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東西南北の訪問計画

「スザク、これからどうする?」
「ん~……アオイに連絡入れてないし、僕はそろそろ帰ろうと思うんだけど」

エトレクが去ってから少しして、そんなやりとりがあった。
スザクは何かに導かれるようにして家を飛び出し、そのまま時間が経ったため、アオイに何も説明していなかったのだ。

「そうか。シン・シーが再びここを襲わんとも限らん、俺はシフトを組み直してこの辺りの警戒に当たろうと思うのだが」
「異存ない。じゃランカ、またな」
「うん。……ごめんね綾ちゃん、私のせいで」

落ち込むランカの肩に手を置き、スザクは笑いかける。

「気にするなよ、ランカのせいじゃないって」
「……ありがとう、綾ちゃん」
「ん。じゃ、また明日な」

ぽん、と肩を離し、立ち去るスザク。が、

「ああ、ちょっと待った」
「?」

玄関に座っていた流也がその背に声をかけた。

「あんたは……ええと?」
天河探偵事務所霧波 流也だ。実はあんたらに、折り入って話があるんだが」



「……その、アカノミ、っていう樹に僕らを紹介したいってことか?」
「ああ。あいつが言うには、このいかせのごれの『秩序』って奴を俺達4人が担ってるらしくてな。やたら神経過敏になってやがるんだよ」
「秩序か……自分がそんな大層な存在とは思えんが」

腕を組んで唸るゲンブに、流也は「そりゃそうだろ」と肩をすくめる。

「俺だって同じだ。が、あいつはそれが真理だと思ってる。まあ、真偽を確かめる方法がこっちにない以上、論じても仕方がないんだがな」
「違いない。しかしアカノミか……奴も百物語組だったな」
「え、そうなの大さん?」
「そのはずだ。『欲望の大樹』だったか?」

ともかく、とゲンブは言う。

「俺は構わんぞ。その木には会った事がない。アースセイバーの仲間としても、一度は面通しをせねば」
「僕も異論ない。次のデートまでにはまだ日があるし」
「あ、もう次の予定があるんだ……」

感心したのか呆れたのかわからない、微妙な表情でランカが言う。

(この間トッキーちゃんと会った時、何だか凄く嬉しそうだったなぁ……)

思い出されるは、買い物をしにアズールと出かけた時、スーパーを出た所で鉢合わせた顔馴染み。
まあ、それはともかく。

「私もいいですよ」
「大丈夫か?」

気遣わしげなスザクに、ランカは笑って見せる。

「大丈夫、大丈夫」
「…………」

なおも心配そうなスザクだったが、ランカが意見を翻す気がないのを見て取り、ため息をついて流也を見る。

「……そういうことです」
「ああ、敬語はいいぜ。堅っ苦しくていけねぇよ、そういうのは」
「……わかった。じゃ、そういうことなんで、よろしく」
「馴れ馴れしくしろってことじゃねぇんだが……ま、いいや。サクヤ姉さんにも言っとく」
「サクヤ?」

聞き覚えのない名前にゲンブが首を傾げると、流也は「おっと、そうか」と説明する。

「俺の故郷にあった桜の木の化身だ。精霊ってのかな? 最近こっちに植え替えられたらしいんだが」
「ああ、アカノミと似たような存在か」
「あー……どうなのかな? 微妙に違うような気がするんだが」

何はともあれ、かくしてアカノミへの訪問が決まった。


東西南北の訪問計画

(大騒ぎから一段落)
(段取りもついた)
(後はその日を待つのみ)

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最終更新:2012年07月31日 23:03