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オーデュボンの祈り


新潮文庫
伊坂 幸太郎

★×5

初めて伊坂さんを知った本。


そして最初が最高だったという残念な本でもあります。
この本を読んで本当におもしろい!と思って
次々に伊坂本を読んでみたのですが、だんだん違和感が広がってきて
今では好きな作家に挙げることもなくなりました。
いや嫌いではないけど、読み続けるには癖がありすぎたというか。

「どう、オレいいこと言ってるでしょ?」っていう空気を勝手に感じてしまい、
「ラッシュライフ」?のような○ソ映画を見てしまい、
「屋上ミサイル」?みたいな劣化コピーを読んでしまったのもあるけど
やっぱり伊坂本体の吸引力が、オーデュボン以降衰えてるような気がします。


他の本の話はおいといて、オーデュボンの話。
内容は荒唐無稽なんだけど、とにかく夢中になれました。
何この島とかなんでカカシが喋るのとか、面白ければ別にどうでもいい。

夢中になった要因の何分の一かには
不安定さゆえに仕事がんばっちゃう静香への共感も含まれているのだろうなぁと思います。
がんばってるから誰か認めて、っていうのは割とみんな持ってる感情ではないかしら。
そういえば伊坂作品にはSEの話がたまに出てきますけど、
伊坂さんはSEやってたことがあるのかな。
それとも親しい友達か誰かがSEなんだろうか、と思うようなリアリティを感じたりします。


そういえば「この島に足りないもの」の答えと、「死神の精度」?の世界観はリンクしてますね。
伊坂さんの考えが出てて面白い本だなあ。















最終更新:2011年05月30日 18:01