※本編や他小説とは一切関係が無いifストーリーです
GW三日目。
先日から始まったこの黄金週間は早くも三日目を迎え、
明後日からは四連休で学生なら休みはどう過ごそうかなー、なんて心を馳せていることだろう。
…でも、まさかGW三日目で校庭が爆破されるなんて、誰も予想していなかったよね?
「随分派手にやったな。」
「そうだねぇー」
いかせのごれ高校に来ると、校庭の前には「立ち入り禁止」の黄色いテープがたくさん貼られていた。
中では警察がゲンバケンショーをしているようで、あちこち忙しなく動き回っていた。
私とリオ君は野次馬に紛れながら、その様子を眺めていたのであった。
「"テスト"の事を考えれば、被害者は大勢いるだろうな…」
「ほとんど2年1組だったよねー、生きてるかな?」
頭に浮かんだのはあの救世主サマ。
その破滅していく姿を想像したら思わず笑ってしまったけど、
リオ君がそれを呆れた眼で見て、そしてため息を付かれてしまった。
「…
ケイイチは、多分来てないだろ。」
「えぇ、なんで?」
「ケイイチの監視任務についている
エドワードから聞いた、
HRで聞かされた『職員会議』が気になってるようでバツと遭遇する前に一度学校に来てた、って。
それに、その『職員会議』の最中に
トモコ先生が携帯を持って廊下に出て行ったって話を
アザミ……リンドウから聞いたが、
もしかしたらケイイチは警戒して探ってんのかもしれないな。」
あと、とリオ君が続けて何かを言い掛けたけど、それを遮るかのように男女の声が耳に飛び込んできた。
視線を向ければ、背の高いカウボーイ風の女の人と青い帽子を被った褐色の男の人がやってきた。
あれはアースセイバーの
チャドと、ケイイチのクローンの
KEAだ。
また、KEAから少し離れたところには彼に声をかけようとしているマナちゃんの姿が見えた。
…呼ばれなかった人も、いたようだね。
「アイツらどうあってもアニキを巻き込むつもりですだぜ!!!!」
「でかい声出すなよ…」
チャドはやや興奮した状態で中へ飛び込もうとしたけど、それをKEAが制止した。
まぁ、アースセイバーから見ればあんまりいい気分じゃないよねこの光景。
校庭はニュースで言っている通り、地下に埋め込まれた爆弾が爆発したかのように地面が盛り上がって山になってたり、
また地面に亀裂が走っている。
…遠くからじゃ分からないけど恐らく"テスト"に不合格した人達がゴロゴロ転がっているのだろう、
きっと生きていないだろうけど。
「下手に暴れるなよ、トキコ。」
失礼な、私だっていい時と悪い時ぐらいの区別は付けてるよ!
むすーと不機嫌そうな顔を見せたけど、リオ君は特に気にしない様子で言葉を続けた。
「…そういや、ニュースじゃ
コヨリが行方不明扱いになってたが、そうなると破壊された可能性が高いと考えられるな。」
「嘘、破壊された?」
「なんで目輝かせてんだよ。」
「えへへ。」
そりゃ、コヨリがもしかしたら死んじゃったって事を考えれば残念だけど、
それよりもそう簡単には壊れない彼女が壊されてしまったっていうのが本当なら、
それぐらい強い人がここにいたという事になる。
ワクワクするじゃん!
「……お前だけだろ。」
そんな心のうちの声を見透かしてか、リオ君がぽつりとそう呟いた。
いやいや、だって中には運良くアナボライザーになった人だっているかもしれないよ?どんなのになるか楽しみじゃん。
どんなアナボライザーかなぁ、なんて想像し始めたけども、ふと先程から疑問になっている事をリオ君に問いかけた。
「…そういえば、さっき言い掛けたのって?」
「ん?ああ、そうだった。さっきロゼからメールで、
セキがケイイチ達と交戦したが
バラトストラは破壊されてしまった、って連絡が入ったんだ。
で、あいつらと接触した時間帯が、コヨリが校庭にいた時間帯と重なっていた。
…つまり、ケイイチはコヨリとは接触していない。
コヨリがケイイチに破壊された可能性は、薄いだろ。」
「けど、破壊されたのは確実でしょ?
…んー、じゃあ、もしかしたら呼び出した中にアースセイバーが紛れ込んでいたかも。」
「それも考えられるけど、な…」
そう言って、リオ君は再び、校庭へと目を移そうとしたけど…
「KEA―!!!!!見てきてくれだぜー!!!!」
チャドの大きな声が聞こえたと思ったら、KEAは投げ飛ばされて、けたたましい音を立てて瓦礫の山を打ち砕いていた。
「「………」」
「君達何やってるんだ!!!!」
警官の一人がそう怒声を上げていた。…うん、お疲れさまです。
リオ君も私も呆気に取られていたけど、ハッ、として、私はリオ君に声をかけた。
「ま、まぁ、アースセイバーがいたら、もっと被害は小さかっただろうし、トモコ先生だって行方不明に……ん?」
…そういえば、ニュースはコヨリの他にもトモコ先生も行方不明扱いだったよね?
「ね、リオ君。トモコ先生も行方不明だったよね?」
「?あぁ、ニュースじゃそうなってたな。」
「多分、
ホウオウグループの…
サイナが何かしたんだろうけど、何でだろ?
別にトモコ先生は生かしておいたって問題ないだろうし、サイナは無駄な行動はしないだろうし…」
「だったら、考えられるのはひとつだろ?」
「…トモコ先生は、見てはいけないものを見てしまった。」
かな、と首を傾げて返答すれば、リオ君は頷いた。
サイナにとって「計画の害に成り得る対象」と認識されたんだ、トモコ先生。…ご愁傷様。
いずれ2組も対象になるだろうし、ウララ先生も消されなきゃいいけどなぁ。
「…いや、無いか。ウララ先生、ぽあっとしてるし。」
「?」
「あ、ううん、こっちの話。」
これは鳥さんや一角君と戦う日も近いかなぁ、なんて考えながら、現場から野次馬へと目を移した。
さっきよりも人が集まってきて、見知った顔もちらほらと見え始めてきた。
その中にやーさんこと、蒼井聖も見えた。
視線が、合った。
いや、視線が合った、じゃなくて、やーさんは初めからこっち見てたんだ。
「………」
図に上がるなよ、鳳凰の狂信者共。
そんな事を言いたそうな、眼。
「……リオ君、そろそろ離れよっか。」
「…そうだな、悟られるとまずい。」
私達は野次馬の中から抜け出して、いかせのごれ高校から離れたのであった。
急転直下
(そういえばリオ君、ユーイちゃんも2年1組だけど…)
(ああ、ユウイなら心配いらない。宿題手伝うから絶対に外出るなよって言っといた。)
(わあ。)
最終更新:2013年05月02日 21:09