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タガリショウゴの発症

汰狩省吾の発症」

   日曜。俺は「跡地」にいた。BB弾が当たっても大丈夫なように、
  長袖のシャツとズボンを着ていた。エアガンのサバゲーの練習試合
  だったが、「跡地」は市街地戦の舞台としてとても理想的な場所だった。
  6人の仲間も、迷彩服ではなかった。ただ、ポーチを着けて、必要なもの
  をしまっていた。俺はトレードマークのモデルガンをベルトに挟み、
  銃の調整をしていた。
  すると、ボックス・カーがやってきた。黒塗りのものだった。
  妙な悪寒と不信感を抱きながら、ボックス・カーに近づくと、
  金髪のチンピラ風の男が顔を出した。
  「お前らが今日の対戦相手か?幻鉄歯車って言ったっけ?
  まぁよろしくなぁ」
  へらへらと言うと、ボックス・カーから降りてきた。
  「こっちは移動中に準備してあるけど、もうすぐに始めてもいいのかぁ?」
  8人くらいぞろぞろと、車からチンピラが降りて来る。
  薄気味悪いような、挑戦的なような、そんな眼をしている。
  「いいっすよ、坂下商会さん」
  俺はマナーの悪いこのグループに、少し苛立ちを覚えながら睨んだ。
  「おうおう、そう怖い顔しなさんなよ。」

「タガリショウゴの発症Ⅱ」
  試合開始のホイッスルが鳴った。と同時に、前進を開始する俺達のチーム。
  角を曲がると、もう敵とはち合わせし、撃ち合いが始まった。
      阿鼻叫喚の、恐怖の殺戮だった。
  一発目の銃声がした後、俺の後ろにいた奴が倒れて、血をばら撒きなら
  俺に覆いかぶさって来た。続けて2、3発の音がして、振り向くと次々に
  血が溜まり、死体の山が築かれていった。
  敵チームはへらへらと笑いながら実銃の引き金を引いていく。
  こちらのエアガンでは相手にならない。
  「なにしやがr」
  と叫んだ瞬間に胸にドンという衝撃が来て、
  意識が遠のいていった。

 「タガリショウゴの発症Ⅲ」 
  7人の死体。跡地には、血の跡が生々しく残っていた。
  チンピラどもは缶ビールを飲みながら、へらへらと笑い合っていた。

  __どくん__
  __どくん__どくん__

  血がとまり、銃創が埋まり、省吾は立ち上がった。
  モデルガンを二丁持つと、鉛色に光る眼で照準を合わせ、
  辺りの空気を圧縮し弾を作り、引き金を引いた。
  足もとに着弾した空気の塊は敵チームを空の旅行へと旅立たせた。
  空気の塊が直撃した奴は、コンクリートに埋まるほど吹き飛ばされた。
  「この野郎生きてやg」
  掴みかかってきた金髪を、一気にコンクリートに投げると、省吾は鼻先で銃を撃った。
  敵チームの実銃は、すべて省吾の弾によってばらばらにされた。

「タガリショウゴの発症Ⅳ」  
   今はまだわからない。この力が、どうして使えるようになったのか。
  しかし。
  いつかこの力を役に立てられる時が来るのかもしれない。
  そしてそれは、遠くない未来なのかもしれない。
  事実、(ウソかホントか怪しいが)2年の一部で不思議な力の話や、
  危険な組織の話をしていたのを聞いてしまった。
  あのケイイチという奴、いったいどういう奴なのだろう。
  そう考えながら、今日も部活後の道場で、柔道着姿のまま、トレーニングに
  精を出すのであった。



作者 登場人物
サイコロ 汰狩省吾

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最終更新:2011年04月23日 23:38