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バルーン・タウンの殺人


創元推理文庫
松尾 由美

★×3

作者の印象ががらっと好転した本。

妊婦さんだけが住んでいる「バルーンタウン」で起きる事件、ていう
あらすじに引かれて手に取ったのですが
予想以上に面白くて、薦めてみた知人にも好評価でした。
★4に近い3。

で、作者名に何か見覚えが…と思って検索してみたら
以前読んだことがある「ジェンダー城の虜?」の作者さんだったのですね。

ジェンダー城はなんというか全く好みではなく
設定だけ奇抜な感があって、ドタバタなわりにスピード感はなくて
これいつ終わるの…って(悪い意味で)思いながら読んだ記憶が。
うろ覚えながらによくない印象が残ってます。

バルーンタウンは全然違って、「妊婦だけの町」っていう設定が活きてるし
「亀腹」「とがり腹」なんて知識も身につくし
ミステリとしてもなかなか面白かったのでした。
女子にも男子にも薦めたい。目からウロコです。

執筆時期によっては進化なのか退化なのか興味深いところですが
「ジェンダー城」の印象のままならもう読む気が起きなかったところを
こうやって再発見できるのは嬉しいことでした。





最終更新:2011年06月01日 09:36