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アオギリ、ジングウを覚える

(とある研究室にて。サヨリの前に、小さな人影)

ぺた。ぺた。ぺた。ぺた…

「………」
「………?どちら様ですか?」
「…アオは、アオだよ」
「は、はあ。……ここに何か御用ですか?」
「ううん。アオ、ジングウって人、探してる。知ってる?」
「ジングウさん…ですか?ええ、知っていますけど…」
「会える?」
「え、ええ…?」

「珍しいですね。私に好んで会おうとするなんて」

「ジングウさん!」
「…あなたが、ジングウ?」
「ええ、そうです」
「ふーん…」

(ゆっくりと瞬きをして、無表情のまま相手を見つめる)

「私に何か御用でも?」
「ないよ」
「…ない?」
「うん」

  •  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ (沈黙が流れる)

「…ならば、何故ここに来たのですか?」
「ジングウを、知らないから」
「…知らないから?」
「うん。知らないから」

  •  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ (沈黙が流れる)

「…他に何かないのですか?」
「ないよ」
「……そうですか」
「うん」
「……」

(三度目の沈黙の後、アオギリが踵を返す)

「おや、どこへ?」
「アオ、お勉強の時間。帰る」
「…はあ、そうですか」
「うん。またね、ジングウ」

(手を軽く振り、ぺたぺたと足音をさせて研究室を出て行った)


アオギリ、ジングウを覚える

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最終更新:2011年11月07日 14:09