まるで、血のようだと思った
ゆらめく炎は、生命あるもの全てを焼き尽くす地獄の業火
笑うことしか出来ないこの現状に、わたしは乾いて張り付いた喉を震わせた
『…馬鹿だなぁ』
抗わなければ死ななくてもよかったのになぁ、とじっと骸を見つめた。
手に握った大鎌に付着した血を地面へと払う
首と胴体は離ればなれに、一面は炎と同じ色をした血液の海が広がっていた
白無垢を思わせるような衣服に着いた返り血は、彼岸花のような形を型どって、背筋も凍りつくような美しさを演出していた
『…まだいたの?』
『…く…っ』
『傷だらけ。痛そうだね』
長く青い髪の毛をなびかせて、うめく少年に近寄る
表情はない
硝煙が立ち込め、地面は割れている
そこには、血と、死体と、二人しかいない
『嫌だ…死にたく…ない…』
ヒュ、と、風を切る音がした
そのすぐ後に、ゴトリと何かが転がる音
それは少年の首であった
『…ひとをころすのはわたしのしごとだから』
空をあおぐ。真っ黒い空
この色こそがわたしの知る空
『また、汚しちゃったな』
ホウオウさまに、叱られてしまう
ぎゅっと鎌を持つ手を強く握りしめてわたしは小さく跳躍した
胸元から覗く、引きつれた皮膚は、産み落とされたその時に焼き付けられたもの
所有物の証――…
じり、とにじり寄る気配
あれ?まだいたのかしら
振り向くとそこには、帽子をかぶった切れ長瞳を持つ少年が、じっとこちらをみていた
『あなたは…だれ?』
ここから、わたしの物語は大きく加速していく
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最終更新:2013年06月14日 21:43