仏教において迷いあるものが輪廻する6種類の迷いある世界。
輪廻は空間的事象、死後に趣く世界ではない。
心の状態として捉えられ、天道界に趣けば心の状態が天道のような状態、地獄界に趣けば心の状態が地獄のような状態であるとされる。
一部には、天狗などこの輪廻の道から外れたものを俗に外道(魔縁)という。こともあるが仏教全体の共通概念ではない。
六つの世界のうち地獄・餓鬼・畜生を三悪趣(三悪道、三悪、三途)と呼び、
これに対し修羅・人間・天道までを三善趣と呼ぶ。
四悪、五趣などごちゃっとしているがその辺は
仏教地獄にて。
初期仏教では修羅は天部に含まれており、地獄・餓鬼・畜生・人間・天道のみで五趣としていた。
ということで五趣の方が六道より古い。
大乗仏教になってから天部から修羅が派生して六道となった。
なんかまとめて五趣六道と呼ぶ。
天道
天人が住まう世界。
天人は人間よりも優れた存在とされている。
寿命はめっちゃ長く、苦しみも人間道に比べてほとんどない。
また、空を飛ぶことができ享楽のうちに生涯を過ごせる。
しかし煩悩から解き放たれていない上に仏教に出会うこともないので解脱(悟ること)も出来ない。
天人が死を迎えるときは5つの変化が現れ、これを五衰(天人五衰)と呼ぶ。
体が垢に塗れて悪臭を放ちはじめ、脇から汗が出て自分の居場所を好まなくなって頭の上の花が萎む。
人間道
人間が住まう世界。
四苦八苦に悩まされる苦しみの大きい世界であるが、苦しみが続くばかりではなく楽しみもある。
また、唯一自力で仏教に出会える世界。解脱し仏になることもできるという救いもある。
修羅道
阿修羅の住まう世界。
修羅は終始戦い争う。
苦しみや怒りが絶えないが地獄のような場所ではなく苦しみは自らに帰結する。
畜生道
牛馬など畜生の住まう世界。
ほとんど本能ばかりで生きている。
使役されなされるがままという点から、自力で仏の教えを得ることの出来ない状態の為救いの少ない世界。
餓鬼道
餓鬼の住まう世界。
餓鬼は腹が膨れた姿の鬼。
食べ物を口に入れようとすると火となり餓えと渇きに悩まされる。
他人を慮らなかったせいで餓鬼になった例がある。
旧暦7月15日の施餓鬼はこの餓鬼を救うために行われる。
地獄道
最終更新:2016年03月29日 21:03