幸雄「うぬぬぅ・・・いいネタが思いつかん。こりゃまたお題配布サイトを検索しまくらんといかんな・・・」
自分のひげを指でなでながら(いつものクセらしいです)考え込む大家さん兼小説家の幸雄。どうやらまたネタに行き詰った様子だ。
彼はよく気分転換に『対戦格闘ゲーム』をする。だが、よほどのゲーマーな彼はゲームのAI(の最高レベル)もらくらく倒してしまうだけでなく、並大抵のプレイヤーはひとひねりで済ませてしまう。そのため、勝ってもあまり面白くない⇒また戦う⇒すぐK.O.⇒気分が今ひとつ変わらない、の無限サイクルなのである。
そこで、幸雄はある決心をした。
幸雄「しょうがない、あまり気は進まんが、一人よりマシか・・・。」
最近3番勝負をしたが引き分けに終わっている因縁の相手、裕太もまたこの辺では屈指の頭脳を持つゲーマーである。幸雄は彼と並んで『朱雀の二強は世界の二強』と言われるほどである。
―――15分後。幸雄は裕太宅のドアの前に立って、チャイムを2回鳴らす。なぜ1回で済まさないのかというと、裕太いわく、『フレンドさんとその他のユーザーさんを見分けるためさ♪』・・・らしい。分かりやすく解説すると、『友達と一般客を区別するため』といったところか。
上の方ではなにやら遊んでいるのであろう声がする。そちらのほうにばかり気をとられていると突然、
裕太「・・・さん?大家さん?」
という声がした。幸雄はあわててその方向へ視線を向けた。
幸雄「ああ、スマン。・・・遊んでいたのか?」
裕太「ああ。小説の〆切り近くに来たってコトは、もしかして気分転換のアレだね?」
幸雄「(・・・何故コイツは小説の〆切り日を知ってるんだ?)ま、まあ、そんなところだ。どうだ、いっちょやるか?」
裕太「ああ!じゃあ、いつものでGOだよ・・・前の決着、つけさせてもらうよ!」
彼は前のことをよく覚えていたらしい。幸雄としてもきっちりと白黒つけておきたかった。
幸雄「おう、さすがに引き分けじゃあイカンからな。」
そういって、二人はさっさと家に上がっていった。
2階では、いつものメンバー(康成、弘樹、一夫)がいつものように遊んでいた。
康成「お、大家さんじゃん!久しぶりだな!」
弘樹「こんにちは~!」
一夫「こんにちは、大家さん!」
幸雄「おう、お前ら!今日はこの間の延長試合的な物をしにきたぜ!」
康成「・・・もうやらんと思ったのにな。」
弘樹「懲りてないんだね・・・。」
幸雄「って、いかにも俺が前回負けてます、みたいに言うな!」
裕太「まあ、今回は一本勝負でいくよ。時間が無いし。」
幸雄「分かってるさ。じゃあ、電源つけて、キャラ選んで・・・っと。」
お互い準備ができたところでいよいよ勝負が始まる。
『READY・・・FIGHT!!!』
開始のゴングが鳴り響く。それと同時に幸雄(のキャラ)が裕太(のキャラ)に飛び掛った。
幸雄「フッ、どうだ!」
裕太はそれを完全に見切って、よけた。
裕太「フッ、甘いね。それじゃあ、僕には勝てないよ。」
裕太はそのまま攻撃の態勢に入る。
幸雄「何っ!」
裕太「ここだッ!」
(バシィッ!)
幸雄「チッ・・・先制攻撃受けちまった。ここは冷静に・・・」
が、そうもできない応援の声。
康成「裕太、そこだ、いけぇ!」
弘樹「大家さんなんて吹っ飛ばしちゃってよ!」
一夫「(ああ、僕、どんどん空気になってく・・・。)」
30秒経過。
康成「そこだ、いけ!!!」
弘樹「ああーッ!!」
一夫「裕太さん、まだ踏ん張れます!
そのまま1分経過。残り15秒。二人のキャラの体力、残り弱攻撃1発分。
裕太「フッ、そこだね!」
幸雄「・・・残念。」
裕太「何ぃッ?!」
幸雄「カウンター、発動!」
決まった。幸雄の一発は、裕太の腹を捉えた。
吹き飛ばされた裕太は、そのまま地面に叩きつけられた。
『K.O.!」
幸雄「い・・・いょっしゃぁぁぁぁぁ!!!勝ったぞぉ!!」
裕太「・・・完敗だよ。」
康成「・・・って、お前いつからその口調になったんだ。前回のお題小説ではそんなのじゃなかtt」
裕太「あえてそこは突っ込まないでくれよ。そもそも作者が何度も口調変えてるんだから、文句はそいつに言ったらどうだい?」
幸雄「(・・・ピキッ)その作者って、俺のことかい?」
裕太「いや、別にアンタのことを言ったわけじゃないんだけどね。」
幸雄「じゃあ、お前を生んだヤツは誰だ?言ってみろ!」
少し怒り気味の幸雄が裕太の胸倉をつかむ。本当に大人げの無い男だ。
裕太「ええと・・・ましも、ゆきお・・・でも、漢字が違う方の・・・」
と、必死にごまかそうとする裕太だったが、お見通しのようだ。
幸雄「そんなのでごまかそうとするなよ!!!ええい、これは、殴ってでも分からせるしかないようだな!!」
裕太「ちょ、何でそうなるんだ!って、ちょ、うわああああああああ!!!!」
こうして、いじめられキャラ同士の『リアル対戦格闘ゲーム』、第2ROUNDが始まった・・・。
康成「・・・また始まったぞ。どうする?」
弘樹「・・・帰った方がいいんじゃない?」
一夫「・・・ですね。(あー、最後まで僕、空気なのか??)」
康成「じゃ、じゃー、さっさと帰るぞー、俺に続けぇー。(妙な小声)」
弘樹&一夫「ぉぉー。(妙な小声)」
最終更新:2010年01月22日 17:42