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スープ・オペラ


新潮文庫
阿川 佐和子

★×4

明るい貧乏(うらやましい)の話と、さえない恋愛(現実的)の話。


なんとなく手にとって読んだ本。
スープオペラっていうのはソープオペラと掛けてるんだろうな、とか
ソープという単語から風俗を連想してしまい、どんないかがわしいものかと思っていた子供時代を思い出したりとか。
(実際は昼メロのこと)

タイトルからも表紙からも、特に期待しないで読んだ割には
すごくよかった。

まずトリガラスープがいい。
澄んだスープを作るコツとか、作ってみたくなる描写がいい。
明るいトバちゃんがいい。
貧乏たらしいのはいやだけど、こういう明るくてきっぷのいい貧乏は憧れるなあ。

そしてヘタレな若者と素敵な老人がいい。
コロッケ買って遊びに来てくれるとか、素敵すぎでしょ…
ヘタレな若者との恋愛がうまくいかないのも、現実感あふれてていいなあ。
ここでうまくいくとドラマか小説ですねってかんじだけど。
それも悪くないけど、「なんとなさ」がいい。


このトリガラスープとかのエピソードが作者の実体験じゃなくて調べて書いてるんだったら、作家っていうのはすごいものだなあと思います。
どっちかっていうと実体験であってほしい。





最終更新:2011年02月15日 13:57