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大妖怪の孫の尾行

「………」

昼下がりの教室にて。
2年2組の女子生徒、悠里 ミミ
彼女はある理由から「人間が見えない」体質であり、普段は目が不自由な振りをしている。
だが今日は違った。

(アレって…スザクさん、だよね? 声からして…)

姿は見えずとも声は聞こえるので、知り合いや友人の識別は何とか出来る。
だが今は、姿までもが見えていた。
正確には火波 スザクの姿だけが。

(聞いた話じゃあ、スザクさんの髪は赤だった筈だけど…あの色はどう見ても山吹色だし…)
<どうしたんだい? 悠里 ミミ>
「はひっ!?」

突如聞こえた声に、ミミは思わず素っ頓狂な声を上げて驚いた。

「は、灰音さん…びっくりさせないでよー」
<ははっ、そっちが勝手に驚いただけだろう?>
「もう~…」

笑みを崩さず、灰音の髪を弄る神江裏 灰音

<それにしても、今日の火波 スザクはいつもと違うねえ>
「灰音さんも分かるの?」
<おや? 見えない君もかい?>
「だ、だって話し方がいつもと違うもん」
<まあ、確かにね>

内心でホッとするミミ。
すると灰音が気付いたように声を上げた。

<おや、火波姉妹が教室から出て行くね。都シスイ朱鷺子も>
「えっ? どこに行くんだろ…」
<…ついていけば分かると思うよ?>
「へ?」
<時には好奇心に従うのも、アリだと思うね>
「……灰音さんは?」
<お断りするよ。火波 アオイを怒らせたくないし、それに…ふふっ>
「?」

灰音の意味深な含み笑いに、ミミは疑問を感じたが、彼女はその先を言おうとしなかった。

<とにかくお行き。まあ何があっても神江裏 灰音は知らないけどね>
「………」

無言で彼女を見つめるミミだったが、やがて立ち上がって教室から出ていった。

<これで大妖怪の孫は”理解者”を得れるか否か……流石に傍観者には未来は分からないがね>


大妖怪の孫の尾行


―その頃のウスワイヤ―

「獏也さーん、大丈夫っすかー?」
「今は何とか…な」
「あまり無理しちゃ駄目っすよ? 辛くなったら構わず休むっす」
「うむ、すまない」
「獏也ー」
「朱弘梨。どうした?」
「水無瀬一族の頭領さんが来てるぞ」
「頭領が…?」

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最終更新:2012年08月21日 23:15