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始ノ章_タガリショウゴ編

※今回の話はグロテスクな要素(PG-12?)を含みます。

苦手な方は純真無垢なトキコちゃんが見られるトーキングシリーズのみを
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___『ストラウル跡地』
1997年に超技術開発団体「ストラウル」の基地があった場所で壊滅により周囲が巻き込まれ廃墟地となってしまったゴーストタウンである。
未だ復旧の行われていないこの土地ではかつて、不可解なビルの倒壊、また火災による事故が相次ぎ、いかせのごれに住む誰もが気味悪がり近付かない場所である。
しかし、その人の寄り付かないところを利用し、様々な目的でここを訪れるものもしばしばいる。
 その場所では今、ある出来事が起こっていたのであった。






「ねぇねぇねぇねぇ、ちょっといいかーなぁー?」


 廃ビルの一室で、少女は目の前で自分に怯えている不良に、優しく声をかけた。
傍から見ればこの光景は不思議に思われるだろうが、彼らの周囲をみればその不可解な光景にもすぐ合点がいくだろう。
何故なら、少女と不良の周りにはその彼の仲間と思われる不良たちが、バラバラになって散らばっているからである。
その不良は当初、このゴーストタウンに無防備でやってきた少女を仲間と共に襲うつもりだった。
いつものように声をかけ、手頃な場所に連れてきたら、仲間と共に押さえつけて、あとは好き勝手する・・・はずだった。
しかし、この少女は突如、左右から押さえつけていた仲間の腕を有り得ない方向へと捻じ曲げ、その体のどこから湧いてくるのか分からない強靭な力で千切ったのだ。
彼らを呆然とさせる暇もなく、少女はすぐ近くにいた一人の胸元を貫いて心臓を握りつぶし、床で慄いている一人は腹部から真っ二つにし、更に逃げようとした一人は首根っこを掴み上げ、窓から投げ落とした。
次々と仲間を惨殺していく少女を見て、当の不良は立ち向かう勇気も、逃げる気力も残っておらず、ただその光景を見つめていた。
そして、今のような光景が出来上がったのである。


「えーっとねぇ・・・ここでさぁ、ずっと前に、サバゲー?の試合があったー、っていう話を聞いたんだけどぉ・・・キミは知らないかな?」


 少女は可愛らしく首を傾げ、不良へと問いかけた。
今生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされている彼は、答えなければ殺されると思い、サバゲーという言葉を頼りに、必死で記憶を巡らせた。
確かずっと前に不慮の事故で死んだ友人が、サバイバルゲームの練習試合に参加しないかと誘われ、この場所へ共に来た記憶がある。
その時対決したチームは「幻鉄歯車」という学生の集団で、調子に乗っている奴等に大人のルールを教えてやると、実弾で勝負し、抵抗出来ないあいつらを殺した。
彼らを殺した後は祝杯のようにビールを飲んでいたのだが、自分だけはパシリ役に任命され、近くのコンビニまで買い物に行っていた。
それが幸か不幸か、元の場所に戻れば、学生達だけでなく、仲間の死体がそこに広がっていたのだった。
原因はまったく分からず、自分は恐怖して逃げ帰ってきたのだが、死体は弾で撃ち抜かれていたような気がする。
まさかこいつはそのチームにいた誰かの彼女で、復讐しにきたのだろうか、そうだ、違いない!
不良はそう勝手に結論付けると、少女の前で土下座し、命乞いをした。


「わ、悪かった!俺があいつを止めていればあんなことにならなかったんだ!!すまねぇ!!だ、だから命だけは、命だけ、っぎゃああああああ!!?」


 命乞いをする彼の脇腹を、少女の足が踏み潰した。
片腹の肉は飛び散り、想像を絶する激痛が彼を襲うが、彼女は頭を抑え、うんざりとした様子で首を振るだけであった。


「ちーがーくーてー、私は知ってるか、知らないかを聞いたんだよ?キミがどうしたなんて、ぶっちゃけ興味無いし。」
「あ、がぁああ!!ぅああぁぁあああ!!?」
「あと五月蝿い。」


 そう言うと、少女は彼の腹部から流れ出しているモノへと蹴りを入れた。
もはや声にならない悲鳴を不良が上げ、床でのた打ち回る。
しかし、少女は相変わらず、無関心な様子を示すだけで、傍らにいる彼など助けようともしない。
しばらくして、不良が声を上げることが出来ないほど衰弱していると、再び少女は彼へと問いかけた。


「とりあえず、知ってるってことは分かったから次の質問ね!えーっとねぇ、タガリショウゴ、っていう人知ってる?」
「・・・・・・」


 不良は、痛みで拡散させられた朧げな意識の中で、必死に思い出そうとしていた。
確か、死体の手荷物を物色している際に、学生証のようなものを見た気がした。
それに書かれていたのは、『いかせのごれ高等学校 第三学年 汰狩省吾』___
そうだ、あいつだ、奴等のチームでリーダーをやっていた奴。あのリーダーの名前が、汰狩省吾!
不良は幾分か意識が回復すると、衰弱しきった力を振り絞り、頭を縦に振った。
すると少女は嬉しそうな顔をして、顔を近づけた。


「ホント!?じゃあ、その人がどこにいるか知ってる!?」
「っ・・・いかせのごれ、・・・高校・・・だ・・・!」
「え、高校?うそー、結構近くにいたんだ・・・。でも、分かったし、ありがとうね!」


 少女は信じられなさそうな様子だったが、嬉しそうな表情を浮かべていた。
そして、床に転がる不良へと感謝の言葉を述べると、立ち上がり彼から離れたのであった。
 よかった、これで帰れる・・・!少女のその態度に、彼は希望を見出した。
身体は移動さえままならない悲惨な状態であるものの、最期の力を振り絞り、震えた声で彼女に尋ねた。


「じ、じゃあ・・・見逃して・・・」
「じゃあ、手っ取り早く楽にしてあげるねー。」
「え?」


 戸惑う不良の顔を少女が鷲掴みすると、文字通り、その手で握り潰した。
顔の半分を握り潰された彼の顔は、まるでトマトのように血を噴出させ、悲鳴を上げることも出来ずに、そのまま床へと崩れ落ちた。
残虐非道な殺し方をしたにも関わらず、少女___トキコはさも楽しそうに笑っていた。


「っふふ、あはは、っあはははは!!きったなぁーい!ほんっとに汚いなぁこのくず!!」


 ケタケタと笑いながら、足元に転がる死体を踏み付ける。
先程喋っていた不良の亡骸を、容赦なく、残忍に、雑多に扱う。
何度も何度も踏み付けられていく度に死体は醜い音を立て、細かくされていく。
ぶちぶち、と嫌な音を立てながら、ミンチへと変わっていく。
それでもトキコは、ベッドの上で跳ねて遊ぶ子供のように、その死体を嬲っていく。
もはや形状も分からなくなると、やっと足を止めたのであった。


「飽きた。次からこうやって殺すのやーめよう、汚いし。」


 トキコは死体から離れると、自分の履いている靴を脱いだ。
真っ赤に染まった靴を適当に投げ捨てると、買い物袋から私服一式を取り出し、それに着替え始めた。
血に塗れたシャツ、スカートを投げながら、彼女は呟いた。


「同じ高校に通う学生さんかぁ・・・誰かに聞けば分かるかな?『昔、チンピラを撃ち殺したタガリショウゴさん知りませんかー?』って。」


シュルシュル、シュルシュル・・・


「あ、でも何もかも正直に言っちゃ駄目、ってアイが言ってたっけ?」


シュルシュル、シュルシュル・・・


「オブラートに包んだ言い方・・・うーん、普通に『タガリショウゴさん知りませんか?』」


パチンッ


「面白くないけど、まぁいっか。早く見てみたいなぁ、その人!」


 黒の私服へと着替え終わっても尚、楽しそうにトキコは笑い、鞄を持って部屋を出た。
しかし、あ、と呟き、すぐ先程の部屋へと戻ると、ある物を取り出した。
彼女が取り出したのは小さな四角形の薄い箱、中には先端に火薬のついた木の棒が何本も入っている。


「あぁ、死体はかそーしないとね。」


 トキコはニコニコ、と笑いながらマッチに火をつけると、箱に着火し、部屋の中へと放り投げた。
この後部屋がどうなるか、トキコはそんなことを少しも考えずにその場を後にしたのであった。





『次のニュースです。今日未明、未だ復旧作業の行われていないビル跡地で火災が起きました。
幸い、火は一室で収まり、付近の住民には被害が及びませんでした。警察は事故と見て調査を行い・・・』





始ノ章_タガリショウゴ編





作者 登場人物
しらにゅい トキコ汰狩省吾

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最終更新:2013年06月12日 22:08