながら) 」

オブリヴィ「敵討ち、ですか・・・。(複雑な表情になる)しかし、それは大変ですね・・・。 」

カガリ「       グ         ン        ッ       (それまで完全に開かれることの無かった両目を勢いよく見開き、セルド、そしてそれを目の当たりにした一同を威圧した) …すべてはあいつが出した答えだ。もともと非力で何もできなかった小娘が、事件解決に全力を注がなかった政府にやり場の無い不満や怒りを抱えていたからこそ、私と共に力を付けて、己自身で『真実』を切り拓くことを決意したのだ。 」

カガリ「確かにあいつには欠点や意志の弱いところもある… だが、"過去"も、"障害"も、私すら知り得ない"闇"を、そのすべてを抱えながら、今日まで生きてきたのだ。あいつは―――――――君の知っている以上に、"強い人間"だぞ。(冷ややかな目つきで睨みながら、厳かに言い放つ) 」

レオネ「患者様の割りには偉くいきがいいな、まぁアルトよりかは頑丈そうだし心配は……(声を張り上げるセルドを横目で見やりとりしている最中にカガリの威圧がそれを遮らせる)……(しばらく腕を組み眼を伏せ押し黙り)冗談じゃなさそうだな、それを傍で支えたあんたが言うんだ……スゴ味がまるで違う 」

真庭鳳凰「(ただただ、沈黙を保ったまま話を聞く)」

セルド「…ッ(カガリの開眼に気圧される) ……彼女のことを良く知りもしないで、勝手なことを言ってしまった。…すみません。……だけど、納得はしていない。(カガリの目をしばし見た後、自身の持つ湯呑みへ視線を落とす)………もしも彼女に"何か"あったら、俺はあなたを許しません。(伏し目がちになりながら) 」

オブリヴィ「公的機関が裁きを下さないなら、自分から・・・それも、始まりは力もなかったのに、・・・すごい努力ですね。 」

カガリ「…… ……フッ…(セルドの表情…特に、目を見て、突然軽く笑みを零した)君から伝わってきたぞ、あいつに対する思いをな。…だが私の目から背けるようじゃ、やはり君"も"青い。―――相手の『目』を見ろ、そして感受しろ、その双眸に映る相手の『目』を。『目』と『目』で語り合え、それができなければ何も感じ取れはしない。  ………居るなら入れ、『ニシル』。立ち聞きなど見苦しい。(セルドたちの背後に向けて) 」

ニシル「……(カガリに言われて、不安を募らせた表情のまま一同の前に渋々と姿を露わした) 」

セルド「『目』と『目』で、語り合う―――……(カガリの言う言葉を、小声で復唱する) ガタ…(椅子を鳴らし、肩越しに振り返りニシルを姿を見る)ニシル……聞いていたのか…(ばつが悪そうに後頭部をかく) 」

真庭鳳凰「おぉ、ニシル。ホレ、そんなところで突っ立っておらず、入ってこい入って来い(いつもと変わらずニシルに) 」

ニシル「…私は――――――私は、大丈夫ですよ。カガリさんの言う通り、これは全部…私自身が決めたことですから。すべての責任を誰かに押し付けるつもりはありません。……私は…私自身で、『真実』を掴みます。(作り笑いを零してみるが、その瞳孔には底知れない闇があるように見えた)あ、鳳凰さん…(はいと小声で返事し、一同の元へ) 」

レオネ「よっ久しぶり……って覚えてないか(緊張をほぐそうと軽い笑みを浮かべ手を振る)まーそこで固まってないで入ってこいよ誰も喰わないから(けらけら) 」

オブリヴィ「ニシル―――さん。(あの人が、アルトの知り合い・・・)」

カガリ「…… ……もう夜も遅い。今晩は全員泊っていくといい。(一同にそう言うと湯飲みを台所に置き、颯爽とその場を後にした) 」

セルド「…… …… ……。 ……ああ。(ニシルの瞳の奥にある底知れぬ闇を見、一言だけそう応える。それはニシルの意志を否定しなかったが、また肯定もしていなかった。) ありがとうございます、カガリさん(その場を去るカガリを見送り)  」

ニシル「わっ、えっと… あ…!(レオネを前に少し驚いたような顔を見せるが、すぐに以前出逢った時のことを思い出し会釈する) …… …… ……あ、あの… 寝室の用意してきますね。(いつも通りの緊張した態度に戻った) 」

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2016年08月15日 19:47