一時間後、遅れて帰って来た幹久朗が流也を起こした。
陽が傾いてきている。陽があるうちに別れなければならない。
「流也だけじゃ心配だからな。俺も一緒に送り届ける。
アカノミ、少し待っててくれよ。」
「分かった。早めに帰ってきてね?」
「それじゃあ、今日はありがとう。楽しかったよ。」
「こっちもさ。もし機会があれば、また来るよ。」
「うん!待ってるからね!」
アカノミは大きく手を振る。スザク達も手を振り返し、森へと向かった。
『…
サクヤさん、少しの間お願いしますよ。』
幹久朗は軽く振りむきながら、そう呼びかけた。
同刻、
献身者達。
「『
モブ子』って名乗る女の子…?」
私は知らないわよ?と屋上で胡間は言う。
後ろの梯子に結ばれた縄が揺れ、来間は首を振った。
「もし能力者ならアースセイバーも把握してるでしょうけど、どうしたの行き成り?」
胡間は後ろを向く。
「貴方から積極的に行動したいなんて珍しいわね。どうかしたの?」
来間は逆さまのまま頷いた。
「…以前見た未来で、その子が「弱者論」を、ね…。」
まさに来間の立場じゃないか、と胡間は思った。
「それで、共感したから話をってこと?」
そう問うと、来間は動きを止めた。
「…自分なりの考えを聞いてほしいだけね。」
来間はちらと此方を見た。
「…そうねぇ。意志疎通は私が通してやってあげる。でもまずは、その子を探さないとね。」
手掛かり皆無でなにかできるかしらといいながら、胡間はコーヒーの缶を開けた。
同刻、二人の怪盗。
「きめたよ、アリア。」
不意に、彼はそう言った。
ストラウルの廃ビルの一室。そこにいるのは二人だけ。
女の方…アリアは顔を上げ、声の主を見た。
「また何か作るつもり?」
「ああ、そうさ。いい題材を見つけたからね。」
男…パラボッカは笑う。
前回失敗に終わったのもあってか、今まで以上に燃えている。
「ただ、今回はアリア、君の力を借りなくてもいい。一緒に傍観しようか。」
「何を作る気なの?」
アリアのその質問に、待ってましたとばかりにパラボッカは答えた。
「石像さ。リアルな人間の石像を作る。今回は…失敗しないから。」
空が朱に染まる頃
同刻、典型的熱血刑事。
「あっちゃぁ、やべぇぞこれ。本格的に野宿考えなきゃいけねぇかもな…。」
最終更新:2011年09月27日 10:45