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高機動箒の開発 - (2008/12/02 (火) 09:12:26) の最新版との変更点

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&bold(){宰相府アイドレス緊急コンペティション公募作品} *高機動箒の開発 “ウチの子が乗るものをわたしが作らず何とする!” “すげぇw” 完徹続きのデザイナーと技官、朝の会話 プロダクトネーム:N-HMS03 リッチテイル(極彩の光跡) 搭乗人員:一機 要点:空飛ぶ箒。低物理域における人騎兵の高機動・飛行補完機。騎跨状態で戦闘可能。妙な伸縮。 #center(){ #ref(chichyaioffull.jpg) &blanklink(大きいサイズはこちら){http://www22.atwiki.jp/naniwaarms?cmd=upload&act=open&pageid=398&file=full.jpg} /*/  低くのしかかるような曇天の下。  宙を滑るように優美な神像が荒れ果てた野を行く。  その神像は4本の腕を備え顔には無機質な仮面を纏っていた。  目指す先は遙かな戦場、神像の揺籃。  神像の腕の一本が携えた奇妙な杖のようなものを一振りする。  複雑な意匠を凝らし、緩く湾曲したそれは箒である。  す、と宙で放されたそれは神像の腰ほどの高さに留まり、見る間にその長さを変えていく。  やがて十全とおぼしき長さを得た箒に、腰掛けるようにして神像が身体を預ける。  それを待っていたかのように箒は、ふわりと、曇天へ駆け上がっていく。  騎跨する神像から魔力を得、淡く輝く柄飾りが女神の像を顕し。  後端から眩く魔力の奔流を引いて空を翔る姿はまさしく、おとぎ話に登場する空飛ぶ箒であった。  空行して暫く、神像は眼下に戦火にけぶる揺籃を見出す。  神像から送られる魔力の増大を受けてまるで歓喜を叫ぶように魔力の奔流が煌めきを増す。  矢弾の飛び交う空に長く魔力の光跡を引き、縦横無尽に翔る神像から放たれた雷が地上を穿つ。  やがて地上を動く影が消えるまで、美しい破壊の光は降り注ぎ続けた。  畏怖の神像、シャクティ。  産み出されるより以前からの約束通り、この人騎兵は空を手に入れた。  空飛ぶ魔法の箒によって。 #ref(richly.jpg)  /*/ } **開発の経緯  栄えある帝國軍の運用機体において、鬼子同然に産み出されて中々日の目を見ないものが二つあった。  一つを畏怖の神像シャクティ、もう一つを重力の暴君クェスカイゼスという。これらの機体は何も弱いから使われないわけではない。運用上の問題点としては消費の激しさであったり用いられている技術が外法であったりといくつか想定されるが、最大の問題点としては機動力の低さが挙げられる。  兵は拙速を以て尊しとすると言うが、やはり展開に時間のかかる、つまり戦場に遅れて登場して出番の少ない機体は使いづらいのである。  そこで今回開発されることになったのがこれらの機体の機動力を底上げする兵器、高機動箒である。  低物理域において騎跨する乗員を速やかに作戦地域に搬送し、或いは飛行により障害を回避する空飛ぶ箒の有用性は周知の通りである。  これを大型化し、低物理域における決戦兵器とも言える上記2機種の速度・位置的優位を得よう、というのが今回のコンセプトである。 **設定的補足 #center(){ #ref(syaku1.jpg)  &bold(){○騎跨の一例} #ref(kues2.jpg) &bold(){○一見して危ういが魔力が伝達している間両者は引きつけ合っている。} ※だからといって直立する必要はない } &bold(){外観:} #center(){ #ref(rehouki.jpg) }  魔術的な制御を司る柄飾りに始まり金属光沢を放つ霊木を用いた柄が推進剤となる魔力を放出する本体部分へと優美なカーブを描いて接続する。  それは一見して箒と言うにはいささか相応しくなく、どちらかといえば電気掃除機のようである。しかしそれに騎跨し飛翔する姿は正しくおとぎ話に登場する空飛ぶ箒に跨った魔法使いそのものであった。  本体部分から放射した魔力の尾を長く引いて飛ぶ姿は帚星を連想させる。  そう、この箒は空を翔るときにこそ箒たり得るのだ。 &bold(){柄:}  開発陣が真っ先に考慮したのが柄の構成素材である。  今回制作する高機動箒に要求されるのは空を翔るという機能に尽きる。なら何故箒の形をしている必要があるのか、その魔術的意義について別の話となるが、とにかく人より遙かに大きな人騎兵を騎跨させ運搬する強度が要求されるのである。  当然ながら一般的な木材ではその要求には応えられない。そこで開発陣が探し出してきたのが『神代鉄木』という特殊な木材である。  鉄木自体はアイアンウッドとも呼ばれ、南方に産し必ずしも珍しい樹木ではない。この樹木の中でも気の遠くなるほどに樹齢を重ね自然に倒れて地中に埋没し、更に星霜を経たものを特に『神代鉄木』と呼ぶのである。  年間僅かに数ミリという著しく目の詰まった年輪を刻み、更に地中に埋没している間に鉱物分を吸着した神代鉄木はその名に恥じない金属を凌駕する硬度を備えるにいたる。  人手の入っていない深山幽谷に眠るこの木材を掘り出し、特に強度の高い芯の部分を削り出して柄の素材とするのだ。これに魔術的な紋様が刻まれ、聖別の儀式を受けて高機動箒の柄は完成する。 &bold(){柄飾り:} #ref(bup.jpg)  高機動箒の先端には彫像が取り付けられている。これは見た目の意匠もさることながら、三次元空間をめまぐるしく機動するための飛行魔術制御を司る部分が大きい。  乗り手の意図を正しく汲み柄を通じて本体である推進器へ伝達することが求められ、シャクティの甲冑を作成する際のノウハウを元にメタルライフが素材として用いられている。  高位の付与魔術師によって疑似霊格を与えられた柄飾りは神像の姿を顕し、乗り手に応じて女神或いは悪魔の如き容貌を見せる。  柄飾りの制御を受けた高機動箒は半ば自動的に飛翔し、従来のように術者が操縦に専念する必要がなくなった。これにより騎跨したままでの戦闘という要求に応えられるようになったのである。 &bold(){本体:}  箒本来で言えば掃くところ、最も大事な部分である。しかしながら前述の通り高機動箒においては推進力となる魔力の放出という役割を与えられている。  形状としては先の膨らんだ円錐を基本としており、空飛ぶ箒という幻想的な響きとは裏腹に力学を追究した末の機能美を感じさせる。  素材には魔力の伝達を考慮し柄飾りと同様、メタルライフを加工した物が用いられている。乗り手の魔力が柄を通じ、柄飾りの制御を受けてここから放出される。  その光跡はまさしく空を流れる箒星のようである。 &bold(){伸縮:}  今回騎跨を想定している機体はクェスカイゼス及びシャクティの2機種である。  しかし一見して解るようにこの2機種はサイズからシルエットに至るまでかなりかけ離れている。  共用にするためには機種ごとに座面などのモディファイを施すという手段もあるが、この問題には魔術的な解決が用意された。  まず高機動箒はクェスカイゼスのサイズに合わせて建造される。その後に縮小化の魔法を付与するのだ。あとは必要に応じて縮小の魔法を解けばよい。  これによりクェスカイゼス級の機体から人間まで機種に応じた伸縮性を持つに至った。副次的に携行性が改善され、シャクティなどは副碗で運搬し使用時に元のサイズに戻して騎跨するという運用法も確立された。  大は小を兼ねる、というわけだが重量自体は変化しないため、やはり人間サイズでは扱いかねるようである。 #center(){ /*/ } #right(){ 絵:15-00303-01:イズナ:ナニワアームズ商藩国 文:15-00752-01:久遠寺 那由他:ナニワアームズ商藩国 }
&bold(){宰相府アイドレス緊急コンペティション公募作品} *高機動箒の開発 “ウチの子が乗るものをわたしが作らず何とする!” “すげぇw” 完徹続きのデザイナーと技官、朝の会話 プロダクトネーム:N-HMS03 リッチテイル(極彩の光跡) 搭乗人員:一機 要点:空飛ぶ箒。低物理域における人騎兵の高機動・飛行補完機。騎跨状態で戦闘可能。妙な伸縮。 #center(){ #ref(chichyaioffull.jpg) &blanklink(大きいサイズはこちら){http://www22.atwiki.jp/naniwaarms?cmd=upload&act=open&pageid=398&file=full.jpg} /*/  低くのしかかるような曇天の下。  宙を滑るように優美な神像が荒れ果てた野を行く。  その神像は4本の腕を備え顔には無機質な仮面を纏っていた。  目指す先は遙かな戦場、神像の揺籃。  神像の腕の一本が携えた奇妙な杖のようなものを一振りする。  複雑な意匠を凝らし、緩く湾曲したそれは箒である。  す、と宙で放されたそれは神像の腰ほどの高さに留まり、見る間にその長さを変えていく。  やがて十全とおぼしき長さを得た箒に、腰掛けるようにして神像が身体を預ける。  それを待っていたかのように箒は、ふわりと、曇天へ駆け上がっていく。  騎跨する神像から魔力を得、淡く輝く柄飾りが女神の像を顕し。  後端から眩く光輝の奔流を引いて空を翔る姿はまさしく、おとぎ話に登場する空飛ぶ箒であった。  空行して暫く、神像は眼下に戦火にけぶる揺籃を見出す。  神像から送られる魔力の増大を受けてまるで歓喜を叫ぶように光輝の奔流が煌めきを増す。  矢弾の飛び交う空に長く光跡を引き、縦横無尽に翔る神像から放たれた雷が地上を穿つ。  やがて地上を動く影が消えるまで、美しい破壊の光は降り注ぎ続けた。  畏怖の神像、シャクティ。  産み出されるより以前からの約束通り、この人騎兵は空を手に入れた。  空飛ぶ魔法の箒によって。 #ref(richly.jpg)  /*/ } **開発の経緯  栄えある帝國軍の運用機体において、鬼子同然に産み出されて中々日の目を見ないものが二つあった。  一つを畏怖の神像シャクティ、もう一つを重力の暴君クェスカイゼスという。これらの機体は何も弱いから使われないわけではない。運用上の問題点としては消費の激しさであったり用いられている技術が外法であったりといくつか想定されるが、最大の問題点としては機動力の低さが挙げられる。  兵は拙速を以て尊しとすると言うが、やはり展開に時間のかかる、つまり戦場に遅れて登場して出番の少ない機体は使いづらいのである。  そこで今回開発されることになったのがこれらの機体の機動力を底上げする兵器、高機動箒である。  低物理域において騎跨する乗員を速やかに作戦地域に搬送し、或いは飛行により障害を回避する空飛ぶ箒の有用性は周知の通りである。  これを大型化し、低物理域における決戦兵器とも言える上記2機種の速度・位置的優位を得よう、というのが今回のコンセプトである。 **設定的補足 #center(){ #ref(syaku1.jpg)  &bold(){○騎跨の一例} #ref(kues2.jpg) &bold(){○一見して危ういが魔力が伝達している間両者は引きつけ合っている。} ※だからといって直立する必要はない } &bold(){外観:} #center(){ #ref(rehouki.jpg) }  魔術的な制御を司る柄飾りに始まり金属光沢を放つ霊木を用いた柄が推進剤となる魔力を放出する本体部分へと優美なカーブを描いて接続する。  それは一見して箒と言うにはいささか相応しくなく、どちらかといえば電気掃除機のようである。しかしそれに騎跨し飛翔する姿は正しくおとぎ話に登場する空飛ぶ箒に跨った魔法使いそのものであった。  本体部分から放射した魔力の尾を長く引いて飛ぶ姿は帚星を連想させる。  そう、この箒は空を翔るときにこそ箒たり得るのだ。 &bold(){柄:}  開発陣が真っ先に考慮したのが柄の構成素材である。  今回制作する高機動箒に要求されるのは空を翔るという機能に尽きる。なら何故箒の形をしている必要があるのか、その魔術的意義について別の話となるが、とにかく人より遙かに大きな人騎兵を騎跨させ運搬する強度が要求されるのである。  当然ながら一般的な木材ではその要求には応えられない。そこで開発陣が探し出してきたのが『神代鉄木』という特殊な木材である。  鉄木自体はアイアンウッドとも呼ばれ、南方に産し必ずしも珍しい樹木ではない。この樹木の中でも気の遠くなるほどに樹齢を重ね自然に倒れて地中に埋没し、更に星霜を経たものを特に『神代鉄木』と呼ぶのである。  年間僅かに数ミリという著しく目の詰まった年輪を刻み、更に地中に埋没している間に鉱物分を吸着した神代鉄木はその名に恥じない金属を凌駕する硬度を備えるにいたる。  人手の入っていない深山幽谷に眠るこの木材を掘り出し、特に強度の高い芯の部分を削り出して柄の素材とするのだ。これに魔術的な紋様が刻まれ、聖別の儀式を受けて高機動箒の柄は完成する。 &bold(){柄飾り:} #ref(bup.jpg)  高機動箒の先端には彫像が取り付けられている。これは見た目の意匠もさることながら、三次元空間をめまぐるしく機動するための高速飛行魔術制御を司る部分が大きい。  乗り手の意図を正しく汲み柄を通じて本体である推進器へ伝達することが求められ、シャクティの甲冑を作成する際のノウハウを元にメタルライフが素材として用いられている。  高位の付与魔術師によって疑似霊格を与えられた柄飾りは神像の姿を顕し、乗り手に応じて女神或いは悪魔の如き容貌を見せる。  柄飾りの制御を受けた高機動箒は半ば自動的に飛翔し、従来のように術者が操縦に専念する必要がなくなった。これにより騎跨したままでの戦闘という要求に応えられるようになったのである。 &bold(){本体:}  箒本来で言えば掃くところ、最も大事な部分である。しかしながら前述の通り高機動箒においては推進力となる魔力の放出という役割を与えられている。  形状としては先の膨らんだ円錐を基本としており、空飛ぶ箒という幻想的な響きとは裏腹に力学を追究した末の機能美を感じさせる。  素材には魔力の伝達を考慮し柄飾りと同様、メタルライフを加工した物が用いられている。乗り手の魔力が柄を通じ、柄飾りの制御を受けてここから放出される。  その光跡はまさしく空を流れる箒星のようである。 &bold(){伸縮:}  今回騎跨を想定している機体はクェスカイゼス及びシャクティの2機種である。  しかし一見して解るようにこの2機種はサイズからシルエットに至るまでかなりかけ離れている。  共用にするためには機種ごとに座面などのモディファイを施すという手段もあるが、この問題には魔術的な解決が用意された。  まず高機動箒はクェスカイゼスのサイズに合わせて建造される。その後に縮小化の魔法を付与するのだ。あとは必要に応じて縮小の魔法を解けばよい。  これによりクェスカイゼス級の機体から人間まで機種に応じた伸縮性を持つに至った。副次的に携行性が改善され、シャクティなどは副碗で運搬し使用時に元のサイズに戻して騎跨するという運用法も確立された。  大は小を兼ねる、というわけだが重量自体は変化しないため、やはり人間サイズでは扱いかねるようである。 #center(){ /*/ } #right(){ 絵:15-00303-01:イズナ:ナニワアームズ商藩国 文:15-00752-01:久遠寺 那由他:ナニワアームズ商藩国 }

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