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嘘発見機。

嘘嘘嘘。この世は嘘で溢れてる。
子供の頃から何度も見てきた、嘘だらけの世界。

「…で、何故貴様はあんなことをした?」
「はぁ?だから私は何もしてないっつってんじゃん。うっぜぇなぁ。」

あぁ、また電流が走る。
これは、俺が昔から持っている能力の一つだ。

そんなことはどうでも良い。
それよりもこの金髪でピアスを付けた女、万引きをしたことで俺に取り調べされているわけだが。
鞄からブツが出てきたのにも関わらず先程から「やっていない」「誰かに入れられた」などと繰り返している。
これで何度目だ。嘘を付くのは。
一々能力を発動してしまう俺の身にもなってくれないものだろうか。
足を組み変え、溜め息一つ。

突然黙り込んだ俺に驚いたのか何なのか、目の前にいる女は俺を苛立ちの色を含む瞳で見つめてきた。
―――あぁ。
「『早く帰ってゲーセン行きたい』か。」
「――!?」
「貴様のような女にも彼氏というものがいたとはな?きっと貴様に似て頭が残念な奴なのだろう。」
「な、なんで――」
「くくっ、適当に答えておけば帰してもらえる?残念だったな、俺様はそこまで甘くはない。」
「な、な……」

ふん、先程の強気で生意気な態度は何処にいったのやら。
魚のように口をパクパクさせて青ざめている。中々良い眺めだ。
さぁー、今からは自分で吐け。それとも何だ。

「まだ、覗かれたいのか?」

俺は女に向かって冷ややかに言い放った。

――――

「あーあー、また泣かせちゃって。」
「! タイヨウさん。」
「泣き声、外まで聞こえてるぜ。」

部屋から出た俺に話しかけてきたのは、俺と同じ刑事である『日出太陽』だった。
相変わらずだな、と腕組みを解き壁から離れ此方へと歩み寄ってくる。

「相手は女の子だぜ?しかもまだ高校生の。甘くしろとは言わないがもう少ーし優しい言葉でな…。」
「何故あのような奴にそんな気を使わなければならないんです?あの女は何度も何度も『嘘』をついていた。それは決して許されることではない。俺は…嘘を許さない。」
「…お前なりの「正義」というものがあるかもしれないが、なぁ…。」
「何言っても無駄だと思いますよ。」

後ろから凛とした女の声が聞こえた。俺は敢えて振り返らずに舌打ちを一つ。
何故ならばこの声は俺がこの署で最も気に入らない人物のものに決まっているからだ。

「人の言うことなんてロクに聞きませんから。」
「うるさい、知ったような口をきくな」
「二人とも喧嘩するなって!な!」

アヤセさんが呆れたように俺とアヤメの間に割って入る。
貴様はコイツの正体を知らないからそういうことが言えるんだ。
この『アヤメ』はホウオウグループ、つまり敵だ。


…あぁ。そうだな、大きな被害が出る前にコイツの正体を言ってしまった方が良いのかもしれん。
しかし俺が上司に「アイツはホウオウグループだ」と言ったところで何になる?
この自分の能力をこの署にいる全員が知っているわけではないんだ。
黙っていればどうとでもなる能力だからな。
自分で言うのもアレなのだが、俺は周りから好かれているわけでもない、嫌われているわけでもない、ただの刑事だ。
そんな俺が言うことを周りは「そうなのか!じゃあ捕まえよう」と信じてくれると思うか?
「まさか」と笑い者にされるのがオチだ。
部下は多少なり言うことを聞くかもしれないが。

(―――それに。)

ちらと『アヤメ』を見遣る。
コイツが今後どのような行動をとるのかも気になる。
もしかするとだが、此方側にとって良い情報が掴めるかもしれん。
ふん、それまでは―――見逃しておいてやるさ。

「気持ち悪い。」
「は。」
「気持ち悪いですキジマさん。人とジロジロと見て。」
「っんだと貴様!!」
「まーまーまー!お前ら仲良くしろって!」
「そうそう!喧嘩してても何もいいことないぞ!」
「…そうですね、仲良くしましょうか。キジマさん。」

あぁ――、また電流が。
俺は思わず頭を抱えた。


嘘発見機。


(よし、仕事も一段落したし皆で飯でも食いに行くかー!)
(おぉ、いいねぇ!中華なんてどうだ?)
(私、麻婆豆腐が食べたいです。キジマさんも、ね?)
(! 俺は)
(あら、もしかして食べれないんです?)
(くっ、生意気なぁあっ…!)

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最終更新:2012年01月06日 10:57