「青行燈とは、百物語の会に現れるとされる妖怪である…。」
高校の図書館に来た
カイムは、妖怪関連の本を読めるだけ読みあさっていた。
先程のミナの助言を受けてである。百物語の後に現れる妖怪は「青行燈」とされているという話を聞いたからだ。
既に現れているのであれば、違う方法を考えなければならない。
既に図書館に籠って2時間が経っている。幸い仕事は今日入っていないため、ゆっくり調べることができる。
「黒く長い髪と角を持ち、歯を黒く塗った白い着物の鬼女、か…。」
性別まで指定されてるとなるとなぁ、と彼は頭を掻く。
そもそも例の計画で、彼は全く同じ話をそのまま持ってくるつもりはない。
最近の怪奇話は典型化しているが、全く同じ話を持ってくる者はいない。
だから「出来る限り彼に近づけつつも、全く違う話」という、無理難題をこなすつもりなのだ。
話は一から作る。無論一人では無理なので協力を呼び掛けたい。
が。
「『青行燈』がこの場合どう扱われるか、次第ですかね…。」
春美の能力「百物語」は不確定要素が多い。
第九八話が消えたことで話数がずれるのか否か。
ミナの言うとおり「巡物語」としてとらえられるのか。
そして、青行燈は本当に居るのか。
書物では彼女を恐れ怪談を99話でやめたと書かれており、具体的な記録が残っていない。
「…こうも不確定要素が多いとなると、
ハルミさんもよく提案しましたね…。」
カイムは小さくため息をつくが、実際彼女が提案しなければ誰も何も動かなかっただろう。
色んな可能性を考え、動くことを考えよう。
彼は本を閉じ、簡単に整頓して図書館を出た。
話を作るのは自分がしようかとおもったが、やることができた。
この役目は他の人に任せ、自分は別のことをしようと思い立ったのだ。
別のこと。それは当面ひとつ。
「青行燈を探し出す」ことである。
青い光を求め
(この広いいかせのごれから一人の妖怪を探し出す)
(それは砂漠から一粒の金を見つけるようなもの)
(無茶に近くてもやるしかない)
(計画を成功させるためにも)
学校から出てすぐ。
見たことがある背が見えた気がして、思わず追いかけてしまった。
最終更新:2012年08月06日 14:23