今日は特別な日でもないのに7人が康成の家に密集している。
・・・何故かって?その理由は、皆さんにはなくても僕らにはちゃーんとあるのです。
康成「・・・いっせーのーせ、」
裕太以外の6人「ごくでヴぁる様、(リアル)誕生日おめでとうございます!」
裕太「・・・おめでとう。」
康成「裕太・・・なんで乗り気じゃないんだ?」
裕太「・・・少し一人にしてくれないかい。」
そう、裕太はいつもコラボ作品ではやられてばかりなのだ。
それで、心の底からはごくでヴぁるさんを祝えないのである。
でも、困ったものだ。
今、高山家ではごくでヴぁるさんに向けてビデオレターによるメッセージを送ろうとリハーサル中なのだ。
―――誕生日。一年の中で一度だけの、大切な一日。
・・・あの人もせめてこの日だけは笑って過ごしたいだろう。『せめてあの人に笑顔をささげてやりたい』。そう思って開いたビデオレター撮影会。
それを、たった一人の男が、その雰囲気を台無しにしようとしていたのだ。
・・・裕太は康成たちが心配する声も聞かず、さっさと物置部屋へと入っていってしまった。
裕太「・・・くそっ、僕は絶対映らないぞ。いつも僕の扱いがひどいのに、あんなことしてられるか・・・ッ!」
彼は過去のことを思い出しながら、握り拳を作って何度も床を叩いている。よっぽと悔しかったのだろう。
裕太「くっ・・・僕がもっと強かったら・・・あんな奴・・・ッ!!」
今度は思い切り拳を握り締めて力いっぱい壁を殴った。
すると突然、康成が入ってきた。
裕太「・・・何だい?一人にしろって言ったはずだよ。」
康成「・・・・・・・・・・。」
裕太「・・・用がないんだったら帰ってくれよ。」
その言葉に、康成が渾身の平手打ちを裕太に食らわせた。
『バッチィィィィィィィン!!!』
裕太「いてっ?!!」
しばらく続いた静寂の部屋に、乾いた、大きな音が鳴り響く。
康成「これでも分からんかお前はァァァァァァッ!!!!」
裕太「くッ・・・。な、何だよ、いきなり入ってきたと思ったらこれかよ。悪いけど僕はそんな小芝居に付き合っていられるほど馬鹿じゃないんだ。」
裕太は頬を押さえながら言った。康成はそんなので立ち去れるような男ではない。
康成「うるせぇんだよ馬鹿裕太!!!!」
裕太「フッ、僕はもう馬鹿を卒業したんだよ。何か文句でもあるかい?」
しばらく間をおいて康成が大声で言った。
康成「文句?・・・大有りだよっっっ!!!!!」
それを聞いた弘樹や幸雄がとめに入ろうとするが、いとも簡単に跳ね除けられてしまう。
康成「お前・・・学校でも俺、『人を笑顔にする企画があるから俺ん家来い』って言ったこと無かったか?!そしたらお前、何て言ったか覚えてるか?!」
裕太「・・・なんだったかなぁ?」
その言葉に康成は声を荒げながら言った。
康成「・・・『お、それなら行くぞ!そういうの、嫌いじゃないからな♪』・・・だろ?!それを何だ、アイツと分かってからずっとこうだ!・・・お前はそんな人によって態度変えるような奴だったか?!!!なあ!!!!」
裕太「・・・いや、違う・・・違うんだ!!!」
裕太が必死に抵抗する。
康成「・・・何だよ。何か違う点でもあるのか!!?俺が言ったことに、何か間違いでもあったのかぁぁぁっ!!!」
横から見ていた弘樹もこのままでは危ない、と思い声をかける。
弘樹「や、康成君・・・もうやめようよ・・・もうその辺で・・・」
康成「・・・下がってろ。」
康成はこれに応じない。ただ裕太に答えを聞きたいようだ。
康成「・・・答えろ。俺が言ったことと違う点があるのか?!」
その言葉で裕太は、ようやく自分の本心を伝えることができた。
裕太「・・・悔しいんだ。悔しかったんだよ!」
そのとき、裕太の目に何か光るものが見えたのに康成が気づいた。・・・涙だ。
裕太がそのまま続ける。
裕太「・・・僕は・・・いつもアイツらに『ネタキャラ』『馬鹿キャラ』としていいように扱われてきた。俺は、正直やめてほしかった。でも、なかなかそんなこと、口に出せなくて・・・ッ!それが・・・、すごく・・・つらくて・・・悔しくて・・・ッ!」
その言葉に、康成の心が動いたようだ。
彼の目頭にも、うっすらと涙が光った。
そして、康成はゆっくりとかがみこみ、裕太の顔を覗き込んだ。
康成「・・・そうか・・・お前も、何だかんだ言って、溜め込んでたんだな・・・いろいろと。」
裕太「・・・ッ。うう・・・っ。くっ・・・」
裕太はついに、その涙をこぼしてしまった。2滴、3滴・・・それは、もはや蛇口が壊れた水道のように止まらなくなっていた。
康成は、裕太を思う存分泣かせた後、さっきとは逆のやさしい口調で言った。
康成「・・・じゃあさ、今からビデオレター撮ってさ・・・アイツらに、心の底からの笑顔を見せてやったらいいじゃんか!そんで、心の底からの、『ありがとう』だ!・・・分かったか?!」
裕太は、ようやくいつもの表情に戻ると、涙にぬれた顔で、彼が今できる精一杯の笑顔で、言った。
裕太「う、うん!」
康成「ようし、よく言った!じゃあ、涙拭いて、さあ、行こう!・・・撮影場に!」
横で見ていた弘樹や幸雄も、これにはホッと胸をなでおろした様子だった。
弘樹「ふう、よかった・・・」
幸雄「これで、7人そろってビデオレターが撮れるな!」
リビングでは、長い間ほったらかしだった朋美と歌乃が待っていた。
歌乃「あ、来ましたよ!」
朋美「あ、よかった~、このまま裕太くんが来なかったらボクたち、もう帰ってたよ~!」
裕太「・・・ゴメン!ボクはもう大丈夫さ、撮影、始めよう!」
康成&幸雄「おう!」
弘樹&朋美「うん!」
一夫&歌乃「はい!」
7人の顔に、満面の笑みがこぼれた。
皆の笑顔がひとつになった瞬間。こんなに幸せな瞬間が他にあるだろうか・・・
~完成したビデオレター~
『康成「オーッス、ごくでヴぁる!」
幸雄「今日はお前に、どうしても言いたいことがある!」
弘樹「皆・・・準備はできてるかい?」
一夫「大丈夫です!」
裕太「も、もちろんだよ!」
康成「朋美と歌乃も、いいよな?」
朋美「もちろん!」
歌乃「・・・言わなくても準備OKですよ♪」
弘樹「じゃあ、行くよ・・・」
康成「いっせーのーせ・・・」
一同「ごくでヴぁるさん、お誕生日おめでとうございます!!」
裕太「・・・いいよな?ちゃんと映ってるよな??」
康成「大丈夫だって、心配するな!」
朋美「そうだよ、せっかくの思い出なんだから、もっと盛り上がっていこうよ!」
康成「・・・お前ももう14歳か。しっかし、この一年、めちゃくちゃ早かったろ。 でもな、高校とかになったらな、もっと早くなるぜ~?ボヤボヤしてると、『あ、も う社会人だ~!!!うわー、俺は何をしてたんだぁ~・・・orz』って言うことにな るぞ?」
幸雄「まぁだ高校のうちはいいモンだよ!俺みたいに社会人になると、さらに早くな るぜ~?」
裕太「まぁ、その前に試験があるはずだから、しっかりがんばらないと僕、怒る よ?」
朋美「そのうち、カノジョとかできちゃうかもよ~??」
歌乃「わ、私みたいな人でも、ちゃんとカレシできてますし、ね♪・・・ね、康成さ ん!」
康成「お、おい、照れるじゃねぇか・・・って、お前も、顔赤いぞ?だ、大丈夫 か?」
歌乃「え、いや、その・・・」
裕太「まあまあ、そう照れるなって二人とも!・・・まあ、君ならきっといい大人に なれるよ!・・・・・・僕みたいなヤツになるなよ?」
康成「ハハッ、誰がいつお前のことを『悪いやつ』なんて言ったか?!」
裕太「ご、ごめん・・・。」
朋美「そういえば、ボクたちごくでヴぁるさんたちのこと、見たこと無いな・・・」
歌乃「あ、本当だ!・・・私達も会ってみたいなぁ・・・」
幸雄「じゃあ、今度行くか?」
歌乃「ほ、本当ですか?!うれしいですぅ~!」
朋美「でも、そんな遠いところ、どうやっていくの?」
幸雄「まあ、『その時』に分かるさ!」
朋美「えーっ?!早く教えてよ~!」
弘樹「ま、まあまあ。そろそろ時間もないし、結びの言葉に入ろうよ・・・。」
康成「そうだな。じゃあ、皆いいか?!」
康成&幸雄「おう!」
弘樹&朋美「うん!」
一夫&歌乃「はい!」
康成「・・・いっせーのーせ、」
一同「本当におめでとうございます!これからも、ずっと仲良くやっていきましょ う!!」
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テープはここで切れている。
~あとがき・反省~
なんか記念小説なのに、めちゃくちゃシリアス方向にもっていっちゃいました。すみません。
そして、ごくでヴぁるさん。お誕生日おめでとうございます!そして、こんな小説ですみません。反省してます。
最後に。
・・・これからも、仲良くいきましょう!では、アディオス!
最終更新:2010年01月23日 22:59