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「NIGHTMARE CITY~現実世界~ (閃峨砲翁)」(2006/03/28 (火) 13:16:57) の最新版変更点
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少年は振り返る。<br>
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彼女と一緒に逃げよう。<br>
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約束、したから・・・・・・<br>
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『必ず君を護るから・・・』<br>
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◆ ◆NIGHTMARE CITY◆ ◆<br>
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―――さぁ、早く行こう<br>
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少年は振り返る。瞳は眩しく、輝いている。そのままでは、飲み込まれそうな、純粋な光。<br>
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少女は好きだった。彼のあどけなく笑ったあの瞬間。ずっと一緒に、いたかった。<br>
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―――ありがとう・・・。けど、私は行けない<br>
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けれど、少女は悲しく告げる。自分の、真実。全て分かってしまう前に。<br>
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彼の、笑顔を失いたくない。自分のために笑ってくれた、あの笑顔を自分のせいで無くすのは・・・、嫌だった。<br>
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―――何を・・・・・・<br>
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少年は戻ろうとする。少女の傍へまた・・・。<br>
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だが、それは叶わない。少女自ら別れを告げる。少年は、少女の俯いていた理由が今分かっただろう。<br>
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―――来ないで!!<br>
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突然、少女は叫ぶ。<br>
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そして、少年が驚くよりも早く、お互いの姿は見えなくなる。<br>
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それは、少女の力で繰り出された、永遠の別れを告げる、高く、高く、只管に大きい巨大な壁によってだった。壁は左右にも広がり、少女との繋がりは一気に途絶えた。<br>
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自分たちの離れたほんの数メートルの間に出来た、巨大な壁。それは二人を引き裂くかのような、悲しい壁だった。<br>
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―――・・・・・・・・・<br>
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少年は、驚愕のあまり、声も出ない。ただ、巨大な壁のてっぺん、高く聳える壁を見上げるだけだ。<br>
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―――・・・早く、行きなさい<br>
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壁の向こうから聞こえる、少女の声。<br>
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少年には分かる。少女の声は、震えていた。それは、泣いていたからだと、連想は可能だろう。<br>
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その内容はまだ理解できない。行きたくは、ない。<br>
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しかし、別れは強制的なのだ。<br>
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―――・・・!?<br>
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地面が消えていく。今、自分の目の前にあったはずの地面がパネルのように変わり、消えて行った。<br>
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それは、少年の立つ地面までも巻き込む、予想はつく。<br>
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少年は走り出す。別れは惜しい。だが、僅かな希望にかけて、少年は走り出した。<br>
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(中断)
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