moedra @Wiki内検索 / 「ジェオライル」で検索した結果

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  • ジェオライル
    夢から目覚めるように、何気なく目が覚めた。 しかし、視界に飛び込んできたのは自分の見慣れた部屋ではなく、 どこかの森の木陰だった。 首を曲げ、隣を見るとライルがこちらを見ていた。 私は、その瞬間に気づいた。また、やってしまったのだ。 「ああ、ごめん。俺、またやっちゃったの?」 ライルは、私が目覚めて意識がはっきりしていることを見定めると、冷たく視線をそむけた。 「ふむ。まただ…。 全く、人間という存在は弱くて敵わない。」 ラィルはそういって腕を組んだ。 「今回の殺られ方は派手だったぞ。 私の背中に乗ったお前は、やつの攻撃を受けて胴体から二つに千切れ折った。 私がいるから生きているようなものの、お前はどうしてそう脆いのだ。」 そっと腹部に手を当てる。 着込んでいた装甲が、腹部の辺りで引きちぎられている。 私の腹の皮膚に、つぎはぎしたようにどす黒いごつごつし...
  • SDx3氏
    ...語らい(非エロ) ジェオライル(非エロ、流血) Lunatic(♂人×♀龍人、流血、Transformation) ↓Lunatic(another failure)(非エロ、流血、Transformation) Locus of Control(♂龍×♀龍) シュピターラーのある一日。(♂竜×♀竜) ラーゲル クヴィストの雫(非エロ、流血、Transformation)
  • クシャルダオラ
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  • アニメ
    ●「レジェンズ~甦る竜王伝説~」 ┣シロン ┣グリードー ┗ランシーン ●「ドラゴンドライブ」 ┗チビ
  • ゲーム
    ●「聖剣伝説」 ┣フラミー ┣ヴァディス ┣ティアマット ┣メガロード ┗フィーグムンド ●「DRAG ON DRAGOON」 ┣アンヘル ┗レグナ ●「MONSTER HUNTER」 ┣リオレウス ┣リオレイア ┣クシャルダオラ ┗ナナ・テスカトリ ●「ポケットモンスター」 ┣リザードン ┣カイリュー ┗ルギア ●その他のゲーム ┣ヴァルバジア ┗シャオルーン
  • ヴォリー
    「ンモオオォォォオオ!」 さんさんと陽光降り注ぐ穏やかな昼下がりの牧草地で突如として上がった牛の悲鳴。 泥棒か、狼か。考えられる原因はそんなところだが、何せこんな真っ昼間である。 人にしろ獣にしろ、白昼堂々と牛を掻っ攫うような真似はしないだろう。 そういう輩は夜を待つものだ。 つまりそれは、招かれざる客がそのどちらでもないことを示唆しているに違いなかった。 芝生に身を放り投げていた農夫は牛の悲鳴にようやく重い腰を上げて、喧騒の中心に視線を投げた。 そして、仰天した。 「ド、ドラゴン…!誰か!誰か助けてくれ!」 ドラゴン。…にしては随分と小さいが、立派な翼と頑丈な四肢はまさしくドラゴンそのもの。 それが手塩にかけて育てた牛の尻にかじりついているともなれば誰だって驚く。 農夫は竜がちらつかせる鋭利な鉤爪にびくびくしながらも、 大切な家畜を放り出して逃げるわけにもいかず、...
  • シグ2
    「トードー? ねぇトードー」 暖かな冬の布団に全身を埋めて、今まさに寝入らんとする俺の頭を揺さぶる奴がいる。 「起きてる? トードー?」 揺さぶり方がだんだん大きくなってきた。これはこれで心地いいものだが、残念ながら頭を揺らしながら寝られるほど俺は呑気ではない。 夢の沼に沈みつつあった俺の意識はすんでの所で現実に引き戻された。 しかし、徹夜が明けてやっと寝床についた人間にこの仕打ちは少々酷ではないかと、俺はんんと一言、鼻で反論した。 「トードー、ちょっとマズいことになってるんだ。ちょっと着いてきてもらうよ」 耳元でささやく声が聞こえて、夢うつつのまま、俺の体は宙に持ち上がった。 アルミサッシが軽い音を立てて開き、冷たい風が頬をなでる。 「寒いぞ」 「寒いよそりゃ」 早朝の風が容赦なく眠気を剥ぎ取っていく。目が開いた。 「………」 眼下に広がるのは...
  • シャオルーン
    PS2「テイルズ オブ リバース」に登場する水の聖獣。 イルカと犬と東洋龍を足して3で割ったような外見で、所謂つるぷに龍、立派なマフラーをしている。 ヒトに強い興味を示しているようで、ゲーム中盤に登場して以降はヒトについて知る為に主人公達に同行し、移動手段として活躍する。 犬顔であるためドラゴンではないのでは?という声も。 ●専用スレ● TORのシャオルーンはケモショタ可愛い Part2 ttp //game13.2ch.net/test/read.cgi/gamechara/1168251757/
  • ♂:獣形か人形か爬虫類形か
    ♂の生殖器の形により好き嫌い或は好みの度合いがわかれます。 *獣形 実在する哺乳動物の持つ生殖器の形の事です。 ただし人間を除きます。 メジャーなものはイヌ科のモノ。 その他にネコ科やウマ科や~イルカ科のモノが挙げられます。 =ケモチン *人形 人間と同様の生殖器の形の事です。 =ヒトチン *爬虫類形 実在する爬虫類の持つ生殖器の形の事です。 二本であったりもします。 他と比べるとあまり見ません。 場合により~イルカ科のモノがこちらに含まれる事もあるようです。 その他にも少しばかり形が変わったものや独自のものも存在します。 また、生殖器はその形と機能が合成されたものも存在します。 (例として人型の生殖器で収容型である。など。) *これは曖昧な情報です。 更に詳しい事をご存知の方は情報の提供をお願いします。
  • MH小説
    リオレイア ─ 竜盤目・獣脚亜目・甲殻竜下目・飛竜上科・リオス科 この世界の全域に広く生息するワイバーンの雌。 強靭な脚と鋼にも匹敵する強固な甲殻を有し、陸の女王とも呼ばれる。 全身は美しい鱗に覆われ、生態素材としての価値は高い。 繁殖期には卵を守るために凶暴化する。 古代文明の遺跡からは飛竜種と人間が共同生活を営んでいるかのような壁画が幾つか発見されており、 学者の中には彼らの知能レベルが人間に匹敵するのではないかと唱える者もいる。 ──今まさに、その雌火竜と対峙している一人のハンターがいた。 いや、彼が獲物といったほうが正しいのかもしれない。 彼の手に握られた大型のナイフは大きく刃毀れし、 ナイフと対になって左手に握られるはずの盾は雌火竜の足元で鉄屑と化していた。 後ろは高さ数十メートルはあろうかと思われる断崖絶壁。 幸い下に広がっているのはマリンブル...
  • ♀:縦割れか横割れか
    東洋竜のような長い胴体を持つドラゴンは縦割れ。 それ以外の場合は尻尾の付け根に横割れというケースが多いようだ。 同様に雄の性器(格納型の場合)も、縦割れ横割れでそれぞれ格納されている様子。 ただ、長い胴体を持つドラゴンの横割れはあまり見ないが、やはりドラゴン好きと言えど描くのは人間のせいか、一般的なドラゴンに縦割れというケースはよくある。 イルカのように腹部がつるつるの場合は縦、いわゆる蛇腹の場合は横が多い。 (注:あくまで個人的な見かた)
  • 無題2
    深い森の中、4~5名ほどの竜が手に大きい刀を ぶら下げ歩いていた。 「おい、パディ。あとどのくらいだ?」 先頭を歩く目つきの鋭い竜が一番後ろの竜に話しかけた。 「え・・・っと、あと8マイルほどです」 パディと呼ばれた茶色い若い竜は地図を見ながら答える。 「チッ・・あと8マイルもこのクソジャングルを遠足 しなきゃなんねーのか」 先頭の竜がため息を出しながら毒づく。 「おい、ポイントマンのお前がヘマしたら全員くたばるんだ。 おしゃべりはいいからしっかり目を開いてろよ」 後ろから2番目にいたやや年のいった竜が注意を出す。 彼らは今戦場の真っ只中にいた。 竜の世界にも紛争があり、縄張り争いや種族ごとの意地のぶつかり合いが こじれると戦争状態にもなる。 今がまさにその状態だった。 大きな翼があり空を自由に飛べる竜たちは空中戦をするのだが、 いま森を歩いている彼...
  • お絵かき/お絵かき掲示板ログ/4
    某一本腕擬竜化(?) 多い焼きとか焼きこみとか遊んでみたけど失敗した。 -- 一本腕名無しさん (2006-10-21 21 47 56) アーマー装着とか好きな俺にとっては、スーパーストライクゾーン。 -- 名無し (2006-10-21 23 52 44) 腕2本あるからどっちかっていうとアストライアー? -- 名無しさん (2006-10-22 19 51 50) 名前 コメント
  • ラーゲル クヴィストの雫2
    ラーゲルクヴィストの雫 ELSE the father of dragonoid この国には、兵役がある。 しかし、一般人が戦うのは近隣諸国との武力抗争だけではなく、 人間の脅威となりえる生物の早期駆逐のほうが多い。 既に、人間同士の戦争は、コンピュータ同士が操作する 人間達自身が到底及ばないハイレベルな層に達しており、 はっきり言って、一般人上がりの人間などお荷物でしかないのである。 生物駆逐などという、劣等な仕事こそ、一般人の士気向上とコストの面で最も人間に相応しい。 それは、コンピュータの出した淡白な結果だった。 「グレン!」 後ろから声をかけられた。 振り返るとそこには、ウェル伍長が立っていた。 「命令だ。今日も害獣駆逐に行くぞ。 装備を整えたら、1300時に格納庫B3に来るように。」 「はい、了解したしました。」 ウェル総長の私び...
  • 無題n
    突然地面が消えたかのような落下感、そして俺は飛び起きた。 久しぶりに落ちる夢を見た。 部屋は真っ暗でまだ深夜のようだった。 寝なおそうと思って寝返りを打ったとたん背中に激痛が走った。 あわてて飛び起き、明かりをつける。 電灯の紐をつかんでいる腕は明らかに人間のものではなかった。 カギ爪が生えた太短い指。 ゴムのように滑らかな黄色と白のツートンの肌。 そして背中には一対の翼。 激痛の正体は寝返りを打ったときに翼の肩(?)の部分をひねったらしい。 カギ爪、ツートンカラー、翼。 こんな時どうするか。 素数だ素数を数えて(ry ~ 1分後 ~ 23まで数えたところでネタが尽きたと同時に大体の状況は把握できた。 ドラゴンになってしまったらしい。 某スレに『1000だったらドラゴンになる』とかカキコしたのがいけなかったんだろうか。 ユニットバスに移動し、そ...
  • チビ
    マンガ「ドラゴンドライブ」の主人公大空レイジの龍。 普段はしょぼい炎を吐くくらいしかできないが、戦うときになるとセンコークーラという龍に変身し、戦闘能力がとんでもなく上昇する。
  • 裏窓2
    「うわ・・・。」 吐いてきてよかったと思った。 「見事だなこりゃ・・・。」 桐生がフィアと同じことを言った。 窓から入った銃弾は、若干身を乗り出していた竜人の眼窩を見事に打ち抜き、あたりに脳漿をばら撒きながら頭蓋骨を破壊し、ビルの壁にめり込んでいた。 あまり見ないようにする。 「でしょ?初めてでこれは・・・。」 フィアが桐生に同意し、賞賛の意味を込めて俺を見やる。 俺は正直複雑な心境なわけだが・・・。 「ん?」 桐生が足元に目を落とす。 「おい・・・これってM249じゃないか?」 「へ?」 フィアが間の抜けた声で答え、俺は名前だけは聞いたことがあるその銃を近くで見ようと、桐生の傍に寄る。 見かけは通常のライフルとあまり変わりないが、弾倉部分に台形をしたマガジンが付いている。 桐生がそのマガジンをはずすと、中からベルト状に繋がった5.56mmがジャラジャラと連な...
  • コメント・連絡
    コメント・連絡用のページです。自由に使っていただいて構いませんが 不適切な内容は削除されることがあります。 以下の変更を加えさせていただきました。 ・外部リンクを別窓で開くようにした ・編集権限の変更 ・編集履歴の閲覧権限の変更 「アレコレ」や「キャラ概要」などについては誰でも編集できるようにしておきましたが、 とりあえずメンバーのみに変更しておきました。 要望があれば戻しますので・・・ まだ変更されていない小説類も変更しておきました。 -- (名無しさん) 2007-12-10 14 57 25 先ほどの更新時に忘れていたお絵かきログのほうも削除と修正、権限の変更をしておきました。 -- (名無しさん) 2007-12-10 19 08 18 失礼します。先ほど絵チャットにて4コママンガを描きました。 up1078 お題は「温泉」です。 管理者様、コー...
  • スティルカ
    スティルカがこのあたりに越してきたのは、つい1ヶ月前のことだ。 ドラゴンのDNAが入った人間がやってくるとのことで、僕の町はものすごい騒ぎになった。 正確には、人間に無い特徴を関連付けようとする試みで、 最終的な目標となっている、すべての生物の遺伝子を持ち、端麗な姿を維持した生体の創造。 歴史の生き証人を作り出すこと、そのプロジェクトの名前が「ドラゴン」らしい。 スティルカはその元で、水棲生物のいくつかのDNAを調合された者である。 スティルカは、プロジェクトの進歩した証なのだ。 本来なら、進行途中に出来上がる生物は奇怪な容貌でもかまわないのだが、 それでもスティルカ達のような途中過程の生物が、 プロジェクトの名前等しい容貌を持っているのは、 研究員の純粋な遊び心と美的センスの産物だった。 美しい、たくましい、それぞれの特異な外観を持った生物。 そんな生物たち...
  • コメントログ
    いわゆる過去ログです。 テスト一応誤字脱字の修正がしやすいようにアップロードではなく直入力で更新していってますので、修正等にご利用ください。 -- up人 (2006-05-18 13 17 20) とりあえず、乙。 -- 名無しさん (2006-05-18 20 45 20) 乙、良くなることを期待しているよん。 -- 名無し (2006-05-19 10 09 28) 乙! -- 名無しさん (2006-05-19 19 49 37) お疲れ様です。早速賑わってきている様子で喜ばしい限りです。一つ提案があるのですが、正式トップページと思われるページが15.htmlであるのが、些か不自然にも感じます。アドレスを削ったhttp //www13.atwiki.jp/moedra/にトップページを移行した方が良いのではないかと思いますが、如何でしょうか?(勿論、何らかの...
  • 忘れようとした記憶2
    Hunter-side Lioleia-side 「なぁおっちゃん、これで弓を作ってもらえるかい?」 ようやく、憧れだった念願の武器が手に入る。 僕はそんな期待感に胸を膨らませながら真っ赤に溶けた金属の熱がこもる武器工房へと駆け込むと、いつものように腕を組んでふんぞり返っているおっちゃんにやっとの思いで集めてきた素材と金を差し出した。 「何だボウズ。お前はまだハンターになりたての青二才だろう?」 だがこれまたいつものようにというべきか、僕の依頼を聞いたおっちゃんが意地悪な笑みを浮かべながら僕の頭をクシャクシャと撫で回す。 「かっこつけて弓なんぞ使っても、お前にゃあの鬱陶しい猪どもだって狩れやしないだろうよ」 「うっ・・・い、いいだろ、別に・・・」 確かに、おっちゃんの言っていることにも一理はある。 僕がこれまで細々とでも鍛えてきた片手剣を捨てて弓を使い始めよ...
  • 裏窓
    俺の部屋の窓の正面には、ボロアパートと廃墟になったオフィスビルが建っている。 俺はその隙間から見える雲が好きだった。 それはアパートのベランダの格子の隙間を縫うように現れて、向かいのオフィスビルまでゆるく蛇行しながら橋をかけている。 俺は毎日、昼夜問わずその雲を眺めて過ごした。 俺が俺のアパートの俺の部屋に入ったときから、雲の形は変わっていない。 変わる訳が無い。 俺は、本物の雲を見たことが無い。 俺が気に入っている雲は、この町を覆う壁に描かれた絵なのだ。 俺の住んでいる町には、空が無かった。 どこまでも続く壁。 それは、擬似的な地平線からまっすぐ上に伸び、恐ろしく緩やかな曲線を描いて反対側の似非(エセ)地平線へと消えていく。 壁には地面に近いところから徐々に深みを増し、人工光源周辺ではその光源により白さを得て、頸を痛くして反対側に向かうごとに地面に近い色になる見事な...
  • 味のある男
     左右を森に挟まれた道を俺は歩いていた。舗装なんてされてない砂利道だ。 道の両脇は俺の腰の高さくらいの草が生い茂っている。そこのむこうがわには森が広がっていた。 高い木々が左右にあるというのは、何とも言えない圧迫感があり落ち着かない。 「近道だからって、こっちに来るべきじゃなかったか……」  一言小さく呟いて、俺は背中のリュックを背負い直す。街に買い出しに行った帰りだった。 俺の家は結構街から離れているので、買い物に行くのも一苦労。往復に時間が掛かるので、いつもこうやって買い溜めをしているのだ。  風が吹く。周囲の木々を揺らして音を立てる。 それが不穏な響きに聞こえ、俺は思わずビクッと肩をすくめていた。 慣れない道に対する不安から、木々の動き一つでも過敏に反応してしまう。 雨が降りそうだから早く帰りたい。だからこの道を選んでみたのだが。 空はどんよりと曇っていて重...
  • レヴィタス
    違う。ぼくのキャプテンじゃない。 近づく足音の方向をちらりと見遣り、小さな竜は深いため息をついた。 途端、その腹部から赤黒い血が溢れ出す。 「レヴィタス、しっかり!」 竜を腕に抱いた青年が声を上げた。 こぼれた涙が幾度も竜の頬を叩くが、反応は薄い。 足音が止んだ。 竜はまぶたを閉じる瞬間、怒りに身を震わせる足音の主を見た。 ──ローレンス。 あなたの怒りは、ぼくのキャプテンに向けられているんですね。 でも、違うんです。キャプテンは悪くないんです。 飛行士の多くは、戦闘能力に秀でたリーガル種や、ロングウィング種の担い手を志す。 自らの人生を捧げる相手に希少価値や強さを求めるのは至極当然と言えるだろう。 この小さな竜はウィンチェスター種だった。英国ではありふれた、さして強くもない種だ。 竜に騎乗できること自体が軍人としての誉れであるとはいえ、 貧弱な竜...
  • 龍の棲む湖
    すでに辺りは薄暗くなってきていた。 山は日が暮れるのが早いというけれどまさかこんなに早いとは。 つい1時間ほど前まではまだ明るかったのに、もう5メートル先もよく見えない。 俺は真っ暗なという表現がしっくりくる森を手探りで足早に歩いた。 時々蜘蛛の巣やら小枝やらが体に当たって不快な気分になる。 だが、冷静になって考えてみれば今の俺は遭難してるんだな。はっきり言ってマズイが俺にはどうすることもできなかった。とにかく俺は元来た(と思われる)方向に向かって手探りで進んで行くしかなかったんだ。突然、バサッという音とともに視界が開けた。 空はまだほんの少し明るく、大きな湖が透き通った水を湛えていた。 「今夜はここで寝るか」 もう遭難している事などどうでもいい。 とにかく暗闇の中を歩き回って疲れた体を休める場所が俺には必要だった。 最後の力を振り絞ってテントを張り、寝袋に包まる。 ...
  • シグ1
    朝っぱらからインターホンを鳴らしまくる無礼な訪問者に、俺は心底ご機嫌斜めだった。何たって朝の4時である。 普通なら1回鳴らすだけでもはばかられるような時間なのに、こいつは毎秒2回、正確無比なリズムできっちりと鳴らしやがる。 22回目のドアベルが鳴ったときに、堪忍袋の緒が切れた。 場合によっては本気でぶん殴るつもりで、玄関のドアを開けた。チェーンを外してしまったのは、不用心だったかもしれない。 「てめぇ、今何時だと思って………」 扉を開けた瞬間、玄関に飛び込んでくる青い物体。かわす暇もなく俺は突き飛ばされてしまった。 重い。さっきの青いのが俺の上に乗っているようだ。視界がふさがって何も見えなかったが、青いのが俺の上でもぞもぞしているのだけは判った。 ドアが閉まる音、チェーンもかけられたようだ。 「……あっ」 子供っぽい声。青いのが急に軽くなった。いや、軽くなったという...
  • 裏窓5
    ――がしゃん。 目が冴える。 眠れない。 寝るまで黒とイリスの喧嘩聞かされた上に、それ聞いてたリオンは泣き出すし。 おめーらは悪くねえと怒鳴り散らす黒。 多かれ少なかれ責任感じてるときにそーゆーこと言わないで欲しい。 で、その音。 皺だらけの敷物から這いだして、テントの外を窺う。 イリスの背中。 小さく見える。 その足下に崩れたジェリ缶の山。 小声で、内容の聞き取れない悪態を連発しながら座り込む。 頭を掻き毟る。 寝られなくなる確信があったが、俺はそのまま寝床に戻った。 結局、イリスは明け方に戻ってきて、俺のすぐ横に体を投げたし、尾を俺の腰に乗せて爆睡し始めた。 寝る前に目が合い、まだ起きてたのかと言われた。 次の日俺は、朝飯の配給時間が終わるまでテントから出なかった。 黒達には起きたくないと言った。 イリスも一緒に寝ていたが、大して気になら...
  • 410氏にささげるSS
    残暑も去り程よい気温の季節がやってきた9月― ここにあるカップルが結婚式をあげに某ブライダルホテルに やってきた。 今日はこのカップルにとって最良の日になるであろう。 花婿( 410)「やっと結婚だね・・・」 花嫁「そうね、今日は忘れられない結婚式にしましょう」 そういうと410は花嫁と抱き合った。 ・・・というよりも花嫁のやわらかい腹に擦り寄った。 そうこの花嫁は人間ではなくドラゴンで、体格差も410の2~3倍の大きさだったせいで、 花嫁が首を下げないとキスもできないような状況だった。 しかし2人は熱く愛し合っていてあまり体格差のことは関係ないようだ。 ♪パパパパーン、パパパパーン! 司会「新郎新婦が入場されます。みなさま拍手でお迎えください」 いよいよ披露宴の時間となり、メイクを済ませた花嫁の手を握った410が緊張した面持ちで歩いてくる。 ドラ...
  • stray dragon
    プロローグ ヨーロッパで最初のドラゴンが発見されてから20~30年は経っただろうか。 ドラゴン本来の能力、知性と人間の科学力によっていまやドラゴンは犬や猫と 同じほど人間のパートナーとしてメジャーになった。 いや、人間と会話できる分ドラゴンのほうが人気が勝っていただろうか。 だが10年前のドラゴンペットブームも過ぎ、今は世間のドラゴン熱も落ち着いて ペットショップでも普通に猫や犬と同じに扱われていた(正確には会話ができるので他の動物より2ランクほど上の住まい、値段だが) もちろん人気のある種類(翼がある飛行タイプ、火を吐けるブレスタイプなど)は今でも人気で 普通のサラリーマンの月給ではとても届かない値段で扱われていた。 しかし、翼もなく火も吐けない特徴のないドラゴンも生まれる場合があり そういうドラゴンは値段も他と比べると安かった。 それでも養育費で...
  • 隣町2
    結局、スラグはよく泣いた。 杯戸のワイシャツに水分がしっかりと染み入り、晩飯を食いながら涙を流し、風呂場からは嗚咽が聞こえてきた。 堰を切ったように流れ出した涙はなかなか止まることをせず、杯戸はいつもよりかなり早い時間に、疲れ果てて船を漕ぎ始めたスラグを部屋に運ばなくてはならなかった。 スラグをベッドの上に寝かせ、杯戸は自室に入る。 今夜は、寝られそうになかった。 まるで起きた直後のように脳が活発だ。 もっとも、最近は寝付きが悪く、朝は辛いことが多かったが。 カルーアミルクなんぞを傾けながら、ベッド脇のノートPCに向かう。 そろそろスラグにも1台用意してやろうか、などと、うつらうつらと考えながらパッドを擦り、叩く。 溜息をつきながら、メインPCに保管してある「見られたくない類」をノートに転送する。 ・・・これから先、どの程度使うんかね・・・。 「さて、と――、」 杯...
  • 真紅の求婚者
    まるで生物が立ち入るのを頑なに拒み続けているような、峻険な岩山。 その切り立った頂に近い断崖の中腹に、ポッカリと大きな洞窟が口を開けている。 どうやってそんな洞窟ができたのかは今以って謎だったが、どうやらその中には目の眩むような大量の金銀財宝が眠っているらしかった。 遠く離れた山の頂から件の洞窟を眺めると、陽光を反射してキラキラと輝く物がいくつも積み重なっているのが見えるという。 だが山の周囲には常に強風が吹き荒れている上に気象も安定していないためヘリなどで近づくこともできず、この洞窟は魅力的な謎を孕みながらもこれまで全くと言っていいほど手付かずだったのだ。 そう、これまでは。 俺は目的地までの険しい道程を覚悟して、登山のための準備を万端に整えた。 これから登るのは、何も寒冷地域の雪山ではない。 標高はそれなりに高いが、頂上付近に薄っすらと万年雪がかかっているだけの岩...
  • 手乗りドラゴン2
    「・・・・・・」 何度も何度もここから逃げ出す算段を考えるが、そのどれもが満足のいかない結果に落ち着いてしまう。 不遜な人間への怒りを滾らせようと努力してみるが、餌を与えられたせいか、それとも満腹になったのが原因なのか、ワシは今一つこの人間を憎み切れなくなってしまっていた。 このままではいかん。こんなことが長く続けば、ワシは本当に身も心も人間如きのペットに成り下がってしまう。 それだけはなんとしても避けなくては・・・だが一体どうすれば・・・ 両手で頭を抱えて蹲りながら、答えの見えない迷宮に何度となく迷い込む。 激しいストレスに悩まされ続けている間に、ワシは満腹加減も手伝っていつしか深い眠りについていた。 グオー・・・グオー・・・ 突然、ドラゴンからおかしな声が聞こえてきた。何事かと思って反対側から覗き込むと、ドラゴンがまるで地震に驚いてテーブルの下で震えている時のよう...
  • 湖に漂う羨望 ~外伝~
    湖に漂う羨望―外伝― 「少年ドラゴンの成長」 この住処の主、「おじちゃん」と呼ばれていた古竜も旅立ち早15年、 今はその住処に仲良く若夫婦とその息子が暮らしていた。 息子は「マツリ」という名で呼ばれ大変かわいがられていたのだが・・・・。 ちょっと深いところまで来たかな・・・。 マツリはそんなことを考えながら長い眉毛を揺らし、犬のようにペタペタと4足歩行で歩いていた。 父親譲りの凛々しい顔と母親譲りのスマートな体型で14歳ながらも 一人前の竜のような毅然とした態度で深い森を歩いていた。 両親のいるきれいな湖、暖かい洞窟にいるときとはまったく違う深い森の雰囲気、 獣の気配に少し心を乱されていた。 若いマツリは好奇心から住処から離れたこの森に冒険に来たのだが、 今ではその好奇心よりもこの森を抜け出せない焦燥感が大きかった。 「ふぅ...
  • 竜と人と
    「ローレンス、ドラゴンと結婚した人間はいないのかな?」 ローレンスは音読の途中だった小難しい天文力学の本を閉じ、驚いたそぶりを隠すことなくテメレアに視線を向けた。 この唐突な質問自体が驚きに値するものだったが、 普段は自分の朗読にじっと耳を傾けているテメレアが急に話題を切り出したことに、ローレンスは面食らった。 雲ひとつない穏やかな星空の下、ランプの灯りにゆらめくテメレアの表情がどこか寂しげに見える。 「どうしてそんなことを聞くんだい?」 驚倒の表情を取り繕い、あたかも平静にローレンスが言った。 質問を質問で返されたテメレアはしばらく考え込むように目をつむっていたが、やがてそのままの状態でこう続けた。 「ずっと不思議に思ってたんだ。  ドラゴンと人間はこんなにも仲がいいのに、結ばれたって話を聞いたことがないから。  いけないことなのかな?ドラゴンと人間が結婚するのは」 ...
  • 寒風の縁
    ザクッ・・・ザクッ・・・ 膝元までかかるような深い雪の中に足を取られながら、僕は吹雪のせいでほとんどきかない視界の中に風雪の凌げそうな所を求めて真冬の雪山をさ迷い歩いていた。 いつのまにか一緒に登っていたはずの登山隊ともはぐれてしまい、どんどん胸の内に不安が広がってくる。 リュックの中に大きめの毛布は持っているものの、辺りに疎らに生えている枯れ木では体を休めることさえできないだろう。 「ああ・・・僕は今・・・遭難してるんだよな・・・」 すでに冷え切った耳は真っ赤に火照り、厚い手袋をしているはずの手の指が悴み始めている。 早く何とかしないと、このまま雪の中に埋もれて春まで発見されないなんていうことも有り得ない話じゃない。 ハァハァと真っ白な息を吐きながら枯れ木の林を抜けると、少し向こうの岩壁に大きな洞窟が見えてきた。 助かった! あそこなら、奥まで入れば吹雪にさらされること...
  • 命の契約
    薄っすらと漂う古書の匂い。 端から端までぎっしりと本の詰まった巨大な本棚の間を歩きながら、僕は特にこれといった目的も持たないままブラブラと周囲に視線を泳がせていた。 僕は今、ある無人の図書館にきていた。無人とは言っても入口と出口は完全に別々になっていて、本が無断で持ち出されたりといった不正や犯罪が起きないように一応の管理はされている。 だが本の借り出しや返却に人の手を借りる必要がないため、ひっそりとあまり他人に知られたくないような本を借りていくには最適な環境が整っているのだ。 と同時に、他の図書館ではまず置いていないような一風変わった本が置かれていることも多い。 大学へ通うために下宿暮らしをしている僕にとっては、こうして図書館で時間を潰すのが一番お金がかからずに済む娯楽なのだ。 「・・・ん?」 比較的本の傷みが激しい古書の書棚を巡っていたその時、僕は面白そうな題名の書か...
  • 隣町
    謝罪の言葉を繰り返す。 殴られた唇が切れて、血が滲む。 地面に叩きつけられた後頭部が痛む。 目じりを痙攣させながら、飼い主の竜が人間であるスラグの体を踏みつける。 息が止まる。 炭鉱の入り口、崩落防止工事のための足場の上、冷たい金属の上に押し付けられ、中での労働で使い果たした体力と体温をさらに奪われる。 スラグには絶対に理解できない竜語で呪いの咆哮を上げ、竜がスラグの首を両手で締め上げる。 喉を鳴らしながら、スラグは必死で両手をバタつかせる。 首を振る。 右手の指先が、木枠組み立てに使用する工具に触れる。 必死でそれを掴む。 12月の、寒い夜だった。 ――同日、インボリュート 「まったく、首曲げっぱなしってのも結構堪えるな・・・。」 こぼしながら、鋳車杯戸(いぐるまはいど)は帰宅後すぐにPCの電源を入れ、竜としては平均的な体格のその体を窓際のソファーに沈め...
  • Lunatic(another failure)
    月の光がもたらす狂気。 視界に伸ばしたその腕は、漆黒の鱗をまとう。 山々が赤と黄色に染まりきる紅葉の季節半ば。 道路にもその色使いの落ち葉が敷き詰められた山道。 1台の紅いステーションワゴンが軽快なエンジン音を唸らせ、 夜が更けて真っ暗な山道を登っている。 何のことは無い。 私がこんな所にいる理由はただひとつ、走ることだ。 このあたりの地方では雪が降らないし雨も少ない。 腕を上げるためには、低いグリップの元での限界走行が最も肝心だという。 しかし、この当たりには安全に走れるダート路面すらない。 そのため、私はこの季節になるといつもこの道を走っている。 数少ない雨が、道路に落ちて腐り欠けた葉に吸収されたとき、 この道路が真の姿を現す。 アスファルト特有の強い摩擦と、濡れた落ち葉独特の氷のような弱い摩擦。 一歩間違ったら吹き飛んでしまうようなス...
  • 龍根奇話
     ――朝起きたら、アレがアレになっていた。  (落ち着け俺)  息を吸って吐いて、呼吸を整えこめかみをグリグリと抉り込むように刺激する。  『痛っ!』  少々やり過ぎたが完全に目が覚めた。うん覚めたそうに違いない今度こそ。  ゴソゴソ。  ――パジャマをまさぐり、再度アレを確認。  グネッ。  『……』  イヤな感触。思い切って下着まで引き摺り下ろす。  グネグネグネグネ。  『う、う! うわぁああああああ!』  ――視線の先に確かにソレはいた。今度こそ間違いない現実。  (な、な、何?、ナニが起こったんだぁああああ?)  いや起きては、正確にはおっきしてますが何か? いや何かって俺のナニが、ナニが!  (り、りりりり、龍?になっちまった?)  朝っぱらから丸出...
  • 竜育2
    『あ、ああ……そうだよ。パパは鬼畜で変態だから、こうしたいんだよっ!』 俺は抗議を飲み込むと、上半身を起こし射精の衝動に耐えながらゆっくりとペニスを突き 上げた。コリッとした子宮口に亀頭が食い込み、秘肉がわななく。 (あううう! お、奥までいじめられてる……) 『そ、そうだ、パパは、泣いて喜ぶペトラを見るのが好きなんだ。ちゃんとイクまで許さ ないからな。そらっ!』 全く不覚にも程がある。また肝心なトコロで気を使われてしまったらしい。詫びの気持も 込めて俺は精一杯彼女を責め立てることにした。 『初めてだっていうのに、ますますエッチな顔になってきたなぁ? パパは嬉しいよ』 (ハァハァ、はぁん。パパの……変態ぃイイッ、いいよお) グチュグチュ。チュブチュブチュ。 繋ぎ目から漏れる淫猥な液音が大きくなる。ペニスを包み込む肉筒もだ...
  • サキュバス・バニードラゴン
    「マスター、水割りをもう一杯くれ」 「あいよ」 ドラゴン達が住む町の一角に、寂れたカクテルバーがあった。 一昔前までは毎晩溢れ返らんばかりのドラゴン達で賑わっていたが、次々と押し寄せる新しい時代の波に押され、今では1日に2、3人の常連が訪れるだけになっていた。 カクテルを作らせたら町一番と評判だったマスターも、近頃はかわいいバニードラゴンと2人だけで厳しい経営を切り盛りしていた。 水割りの飲み過ぎで泥酔した最後の客が店を後にすると、バニードラゴンは酒で汚れたテーブルをひとつひとつ丹念に磨いていった。 また、明日の夜までは1人の客もくることはないだろう。 マスターもグラスをキュッキュッと磨くと、それを棚にきれいに並べ始めた。 カランコロン・・・ その時、1人の客がバーに入ってきた。 酔ってはいないようで足取りはしっかりしていたが、その肌色のドラゴンはカウボーイハット...
  • 孤竜のその後
    麓までの道を知るドラゴンの協力もあって、僕はあの日奇跡的に悪天候の雪山から生還した。 恐らく僕はもう2度と冬の雪山には登らないだろう。何も危険な目に遭ったからだけではない。 僕は今、あの日会ったドラゴンとともに暮らしているからだ。 若者の1人暮らしにドラゴンという新たな住人が加わって早3日目、彼女は既に人間の生活に慣れ始めている。 だが奇妙なことに、僕達はまだ1度もお互いに名前を呼んだこともなければ名を名乗ったこともなかった。 「早く起きないとご飯冷めちゃうよ」 「ううむ・・・もう少し待ってくれぬか・・・人間の寝床がこれほど心地よいとは・・・」 外の寒さも手伝ってか、ドラゴンはいくら呼んでも僕のベッドから出てこようとはしなかった。 寝ぼけているのか目を閉じたまま羽布団を抱き抱え、それにスリスリと頬を擦りつけている。 「もう・・・起きてこないならそのまま外に放り出すよ...
  • ドラゴンレース
    数多くのドラゴン達が平和に暮らす世界。 そこには人間界と同じように山があり、川が流れ、雄大な自然が満ち溢れていた。 世界各地に点在するドラゴン達の町では毎日多くの雄ドラゴンが狩りに出かけ、妻となった雌ドラゴン達が住み処を守り、中には原始的な娯楽にひたすら興じる者達もいた。 ドラゴンレース。 月に一度、腕に・・・いや、脚に自信のあるドラゴン達が一昼夜をかけて荒野を駆け抜ける。 レースの勝者は次のレース開催まで一ヶ月の間その町の長となり、毎日他のドラゴン達から狩り出した獲物を捧げ物として贈られるという名誉を授けられた。 もちろん他のドラゴン達はレースを賭けの対象として一日中熱狂し、その結果に一喜一憂するのが通例となっていた。 「う・・・ごふっ・・・」 「大丈夫か?」 町の外れに、年老いたドラゴンの夫婦が住んでいた。 夫のドラゴンは全身真っ黒な鱗に覆われ、太い手足や尻尾...
  • 竜の呪い
    「何?姫がいないじゃと?」 城下町が感謝祭で賑わう日曜日、ミリアン王国の王バルスは、姫のお目付け役の兵から報告を受けたときも、大して驚きはしなかった。 あの御転婆娘のこと、また勝手に城を抜け出しては町の人々と一緒にワルツでも踊っているのだろう。 「よいよい、いつものことじゃ」 王は手をひらひらさせながら兵士にそういうと、兵士は困惑した表情で玉座の前から退いた。 感謝祭の日くらいは好きにさせてやろう。叱るのは後でもできる。王は内心溜息をつきながらも、傍らの小さな台に乗っていたグラスワインを呷った。 盛大な宴が続き、夕日に空が赤く染まる頃、祭りの熱気は最高潮に達していた。 誰もが酒瓶を片手に踊り、笛と太鼓の音が夜遅くまで響いていた。 そして、バルス王の最愛の娘ミーシャは、ついに帰ってこなかった。 城下町の騒ぎが収束に向かい、松明の火がひとつ、またひとつと消えて行く段にな...
  • 竜育
    (パパ……起きて起きて) 思考に直接響き渡る声。うるさい。俺は華の独身2X歳だ。ちなみに童貞歴2X年。イカン。 なんかスンごく凹む。 ユサユサ。ユサユサ。 (パパ、お腹減ったよぉ) 身体を揺するおねだり。もー傷心中なんだからほっといてくれ。なんて夢だ……。 (先にご飯食べちゃうよぉ? それっ) ずるずると何かを脱がす音。いや脱がされてるのは俺? アレ何か変だ。起きなくては。 なんか股間がスースーしてというかなんか熱い風が当たっている。ええとこれは確か。 ペロペロッ……ジュルジュル……。(ムクムク) 熱くて濡れた感触が俺の股間を舐め回すと同時にここちよい膨張感がぁああああ? 『ウクッ! クッ! 何してんだッペトラ?』 完全に目が覚めるとそこは自室のソファーの上。どうやら仕事から帰るなりそのまま眠っ てしまっ...
  • ドラグーン・キングダム
    第一章「洞窟のドラゴン3兄弟アル、ブル、チャル」 ドラゴンが住むといわれた森―― その森の中心に近い薄暗い洞窟に3頭の兄弟の竜がいた。 森に入った者がその姿をちょくちょく目撃しており、その国を治める長は その存在を大変恐れて、たびたび討伐隊を組んでドラゴンを捜索させていた。 しかし発見してもうまく逃げられたり、尻尾でなぎ倒されたりと結果は散々だった。 「人間をさらう、食われる、慰み者にされる」 などの噂も流れており国の人々も大変恐怖していた。 ただ、実際にそういう被害報告はないのだが・・・ 洞窟の奥の一室―― 「ただいま」 アルはいつもの落ち着いた声で自分たちの洞窟へ帰ってきた。 いかにも冷静な様子はスマートな外見と白い体毛によく似合っていて 3兄弟の長男という自覚を常に持った賢いオスだった。 ――しかし、洞窟に入ってその...
  • 美女と野竜
    プロローグ バン! 巨大な扉を勢いよく蹴り開ける音で、我は目を覚ました。 暗闇の中に目を凝らすと、腰に長剣を携えた気品の高い人間の若者が、数人の従者を伴って我の寝床にずかずかと踏み入ってくる所だった。 その胸元に、真っ白に輝く細かな装飾の入ったペンダントを身につけている。 「ようやく見つけたぞ!忌まわしきドラゴンめ!」 「・・・人間か・・・我に何の用だ?」 その無謀な若者は、冷たい眼で睨み返す我に向かって白刃を突き付けると大声で名乗りを上げた。 「私の名はアルタス!罪なき人々を襲う邪悪なドラゴンめ、我が父ルミナス王の命により貴様に天誅を下す!」 「愚か者めが・・・後悔することになるぞ・・・」 眠りを邪魔された怒りに我がのそりと首をもたげると、アルタスと名乗ったその若者はけたたましい雄叫びと共に剣を振り上げて飛びかかってきた。 我の頭を目掛けて、鋼鉄の剣戟が思い切...
  • エリザ
    世にドラゴンという種族が発見されてから100年。 現在では小さな子供のドラゴンは犬や猫同様に愛玩動物の仲間入りをし、多くの家庭でドラゴンの子供が飼われていた。 その上、10年もすればドラゴンは人語を操り体も人間に比べて非常に大きくなるため、そのままドラゴンと結ばれるという飼い主が少なくなかった。 ドラゴンと結ばれた一部の飼い主達はドララーと呼ばれ、正しい飼い方の浸透していないドラゴンを世に広める役目を担っていた。 いわゆる犬で言うところのブリーダーであり、彼らはドラゴンの子供達によるコンテストを開いたり、全国で講習を行ったりしてドラゴンの飼い主を増やしていたのだ。 もっとも、ドララーの多くはドラゴンとの主従関係が逆転していたのだけれども。 俺は突然降り出した雨に、朝に傘を持って家を出なかったことを激しく後悔した。 カバンを頭上に掲げて大学からの帰り道を急いでいると、電柱...
  • 手乗りドラゴン
    「おーい、そろそろ帰るぞー」 遠くから、パパが僕を呼ぶ声が聞こえた。 薄っすらと紅葉を始めた赤と黄色と緑の森が、視界一杯に広がっている。 今年もこの山に遊びにくるのは最後になるだろう。 「うん、今行くー」 真っ赤に燃えながら西に傾きかけた太陽を恨めしく思いながら、僕はパパ達の元へ向かった。 その時、ふと大きな木の根元に不思議な色の石があるのを見つけた。 白と赤の斑模様で、見事なまでに真ん丸だった。 「なんだろ?これ」 10cmくらいのその石を持ち上げてみると、大きさの割りに少し軽く感じた。 綺麗な石だし、記念に持って帰るのもいいかもしれない。 僕はその石を背中に背負っていたリュックに放り込むと、大きなキャンピングカーに飛び乗った。 「ふあぁぁぁ・・・」 遊び疲れて唐突に襲ってきた眠気に目を擦りながら、車の中で石を取り出す。 軽く叩いてみると、コンコンと石にしては...
  • 珠玉の命
    「ああ・・・今年もまたこの時期がやってきてしまった・・・」 深刻そうに悩みながら、全身を濃い紫色の毛皮に覆われたドラゴンがトボトボと森の中を歩いていた。 この時期・・・毎年春から夏にかけて、ドラゴン達はお互い気に入った相手と交尾をすることで卵を産み、子供を育てる。 数少ない雄のドラゴンを奪い合い、相手に認められたものだけが無事に卵を産むことができるのだ。 だが私は、この数十年間1度も卵を産む機会に恵まれたことはなかった。 自信がなかったのだ。交尾という未知の領域に踏み込むには、今の私にはまだ勇気が足りない。 昼を少し過ぎて太陽が空高く昇った頃、私は大きな木の根元に蹲りながら、先行きにたち込める暗雲に飲み込まれていくように暖かい日光が運んでくる睡魔に身を委ねていた。 ガサッ 突然聞こえた足音にふと顔を上げると、大きな荷物を背負った人間が私の方を見ながら固まっていた...
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