訪問実行~和菓子屋の舞姫~
「おはようございます。先日連絡しておりました、「
百物語組 第一二話」の
カイムです。」
「おいでやすー。ウチが
御影 咲埜子どす。」
「
はじめまして。本日はよろしくお願いします。」
朗らかな笑顔を向け、カイムは差しだされた手を握った。
その胸元には、抱きかかえられたシキもいた。
「そちらの猫はんは?」
「シキ君といいます。彼も妖怪なのですが大怪我を負っていて、治るまで世話をしているのです。店に連れて入っても大丈夫ですか?」
「かまいませんわ。さぁ、どうぞ。」
咲埜子に従い、カイムは店に入っていった。
「アースセイバーから連絡は入っていると思いますが、最近人外が危ない状態に陥っています。」
「ええ、きいております。物騒な話ですわぁ…。」
「なめてかかってたらまずいぞ。あいつ、マジで狂ってた…。」
シキはその時のことを思い出し、身震いした。
「シキ君…。」
「それやったら、半妖のウチも気を付けなですね…。」
「はい。万が一何かあれば直ぐに連絡をくだされば。」
カイムは連絡先を書いた紙を渡した。
「おおきに。保管しておきますわ。」
「まぁ、咲埜子さんは商工会で
幹久朗さんとも知り合ってますから、相談できる方は沢山いらっしゃると思いますので。」
「よう知ってはりますなぁ。」
「同じ百物語組ですから。僕は落ちこぼれですが。」
「それでは、僕はこれで失礼します。」
笑顔を向けるカイム。トランクを抱えた手には、小さな包みに包まれたみたらし団子も持たれていた。
気を利かせた咲埜子が、お土産にと持たせてくれたのだ。
「これは家に帰ってからいただきますね。」
「おおきに。気に入っていただけると嬉しいですわ。」
咲埜子はそう言うと、カイムに抱きかかえられたシキをなでた。
「ちゃんと怪我治してな。また遊びにでも来たら、歓迎するで。」
「…ありがとな。」
「それでは、僕たちはこれで。」
カイムは一礼し、店を出た。
「主、こちらカイムです。咲埜子さんの訪問、無事に完了しました。」
『お疲れ様。シキさんは大丈夫?』
「はい。回復も順調です。このまま寺院に向かいますので、詳しい話はそこで。」
『わかった。ところで、高校への教師復帰は…?』
「あと3日ほどですね。可能であればシキ君を連れていきたいのですが、相談次第でしょう。」
『そうだね。ともかく、きをつけて。』
「ありがとうございます。」
――某日。第一二話、猫又と共に付喪神の半妖への訪問完了。
最終更新:2011年06月26日 08:20