学校でお誘い
由衣は、同じクラスのフウコに話しかけていた。
そんなに頻繁に話しかける人でもないが、できるだけ多くの人を店長提案の旅行に誘いたいのだ。
「よう、フウコw」
「ん?ああ、由衣ちゃんか。珍しいね、話しかけてくるなんて。」
「いいだろ、たまには?w」
「まぁねw」
話さなかった分へんな隔たりもない仲だ。由衣も不良を抜けてる(仮)ので、問題はない。
「な、今度の連休あいてるか?」
「連休?あいてるよ?」
「うちのバイト先の店長がさ、今度旅行を企画してくれてるんだよ。だから、できるだけ多くの人を誘いたくってさ。」
「いいの、私が行っても?」
「ああ!できるだけ多くの人を連れてこいって言われてるからな。なんなら、友達も連れてこいよw」
「じゃ、じゃあ
ネイロとユウムもいいかな?」
「勿論だぜ!」
よし、とりあえず3人、と由衣はほっと息を吐いた。
特にネイロが来てくれるのなら、奏が変に緊張せずに済む。
「さて、
ユズキ、お前は強制参加な。」
「こっちは段階全部すっとばすのかよ。」
「面白い絵の題材見つかるかもしれないぜ?」
「分かった。行く。」
即答だった。
正直、こんなに人と面と向かって話したことがなかった。
基本的に要求があれば直ぐに手が出ていた由衣だ。
こんなにも人と話すことが、緊張するとは思えなかった。
旅行の時は、もっと多くの人が来るのだろう。
聞いた話、あの女浪人も来るらしい。
それと、隣のクラスの引きこもりも誘うらしいのだ。
「…コミュニケーションちゃんと取れんのかな、私ってば…。」
くしゃくしゃと頭をかきまわしながら、廊下に出た。
「ん?どうしたの、由衣ちゃん?頭痛い?」
「…ああ、玉置先生ですか。」
保健室からたまたま顔を出したのは、
玉置静流養護教諭。ウスワイヤ所属の能力者であることは、店長から聞かされていた。
面識があるということは、おそらく今回の旅行についてもきいているはずだ。
「先生は、旅行の件きいてるんですよね?」
「うん。昨日電話がかかってきてね。氏型さんの付き添いでついていってくれないかって言われてね。」
ということは、先生もついてくるのだ。
「でも、旅行の間マサムネとかどうするんですか?」
「ペット兼用のホテル探してくれるらしいからね。問題ないよ。」
ああそう、といいたかったが言ってしまえば殺されそうなのでそこはこらえた。
「あ、ならついでにののかも誘ってみたらどうですか?」
「ののかさん?ああ、それはいいですね!氏型さんとも仲良くしてくれそうですし!」
「じゃあ、そういう風に提案しておいてください!たくさんいた方が盛り上がりますし!」
「そうするよ。」
じゃあ、また休日に!と別れを告げ、由衣は足取り軽く教室に向かった。
人がこんなに集まるんだ。自分も人づきあいがよくなるかもしれない、と期待していた。
そしてまた、奏も楽しめるといいなと考えるところは、流石妹思いであった。
最終更新:2011年03月07日 21:34