平和崩壊 ◇AKs9k5oc.4
――少年は草原の中1人倒れていた。
いや、倒れているわけではなく目を閉じ、微かな心地良さそうないびきが聞こえる。
いや、倒れているわけではなく目を閉じ、微かな心地良さそうないびきが聞こえる。
いびきだけが聞こえていたこの場に1人の謎の女が少年の前に顔を覗き込む様に見ては言うのを躊躇っている声に聞こえる。
謎の女の容姿はさらりと伸びた綺麗な長い髪。白い肌。透き通る声。
――そして白い羽根。
彼女は謎の女というよりは天使と言った様な姿であった。
名はダイダロス。だが倒れている少年はその名前を知らない。
――そして白い羽根。
彼女は謎の女というよりは天使と言った様な姿であった。
名はダイダロス。だが倒れている少年はその名前を知らない。
「私は空に……捕まっている」
やがて彼女は口を開いた。
――彼女の表情はその長い髪故に見えない。
――彼女の表情はその長い髪故に見えない。
「何回もそう言ってあなたに伝えてきたけど、あなた達……トモくんに私の娘も捕まってしまった……」
彼女は悔しそうに涙を浮かべながら細い声で呟く。
いや、小さすぎて呟いたのかすらわからない。
いや、小さすぎて呟いたのかすらわからない。
ただ音だけは響いていた。
『あなたは地上に捕まってしまった……』
――――――――――
「起きてくださいマスター」
「ん……?イカロスか」
少年は目を覚ます。
名を桜井智樹といいしがない普通の学生である。
モットーは『平和が一番』である。
だが目の前の未確認生物であるイカロスやその仲間のニンフやアストレアが現れた時くらいから若干その変は怪しくなっている。
名を桜井智樹といいしがない普通の学生である。
モットーは『平和が一番』である。
だが目の前の未確認生物であるイカロスやその仲間のニンフやアストレアが現れた時くらいから若干その変は怪しくなっている。
「あれ?お前なんか変じゃないか?」
「そうですか?」
いつもの様に無表情で答えるイカロス。
智樹はどこか根本的に違うイカロスの変化に気付かなかった。
智樹はどこか根本的に違うイカロスの変化に気付かなかった。
智樹は先程夢で見た草原とは無縁の様な無機質なコンクリートの上で寝ていてどこか違和感があった。
「あれ?布団がない」
昨日も毎日の様に使っている愛用の布団や枕がなく、それに気付くと同時に首が痛くなっていた事に気付く。
「お前また変なところに飛ばしたか?」
「いえ、気付いたら私もマスターも他の方々もここに居ました」
「は?」
そうやって周りを見ると人がたくさん居た。
その中はおかしな光景で智樹達と同い年ぐらいの高校生からコスプレの様に武装した大きな大人など十人十色の様々な人達が集まっていた。
その中はおかしな光景で智樹達と同い年ぐらいの高校生からコスプレの様に武装した大きな大人など十人十色の様々な人達が集まっていた。
「なんだこれ?お祭りをするわけでもないしな……」
そう言った瞬間お祭りの時の惨劇を思い出しお祭りではない事を心で智樹は祈った。
祈りを捧げた瞬間であった。
「!?」
辺り一面が暗くなり視界が遮られる。
そしてパッと一部分のみ明かりが付けられ、その場には神父の様な格好をした渋い長身の男が立っていた。
「私は監査役の言峰綺礼。本日から始まる人の世でのバトルロワイアルという聖杯戦争の新たな歴史を刻む」
「聖杯戦争!?」
この場のみんなはバトルロワイアルという方に驚いたが、近くに立っていた全身を黒い格好に染めた男は聞き慣れない聖杯戦争という方に驚いている。
「手にした者の願いを叶えるという聖杯。マスターが従者に命令して最終的には一組のマスターと従者のみが生き残れる。
参加者のマスターには赤の、主従には青の首輪が取り付けられているのが君達の絆の聖痕と言ったところか」
参加者のマスターには赤の、主従には青の首輪が取り付けられているのが君達の絆の聖痕と言ったところか」
智樹は首をなぞると確かに首輪がされてある。
そこで先程イカロスに抱いた違和感が解決した。
そこで先程イカロスに抱いた違和感が解決した。
「お前の首輪ッ――」
刷り込み(インプリンティング)で結ばれた智樹とイカロスの鎖の付いた首輪がふざけた青い首輪に変えられていた。
まるで智樹とイカロスの仲や思い出を裂いた様な物に智樹は感じた。
「君達は主従と共に最強を示す催しだ」
だがそんな事を言われても全く信用性がない。
ただ首輪を付けられて拉致されたくらいでと誰もが考える。
そして神父らしかぬ恐怖の一言が口に出して言われた。
ただ首輪を付けられて拉致されたくらいでと誰もが考える。
そして神父らしかぬ恐怖の一言が口に出して言われた。
「百聞は一見にしかずだ。まずは見て聞いてその身に記憶しろ」
ピピピ、と場に合わない電子音。
「お館様!」
赤い首輪から電子音が鳴っている主のおじさんに駆け寄る青い首輪の若い青年。
それにイカロスが反応した。
それにイカロスが反応した。
「マスターは将来あんな風な声になると思います」
「知るかー!」
相変わらずなイカロスの反応にシリアスな場でありながら突っ込んでいた。
そんな現実的な会話に非現実的な音が響く。
パンッ!
そんな現実的な会話に非現実的な音が響く。
パンッ!
空気が詰まった風船が破裂する様な音。
電子音が鳴っていたおじさんの首が離れた音であった。
電子音が鳴っていたおじさんの首が離れた音であった。
「見てはダメです」
イカロスは俺の前にずいと出る。
これ以上は見せない為だ。
これ以上は見せない為だ。
なんだよこれ!?
昨日までの日常って本当にあったのかよ!?
叫んでしまいそうだった。
昨日までの日常って本当にあったのかよ!?
叫んでしまいそうだった。
「おっと、ルールがあったな。もしマスターか従者のどちらかが亡くなったりしたら相方の方はこうなる」
パンッ!
電子音が流れ、また同じ様な音が鳴る。
声からしてさっき駆け寄った青年である事がわかる。
声からしてさっき駆け寄った青年である事がわかる。
「別にマスターか従者のどちらか片方が死んだからと言って聖杯を手にする資格を失うことにはならない。
さっきの場合のはただ脅しをかけただけだが、本来は新たなマスター従者と契約すれば首輪も作動せずに生き残るのも可能となっているから安心したまえ。
だが話した通り、聖杯戦争とはマスターが従者に命令をして行うものだ。
従者関係を失ったままでいる者はある程度の重荷を背負う事となる。
再契約については互いの同意さえあれば可能だから考えたまえ」
さっきの場合のはただ脅しをかけただけだが、本来は新たなマスター従者と契約すれば首輪も作動せずに生き残るのも可能となっているから安心したまえ。
だが話した通り、聖杯戦争とはマスターが従者に命令をして行うものだ。
従者関係を失ったままでいる者はある程度の重荷を背負う事となる。
再契約については互いの同意さえあれば可能だから考えたまえ」
「それから最後のルール。6時間毎に、こちらから死亡者と進入禁止エリアの情報を伝える。
これは隠れていたりして他の参加者と出くわしにくくなるための配慮だ。
禁止エリアに進入した際にも首輪は作動するからちゃんと放送を聞くのだな。
あと君たちに必要なものはデイバッグに武器やら薬やら食料をこちらから別途支給させてもらう。内容はランダムだ。支給品が足りなかったら別参加者のデイバッグでも盗むなり殺すなりで取り合ってくれたまえ」
これは隠れていたりして他の参加者と出くわしにくくなるための配慮だ。
禁止エリアに進入した際にも首輪は作動するからちゃんと放送を聞くのだな。
あと君たちに必要なものはデイバッグに武器やら薬やら食料をこちらから別途支給させてもらう。内容はランダムだ。支給品が足りなかったら別参加者のデイバッグでも盗むなり殺すなりで取り合ってくれたまえ」
それを言うと言峰綺礼は明かりと共に消え去り一言だけ残していった。
「聖杯戦争はこれより始まる。各々が自身の誇りに従い、存分に殺し合え」
無機質なコンクリートによく響く声であった。
「マスター」
イカロスは呆然とする智樹に話しかける。
「鎖がなくとも、離れ離れになろうとも、マスターが鳥籠(私のマスター)じゃなくなろうとも私は絶対にマスターを護ります」
「……あぁ」
『平和』が完全崩壊した智樹にとってイカロスは一筋の希望、生き残る誓いになるのだった。
主従ロワイアル開始
【武田信玄@戦国BASARA 死亡】
【真田幸村@戦国BASARA 死亡】
【真田幸村@戦国BASARA 死亡】
【全25組 残り50人】
【主催者 言峰綺礼@Fate/Zero】
【主催者 言峰綺礼@Fate/Zero】