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*希望号1号機 #contents(fromhere=true) >[[ホープ>http://www22.atwiki.jp/naniwaarms/pages/94.html]]より継承:[[ハイクオリティボーナス対象(+1)>http://blog.tendice.jp/200705/article_3.html]] 感覚+1 名称:  ・希望号1号機(RB) 一般性能要求  耳が東原希望を思わせるデザインになったRBで、旧式の士翼号の重装備改良型として作られた。武装は絶対物理防壁と剣鈴、魚雷のみである。 評価:  ・体格11.39(評価6)・筋力11.39(評価6)・耐久力11.39(評価6)・外見17.09(評価7)・敏捷17.09(評価7)・器用1.50(評価1)・感覚1.50(評価1)・知識1.00(評価0)・幸運17.09(評価7)・対空戦闘11.39(評価6) 特殊:  希望号1号機は全距離戦闘行為ができる。  希望号1号機は全領域戦闘行為ができる。  希望号1号機は量産不可能であり、常時一機しか存在しない。  希望号1号機は白兵戦闘行為ができ、この時、白兵戦闘の攻撃、防御判定は必ず成功する。ただし、この時に破壊できるのは常に1機だけである。(部隊まとめて攻撃できない)  パイロット1人(能力評価は2倍)を必要とする。  兵員20人分として数える。  アタックランク10として数える。 →次のアイドレス:  ・知恵者の改設計(イベント) ---- L:希望号1号機={  t:名称=希望号1号機(乗り物)  t:評価=体格12,筋力12,耐久力12,外見13,敏捷13,器用7,感覚7,知識6,幸運13,対空戦闘12  t:特殊={   *希望号1号機の乗り物カテゴリ = RBとして扱う。   *希望号1号機は全距離戦闘行為ができる。   *希望号1号機は全領域戦闘行為ができる。   *希望号1号機は量産不可能であり、常時一機しか存在しない。   *希望号1号機は白兵戦闘行為ができ、この時、白兵戦闘の攻撃、防御判定は必ず成功する。ただし、この時に破壊できるのは常に1機だけである。(部隊まとめて攻撃できない)   *パイロット1人(能力評価は2倍)を必要とする。   *兵員20人分として数える。   *アタックランク10として数える。  } →次のアイドレス:・知恵者の改設計(イベント) } ***イラスト設定 #ref(061.jpg)(絵:イズナ) &blankimg(062.jpg,height=75%,width=75%) (絵:イズナ)(※クリックで原寸大表示されます) &blankimg(063.jpg,height=75%,width=75%) (絵:イズナ)(※クリックで原寸大表示されます) ***文章設定 &bold(){邂逅~希望号発見~} 時はガンパレード・ブルーと呼ばれる広島での一大作戦が終結してしばらく後のことである。 波ひとつ立たない穏やかな海。 その上空には雲ひとつ無い青空が広大に広がり、風に乗って渡り鳥がゆっくりと滑空している。 羽根を休めるのに適した漂流物を見つけた渡り鳥が高度を落とし、朝日を受けて輝く海面に徐々に近づく。 それとともに海面の反射光で影となっていた漂流物のシルエットが大きくなっていく。 やがてハッキリと見えたそれは、救命用のフロートを展開し、海面に漂う希望号であった。 どことなくリボンを連想させる輪っか状の耳に渡り鳥が止まる。 激しく損傷した希望号は救難信号を発しながら、ただただ静かに海面に漂い続けていた。 /*/ 一方、広島からニューワールドに帰還した後、帰還部隊を解散し、チャータした民間船螺旋丸でナニワアームズ商藩国への帰路につくナニワ一行。 「いやー、それにしても広島戦は色んな意味で度肝を抜かれたねぃ。」 「ソウソウ特ニ最後ノオチハ”漢”トシカイイヨウガナイデス。」 「うう、あのときの事は思い出させないで下さいよ~。」 と猫屋敷兄猫・ホードー・守上藤丸がのんびりと雑談しながら、穏やかな海と朝日をなんとはなしに眺めている。 「あ、渡り鳥だ」 「気持ち良さそうに飛んでますね。」 なんとなく、渡り鳥を目で追う守上藤丸たち。 「うん?海になんか浮かんで無いか?」 「あ、本当だ。」 「オヤ?アレハヒョットシテ。」 「「「希望号!?」」」 /*/ こうしてナニワアームズ商藩国は希望号とそれに搭乗していたエノラ嬢に邂逅し、藩国に招く事になった。 &bold(){沈黙の希望号~エノラ嬢救出譚を聞いた整備士及びパイロットの反応~} 【エノラ嬢の証言】 「ええ、あのときは流石にもう駄目だと思ったわ。」 トラブルに巻き込まれ、破壊された隔壁の穴から船外に押し流された時の事を語るエノラ嬢。 「でも気が遠のく中で確かに見たのよ。海の底から浮上してくる希望号を!!」 次に気が付いたときには希望号のコクピット内であり、その後は一人で海洋を漂流していたらしい。 【藩国民の反応】 エノラ嬢によると過去にも無人の希望号が溺れかかった人を助けた事例があるらしく、 その話を聞いた藩国民の間では希望号には意志があるのではないかという噂が流れ、一時騒然となった。 しかし我が藩国に到着して以降、無人の希望号が動いたという事例は報告されておらず、この噂も自然と鳴りを潜める事となった。 ただ今でもパイロットが希望号に乗る時には機体制御用ボールズに一声かけて乗るといった習慣が残っており、 格納庫では整備士が希望号を労わる様に丁寧に整備を行っている光景をよく目にする事ができる。 &bold(){深青を切り裂く白い軌跡~希望号性能試験の風景~} 深く、無限の奥行きと広さを感じさせる深青の空間を切り裂くように白い軌跡が素晴らしい速度で伸びて行く。 海中に設置された水中カメラからの深海での希望号とそのウォータージェットが生み出す白い水蒸気の泡の軌跡の映像に思わず釘付けになるオペレートセンター内のスタッフ一同。 一瞬静寂に包まれていたオペレートセンターに鳴り響くパイロットからのコール音に我に返ったオペレータが音声スイッチを入れる。 パイロット「こちら希望号、現時点では機体に異常は見られない。そちらのモニタリングではどうだ?」 オペレーター「あ、はい。こちらも異常なし、全装置正常値で安定しています。続いて第二段階、限界性能試験に移行して下さい。」 パイロット「ロガー。これより限界性能試験に移行する。」 その応答と同時に映像の希望号が広げた不可視の盾である絶対物理防壁によって周辺の海流の流れに大きな変化が現れた、と同時に希望号の速度がさらに跳ね上がる。 シールドダッシュでスピードに乗った希望号がバレルロール、インメルマン旋回、シールドダイブ、垂直旋回と次々に複雑なマニューバで深青のキャンパスに複雑な白い軌跡を描いていく。 二つに分かれる軌跡、暫くして一方が急旋回し、他方に接近、爆発。 訓練用の魚雷を切り裂いた事で発生した爆発に伴う大量の泡を掻き分けるように剣鈴を輝かせながら飛び出す希望号。 オペレータセンターで湧き上がる歓声。 その試験の様子を満足気に眺めるサターン藩王と整備スタッフ。 藩王「うーん、素晴らしい。とてもあの希望号がつい先日まではボロボロに半壊したとは思えない仕上がりだ。短期間での作業ご苦労さん。」 名整備士「勿論、うちのスタッフはスペシャリスト揃いですからね。尤もそれだけが原因ではないのですが。」 藩王「というと?」 名整備士「重装備である事が幸いして、装甲部分こそ酷い損傷で全体的なオーバーホールが必要でしたが、絶対物理防壁生成装置や機体制御系を始めとした中枢部分が殆ど損害を受けていなかった事も大きいんですよ。」 藩王「なるほど。」 深青の空間を切り裂く白い軌跡を眺めながら相槌を打つ藩王。 /*/ 追記:性能試験の結果を受け、ナニワアームズ商藩国で希望号の量産計画が実行に移される事となる。 #ref(064.jpg)(絵:イズナ)水中模擬戦をカメラ撮影 機体性能(スペック)詳細 【概要】 ラウンドバックラー(RB) 元々宇宙での戦闘に使用されていた約9mの小型人型機動兵器である”人形”を海中での戦闘を目的として絶対物理防壁(シールド)発生装置とハイドロジェットを搭載して開発された人型機動兵器。 その名の由来となった絶対物理防壁(シールド)を形成する事による水抵抗の大幅な減少と背中の反物質ジェットでの推進で得られる高い機動力が特徴。 進路を変更させる際には可変式の絶対物理防壁を傾けることで抵抗率を変化させる事で機動力を確保したままでの方向転換を行う。 人型である為、絶対物理防壁の可変とそれに対する機体の表面積の変更(ポーズとる事で面積を柔軟に変更できる)が容易に行え、前述した方向転換が効率良く行える。 主武装は絶対物理防壁を封入した白兵武器(剣鈴)と絶対物理防壁を発生させた状態での突撃(シールド突撃)、副武装は脚部のハードポイントに装備された小型魚雷である。 制御機構としてBALLSを1~2機搭載する。 希望号1号機 本機は”人形”が開発された当初から存在する旧式の士翼号の重装備改良型として開発されたラウンドバックラー(RB)である。 大半のラウンドバックラーが一般に無人であるのに対して本機は現在では非常に珍しい有人機であり、オールマニュアル操作の機体となっている。 これは元となった士翼号からの流れによるものであると思われる。 (以上、希望号に残存していたライブラリからの転載) 【量産化計画】 操縦には独自の技術が要求されるとは言え、予想をはるかに上回る性能を叩き出した希望号の性能試験の結果を受けてナニワアームズ商藩国では希望号量産化計画が実行に移される事となった。 まず量産化にあたり最初に課題となったのは、制御機構として使用されているボールズである。 ブラックボックス的な部分が多く、解析や量産の際に莫大な開発期間とコストがかかる事が懸念された為である。 そこで我が藩国の技術スタッフの検討の結果、制御機構としてのボールズを撤廃し、機体制御には既存のI=Dの技術を流用して不足分をコパイロットによって補う方式が採用され、大幅なコスト削減に成功した。 次に課題となったのが、ニューワールド移住以降、我が藩国では長らく失われていた技術である絶対物理防壁である。 これには絶対物理防壁生成装置が殆ど無傷の状態で希望号に搭載されている事が判明して以降、連日の夜を徹した解析作業を行っていた技術者スタッフの尽力と藩国奥深くに残っていた流星号・星詠号の技術資料によって見事に技術を復活させる事に成功した。 これらにより、量産化計画は大きく前進する事になる。 (以上、とある技術スタッフの手記より抜粋) 【各種機能・装備】 ○絶対物理防壁 ラウンドバックラー(RB)の名の由来ともなった主要機能の1つ。 あらゆる物理影響を遮断する薄さ1nmの膜を形成する。 絶対物理防壁は物理的な攻撃を遮断するシールド、攻撃対象に直接接触させる事による対象を破壊する武器、水抵抗などの物理的な影響を極端に減少させる事による機動力の獲得とラウンドバックラーの特徴となる3つの側面を併せ持つ、非常に強力な機能である。 反面、絶対物理防壁が光学・電波・磁場・重力・音波系センスを遮断する為、勘と先読みで敵の位置を予測する必要があり、RBの操作には名パイロットやホープといった専門の訓練を受けた者が必要となる。 ○剣鈴 絶対物理防壁を白兵武器として作動させる為の延長装備で腕に装着する。 理論上、ほぼあらゆる物質を次元ごと切除でき、切れ味は抜群。 シールド突撃よりも射程範囲は狭いものの、展開する絶対物理防壁の面積が少ないので燃費が良く、また小回りが利く為、接近戦で威力を発揮する。 &blankimg(090.jpg,height=75%,width=75%) (絵:イズナ)(※クリックで原寸大表示されます) ○シールド突撃 絶対物理防壁を大きく展開させ、高速機動を活かしてそのまま機体ごと攻撃対象に突撃するRBの代表的な攻撃手段。 その威力は凄まじく、直撃すればシールドシップや大型船舶も一撃で沈める程の破壊力を秘める。 その為、火星での戦いではRBや機雷を用いて旗艦にRBを接近させない事が定石となっている程である。 (希望号に残存していたライブラリから抜粋) ○魚雷 携帯型の小型魚雷で、主に脚部のハードポイントに装備されている。 威力は剣鈴やシールド突撃に比べれば低いものの、追尾能力と射程距離の点ではこれらを凌駕し、直撃すれば小型船舶やRBには十分な致命傷を与える事が可能である。 高速で移動するRB相手では速度の面ではるかに劣る為、不要ではないかとの声も挙がったが、実戦訓練を続けているうちに直接当てなくても一定時間の空間に存在するだけで相手を圧迫し航路を制限できる事が判明し、有用性を認められ制式装備として採用された。 魚雷には寿命が短く、威力と移動力に優れ、アクティブ誘導で追尾する短魚雷と寿命が長く、パッシブ誘導で追尾する長距離魚雷の2種類が作成された。 ○雪上、砂上用スキー エノラ嬢から聞いた雪原でのRB運用の話を参考に作成されたオプションパーツ。 限定的ではあるが、水中&水上以外での運用を可能とするが、スキーに増設された推進装置の燃費が悪く、水中&水上以外の活動にはコスト面で大きな制限を受けてしまう事が課題となっている。 &html(<a href="index.html"><img border="0" src="http://www22.atwiki.jp/naniwaarms?cmd=upload&act=open&pageid=105&file=068a.jpg" width="690" height="300" onMouseOver="this.src='http://www22.atwiki.jp/naniwaarms?cmd=upload&act=open&pageid=105&file=068b.jpg'" onMouseOut="this.src='http://www22.atwiki.jp/naniwaarms?cmd=upload&act=open&pageid=105&file=068a.jpg'"></a>)(絵:イズナ)※オンマウスで画像が変わります #ref(069.jpg)(絵:イズナ) (文:蘭堂 風光)
*希望号1号機 #contents(fromhere=true) >[[ホープ>http://www22.atwiki.jp/naniwaarms/pages/94.html]]より継承1世代目:[[ハイクオリティボーナス対象(+1)>http://blog.tendice.jp/200705/article_3.html]] 感覚+1 >[[ハイクオリティボーナス対象(+1)>http://blog.tendice.jp/200804/article_33.html]] 敏捷+1 #新記述 L:RB・希望号1号機の開発 = {  t:名称 = RB・希望号1号機の開発(イベント)  t:要点 = 一般性能要求{ 耳が東原希望を思わせるデザインになったRBで、旧式の士翼号の重装備改良型として作られた。武装は絶対物理防壁と剣鈴、魚雷のみである。 }  t:周辺環境 = なし  t:評価 = なし  t:特殊 = {   *RB・希望号1号機の開発のイベントカテゴリ = ,,,藩国イベント。   *RB・希望号1号機の開発の位置づけ = ,,,生産イベント。   *RB・希望号1号機の開発の内容 = ,,,このイベントを取得した国は、その国用の希望号1号機(RB)の作成を行うことができる。作成したものにあわせてアイドレスが作成、公布される。  }  t:→次のアイドレス = 知恵者の改設計(イベント) } L:希望号1号機 = {  t:名称 = 希望号1号機(乗り物)  t:要点 = なし  t:周辺環境 = なし  t:評価 = 体格12,筋力12,耐久力12,外見13,敏捷13,器用7,感覚7,知識6,幸運13,対空戦闘12  t:特殊 = {   *希望号1号機の乗り物カテゴリ = ,,,RB。   *希望号1号機のイベント時食料消費 = ,,,(戦闘イベント参加時)食料-8万t。   *希望号1号機のイベント時資源消費 = ,,,(戦闘イベント参加時)資源-5万t。   *希望号1号機の生産制限 = ,,,生産制限(量産不可能であり、常時一機しか存在しない)。   *希望号1号機の必要パイロット数 = ,,,パイロット1名。   *希望号1号機の搭乗資格 = ,,,搭乗可能(RB)。   *希望号1号機の人機数 = ,,,20人機。   *希望号1号機のアタックランク = ,,,AR10。   *希望号1号機のパイロット能力補正 = ,,,パイロットの能力評価、2倍。   *希望号1号機の白兵距離戦闘行為補正 = 白兵距離戦闘行為,,条件発動,(1対1においての白兵距離での){攻撃,防御}、自動成功。   *希望号1号機の全距離戦闘行為 = 全距離戦闘行為,,条件発動,なし。   *希望号1号機の全領域戦闘行為 = 全領域戦闘行為,,条件発動,なし。   *希望号1号機の対空戦闘行為 = 全領域戦闘行為,,条件発動,なし。  }  t:→次のアイドレス = 知恵者の改設計(イベント) } #旧記述 一般性能要求  耳が東原希望を思わせるデザインになったRBで、旧式の士翼号の重装備改良型として作られた。武装は絶対物理防壁と剣鈴、魚雷のみである。 L:希望号1号機 = {  t:名称 = 希望号1号機(乗り物)  t:評価 = 体格12,筋力12,耐久力12,外見13,敏捷13,器用7,感覚7,知識6,幸運13,対空戦闘12  t:特殊 = {   *希望号1号機の乗り物カテゴリ = RBとして扱う。   *希望号1号機は全距離戦闘行為ができる。   *希望号1号機は全領域戦闘行為ができる。   *希望号1号機は量産不可能であり、常時一機しか存在しない。   *希望号1号機は白兵戦闘行為ができ、この時、白兵戦闘の攻撃、防御判定は必ず成功する。ただし、この時に破壊できるのは常に1機だけである。(部隊まとめて攻撃できない)   *希望号1号機はパイロット1人(能力評価は2倍)を必要とする。   *希望号1号機の人機数 = 20人機として扱う。   *希望号1号機のアタックランク = ARは10として扱う。  }  t:→次のアイドレス = 知恵者の改設計(イベント) } ***イラスト設定 #ref(061.jpg)(絵:イズナ) &blankimg(062.jpg,height=375,width=615) (絵:イズナ)(※クリックで原寸大表示されます) &blankimg(063.jpg,height=532,width=540) (絵:イズナ)(※クリックで原寸大表示されます) ***文章設定 &bold(){邂逅~希望号発見~} 時はガンパレード・ブルーと呼ばれる広島での一大作戦が終結してしばらく後のことである。 波ひとつ立たない穏やかな海。 その上空には雲ひとつ無い青空が広大に広がり、風に乗って渡り鳥がゆっくりと滑空している。 羽根を休めるのに適した漂流物を見つけた渡り鳥が高度を落とし、朝日を受けて輝く海面に徐々に近づく。 それとともに海面の反射光で影となっていた漂流物のシルエットが大きくなっていく。 やがてハッキリと見えたそれは、救命用のフロートを展開し、海面に漂う希望号であった。 どことなくリボンを連想させる輪っか状の耳に渡り鳥が止まる。 激しく損傷した希望号は救難信号を発しながら、ただただ静かに海面に漂い続けていた。 /*/ 一方、広島からニューワールドに帰還した後、帰還部隊を解散し、チャータした民間船螺旋丸でナニワアームズ商藩国への帰路につくナニワ一行。 「いやー、それにしても広島戦は色んな意味で度肝を抜かれたねぃ。」 「ソウソウ特ニ最後ノオチハ”漢”トシカイイヨウガナイデス。」 「うう、あのときの事は思い出させないで下さいよ~。」 と猫屋敷兄猫・ホードー・守上藤丸がのんびりと雑談しながら、穏やかな海と朝日をなんとはなしに眺めている。 「あ、渡り鳥だ」 「気持ち良さそうに飛んでますね。」 なんとなく、渡り鳥を目で追う守上藤丸たち。 「うん?海になんか浮かんで無いか?」 「あ、本当だ。」 「オヤ?アレハヒョットシテ。」 「「「希望号!?」」」 /*/ こうしてナニワアームズ商藩国は希望号とそれに搭乗していたエノラ嬢に邂逅し、藩国に招く事になった。 &bold(){沈黙の希望号~エノラ嬢救出譚を聞いた整備士及びパイロットの反応~} 【エノラ嬢の証言】 「ええ、あのときは流石にもう駄目だと思ったわ。」 トラブルに巻き込まれ、破壊された隔壁の穴から船外に押し流された時の事を語るエノラ嬢。 「でも気が遠のく中で確かに見たのよ。海の底から浮上してくる希望号を!!」 次に気が付いたときには希望号のコクピット内であり、その後は一人で海洋を漂流していたらしい。 【藩国民の反応】 エノラ嬢によると過去にも無人の希望号が溺れかかった人を助けた事例があるらしく、 その話を聞いた藩国民の間では希望号には意志があるのではないかという噂が流れ、一時騒然となった。 しかし我が藩国に到着して以降、無人の希望号が動いたという事例は報告されておらず、この噂も自然と鳴りを潜める事となった。 ただ今でもパイロットが希望号に乗る時には機体制御用ボールズに一声かけて乗るといった習慣が残っており、 格納庫では整備士が希望号を労わる様に丁寧に整備を行っている光景をよく目にする事ができる。 &bold(){深青を切り裂く白い軌跡~希望号性能試験の風景~} 深く、無限の奥行きと広さを感じさせる深青の空間を切り裂くように白い軌跡が素晴らしい速度で伸びて行く。 海中に設置された水中カメラからの深海での希望号とそのウォータージェットが生み出す白い水蒸気の泡の軌跡の映像に思わず釘付けになるオペレートセンター内のスタッフ一同。 一瞬静寂に包まれていたオペレートセンターに鳴り響くパイロットからのコール音に我に返ったオペレータが音声スイッチを入れる。 パイロット「こちら希望号、現時点では機体に異常は見られない。そちらのモニタリングではどうだ?」 オペレーター「あ、はい。こちらも異常なし、全装置正常値で安定しています。続いて第二段階、限界性能試験に移行して下さい。」 パイロット「ロガー。これより限界性能試験に移行する。」 その応答と同時に映像の希望号が広げた不可視の盾である絶対物理防壁によって周辺の海流の流れに大きな変化が現れた、と同時に希望号の速度がさらに跳ね上がる。 シールドダッシュでスピードに乗った希望号がバレルロール、インメルマン旋回、シールドダイブ、垂直旋回と次々に複雑なマニューバで深青のキャンパスに複雑な白い軌跡を描いていく。 二つに分かれる軌跡、暫くして一方が急旋回し、他方に接近、爆発。 訓練用の魚雷を切り裂いた事で発生した爆発に伴う大量の泡を掻き分けるように剣鈴を輝かせながら飛び出す希望号。 オペレータセンターで湧き上がる歓声。 その試験の様子を満足気に眺めるサターン藩王と整備スタッフ。 藩王「うーん、素晴らしい。とてもあの希望号がつい先日まではボロボロに半壊したとは思えない仕上がりだ。短期間での作業ご苦労さん。」 名整備士「勿論、うちのスタッフはスペシャリスト揃いですからね。尤もそれだけが原因ではないのですが。」 藩王「というと?」 名整備士「重装備である事が幸いして、装甲部分こそ酷い損傷で全体的なオーバーホールが必要でしたが、絶対物理防壁生成装置や機体制御系を始めとした中枢部分が殆ど損害を受けていなかった事も大きいんですよ。」 藩王「なるほど。」 深青の空間を切り裂く白い軌跡を眺めながら相槌を打つ藩王。 /*/ 追記:性能試験の結果を受け、ナニワアームズ商藩国で希望号の量産計画が実行に移される事となる。 #ref(064.jpg)(絵:イズナ)水中模擬戦をカメラ撮影 機体性能(スペック)詳細 【概要】 ラウンドバックラー(RB) 元々宇宙での戦闘に使用されていた約9mの小型人型機動兵器である”人形”を海中での戦闘を目的として絶対物理防壁(シールド)発生装置とハイドロジェットを搭載して開発された人型機動兵器。 その名の由来となった絶対物理防壁(シールド)を形成する事による水抵抗の大幅な減少と背中の反物質ジェットでの推進で得られる高い機動力が特徴。 進路を変更させる際には可変式の絶対物理防壁を傾けることで抵抗率を変化させる事で機動力を確保したままでの方向転換を行う。 人型である為、絶対物理防壁の可変とそれに対する機体の表面積の変更(ポーズとる事で面積を柔軟に変更できる)が容易に行え、前述した方向転換が効率良く行える。 主武装は絶対物理防壁を封入した白兵武器(剣鈴)と絶対物理防壁を発生させた状態での突撃(シールド突撃)、副武装は脚部のハードポイントに装備された小型魚雷である。 制御機構としてBALLSを1~2機搭載する。 希望号1号機 本機は”人形”が開発された当初から存在する旧式の士翼号の重装備改良型として開発されたラウンドバックラー(RB)である。 大半のラウンドバックラーが一般に無人であるのに対して本機は現在では非常に珍しい有人機であり、オールマニュアル操作の機体となっている。 これは元となった士翼号からの流れによるものであると思われる。 (以上、希望号に残存していたライブラリからの転載) 【量産化計画】 操縦には独自の技術が要求されるとは言え、予想をはるかに上回る性能を叩き出した希望号の性能試験の結果を受けてナニワアームズ商藩国では希望号量産化計画が実行に移される事となった。 まず量産化にあたり最初に課題となったのは、制御機構として使用されているボールズである。 ブラックボックス的な部分が多く、解析や量産の際に莫大な開発期間とコストがかかる事が懸念された為である。 そこで我が藩国の技術スタッフの検討の結果、制御機構としてのボールズを撤廃し、機体制御には既存のI=Dの技術を流用して不足分をコパイロットによって補う方式が採用され、大幅なコスト削減に成功した。 次に課題となったのが、ニューワールド移住以降、我が藩国では長らく失われていた技術である絶対物理防壁である。 これには絶対物理防壁生成装置が殆ど無傷の状態で希望号に搭載されている事が判明して以降、連日の夜を徹した解析作業を行っていた技術者スタッフの尽力と藩国奥深くに残っていた流星号・星詠号の技術資料によって見事に技術を復活させる事に成功した。 これらにより、量産化計画は大きく前進する事になる。 (以上、とある技術スタッフの手記より抜粋) 【各種機能・装備】 ○絶対物理防壁 ラウンドバックラー(RB)の名の由来ともなった主要機能の1つ。 あらゆる物理影響を遮断する薄さ1nmの膜を形成する。 絶対物理防壁は物理的な攻撃を遮断するシールド、攻撃対象に直接接触させる事による対象を破壊する武器、水抵抗などの物理的な影響を極端に減少させる事による機動力の獲得とラウンドバックラーの特徴となる3つの側面を併せ持つ、非常に強力な機能である。 反面、絶対物理防壁が光学・電波・磁場・重力・音波系センスを遮断する為、勘と先読みで敵の位置を予測する必要があり、RBの操作には名パイロットやホープといった専門の訓練を受けた者が必要となる。 ○剣鈴 絶対物理防壁を白兵武器として作動させる為の延長装備で腕に装着する。 理論上、ほぼあらゆる物質を次元ごと切除でき、切れ味は抜群。 シールド突撃よりも射程範囲は狭いものの、展開する絶対物理防壁の面積が少ないので燃費が良く、また小回りが利く為、接近戦で威力を発揮する。 &blankimg(090.jpg,height=470,width=687) (絵:イズナ)(※クリックで原寸大表示されます) ○シールド突撃 絶対物理防壁を大きく展開させ、高速機動を活かしてそのまま機体ごと攻撃対象に突撃するRBの代表的な攻撃手段。 その威力は凄まじく、直撃すればシールドシップや大型船舶も一撃で沈める程の破壊力を秘める。 その為、火星での戦いではRBや機雷を用いて旗艦にRBを接近させない事が定石となっている程である。 (希望号に残存していたライブラリから抜粋) ○魚雷 携帯型の小型魚雷で、主に脚部のハードポイントに装備されている。 威力は剣鈴やシールド突撃に比べれば低いものの、追尾能力と射程距離の点ではこれらを凌駕し、直撃すれば小型船舶やRBには十分な致命傷を与える事が可能である。 高速で移動するRB相手では速度の面ではるかに劣る為、不要ではないかとの声も挙がったが、実戦訓練を続けているうちに直接当てなくても一定時間の空間に存在するだけで相手を圧迫し航路を制限できる事が判明し、有用性を認められ制式装備として採用された。 魚雷には寿命が短く、威力と移動力に優れ、アクティブ誘導で追尾する短魚雷と寿命が長く、パッシブ誘導で追尾する長距離魚雷の2種類が作成された。 ○雪上、砂上用スキー エノラ嬢から聞いた雪原でのRB運用の話を参考に作成されたオプションパーツ。 限定的ではあるが、水中&水上以外での運用を可能とするが、スキーに増設された推進装置の燃費が悪く、水中&水上以外の活動にはコスト面で大きな制限を受けてしまう事が課題となっている。 &html(<a href="index.html"><img border="0" src="http://www22.atwiki.jp/naniwaarms?cmd=upload&act=open&pageid=105&file=068a.jpg" width="690" height="300" onMouseOver="this.src='http://www22.atwiki.jp/naniwaarms?cmd=upload&act=open&pageid=105&file=068b.jpg'" onMouseOut="this.src='http://www22.atwiki.jp/naniwaarms?cmd=upload&act=open&pageid=105&file=068a.jpg'"></a>)(絵:イズナ)※オンマウスで画像が変わります #ref(069.jpg)(絵:イズナ) (文:蘭堂 風光)

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