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*鉱脈の発見 ”地底の暗闇など、我らにとっては長く一緒に過ごした隣人でしかない” ”つまりは付き合い方をよく心得ている、という事だ” ”まぁ、最近は付き合い方を考えねばならないようだがね”  ――ナニワタイムズ増刊:プロジェクト×(ばつ)地下都市開発の先駆者たち より抜粋―― /*/ 「あー、テステス、聞こえますか?」 通信機に呼びかける。 若干のノイズの後、応答が聞こえた。 ――聞こえてます。中継装置は問題なく動作しているみたいですね。 「ええ、まぁ古いの引っ張り出してきた割にはイイんじゃないですかね。」 ――仕方ないです、なんせ急ぎの仕事ですから。他の坑道や空洞にも人員を派遣してますし。 「で、機材が足りない、と。」 ――地中で通信を確保するのは難しいんですよ。有線と併用して、脇道もフォローして……とねぇ? 「や、流石に分かってますから。」 ――では、引き続き作業を続けてください。 「了解です。」 通信が切れる。 「よーし、先進むぞー。」 「へーい。」 /*/ さて、彼らが居るのはナニワアームズの地下空洞、それも未開地域だ。 未開地域といっても深々度の未開地域ではなく、既に開発済みの層の外部、そして各階中間層である。 彼らがそんな所に居るのには、当然ながら理由がある。 理由の詳細については省くが、最近のナニワでは昨今の事情により藩国地下層の再調査が細々とではあるが行われていた。 それは、藩国地下都市外郭の調査であり、地下水脈、地底湖の水質調査であり、地質の調査だったり、不自然な空洞がないかの調査だったりと多岐に渡った。 その調査の中で一つの報告があがってきた。 ”新たな鉱脈の可能性有り”という物である。 共和国は慢性的な資源不足にある。 最近は特に深刻で消費ばかりが格段に増え、市場では価格が更に高騰していた。 そのような中でもたらされた調査報告は、人々を大いに悩ませた。 最近のナニワでは、色々あって地下の開発を忌避する傾向が強かった。 しかし、その鉱脈が十分な規模を有していれば、資源不足の現状と合わせてナニワの大きな産業になる可能性もある。 さんざん悩みぬいた結果、資源不足の深刻な状況も手伝って調査員の増員が決定された。 鉱脈の想定規模や採掘コスト等、開発に値する物であるかを現地調査することにしたのである。 その上で調査結果を見て、また悩もうという事である。 /*/ 「かくて、暗闇でスペランカーというわけだ。」 「いや、意味分かりませんから。脈絡もないし。」 暗闇の中、電気式のランタンを掲げて進んでゆく。 臨時で幾つかの調査隊が組まれ、地下空洞の各所に派遣された中の一隊である。 通常なら地上から、地表地質調査や物理探査、ボーリング調査などを行うのであるが、そこは地下の国ナニワ。 かつての開発跡や、もとからあった地下空洞等に直接乗り込んでの各種調査も行うのである。 「ん、そろそろ中継装置の設置距離だね。」 「ああ、ちょうどレーダー走査のタイミングでもありますね。調査も同時に行いましょう。」 「よし、作業開始だ。」 電波状態が極めて悪い地中でも連絡手段を確保するべく、通信中継用の装置が設置される。 一方では地中レーダー探査装置を用いての周辺の走査や、洞穴内の地質調査、周辺の鉱物のサンプル採取も行われていた。 「しかしアレだな。なまじ地下開発が進んでる分、詳細調査が大変だな。」 「地上からでも、あんま変わらないと思いますけどねー。」 「いやー、サイボーグの人が居て助かりました。調査機材はともかく中継装置をあんだけ沢山抱えて移動するのはキツイですから。」 「というかなんだこの量。いったい何処まで行かせる気だ。」 大量の中継装置を担がされている様は、まるで薪を背負った二宮金次郎のごとし。 ココに至るまでにもいくつも設置してきたが、まだまだ残っている。 「そりゃ、このいけるトコまでよ。」 「というかコレだけ使うって、どんだけ先なんだ……。」 「ココだけじゃなくて脇道とかもフォローしてきてたじゃん。」 「いや、分かってるけど愚痴りたくも……。」 整備士のチームが中継装置の調整を行っているそばで、サイボーグのチームが手持ちのドリルやつるはしで洞穴の一部を削りサンプルを採取する。 さらにサイボーグは自前のセンサーと持ち込んだ地中レーダー探索装置で周辺に不自然な空洞や妙な歪み、近くに水脈が走ってないか等を走査する。 最近の情勢もあり、不用意に変な物を掘り出してしまわないように走査は特に念入りに行われた。 「よし、取りあえず分かる範囲で変な物は無し。」 「サンプル採取もOK、えーと座標X,Y,Zの分、と…ラベル何処やったかな。」 「こっちでデータの格納は終わった。中継装置はどうだ? OKならナショナルネットで本部に送るから通信立ち上げてくれ。」 「中継装置も調整完了。通信立ち上げます。」 「あー、テステス……。」 通信を介して本部に送られたデータは、詳細な解析を受けてその周囲を開発しても問題ないか等の判断材料とされる。 採取されたサンプルは鉱脈の分布範囲や、鉱物の含有量の測定に用いられる。 こうして、地下空洞内を幾つもの部隊が調査していくのだ。 「よーし、次行くぞー。」 「ううー、もうとっとと終わらせましょうー。」 「あー、待機室のコタツでお茶飲みたいッスー。」 「産廃処理場の、廃熱大浴場でのんびり風呂つかりたいー。」 かくて調査隊の面々は、更なる調査を行うべく地下の闇に消えていった。 /*/ L: #contents() /*/ #image(0001.jpg) **タイトル /*/ 余り知られてはいないかも知れないが、実は割と建国当初からナニワアームズ商藩国には幾つかの鉱脈が存在しており、第4階層には鉱石採掘所(※藩国地図参照)も存在している。 そもそもナニワアームズがこの地に根を下ろすキッカケの一つが地下空間で発見された地底湖とレアメタルなどの鉱物資源である。(※藩国設定参照) それでは何故これまでクローズアップされていなかったのか?というのは誰もが気になるところであろう。 実は建国当初発見されていた主要なベースメタル(鉄、銅、アルミニウム等)の鉱脈の大半は藩国内の各種設備の建造で消費されており、低コストで採掘できる場所が殆ど無くなってしまったのである。 後は採掘に高いコストが掛る場所にある鉱脈か、所謂レアメタル(リチウム、チタン、マンガン等の産業で有用だが流通量が少ない希少な金属)の含有率こそ高かったものの埋蔵量は少ないと推測されていた第4階層の鉱石採掘所だけが残る事になり、 レアメタルの産出とそのときに取れるいくらかのベースメタルが自国の日用品の原材料に使用される程度になっていた。 幸い、観光地や燃料生産地の開発が進み、他国との交易で資源を賄えるようになった事もあり、レアメタルの採掘が行われる第4階層の鉱石採掘所が細々と運営されている以外は交易や燃料の生産、観光の方に力が入れられる事になり、月日が流れる事になる。 そこに変化が見えたのが、最近行われた区画整備や環境保全の為の事前調査での発見である。 近年の産業廃棄物処理の問題や観光地の環境保全の機運の高まりにより、古くからある施設周辺にも改めて調査が行われていたのだが、 このとき第4階層の鉱石採掘所に元々設置されていた廃水処理場に流れ込む水に含まれる鉱物由来の物質量が予測された量よりも僅かに高い値を示したのだ。 その原因究明を進めたところ、新しい鉱脈が発見された。 どうも第4階層の鉱石採掘所で10年(10ターン)以上をかけて少しずつ掘り進めていた結果、新しい鉱脈の近くにまで掘り進めていたことが分かった。 より正確に言うとどうやら高コストの為、採掘を諦められていた鉱脈の1つが予想よりも広範囲に分布しており、その一部に突き当たったのである。 そして改めて採掘コストを試算し直した結果、十分採算が取れる事が判明した。 今なお地下への不安は拭い去れていないものの近年の共和国全体の資源不足の世情も後押しする形となり、顧客への商品の提供を合言葉に開発を進められる事となった。 但しその分、”安全第一”、”急がば回れ”、”慌てる乞食はもらいが少ない”がスローガンとして掲げられ、鉱脈の調査、採掘の準備は慎重に行われた。 それを受けて政府も鉱山技術者や過去の鉱山労働経験者を積極的に採用してアドバイザーとし、その助言に従って鉱毒などによる環境への悪影響を防ぐ為に第4階層の鉱石採掘所に元々設置されていた廃水処理場、煤煙脱硫施設の増設も行われる事となった。 **タイトル &link_up(▲TOP) **「発掘!あるある大鉱脈」 ”いったい何がどれだけ取れるのやら?” ”調査の結果次第ですってば……でも結構楽しみですよねー” ――思わぬ吉報に期待が膨らむ人々―― /*/ さて、鉱脈の調査が進むに従って藩国には明るい雰囲気が満ちてきていた。 人々は地下への新たな希望を取り戻していった。 そんな中、当藩国摂政の命により中間報告がまとめられることとなった。 蘭堂氏の指示の元、各調査隊のデータやサンプルが集められ鉱脈規模の想定が行われることとなった。 最終的に毎度おなじみ、『思考する筋肉』ことホードー氏によって鉱脈採掘のシミュレーションが作成され公開される運びとなった。 これをご覧の諸兄も、藩国に希望をもたらすシミュレーションを是非体験していただきたい。 ただし、これはあくまで中間報告である。 取らぬタヌキの…というほどではないが、鵜呑みにしてはいけない。  【ナニワアームズ謹製ゲームシリーズ:発掘!あるある大鉱脈】 ♯ここから直ZIP形式でダウンロードしていただきます。 ♯ダウンロード完了後、適当な場所に解凍してください。 ♯ルールに従って、隠れている鉱脈を「全部」「無駄なく」「素早く」採掘(または調査)してください。 ♯ちなみにOPはクリックで飛ばせます。 ♯ゲームがうまく動かない場合は、[[こちらをご覧下さい >> 「.netのインストール」>ホードーゲーム解説]] /*/ #center(){/*/} **天駆ける漆黒の踊り子 #center(){/*/} &bold(){STAFF} 文章 設定・機体デザイン:うさぎ 改稿・構成:久遠寺 那由他 イラスト 本体・ビーム砲:シュウマイ コックピット:くじら パイロットスーツ:乃亜・C・O ゲーム プログラミング:ホードー 使用イラスト:くじら・シュウマイ &link_up(▲TOP)
*鉱脈の発見 ・&blanklink(html版ページはこちら >>>){http://www.eonet.ne.jp/~kasalelia/idress/mine/} #新記述 L:鉱脈の発見2 = {  t:名称 = 鉱脈の発見2(イベント)  t:要点 = つるはし、手持ちドリル、ランタン  t:周辺環境 = 地下鉱山  t:評価 = なし  t:特殊 = {   *鉱脈の発見2のイベントカテゴリ = ,,,藩国イベント。   *鉱脈の発見2の位置づけ = ,,,{特殊イベント,自動イベント}。   *鉱脈の発見2の内容 = このイベントを取得した藩国は<冶金工場>を作成する事ができる。   *鉱脈の発見2の内容2 = 鉱脈の発見に伴いこのイベントを取得した藩国は明るい雰囲気が流れる。   }   t:→次のアイドレス = 国の安定(イベント)、ダウジング(技術)、[[冶金工場]](施設)、どや街(施設) } #旧記述 L:鉱脈の発見2 = {  t:名称 = 鉱脈の発見2(イベント)  t:要点 = つるはし、手持ちドリル、ランタン  t:周辺環境 = 地下鉱山  t:評価 = なし  t:特殊 = {  *鉱脈の発見2のイベントカテゴリ = 藩国、自動イベントとして扱う。  *鉱脈の発見2の効果 = このイベントを取得した藩国は冶金工場を作成する事ができる。  *鉱脈の発見2の効果2 = 鉱脈の発見に伴いこのイベントを取得した藩国は明るい雰囲気が流れる。    }    t:→次のアイドレス = 国の安定(イベント)、ダウジング(技術)、[[冶金工場]](施設)、どや街(施設) } #プロモ前 L:鉱脈の発見 = {  t:名称 = 鉱脈の発見(イベント)  t:要点 = つるはし、手持ちドリル、ランタン  t:周辺環境 = 地下鉱山  t:評価 = なし  t:特殊 = {  *鉱脈の発見のイベントカテゴリ = 藩国、自動イベントとして扱う。  *鉱脈の発見の効果 = このイベントを取得した藩国は冶金工場を作成する事ができる。  *鉱脈の発見の効果2 = 鉱脈の発見に伴いこのイベントを取得した藩国は明るい雰囲気が流れる。  }  t:→次のアイドレス = 国の絶対的安定(イベント)、ダウジング(技術)、[[冶金工場]](施設)、天使の泣く街(施設) } #image(090129-2.jpg) #contents() /*/ **復興の足音 ”地底の暗闇など、我らにとっては長く一緒に過ごした隣人でしかない” ”つまりは付き合い方をよく心得ている、という事だ” ”まぁ、最近は付き合い方を考えねばならないようだがね”  ――ナニワタイムズ増刊:プロジェクト×(ばつ)地下都市開発の先駆者たち より抜粋―― /*/ 「あー、テステス、聞こえますか?」 通信機に呼びかける。 若干のノイズの後、応答が聞こえた。 ――聞こえてます。中継装置は問題なく動作しているみたいですね。 「ええ、まぁ古いの引っ張り出してきた割にはイイんじゃないですかね。」 ――仕方ないです、なんせ急ぎの仕事ですから。他の坑道や空洞にも人員を派遣してますし。 「で、機材が足りない、と。」 ――地中で通信を確保するのは難しいんですよ。有線と併用して、脇道もフォローして……とねぇ? 「や、流石に分かってますから。」 ――では、引き続き作業を続けてください。 「了解です。」 通信が切れる。 「よーし、先進むぞー。」 「へーい。」 #image(090129-1.jpg) さて、彼らが居るのはナニワアームズの地下空洞、それも未開地域だ。 未開地域といっても深々度の未開地域ではなく、既に開発済みの層の外部、そして各階中間層である。 彼らがそんな所に居るのには、当然ながら理由がある。 理由の詳細については省くが、最近のナニワでは昨今の事情により藩国地下層の再調査が細々とではあるが行われていた。 それは、藩国地下都市外郭の調査であり、地下水脈、地底湖の水質調査であり、地質の調査だったり、不自然な空洞がないかの調査だったりと多岐に渡った。 その調査の中で一つの報告があがってきた。 ”新たな鉱脈の可能性有り”という物である。 共和国は慢性的な資源不足にある。 最近は特に深刻で消費ばかりが格段に増え、市場では価格が更に高騰していた。 そのような中でもたらされた調査報告は、人々を大いに悩ませた。 最近のナニワでは、色々あって地下の開発を忌避する傾向が強かった。 しかし、その鉱脈が十分な規模を有していれば、資源不足の現状と合わせてナニワの大きな産業になる可能性もある。 さんざん悩みぬいた結果、資源不足の深刻な状況も手伝って調査員の増員が決定された。 鉱脈の想定規模や採掘コスト等、開発に値する物であるかを現地調査することにしたのである。 その上で調査結果を見て、また悩もうという事である。 /*/ 「かくて、暗闇でスペランカーというわけだ。」 「いや、意味分かりませんから。脈絡もないし。」 暗闇の中、電気式のランタンを掲げて進んでゆく。 臨時で幾つかの調査隊が組まれ、地下空洞の各所に派遣された中の一隊である。 通常なら地上から、地表地質調査や物理探査、ボーリング調査などを行うのであるが、そこは地下の国ナニワ。 かつての開発跡や、もとからあった地下空洞等に直接乗り込んでの各種調査も行うのである。 「ん、そろそろ中継装置の設置距離だね。」 「ああ、ちょうどレーダー走査のタイミングでもありますね。調査も同時に行いましょう。」 「よし、作業開始だ。」 電波状態が極めて悪い地中でも連絡手段を確保するべく、通信中継用の装置が設置される。 一方では地中レーダー探査装置を用いての周辺の走査や、洞穴内の地質調査、周辺の鉱物のサンプル採取も行われていた。 「しかしアレだな。なまじ地下開発が進んでる分、詳細調査が大変だな。」 「地上からでも、あんま変わらないと思いますけどねー。」 「いやー、サイボーグの人が居て助かりました。調査機材はともかく中継装置をあんだけ沢山抱えて移動するのはキツイですから。」 「というかなんだこの量。いったい何処まで行かせる気だ。」 大量の中継装置を担がされている様は、まるで薪を背負った二宮金次郎のごとし。 ココに至るまでにもいくつも設置してきたが、まだまだ残っている。 「そりゃ、このいけるトコまでよ。」 「というかコレだけ使うって、どんだけ先なんだ……。」 「ココだけじゃなくて脇道とかもフォローしてきてたじゃん。」 「いや、分かってるけど愚痴りたくも……。」 整備士のチームが中継装置の調整を行っているそばで、サイボーグのチームが手持ちのドリルやつるはしで洞穴の一部を削りサンプルを採取する。 さらにサイボーグは自前のセンサーと持ち込んだ地中レーダー探索装置で周辺に不自然な空洞や妙な歪み、近くに水脈が走ってないか等を走査する。 最近の情勢もあり、不用意に変な物を掘り出してしまわないように走査は特に念入りに行われた。 「よし、取りあえず分かる範囲で変な物は無し。」 「サンプル採取もOK、えーと座標X,Y,Zの分、と…ラベル何処やったかな。」 「こっちでデータの格納は終わった。中継装置はどうだ? OKならナショナルネットで本部に送るから通信立ち上げてくれ。」 「中継装置も調整完了。通信立ち上げます。」 「あー、テステス……。」 通信を介して本部に送られたデータは、詳細な解析を受けてその周囲を開発しても問題ないか等の判断材料とされる。 採取されたサンプルは鉱脈の分布範囲や、鉱物の含有量の測定に用いられる。 こうして、地下空洞内を幾つもの部隊が調査していくのだ。 「よーし、次行くぞー。」 「ううー、もうとっとと終わらせましょうー。」 「あー、待機室のコタツでお茶飲みたいッスー。」 「産廃処理場の、廃熱大浴場でのんびり風呂つかりたいー。」 かくて調査隊の面々は、更なる調査を行うべく地下の闇に消えていった。 /*/ **鉱脈の発見 余り知られてはいないかも知れないが、実は割と建国当初からナニワアームズ商藩国には幾つかの鉱脈が存在しており、第4階層には鉱石採掘所(※藩国地図参照)も存在している。 そもそもナニワアームズがこの地に根を下ろすキッカケの一つが地下空間で発見された地底湖とレアメタルなどの鉱物資源である。(※藩国設定参照) それでは何故これまでクローズアップされていなかったのか?というのは誰もが気になるところであろう。 実は建国当初発見されていた主要なベースメタル(鉄、銅、アルミニウム等)の鉱脈の大半は藩国内の各種設備の建造で消費されており、低コストで採掘できる場所が殆ど無くなってしまったのである。 後は採掘に高いコストが掛る場所にある鉱脈か、所謂レアメタル(リチウム、チタン、マンガン等の産業で有用だが流通量が少ない希少な金属)の含有率こそ高かったものの埋蔵量は少ないと推測されていた第4階層の鉱石採掘所だけが残る事になり、 レアメタルの産出とそのときに取れるいくらかのベースメタルが自国の日用品の原材料に使用される程度になっていた。 幸い、観光地や燃料生産地の開発が進み、他国との交易で資源を賄えるようになった事もあり、レアメタルの採掘が行われる第4階層の鉱石採掘所が細々と運営されている以外は交易や燃料の生産、観光の方に力が入れられる事になり、月日が流れる事になる。 そこに変化が見えたのが、最近行われた区画整備や環境保全の為の事前調査での発見である。 近年の産業廃棄物処理の問題や観光地の環境保全の機運の高まりにより、古くからある施設周辺にも改めて調査が行われていたのだが、 このとき第4階層の鉱石採掘所に元々設置されていた廃水処理場に流れ込む水に含まれる鉱物由来の物質量が予測された量よりも僅かに高い値を示したのだ。 その原因究明を進めたところ、新しい鉱脈が発見された。 どうも第4階層の鉱石採掘所で10年(10ターン)以上をかけて少しずつ掘り進めていた結果、新しい鉱脈の近くにまで掘り進めていたことが分かった。 より正確に言うとどうやら高コストの為、採掘を諦められていた鉱脈の1つが予想よりも広範囲に分布しており、その一部に突き当たったのである。 そして改めて採掘コストを試算し直した結果、十分採算が取れる事が判明した。 今なお地下への不安は拭い去れていないものの近年の共和国全体の資源不足の世情も後押しする形となり、顧客への商品の提供を合言葉に開発を進められる事となった。 但しその分、”安全第一”、”急がば回れ”、”慌てる乞食はもらいが少ない”がスローガンとして掲げられ、鉱脈の調査、採掘の準備は慎重に行われた。 それを受けて政府も鉱山技術者や過去の鉱山労働経験者を積極的に採用してアドバイザーとし、その助言に従って鉱毒などによる環境への悪影響を防ぐ為に第4階層の鉱石採掘所に元々設置されていた廃水処理場、煤煙脱硫施設の増設も行われる事となった。 **「調査隊の努力の結晶」 //&ref(090129-3.png)     &ref(090129-4.png) ”いったい何がどれだけ取れるのやら?” ”調査の結果次第ですってば……でも結構楽しみですよねー” ――思わぬ吉報に期待が膨らむ人々―― /*/ さて、鉱脈の調査が進むに従って藩国には明るい雰囲気が満ちてきていた。 人々は地下への新たな希望を取り戻していった。 そんな中、当藩国摂政の命により中間報告がまとめられることとなった。 蘭堂氏の指示の元、各調査隊のデータやサンプルが集められ鉱脈規模の想定が行われることとなった。 最終的に毎度おなじみ、『思考する筋肉』ことホードー氏によって鉱脈採掘のシミュレーションが作成され公開される運びとなった。 これをご覧の諸兄も、藩国に希望をもたらすシミュレーションを是非体験していただきたい。 ただし、これはあくまで中間報告である。 取らぬタヌキの…というほどではないが、鵜呑みにしてはいけない。  【ナニワアームズ謹製ゲームシリーズ:[[調査隊の努力の結晶>http://www.xanthouswine.com/Mine.zip]]】 ♯ここから直ZIP形式でダウンロードしていただきます。 ♯ダウンロード完了後、適当な場所に解凍してください。 ♯ルールに従って、隠れている鉱脈を「全部」「無駄なく」「素早く」採掘(または調査)してください。 ♯ちなみにOPはクリックで飛ばせます。 ♯ゲームがうまく動かない場合は、[[こちらをご覧下さい >> 「.netのインストール」>ホードーゲーム解説]] **トロッコ 「すーべってころんです○らんかー♪」 「おい、お気楽に歌ってないで、こげ」  ごりごりごりごり。  薄暗い藩国深部の鉱脈を博物館級にノスタルジィを感じさせる手漕ぎトロッコが行く。前方にタルを二つに割ったような貨物車、本来採掘された資財が搭載される場所である。  その後方に、シーソーを小さくしたような機関車が接続されている。2両編成、ミニマムかつスタンダード、誰もがイメージするであろうトロッコそのままであった。  先程から鼻歌まじりに後端に腰掛け、多目的暗視装置、通称カボチャヘルであちこち見回している小柄な人物にうんざりしたような声が投げられる。  声を発した男は先程から額に汗して人力で機関車を駆動し続けているわけで、つまり、ひたすらにシーソーを漕ぎ続けている。 「はーい。にしてもめんどくさいなー。なんで電動じゃないわけ」 「文句言わずに、こげ。一次調査隊の連中なんかこの荷物担いで最深部まで潜ったんだぞ。 こんなポンコツでも貸して貰えるだけ、有り難いと思え」 ぎこぎこぎこぎこ。 絶え間なく機関車を駆動しながら男が目顔で示した貨物車にはソナーや金属探知機、鉱石の種類を調べるキットなどが満載されている。 こうして精密器具を持ち込んで詳細な調査が出来るようになったのも第一次調査隊の地味で地道な努力のお陰だし、大荷物を担がないで済むのはその後の調査の為にとレール敷設作業に従事してくれた作業員のお陰である。 今回の調査結果と合わせて詳細なデータが取れれば明日にでも鉱山施設が稼働を始める。そうなれば長年の悲願だった鉱物資源の自国供給が可能になるのだ。 まるで夢のようである。 既に産廃処理場から連携のオファーも来ているという。どうやら冶金施設が操業を開始したらゴミから金属資源を取り出したり出来るらしい。 エコである。リサイクルである。 彼はこれによって長年の不況が緩和されると心から信じていた。これでこの国も良くなるに違いないと。  だが、しかし。 「オレの不幸は、お前と、組んで、このポンコツに、乗ってることだ」 「えー、しんがーい。ぼくちょーガンバってるのにー」  ぷー、と頬を膨らまして発声したらしい小柄な人物もシーソーに手を添えて漕いでいるように見えるがあくまでその上下動は軽やかなものである。  きりきりきりきり。  ゆるいカーブに差し掛かり鉄の車輪がレールを噛む音が響き渡る。 「なあ、おまえ、手ぇ添えてるだけだろ」 「あ、やっぱばれた?いやーなんかぼくの身長だとこれ高すぎるみたいでさー」  あはは、と全く悪びれた様子もなく笑う小柄な人物に心の中でありったけの呪詛を唱えたあと、男は虚しくなって薄暗い坑道の天井を振り仰いだ。 「ああ全く、ここが本格的に開発されたら絶対昇進して部署変更してやる。 冗談じゃない、オレの人生までこんな真っ暗闇のトンネルであってたまるか」 「お、詩人だねー。それじゃ明るい未来に向かってもう一漕ぎ、おー」  脳天気な小柄な人物の声をなるべく脳から閉め出す努力をしながら、男は小さなライトで切り取られた行く手の闇を省みああ、神様、と絞り出すように呟いた。  オレの努力、報われるっすよね?資源ざっくざくでうはうはっすよね?  薄闇の中で彼に答える者は、当然無い。  冶金工場が操業を開始し、新鉱脈の開発が本格的に始まる、少し前の話である。 &link_up(▲TOP) /*/ &bold(){STAFF} 15-00295-01:乃亜・クラウ・オコーネル <イラスト> 15-00296-01:守上藤丸 <htmlデザイン> 15-00301-01:蘭堂 風光 <設定文> 15-00303-01:イズナ <イラスト> 15-00305-01:ホードー <ゲーム> 15-00738-01:真輝 <設定文> 15-00752-01:久遠寺 那由他 <設定文> &link_up(▲TOP) ----

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