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文族の春 猫屋敷兄猫 - (2007/08/01 (水) 02:39:43) のソース

*文族の春 (提出予定 準備中)

***未使用SS集   1500299:猫屋敷兄猫@ナニワアームズ商藩国


>国民の日常ss 

目を開くと、そこは空だった。

 ******************
   兄猫の見た夢…。
 ******************

『(えっと…空、飛んでる?)』
目を開いてまず飛び込んできたのは流れる雲だった。
白い綿菓子のような雲が兄猫を避けるように、横を流れて後方に飛んでいく。
ふと、下に視線を移すとどこか見覚えのある山が見えた。
『(空が青い。あの山は…ナニワの地下山脈じゃないな。地上の空、飛んでるのか?)』
ぼーっとした頭ながら、少しずつ状況の理解を始める。
『いやいや。生身で空、飛べるわけないやな…って事は、こりゃぁ夢だな。』
事ここに至って、この状況が夢であると気付く。眠った時に見る、あの夢だ。
どう考えても非日常なこの状況。
そういえば、今までに何度もこんな非日常的な夢を見たのを思い出す…。

仲間と共に星の海を駆けた夢…。
ロボットに乗ってミサイル迎撃に突撃した夢…。
沈みゆく船で、避難誘導をした夢…。
手榴弾で化け物と戦う夢…。
メイドガイに萌える部隊で迫撃砲をぶっぱなした夢…。

現在の自分にとってファンタジーそのものな夢だったが、妙にリアルな夢だと思った。
兄猫は考える。
夢こそは無限の可能性にして、己自身なのかも知れないと。
夢に見た自分も、また自分…。
夢とは…別次元の、いわゆるパラレルワールド的なものなのかもなと考える。
流れる雲を見ながら、ふっと口元に笑みを浮かべ、目を閉じる。

再び目を開くと、そこは空港の滑走路だった。
頭上には満点の星空が見える。
『あれ?ここは…?』
頬に当たる風の感触。淡く輝き、瞬く星々。
『あ~、あ~あ~、昼寝してたんだっけ。』
よっこいせと起き上がる兄猫。う~んと伸びをする。
『夢…かぁ。』
頭上の星を、月を、見上げながら歩く。
いつかあの場所に行けるかなぁと思いながら…。

夢を見る…眠った先の別の世界。
夢を見る…いつか叶えばと願う望み。


>わんわん救助ss(作戦前ver

~ナニワアームズ商藩国 藩王のお部屋~

藩王サターンは考えていた。
お部屋のこたつ(掘りごたつ)に足をつっこみ、あごを台に乗せて。
『う~んう~ん…つ~ぎのアイドレス、な~ににしよっかなぁ~?』
アイドレス工場を作ったのでI=Dは量産できる。でも、出撃の度に資源が必要だしなぁ。
でも、観光地も良くね?良くね?金、金、にゃにゃーん!
そんな風に悩んでいる藩王サターンの元に、小さなお客さんがやって来た。

 ***************************
   わんわん救助作戦
 ***************************

『ん?なんか視線を感じる…?』
藩王サターンが何者かの視線を感じ、辺りを見回すと…
|ω▼)じーっ
柱の1つの影から変な生き物がこちらを窺っている。
<どうする?コマンド>
○ 見る
○ 捕まえる
○ 追い払う
○ やっつける
瞬時に頭に浮かぶ選択肢の数々。
● 見る
○ 捕まえる
○ 追い払う
○ やっつける
とりあえず凝視する藩王サターン。ガンを飛ばしている風にも見えなくもない。
|ω▼)じじーっ
『(逃げないね…度胸がすわってるじゃないか!)』
よく見ると、なんか紙をくわえているようである。奇麗に折りたたまれている。
『(紙、くわえてんね?手紙?密書か?)』
今、共和国では動員令が発令して戦時のような緊張感に包まれていた。
ちょっと興味を引かれた藩王サターンはこたつの上のピーナッツを持って近づいた。
『あ~、ちょっとそこのキミ。それ見せてくれない?ピーナッツあげるから。』

変な生き物から手紙を受け取った藩王サターン。
手紙を開くと、中身は真っ白だった…が。
『(……声……こ…ま…か…聞こ……すか?)』
ふと響く誰かの声。頭に直接響いてきてる?
『(私の名は“青にして正義”。このメッセージを聞く者に助力を願い出る。)』
藩王サターンはメッセージを受け取ると、国民を緊急招集した。

『困ってる者を助けに行くぞ!』
開口一番そう言う藩王サターン。国民一同かたまる。
『…えっと、話の意味がわかりません。藩王。』
一同を代表して吏族のsakakiが意見を述べる。
『場所はわんわんのになし藩国だ。』
聞ぃちゃいねぇ~?とか思いながら一同さらに固まる。
『ちょっと待ってください。わんわんのって明らかに領域侵犯ですよ?』
宮廷画家の守上藤丸も意見を出す。
『大丈夫。時間は180秒だから、気づかれる前に脱出すれば良い。』
???と歩兵の乃亜I型とくろがねが首をかしげる。
『とりあえずコレ読んでみ。』
藩王サターンはネコリスから受け取った手紙を回し読みするよう渡した。

『はぁ…天領の魔法使い様の依頼ねぇ。』
吏族のうさぎがやれやれと言う感じに頭に手を乗せた
『なるほど。こういう理由なら…出撃OK!』
パイロットのじんべえがニッと笑う。
『ちゅう事で…困ってる者を助けに行くぞ!』
『『『『『おお~っ!!』』』』』
藩王サターンの号令に続いて響く了承の声。
誰1人、異論をあげる者なく出撃準備が始まった。


>E60 I=Dの整備

カンカン、キンキン、ギリギリ、ゴゴンゴン…
無機質な音が木霊している。
ここはオアシスの地下に広がるナニワアームズ商藩国、アイドレス工場。
連戦に連戦を重ね、ガタのきたI=Dの整備中である。
整備士、たった2人で。

 **********************
   イベント60 I=Dの整備
 **********************

『うがあああああ!?な・ん・で・俺達だけ仕事なんだよぉぉぉおおおっ!!』
sakakiが限界突破して吠える。
ギリギリギリ…と鬼のような形相でスパナをまわしている。
『………。』
一方もう1人の整備士、うさぎは無言で計器類のチェックをしている。
画面に映る文字の羅列がシステム面の修正完了を示す。
「………完了。」
短く呟くと、懐からタバコを取り出し一服いれる。
( ̄Д ̄)y━・~~
『ああ!?なにアンタさぼってんだよ!」
sakakiがスパナをぶんぶか振り回しながら抗議する。
首だけ回してsakakiを見るうさぎ。
長い前髪の奥の目が死んだ魚のようだ。濁っている…。

『やぁやぁ、お疲れさん。整備は順調かのぅ?』
響き渡る能天気な藩王の声。
脱走防止用に閉じられた工場の入り口が3日ぶりに開かれ、藩王が入ってきた。
ゆらりと幽鬼のように立ち上がるうさぎ。
獲物を見つけた狩人のように舌なめずりするsakaki。
『…復讐スルハ我ニアリ…復讐スルハ我ニアリ…。』
『…神ヨ、我ラガ正義ニ祝福ヲ。彼ノ悪魔ニ鉄槌ヲ!鉄槌ヲ!』
どす黒い殺気を全開で藩王ににじり寄る整備士の2人。
手には整備用カッターと装甲整備用げんのうを持っている。

殺・る・気・だ!

『いや~ゴメンね。2人にだけお仕事お願いしちゃって。』
冷や汗を流す藩王。このプレッシャー、アラダ級か?とか思ってみる。
『そんな君達に、助っ人が来てくれましたよっと。』
後ずさりながら、くぃっくぃっと後を指さす藩王。
助っ人~?といぶかしむ2人。藩王の後ろを見る。
整備工場の扉から顔だけ出して様子を見ている女の子が一人。
どす黒い殺気を放つ2人に怯えている風に見えなくもない。
『聯合先の世界忍者国さんからの助っ人の逢瀬みなおさんだ。』
バサァッとマントを翻しながら藩王が紹介する。

註:
世界忍者国は森の中にある国で、国民さんは金髪・長い耳・細い体型の美人さんの国である。
ファンタジーによくある「エルフ」みたいなのと思いなっせぇ。

『め、女神さまやぁ~!』
『ほんまやぁ~、女神さまやぁ~!』
感涙にむせび泣く男2人。うんうんと満足気に頷く藩王。
『そんじゃ、引き続き整備の方よろしく~。あ、生産ライン1つくらいなら止めても良いよ。』
お客さんに無理はさせないでねとの配慮である。
『モチのロンでさぁ!』
『やる気、出てきた~!』
ナニワの整備士の士気が急上昇しました。

かくして、助っ人に来てくれた世界忍者の整備士さんの活躍(士気に+シフト修正)で、I=Dの整備は完了したのである。

 >ゲーム結果:
ナニワアームズ商藩国
アメショー5機を整備します。
(計25人機 整備難易度9)
整備評価13(食料3、燃料3消費)(うち、生産ライン停止(アイドレス工場) +5)
結果:自動成功


>ドランジ探し 参加ss(笑) 

鍋の国…
そこは鍋大好きさん達の夢のパラダイス。
鍋の国…
そこはメガネ大好きさん達の夢のシャングリラ。
鍋の国…
鍋の国…
そんな鍋の国に、脱藩者がやって来た!

 *************************
   ドランジ探し 参加ss
 *************************

世界忍者国防衛戦よりこっち、行方をくらましていたカール・T・ドランジ氏を探す…。
その為には舞踏子(絢爛舞踏祭の女主人公)のアイドレスを着る必要があった。
「愛と友情のために!」「ドランジ出ておいでー。」「みんなでさがしにいくよー。」
各国を脱藩した女子は舞踏子のアイドレスをもつ国へと入国。
そして、嬉し恥ずかしお着替えタ~イム。
その中に、一部に、男子が混じっていた。

脱藩者の1人、猫屋敷兄猫は固まっていた。
『えっと、コレを着るの?』
兄猫、目の前の女性が持つ「布」を指差す。
兄猫が入国したのは鍋の国。南国人でメチャ薄着なのであった。
『もっちろ~ん。はい、どうぞ♪』
輝くばかりの笑顔で「布」を渡す女性。鍋の国の子爵夫人、ミサ藩王である。
『……ちょっと、考えさせてくれますか?』
顔に青線入りまくりな兄猫。
『あ、これガーターベルトね、はい。』
『チョット考エサセテクレルカナ!?』
兄猫、必死の形相でマジ懇願。
とぼとぼと壁際まで行って壁に手をつき反省のポーズ。
(落ち着け~、落ち着け~、
 覚悟はしてただろ?だろ?
 女装、うん、女装。誰が?俺が。
 いやいや、まてまて、あの格好は想定外の予想GUY。)
『え~っと、ズボンとかってない?』
希望にすがるかのように問うてみる。
『ないよ~♪』
輝く笑顔のミサ藩王。
(え~っと、う~っんと、HAHAHAHAHA。
なにしに来たんだっけ?俺?
そうだ、ドランジさんを探すためだよな?な?
友誼のためだよ、恥ずかしくなんかないよな?な?
しっかし、ここの藩王さまかわいいよなぁ。
ビバ!めがねっ娘。ビバ、ビバ!
…じゃねぇ!なに考えてんだよ、おい。
服だよ!問題はあの服なんだよ!
どうする?どうする?)

『なにやってんですか?兄猫さん。』
ナニワの国を共に脱藩した守上藤丸が声をかけてきた。
どうしよう~?と振り返る兄猫。
(; Д) ゚゚
その目が飛び出す。
そこには既に着替え終えて、その、可愛らしい女の子がいた。
『ちょ、え?ふ…じ丸さん?』
『こんなのは勢いですよ~。ほら、兄猫さんもはやく、はやく。』
ボクは一度やってますから~っと輝く笑顔で語りかけてくる。
(///ω///)ぽっ
兄猫、妖しい世界への扉を開きそうになる。慌てて閉める。
(え~っと、う~っんと、HAHAHAHAHA。)
プッツン。
なにかが切れる音がした。
『俺は人間をやめるぞ、J●J●ォォォオオオッ!!』
兄猫、突然のシャウト。URYYYYHHHHH!!!とか言ってる。吠えてる。
勢いよく新しい世界への扉(さっきとは別)を開き、新境地へとダイブ。

着替えが終わり、3人の舞踏子MENズが完成した。
『開きなおりって大事ダヨネ?』
兄猫、輝く笑顔。解脱の境地かも知れない。
『これであなたも同じ穴のム・ジ・ナ・☆』
にやりと黒い笑みを浮かべる守上藤丸。
『んー、詰めたほうが良いかな…?』
世界忍者国からの脱藩者はしきりに胸元を気にしている。
女子の脱藩者達も着替え終わり、みんなが集まってきた
『キャーーーッ!かわいい~。』
ここでも守上藤丸くん大人気。
『うん、なんかころがしたいよね~♪』
『『『ね~。』』』
ミサ藩王の反応に舞踏子たちが声を揃える。
やっぱり可愛いは正義なのか?なのか?
ところで「ころがしたい」ってなんデスか?

しばらくして、1人の吏族が慌てて駆け込んできた。
ミサ藩王と密談…そして、
『ごめーん!!女のコだけOKみたーい。』
ミサ藩王の声が響く。ドランジ探し隊への参加は女装は不可との事らしい。
『『『『『エーーーーッ!?』』』』』
会場に上がる大ブーイングの声。
『せっかく着たのにーっ!』
舞踏子の皆さんにメイクを手伝ってもらってた守上藤丸、不満顔である。
『チッ。』
思わず舌打ちする兄猫。
∑( ̄A ̄;)ハッと我にかえる。
(チッじゃねぇ、チッじゃねぇんだよぉぉぉ…orz)

新たな世界への扉を開き、少し変わった人生経験を積んで、
3人の舞踏子MENズはお国に帰りましたとさ。
めでたし、めでたし。


>E65 作戦立案@玄霧

ここは玄霧藩国。
にゃんにゃん共和国でも有名な酒と霧の国である。
ここ玄霧藩国は今、かってない緊張に包まれていた。
神出鬼没に現れ、各国を襲うアラダ…。
星見司の導き出した答えは、次の戦地に玄霧が含まれていた。
にゃんにゃん藩王の面々は会議を開催、意見をまとめた。
「すべての国を守る。」
共に和して自由の旗の下に…猫の戦いが始まる。

 ************************
   E65:作戦立案 玄霧藩国偵察
 ************************

玄霧国防衛作戦に集まった有志の面々。
その数たるや、総勢32名。I=D11機。
その中にはナニワの新型、I=D04バーミーズも含まれていた。
先行部隊として、I=DバーミーズとI=Dうささんの3機が偵察へと出撃する。

『藩王、偵察に出れなくて腐ってないでしょうね?』
ナニワのパイロット兄猫はナニワの藩王サターンへと通信を開いた。
『バーミーズの実戦テスト、したかったよね~。』
偵察で知られるナニワの部隊は火力支援部隊に配属されていた。
妖しい料理を食し、能力強化と引き換えに「力」を封じられた者たち。
彼らでは敵にアラダがいた場合、非常に危険であるからだ。
『ん?霧が出てきましたね。』
玄霧藩国は黒い霧と白い霧が出る事があるらしい。
『ふむ。霧…これを利用すれば気づかれずに移動できるかもだが…。』
どちらが先に見つけるか?
いや、こちらが先に見つけなければならない。是が非にも!

……ガガッ…ピーッガ……
突如、緊急無線が起動する。
『…旦那様、お客様がお見えになられました。』
偵察部隊からの敵発見の報告が本部に入る。
何故か執事口調なのは暗号を意識してである。
皆の顔に緊張が走り、とたんに周りが慌しくなる。
『火力支援、いつでも撃てるように準備ぃ!』
ナニワの藩王サターン、部隊の者に声をかけつつ自分の機体の調整を始める。
『クールよりホット…OK。』
『いつでもいけます。どーぞ。』
全機体がアイドリング状態から臨戦モードに移行する。
『セバスチャン…貴婦人の機嫌はいかが?』
本部は偵察へと詳しい情報の報告を求める。
『…お客様は4名にございます。5頭引きの馬車にてお越しです。』
『…虎の門の前でお待ちいただいておりますが、お出迎えいかがでしょう?』
要約するとこうだ。
・旦那様=防衛本部。
・ お客様=アラダ4人。
・セバスチャン=偵察のI=D部隊。
・ 5頭引きの馬車=雑魚500くらい。
・ 虎の門の前=西の国境付近。
・ お出迎え=応援要請ねがう。
である。

偵察からの情報を元に本部は作戦を再度立案。
臨機応変な対応こそが生き残る術である。


>E72 ゴロネコ藩国防衛戦

星見司処が推測した次の敵の出現地…
玄霧藩国、FEG、小笠原…そしてゴロネコ藩国。
各国でも戦闘が続発し、共和国では戦力の分散を余儀なくされていた。
ここゴロネコ藩国での偵察活動は成功。その結果、侵攻中の敵の規模が発覚した。
アラダ×12
チル ×2000
敵勢力、空前の大規模での侵攻である。
敵の狙いはオーマ、「白にして白銀」である日向であろう。
しかし、部隊が大きすぎて移動に手間取っているようであり、このお陰で奇襲の時間が稼げた。
今、ゴロネコ藩国を舞台に、絶望的な勢力差を相手に大奇襲作戦が始まる。

 ***********************
   E72 ゴロネコ防衛戦
 ***********************

眼下に広がるI=D、そして歩兵の部隊を見下ろす男。
海法よけ藩国の藩王、海法紀光。
並ぶもの者なき優れた星見司であり、稀代の名将である彼が今回の作戦の指揮を執ることになった。
『(これが今の全力か…。いや、よく集まってくれたと言うべきだな。)』
各国から集まった有志の数、I=D22機。歩兵51名。医療班3名。
けっして多いとは言えない戦力、いや2000もの数を相手には圧倒的に少なすぎる。
『ま、部隊を生かすも殺すも指揮官次第…だ。俺がやるからには当然、勝ちに行くっ!』
無線を片手に指示を開始する。
『全部隊、位置確認。』
作戦は、敵の移動方向に先回りしての包囲・挟撃。
偵察の成功により、敵の進軍方向までわかっていた為できた作戦である。
『I=D~うっささん。待機ok~。』
『歩兵隊、全員配置完了との事。どーぞ。』
I=D、歩兵を同時に運用。部隊は薄~く配置。少ない戦力で包囲を完了していく。

『よし、陽動部隊出撃。』
指揮官の指示により、陽動部隊が動き出す。
ナニワの新型I=Dバーミーズの出番だ。
先ず、光学迷彩を使いつつ隠密移動。
敵の近くで迷彩解除し敵にわざと発見される。その後、囮・誘導を行うという危険な任務である。
陽動部隊にはナニワの名パイロット、守上藤丸も搭乗していた。
『機体機能は正常に動作中…。』
各種計器類をチェックして守上藤丸が相方に声をかける。
『十分な距離をとりつつ、敵をひきつけて…』
相方のバーミーズパイロット、鴨瀬高次が呟く。森の中を静かに移動しながらタイミングを図る。
『陽動行きます!ほら、敵さんこちらー!』
『鬼さんこちら、手の鳴る方へ~。』
上手く引っかかって!と心で念じながら光学迷彩解除。森の中に漆黒の機体が現れだす。

ザッザッ、ザザザッ。
横合いから白い機体。高速猫移動モードのI=Dアメショーが現れる。
『援護する。行くぞ。』
若い男の声。レンジャー連邦に駐留しているカール・T・ドランジ氏が援軍に来たのだ。
『キャァ~~~ッ!○×△□☆~~~※!』
別の機体に乗っている舞踏子さんが声にならない悲鳴というか歓声(5文字)をあげる。
皆、耳を手でふさぎ一斉に通信のボリュームをしぼる。
ドランジ機、人型モードに変形し滑らかな動きで移動開始。陽動を始める。
バーミーズ部隊はドランジ機を守るように移動しながら追従。陽動を行い始めた。
突然のI=Dバーミーズの出現。さらにACEユニットの援軍。
陽動は成功。敵の注意がそちらに向き、スキが生じた。

陽動が成功したのは誰の目にもすぐさまわかった。
敵の移動が止まったからである。
『そろそろ出番だな。』
『待ちわびましたよ。』
I=D火力部隊、トモエリバーにナニワアームズのイズナとじんべえが搭乗していた。
トモエリバー…犬の国からの移民、ジェントルにゃんにゃんの機体である。
『データリンク、敵位置…適時微修正。ok。』
じんべえが機体の相方に声をかけつつ、陽動の反応による変化を修正する。
トモエリバーは猫のI=Dに比べ感覚能力が低い。その分は名パイロットの技術でカバーである。
『この距離じゃ一方的か…?砲撃入る!』
イズナ機、照準をロックする。
『先頭切ってるのを狙った方が効率がいいらしい。』
相方に声をかける。ナニワのパイロットの空間把握能力を行いつつ距離を計算。
砲撃が…開始された。

『照準、あわせますっ!…どうぞ!!』
陽動成功、遠距離から撃て撃て撃て!と通信で叫ぶ相方のパイロットに守上藤丸が声をかける。
『バーミーズの性能、思う存分引き出しちゃってくださいっ!』
守上藤丸、再度光学迷彩on。スーッと森の景色に溶け込むバーミーズ。
認識不能の空間からの銃弾を浴びて倒れていく敵の軍勢。
『初っ端で撃墜数の稼ぎ日和ときたもんだ。』
遠く陽動とは反対側でイズナ。薄く笑いながら砲撃を続ける。
『的、多すぎ~。ま、当てるのに苦労しないけどさ。』
じんべえ機、トモエリバーの100mm砲“Lance”をぶっ放す!
砲弾は敵を貫通し爆発する。

着弾っ!着弾っ!!着弾っ!!!爆発っ!爆発っ!!爆発っ!!!
森の中に響き渡る銃声、砲撃音、爆音、怒号…etc。
阿鼻叫喚の状況と共に、奇襲は大成功である。
70対2000という大兵力差を越えて、絶望的な戦力差を越えて、
猫は勝利したのである。


>E69 青森救出作戦

「アイドレス」という世界がある。
無名世界観作品のキャラクターが多数登場して絡み合う世界である。
そして、青森恭平という「漢」がいる。
無名世界観作品「頂点のレムーリア」に登場するキャラクターである。
トラップの名手にして、凄腕の傭兵。
努力に努力を重ねた、ただの人間。
その彼に命の危機が迫ってるとしたら?
………
ただ黙って見ているか?指をくわえて?
……
ある「猫」はそれを良しとしなかった。その身を犠牲にしようとも…。

 ********************
   E69 青森救出作戦ss
 ********************

キノウツン藩国に、わんわんとにゃんにゃんから有志の部隊が集結していた。
情報を元にこの国に集まった面々。
動きはわんわん帝國が速かった。偵察を開始。
偵察の結果、まず見つけたのはチル1000体。
隠しようもない規模の敵の多さに絶句する者、逆に燃える者。
有志達の心境は様々であった。
程なくしてターゲットの青森恭平を発見、保護もわんわんが行い、猫の見せ場はまたもなかったが、敵の殲滅作戦が行われる事になった。
「殴られたら殴り返せっ!」
藩国侵犯でもある。また、ここで倒しておかなければ青森がずっと狙われるだろう。
ただ1人を守る為に、犬と猫の共同作戦が行われた。

ナニワアームズ商藩国からは3名が参戦していた。
歴戦のサイボーグ戦士、乃亜I型。
幸運の名パイロット、蘭堂風光。
ニューフェイスthe狩人、シュウマイ。
わんわん帝國の部隊と呼吸を合わせ、挟撃のタイミングを計る。
そして、にゃんにゃん指揮官より攻撃の合図が下った。

蘭堂風光『了解、準備は万端いつでもいけますよっと。』
ジャキッ!と狙撃銃をかまえる。今回はI=Dに乗らずの歩兵参加である。
名パイロットの優れた感覚能力で距離を把握、敵の装甲の薄い所に狙撃を始める。
シュウマイ『ワラワラ気持ち悪いなー蹴散らしてやるー!』
偵察兵の迷彩服を着こなすシュウマイ。キノウツンはナニワと同じ西国だ。
慣れた地のように移動しながらバラバラと弾幕をはり続ける。
乃亜I型『…潰す。』
低く呟くと表情を消す乃亜I型。
冷めた眼が偵察メットのズームカメラ越しに敵を見据え、銃撃を開始する。

わんわんの近距離攻撃、にゃんにゃんの遠距離攻撃、各国の特色を活かした攻撃が炸裂する。
奇襲、挟撃と言う作戦。
故郷、大事な人…守るべきものの為にな異常な士気の高揚。
侵攻していた敵部隊、アラダ12体、チル1000体は文字通り吹き飛んだ。
完全撃破である。
『『『『『うおおおおおおおっっっ!!!』』』』』
わんにゃん両軍から大地を揺るがすほどの勝ち鬨の声が上がった。

救出に成功した青森恭平をわんにゃんの全員が囲む。
なかには今にも抱きつこうと思う者もいたかも知れない。
青森『はっは。こりゃまた妙な事になったもんだがまぁ、助けてくれてありがとう…かな。』
よっこいせと座っていた彼が起き上がる。
猫と犬の指揮官は何故ココに来たのかを問う。
青森『いや、ヒロシマってのに向かってたんだが…。』
どうやら、キノウツンは経由地だったみたいである。急いでいるようだ。
『ハイハイッ!一緒に行く~っ!』
『あ~、抜け駆けはダメにゃ~。』
とわんにゃんの部隊の中から声が聞こえる。
その声を合図に各人が青森を引きとめようと声をあげる。

蘭堂風光『急いでいるなら、なおのこと猫らしく細かい事は気にせずに一緒に行きましょう。』
口元を緩ませながら語りかける蘭堂風光。
シュウマイ『せっかく出会ったんだもん、最期まで付き合わせるのが義理ってもんでしょ?』
カボチャ型偵察メットの向こうでニカッと笑うシュウマイ。
乃亜I型『楽できる時は楽しておくものだ。多少の手助けくらいは出来る。』
腕を組みつつ、うんうんと頷く乃亜I型。

わんわん、にゃ~にゃ~とまとわりつきながら説得するわんにゃんの皆。
にわかに出来た仲間?と好かれている(なつかれている?)という状況に少し困惑しながらの青森。
青森『…んじゃ、厄介になりますか。』
彼はそう言いながら頭をかいた後、笑った。

(文:猫屋敷 兄猫)