8月のまだ残暑が厳しい頃、いつもの6人は久々の長期旅行に胸を躍らせていた。
~10日ほど前~
幸雄「・・・というわけで、こないだもらった沖縄一週間ペア旅行券を三枚お前らにやる。・・・どうせ、海外に行ったらこんなモン使わなくなるしな。それに、ペア券じゃ俺にとってはただの紙切れ同然だしな。」
幸雄の大判振る舞いに、一同は驚いた。
康成「お、おい、本当かよ?!」
幸雄「ああ、そうだとも。」
裕太「本当に、行っていいのかい?」
幸雄「ああ、当然だ。俺がお前らに贈る、ある種のお詫びのようなものだ。」
弘樹「でも、男が2人余っちゃうよね?」
裕太「それじゃあ、余ってる僕と一夫君がペアになったらいいんじゃないかい?」
一夫「あ、それもそうですね!」
朋美「(やった~、ついにヒロクンと二人きりになれる♪)」
歌乃「(あぁ、康成さん・・・二人で、何しようかなぁ・・・海で海水浴もいいけどやっぱり・・・)」
そんなことを考えながら喜びに沸いている6人に、幸雄が告げる。
幸雄「決まりだな!えーと・・・じゃあ、準備もあるだろうから、8月の12日にまた来てくれ。分かったな?」
6人「はーい!!!」
6人は幸せに満ちた表情で元気よく返事した。
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そして、今日、出発の日。6人は、皆思い思いの荷物を背負って集合場所である幸雄の家へとやってきた。
康成「うーっし、トレーニング用のボクシンググローブに、着替え、日用品一式、タオル、ティッシュ、あとは・・・よし、全部そろってるな!」
歌乃「うわぁ、そんなに持ってきたんですかぁ~?!相変わらず、康成さんは・・・って、何持ってきてるんですかぁ~?!!!」
康成「あ゛っ!!?そ、それは、あの、その・・・(ここからは放送できません。)」
歌乃「もぉー、康成さんってば・・・いいですよ、でも沖縄に着いてからですよ?(顔を赤らめている)」
康成「おう・・・ありがと。」
弘樹「あ、朋美ちゃんのその服、すっごく可愛い!うわぁ、早く着てる姿を見たいなぁ!」
朋美「ありがとう♪これ、ボクのお気に入りの服なんだ!」
弘樹「へぇー・・・ちなみにね、僕の持ち物は・・・」
裕太「一夫君、君は何を持ってきたんだい?」
一夫「えーと、訓練用のセットと、着替えと、日用品と・・・」
裕太「(うわ、持ち物の大半がトレーニンググッズだよ・・・。)へぇー、そうなんだ・・・。」
しばし談笑している6人。そこえ、家の中から幸雄が出てきた。
幸雄「よーし、そろったな!じゃあ、早速・・・(ゴホン)お前ら、しっかり目をつむっておけよ・・・」
康成「さーて、いよいよだな・・・」
裕太「どんな旅になるんだろう・・・。」
弘樹「ようし、このチャンスに朋美ちゃんとの距離を一気に縮めるぞぉ・・・!」
一夫「・・・慌てない、慌てない。」
朋美「あっちいったらヒロクンと何しようかな・・・。」
歌乃「・・・楽しみだなぁ♪」
幸雄「じゃあ、いくぞ・・・ゴニョゴニョ・・・(呪文詠唱中)・・・はぁッ!!!」
次の瞬間、6人はまぶしい光に包まれ、その場から姿を消した。
幸雄「・・・フッ、元気でな・・・。(目には涙を浮かべている)」
そうつぶやくと、幸雄は荷物をまとめて、朱雀空港へと歩き出した。
~某国某所~
康成「(・・・さて、そろそろかな・・・。)」
康成が目を開けたそこには、今までまったく見たことのない光景が映っていた。
康成「な・・・、なんじゃここはぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!?」
ふと辺りを見回すと・・・歌乃以外の4人の姿が見当たらない。唯一そこにいる歌乃も、気絶したのかずっと目を閉じている。こちらの呼びかけにも応じない。
康成「お、おい、歌乃、大丈夫か!しっかりしろっ!!!!」
歌乃を起こそうと必死に体を揺さぶるも、まったく起きる気配がない。
そこに、10人ほどの武器を持った兵士と思われる人物が現れた。
兵士A「おい、そこの変な格好のヤツらは誰だ?」
兵士B「さあな。もしかしたら、異国、いや異界から来た反逆者だったりしてな。」
兵士C「そ、それは本当か!それなら、俺たちが命をかけて止めてやらねば!」
兵士A「・・・そうだな、じゃあ・・・そこのお前ら、覚悟だぁ!!!」
その号令とともに、兵士達は一斉に二人に襲い掛かる。
康成「な、何だぁ?!・・・って、武器?!!なぜだ?!今頃の日本人はこんなことするはずが・・・それ以前に、銃刀法違反で捕まるぞ?!」
兵士A「はぁ?日本?銃刀法違反?知らんな、そんなモン。」
兵士B「お前、寝ぼけてるんじゃねぇのか?」
兵士C「・・・消えろ!」
康成「うわ・・・もう、終わりか・・・?あぁ、歌乃・・・ゴメンな・・・。」
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康成「・・・え?俺、生きてる・・・?」
ふと目を開けると、そこには一人の兵士が立っていた。
謎の兵士「大丈夫でしたか?怪我は・・・?」
康成「・・・だ、誰だぁ?!」
謎の兵士「いえ、そこを通りかかったら、なにやらあなた方が敵襲に遭っていたもので・・・失礼をしたようならすみません。」
康成「いや、おかげで助かったぜ。」
謎の兵士「おや、見たところこの国の者ではありませんね?貴方、どこから来たのですか?」
康成「・・・日本。そんなことより、お前は俺たちを襲わないのか?それに、どこの馬の骨とも知らない奴を助けたりなんかして・・・。」
謎の兵士「いえ、困ったときはお互い様ですから。ところで、その『日本』とはどの辺りにあるのでしょう?」
康成「は・・・?んなモン、日本は日本だろ・・・。」
謎の兵士「はあ・・・聞いたことありませんね・・・もしかして、貴方は倭の国からいらしたのですか?」
康成「・・・倭?!それって、めちゃくちゃ昔の日本の呼び名じゃねぇのか?!どうして・・・まさか、ここは何処なんだ?!」
謎の兵士「ここですか?ここは、呉の国の首都『建業』を外れたところにある林ですよ。」
康成「・・・はぁ?!!!!!・・・ってことは俺、また変なところに飛ばされたって言うのかよぉぉぉ!!!」
謎の兵士「・・・ということは、前にもこのようなことがおありだったのですね。」
康成「・・・(コクリ)・・・紹介がまだだったな。俺は康成。高山 康成だ。んで、こっちが俺の・・・彼女、の歌乃だ。」
孫機「ほほう、変わったお名前ですね。私は孫機。字を快鎮と名乗ります。」
康成「・・・孫機さん、だな!よろしくな!」
孫機「こちらこそ。今からかの皇帝・孫権様のもとへ行くつもりですが、あなた方もご一緒しますか?」
康成「え・・・まぁ、ほかに道もないし、そうするぜ。」
孫機「そうですか。それなら、貴方の名前をどうにかしないと・・・そうだ!『康文』なんてどうでしょうか?!字は『静燐』。どうでしょう、いい名前でしょう?!」
康成「・・・確かに、いい名前をありがとうな。じゃあ、その孫権って人の所へ、Goだな!」
孫機「はい!」
こうして、康成たちの壮絶な戦いが幕を開けた・・・。
最終更新:2010年02月11日 20:01