「!?」
その時、
蒼崎 啓介は教室にいた。もうすぐ4時間目が始まろうかと言う時刻に、「それ」は突然、久々にやって来た。
「ん、どうしたケースケ?」
「い、いや、何でもない。ちょっとめまいがしただけだ」
大丈夫かよ? と声をかける真二に生返事を返しつつ、啓介は「それ」が来たらしい方向―――屋上の方に目を向けた。
(何だ、「今の」は?)
それは、今までと同じ「超感知」の感覚と似ていたが、一つだけ違う点があった。いつものそれならば、頭の奥に一瞬だけ走る印象の強い痛み、というものなのだが、今回のものは傷跡が引きつるようなものだった。
(何かがおかしい)
引き戸が開き、クラスメイト達が入って来る。火波姉妹にトキコに海海に
都シスイ、廊下を
チェシャが走り、ザルクや時差ぼけ、もとい
カケルが通り過ぎて行く。
いつものことなのに、どうしてだか、啓介は奇妙な違和感を殺し切れずにいた。いつもと同じ光景、いつもと同じ顔ぶれ。なのに、「本当にこうだったろうか」という違和感が拭えない。
(どこだ……この感覚の根源はどこだ)
違和感をより多く感じる部分、微妙に不快になるような視点を探す。
「!」
(もしや)
そう思って「そちら」に目を向けるか向けないかの瞬間、聞きなれたリズムの電子音が思考を遮った。
確証を得られなかった啓介は、放課後まで違和感に苦しむはめとなった。
「誰だ?」
「僕だ、蒼崎」
学校を出ようとした啓介に背後から話しかけて来たのは、最近さっぱり顔を見ないクラスメイト。
「……夜波か」
「ああ」
「どうした、何か用か」
「用があるから、話しかけた」
もっともな話である。
「何だ?」
「簡単だ。僕らのクラスに
火波 スザクっているだろ」
「いるも何も、ちょっとした有名人だろうが。お前も知っているはずだ」
「まあ、当然。問題はその子のことなんだけどね」
「?」
そして、詠人は。
「あの子、死ぬよ」
そんなことを、さらりと言ってのけた。
「……何?」
「狙ってる奴がいる、とだけ言っとくよ。それ以上はなしだ。こっちも義理があるんでね」
「何だと? おい、待て夜波!!」
だが、啓介の制止より早く、詠人はその場から姿を消した。
「命が惜しければ、余計な手出しはしないことだ」
それだけ、言い残して。
「どういうことだ……! 夜波、何を考えている……一体、何が起きている!? いや、何が起きたというんだ……!?」
察した者、警告する者
(その男は危機を察した)
(その男は警告を発した)
(そして)
「!」
「ランカちゃん……? どうしたの?」
「……真衣ちゃん、気をつけて。何だか、誰かに見られてるような気がする」
「ぇ……誰が……」
「マスターの言うとおりですわ。何や、うちらをどこかから見とる奴がおりますで」
(波から伝わる……敵意? 憎悪? 何なの……!?)
(彼女達は身を寄せ合った)
最終更新:2011年07月30日 04:33