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ノウン&アンノウン

遅れて現場に到着した二人にクランケは簡単に説明した。
「気を失ってるだけ、ですか…。」
「つまり、お前がここに来た時は既に何もなかったんじゃな?」
「ああ。ただここで、彼女が気を失っていた。」
本当の事を言えばクロウともあっているが、関係ないので伏せておく。

「命の危険があるとは思えない。が、どうにも気になることがあるんだ。」
「気になること?」
「…ここ、触れてもらえないかな。」
クランケが示した通り、ゴクオーが手首に触れる。

「脈がない…!」
「ああ。そうなんだ。」
「しかし、おかしくないですか?心音は聞こえますよ。呼吸もあるようですし」
カイムが呟く。耳の良さからなのか、遠くから見ていても聞こえるらしい。
「ただの人間でないことは確かだろう…。」

「しかし、どうするんじゃ。一般人ではなかろうが、ここで気を失っているということは何かあったはずじゃ。」
「ウスワイヤに預ければ、彼女の要望に応えられるのかは疑問ですね。」
能力者の保護がウスワイヤの仕事だが、彼女がなにをしていたのか分からない限り対応ができない。
考え込んでいると、クランケが思い切ったように切り出した。

「眼がさめるまで、うちが預かろう。」
「「えっ?」」

「うちはウスワイヤ公認の探偵事務所だ。能力者の保護もできるし、彼女の意志に可能な限り添えられるかもしれない。」
それに昔見た資料を思い出したい、という気持ちがクランケにはあった。
「星も分からず屋じゃない。部屋も空いてる。僕がなんとかしよう。」
「お願い、できるんかの?」
「勿論さ。任せておいてよ。」


連絡を受けたエトレクは走っていた。
自分の担当する区域で何かが起こったというのだ。放ってはおけない。
昼の青い空の下。冷静に考えれば姿を消せた彼は人眼に付かずに彼らの元へ向かっていた。

彼が白い姿を見つけたのは、その道中だった。
大きな鳥のような影が上を通過した。見上げると白いグライダーが横切った。
あの姿は彼も見たことがある。自分の命を救った妖怪主治医だった。
しかし、彼が注目したのはそれではない。

彼が背負っていた女性…だろうか。
元来眼の良さに自信のある彼が、彼女を見逃すはずがなかった。
そして、彼は絶句する。

「…どういうことなんだ…!?」

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最終更新:2011年08月26日 14:04