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*13人の超新星(7) ◆WslPJpzlnU
持っていかれたな、というのが正直なところの感想だった。
浅倉の見やる先で巻き起こる新たな戦い、それは赤と黒の高速戦闘だ。さながらルーレットのように両者は旋回し、しかしながらルーレットならざる身ゆえに、幾度となくぶつかり合う。
「うううううううううううううううううううぅぅぅぅぅ!!」
「ぐ……!」
圧倒的な猛攻を加える女に対し、天道を秘める赤い仮面ライダーが攻勢に転じることはない。
専守防衛だ。過剰なほどの外殻を切り離し、スマートな体格となった姿だからこそ攻撃に応じることが出来るが、同時に衝撃をもろに受けることになっているのか、その挙動と声には苦しみが滲んでいた。
(馬鹿が……)
攻めれば良いものを、と麻倉は思う。精々俺が行くまで生き延びろ、とも。
「浅倉ぁ……!」
名を呼んで振り向き、眼前に迫る靴裏をベノサーベルで払いのけた。
どれほど強固にして強靭な脚なのだろう、斬れることも削れることもなく、迫る脚は弾かれただけで終わってしまった。だがそうした動きの乱れさえも利用して、蹴りの連続は発動する。
「死ね!」
「ダラぁ!」
右に払い、
「消えろ!!」
「ウラぁ!!」
左に払い、
「潰れろ!!!」
「オラぁ!!!」
受け止めて、
「「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーー!!」」
重複する叫びに互いを弾き合った。
じゃ、というアスファルトを擦る音を引き、2人の仮面ライダーは距離を開ける。
「殺してやるぅ……」
ベノサーベルを構える浅倉に対し、緑の仮面ライダーがとる姿勢はまるで野獣のようだ。
中腰の姿勢で腰を折り、尻を高々と掲げる態勢。両肘はだらりと路上につき、掌はアスファルトを愛撫するかのようだ。全てを睨み上げるようにひねられた首には、死体に睨まれているような心地がする。
まさしく幽鬼といった風情だ。
「悪くねぇ」
考え無しに加虐したものの、ここまで形になるのは予想外だった。てっきりあのまま、地と嘔吐の中に倒れ、適当に誰かに踏み潰されて終わるものだと浅倉は思っていたのだ。
しかし今、少女は仮面ライダーとして自分と拮抗する。
悪いのは自分の体調だった。
(……っ)
ミラーワールドに引きずり込む以前のこと、相川との戦いで受けた傷が痛む。今の応酬で傷が開きつつあるのだろうか、しかし鎧の上からでは自覚症状以外に被害を把握する術はない。
(だせぇなぁオイ)
せっかく盛り上がってきたというのに、始めた自分がこれでは楽しめない。
もっと滾れよ、と浅倉は自らの体に思う。
と、
「……当たり前よぉ」
聴こえたのは相変わらずの陰気な声だった。緑の仮面ライダーが、姿勢を一定させることもなく、ゆらゆらと揺れながら声を吐き出している。
「悪いのはぁ……全部あんたぁ…………私は清廉潔白良い子ちゃんなんだからぁ…………」
「言ってろ」
高揚しつつある感情を剣に込め、踏み出した脚で緑色の頭を狙う。
対する緑の仮面ライダーも急激な動き、猫背を戦闘にした跳躍はまるで烏賊か蛸のようだ。そのままもんどりうって前転、ベノサーベルの刀身と交差するようにして、踵をこちらの顔面へと振り下ろす。
そして、
「……!!!?」
強烈な閃きに目が眩み、怯んだためにお互いの攻撃を受ける形となった。
「がっ!」
浅倉は顔面から吹っ飛び、
「ぎゃんっ!」
緑の仮面ライダーは胸を斬りつけられて火花を散らす。
転げ回る2人の姿の姿は白と黒の二色刷り、余りにも強い光が有色を殺し、光当るところを白、当らぬところを黒と明瞭簡潔に切り分けたのだ。
2人だけではない、大通りの一角は、まるで太陽が降り立ったように輝いている。
否、降り立ったのは雷か。
それとも、神か。
「……溶解だと!?」
それは浅倉だったかもしれないし、緑の仮面ライダーだったかもしれないし、他の誰かかも知れなかった。しかし言われた通りの事実が発生している。
大通りに並ぶビルの1つが、突如として融解したのだ。
じゅ、と蒸気をあげるコンクリートはまるで溶岩といった風体、瓦礫を呑み込み、手前の歩道を伝って、大通りのアスファルトにまで生コンを垂れ流す。
そして、コンクリートの泥から現れるのは巨大な、
「野犬?」
違う。それは流動によって野犬の形をとりつつある、ビルの鉄骨だ。1棟分の鉄材は帯電によって光を迸らせ、表面を真っ赤に灯らせた溶岩のように変形していく。ビルの4隅は4脚となり、天に向かって伸びる長方形は高さを落とし、引き換えに前後へと太くまとまる。
「……ふっ! とっ! どっ! きィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
声がしたのは、鋼の巨犬の頭部辺りだ。人間で言うならばうなじ、頭部と首の境目あたりに、長い耳たぶを振り乱す雷の男がいる。
いる、というよりも、合一している。
四肢を雷電に変化させた男は四つん這いにも似た姿勢だ。4つの雷電は巨犬の内部へと浸透し、未だにそれを赤く輝かせる力の原動力となっているようだ。
「“雷治金”応用版ーー“雷獣・鉄”!! 雷なる我が手足を通わすことで鋼鉄は現在進行形で形を変える!! その重量! その高熱!! その高圧電流で!!! 路上にこびりつく炭となるがいい!!!」
ベノスネーカーに匹敵する巨体で、赤熱する鉄犬は遂に歩き出す。歩くたびに道路は赤く変色し、足裏のままに硬度を緩めて陥没していく。男の言う通り、度を超えた熱量と重量が為せる業だ。
『…………!!!』
鉄犬が音もなく吼える。
生物ではないそれに声帯や肺などある筈はなく、四肢を踏ん張らせて顎を開いたところで、浅倉達はそよ風一つ感じることはない。
ただし、巨体が発散する熱気と稲妻はその限りではない。鉄犬の出現とともに周囲の気温は上昇し、体毛のように迸る電気は頻繁に弾け、変動する明度と炸裂する電気の末尾が視覚と聴覚は撹乱する。
鉄犬よりも遥かに小さな浅倉としては、鉄犬の首に乗っている雷の男の姿は見ることができない。
しかし、その声は明確に聞き取れた。
「まずは貴様からだ“紫鎧”! 愚考と愚挙に全身の体液を流して詫びるが良い!!」
芸も細かく、鉄犬の凶暴な顔が浅倉を見据えた。
「人を鎧の色で呼びやがって……」
文句を漏らすが、しかし内心ではそれほど悪い気持ちではない。
何故なら、未だ出さずにいる力を発動する機会を得られたからだ。
「お前等ぁ!」
浅倉の呼びかけに答えたのは、怪物達だった。
『GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAーーーー!!』
『SYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAーーーーーーーーーー!!』
『VOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!』
深紅、紫紺、燻銀、それぞれにそれぞれの色を持つ怪物達が一斉に並び立つ。浅倉に、正確には浅倉が使うカードデッキに隷属するミラーモンスター達だ。
だがそれさえも雷の男は嘲笑う。
「ヤハハハハハ! 珍獣を並べたところで私に敵うと思ったか!?」
彼我の戦闘力の差が解るのだろう。浅倉ですら解るのだ、雷の男に解るのもまた道理。
だから、浅倉は三たびにベノバイザーを現してスリットを起こす。
バックルのカードデッキから抜き放たれるカード、その名は、ベノバイザーが眼光を点滅させて告げる。
『UNITE VENT』
それは王蛇のカードデッキだけが持つ、特殊なカードだった。
『『『OOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOーーーーーーーーーー!!!!』』』
「……!!?」
バイザーの宣言に呼応して同時に叫ぶ化物、それに気圧されたのか、雷の男は一歩たじろいだ。
それは、カードの効力が果たされるには十分過ぎる時間となる。
『VOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!』
変化の始まりはメタルゲラスだった。
もがくようにして外殻を掻き毟り、人型の犀が唐突に倒れる。だがそれは立てないほどの痛みや苦しみがあるからではない。犀として本来の姿、4脚によって体躯を支えることを目的としていたのだ。野太い両腕が道路に突き刺さる。
続いての変化は体積だ。
お、と吐瀉を寸然にしたような呻きを幾度も零し、メタルゲラスの体がどんどんと膨れていく。まるで空気を吸い込んでいく風船のように、外殻同士の接続を解き、赤紫の体色を露出させる。
今やメタルゲラスの体躯は、ビルの2階辺りまで肩が届く大きさだ。
それを待ち受けて動いたのは雷の男、ではなく、天地からメタルゲラスへと迫る2つの長胴だった。
地にはベノスネーカー。
天にはドラグレッダー。
それらは一様にメタルゲラスの背後へと回り込み、そして背中へと飛び込んだ。
『GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!』
『SYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAーーーー!!!』
メタルゲラスの背中と頭部が発光し、いかなる変容がなっているのかは把握出来ない。しかし光の中を大蛇と飛龍が左右に並列しながら進み、野太いうなじへと至り、遂にはメタルゲラスの顎より上を削ったのだった。
消えてしまったメタルゲラスの頭はどこにいったのか。答えはドラグレッダーとベノスネーカー、いやさそれらであったものの頭部にある。
ドラグレッダーだったもののに右半分を、ベノスネーカーだったものに左半分を分ち、覆い隠してたのだ。今やメタルゲラスの頭部は龍と蛇の顔を半分だけ隠す仮面となっていた。
そして2体の化物を“だった”と過去形にする理由は一つ。
発光が止んだ今、メタルゲラスの背へと突っ込んだそれらは、メタルゲラスの体と融合しているからだ。
最早そこに立つのは3体のミラーモンスターではない。最強と、最悪と、最硬を兼ね揃える、帝の名を冠する化物だ。
『『ZYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAーーーーーーーーーー!!!!』』
巨大化したメタルゲラスの体を胴体とし、右にドラグレッダー、左にベノスネーカーの首を生やす四足の地龍は、歓喜のままに2本の尾を振り回して周囲のビルを抉り裂いている。
今や轡を並べる龍に、無双の名は失われた。
番う頭の龍を表すは又を並べた双の一語、虚無は無として新たなる契約モンスターが生まれた。
双帝ジェノサイダー・アレンジ、浅倉はそれをそう呼ぶことにした。
『『ZYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAーーーー!!』』
「……小賢しい!!!」
もはや力も体躯も鉄犬と同等以上になった化物が、2つ並んだ顎を先駆けにして突撃する。
『『ZYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAーーーーーーーー!!!』』
「…………!!!」
双頭の化物と、異形の巨犬が正面から激突した。
轟音と火花が2体の設置面より弾け、大きく開けた大通りを震撼させる。
「ぬうぅ……!!」
『『ZYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAーーーーーーーーーー!!!』』
猛牛など比べるべくもない突撃力の応酬、しかし分はジェノサイダーの方にある。
鉄犬の重量、熱量、帯電を受けてなお拮抗しうるジェノサイダーを前にして、それだけの特殊効果を満足に通用させられなかった鉄犬が、いつまでも拮抗を維持することなど出来るはずがなかったのだ。
「がぁあああああああぁぁぁぁぁぁーーーー!!」
雄叫びも虚しく、ジェノサイダーに押された鉄犬は、首に乗せた雷の男ごと背後のビル群に押し倒される。
舞い上がる粉塵と蒸気、鉄もコンクリートもアスファルトも、ジェノサイダーの圧力と鉄犬の熱量が蒸発させた。噴煙と悪臭が路上を包み、だがその中で剣戟は再開される。
浅倉もだ。舞い上がる土埃を貫いて、緑の仮面ライダーが飛び蹴りとともに現れる。
「浅倉ぁーーーーーー!!!」
「はははっ!!」
憎悪に答えるのは歓喜、武器としての靴裏をベノサーベルが迎え撃つ。
(……楽しい!! 楽しくて仕方がないなぁ!!!)
浅倉の胸中は歓喜で渦巻いていた。
何もかものが望み通りだ。本来ならばもう仮面ライダーならざる者は全て消滅しているだろうに、それが起こらない不思議も気にならない。というよりも、思い浮かぶことさえない。
ただ浅倉威は、自らが開いた修羅の庭を堪能するだけだった。
【浅倉威@仮面ライダーリリカル竜騎】
【状態】仮面ライダー王蛇、疲労(中)、全身ダメージ(中)、右手に火傷
【装備】カードデッキ(王蛇)@仮面ライダーリリカル竜騎、ベノサーベル
【道具】サバイブ“烈火”のカード@仮面ライダーリリカル竜騎、カードデッキ(ベルデ・ブランク体)@仮面ライダーリリカル竜騎
【思考】
基本:戦いを楽しむ。戦える奴は全員獲物
1.紫髪のガキ(柊かがみ=仮面ライダーキックホッパー)を手始めに殺す
2.エネル→天道→キング、相川始、金居→その他手近な参加者、の順で戦う
3.鎌を持った奴(キャロ)、フェイト、はやて、ヴィータ、シャマル、ユーノと戦う
4.首輪を外したい
5.プレシアに「規定人数を殺害した参加者には希望した人間の居場所を教える」という特典を採用してほしい
【備考】
※プレシアは殺し合いを監視しており、参加者の動向を暗に放送で伝えていると考えています
※ヴィンテルシャフトのカートリッジシステムに気付いています
※カブトに変身できる資格があるかは不明です
※なのは、フェイト、はやては自分の知る9歳の彼女達(A's)とヴィヴィオの言っていた大人の彼女達(StS)の2人がいると考えています
※カードデッキの使用制限時間が極端に短縮している事に気付いていません
【柊かがみ@なの☆すた】
【状態】仮面ライダーキックホッパー、ツインテール剥離・頭皮出血、肋骨数本骨折、やさぐれ(極)
【装備】ゼクトバックル(ホッパー)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、ホッパーゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、ホテルの従業員の制服、ストラーダ(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【道具】なし
【思考】
基本:みんな死ねばいいのに
1.浅倉威を最優先で殺す
2.他の参加者を皆殺しにして最後に自殺する
【備考】
※デルタギア装着により放電能力を得ました
※心身に対するショックで、一部の参加者やそれに関する知識が戻っている可能性があります
※極度の錯乱状態です。自分以外の生物全てを分け隔てなく憎んでいます
※変身時間の制限にある程度気付いています(1~1時間30分程度の間隔が必要という事まで把握)
※エリアの端と端が繋がっている事に気付いています
【エネル@小話メドレー】
【状態】“雷治金”発動中、疲労(中)、胸に打撲痕(大)、全身に切傷(小)、『死』に対する恐怖、激怒
【装備】巨大な犬型鉄像(“雷治金”により形態操作中)
【道具】支給品一式、顔写真一覧表@オリジナル、ランダム支給品0~2
【思考】
基本:主催含めて皆殺し。この世界を支配する
1.この珍獣(ジェノサイダーA)めがぁ~~!!!
2.この場にいる全参加者を皆殺しにする
3.浅倉威からカードデッキ(王蛇)を奪う
4.ヴァッシュに復讐したい
【備考】
※心網の策敵範囲がおよそ1エリア分だと気付いています
※黒い鎧の戦士(カリス=相川始)、はやてと女2人(=シャマルとクアットロ)を殺したと思っています
※自身の制限およびゴロゴロの実の能力を使っても首輪が外せないと気付いています
※なのは(StS)のことはうろ覚えです
※なのは、フェイト、はやてがそれぞれ2人ずついることに気付いていません
※背中の太鼓を2つ失い、雷龍(ジャムブウル)を使えなくなりました
※ヴァッシュに『参加者の現在地と生死を把握する能力』があると思っています
※ヴァッシュに対する恐怖と怒りで“心網”が使えなくなりました。払拭された場合のみ使用可能になります
【ジェノサイダー・アレンジについて】
・ベノスネーカー、メタルゲラス、ドラグレッダーがユナイトベントで融合した形態。10000AP
・四つん這いのメタルゲラスの背中が、ベノスネーカーとドラグレッダーと癒着している。メタルゲラスの頭部は左右で分断され、それぞれベノスネーカーの顔左半分とドラグレッダーの顔右半分を覆っている
・ベノスネーカーの口から強酸を、ドラグレッダーの口から火炎を吐く。どちらも単体でのものより強い
・極度のダメージを受けると3体に分解する。各個体はジェノサイダーAと同等のダメージを維持する
・ファイナルベント:ストームスディ(11000AP)
アクション順序
・ジェノサイダーAの背を駆け登り、敵の直上へ跳ぶ
・2つの頭部が吐き出した火炎と硫酸を脚に巻き付ける
・敵に垂直からの蹴りをぶつける
・衝撃で火炎と硫酸が解放され、大規模な粉砕・灼熱・溶解の渦が発生する
・ジェノサイダーAの胸部にブラックホールが開き、舞い上がった全てを呑み込む
【共通の備考】
※F-6 レストラン前(ミラーワールド)に以下のものが落ちています
・相川始のデイバック(ベルト破損)
収納:支給品一式×2、パーフェクトゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、録音機@なのは×終わクロ
・浅倉威のデイバック
収納:支給品一式×2、ヴィンデルシャフト@魔法少女リリカルなのはStrikerS、肉×10kg、魚×10kg、包丁×3、フライパン×2、食事用ナイフ×12、フォーク×12、レヴァンティン(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ライディングボード@魔法少女リリカルなのはStrikerS
・柊かがみのデイバック
収納:支給品一式、Ex-st(残弾なし)@なのは×終わクロ、柊かがみの制服(ボロボロ)、スーパーの制服、ナンバーズスーツ(クアットロ)
・キース・レッドのデイバック
収納:支給品一式、ヴァッシュのコート@リリカルTRIGUNA's、首輪×2(優衣、なのは@A's)、優衣のデイバック【収納:レリック(No.・)@魔法少女リリカルなのはStrikerS】、カレンのデイバック【収納:支給品一式、ランダム支給品0~2】、アンデルセンのデイバック【収納:各種弾薬30発ずつ、カートリッジ×13、レイトウ本マグロ@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER、杖@ゲッターロボ昴】
・アレックスのデイバック
収納:支給品一式、Lのデイバック【収納:首輪探知機(電池切れで使用不能)、ガムテープ@オリジナル、ラウズカード(ハートのJ、Q、K)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、レリック(No.・、幻術魔法により花に偽装中)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、首輪(シグナム)、首輪の考察を記したメモ】、ザフィーラのデイバック【収納:支給品一式、ランダム支給品1~3】
・金居のデイバック(ビル内部)
収納:支給品×2、トランプ@なの魂、いにしえの秘薬(残り7割)@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER、砂糖1kg×8、USBメモリ@オリジナル
・キングのデイバック
収納:支給品一式、おにぎり×10、ハンドグレネード×4@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ギルモンのデイバック【収納:支給品一式、RPG-7+各種弾頭(榴弾5/照明弾2/スモーク弾2)@ACE COMBAT04 THE OPERATION LYRICAL、トランシーバー×2@オリジナル】、アグモンのデイバック【支給品一式、菓子セット@L chenge the world after story】、C.C.のデイバック【支給品一式、スティンガー×5@魔法少女リリカルなのはStrikerS、デュエルディスク@リリカル遊戯王GX、治療の神 ディアン・ケト(ディスクにセットした状態)@リリカル遊戯王GX】
・アーカードのデイバック
収納:支給品一式、拡声器@現実、首輪(アグモン)、ヘルメスドライブの説明書
・ヴィヴィオのデイバック
収納:支給品一式、フェルの衣装、クラールヴィント@魔法少女リリカルなのはStrikerS、レークイヴェムゼンゼ@なのは×終わクロ、ヴィヴィオのぬいぐるみ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
・天道総司とヴィヴィオが争うビルの側に爆砕牙@魔法妖怪リリカル殺生丸が突き刺さっています
・万丈目準のデイバック
収納:支給品一式、考察などを書いたノート
※レストラン前に装甲車@現実 が駐車しています。鍵はすでに入っている状態です
※多種多様な火器が装甲車の周囲に散逸しています(全て人間が所持して使用するタイプのものです)
※アーカードがいるビル屋上、および左右2棟に量産型フェイトが変身する仮面ライダーオーディンが100体います。
【ミラーワールドについて】
カードデッキによって鏡(景色を反射するもの)から出入りできる異世界。その中に生物はなく、現実世界側の被害は受けず、またミラーワールド側の被害も影響しない。カードデッキを持つ者は鏡越しに出来事を見ることが出来る。
以下、本バトルロワイヤルにおける制限
・ミラーワールドにいる参加者は、カードデッキ系仮面ライダーを装着していない場合、12時間後に消滅します
※ミラーワールドから脱出すると、あらゆる変身状態は解除されます
【ミラーワールドサバイバル戦・現在の状況】
対戦カードa:キースレッドvsアレックス
※ARMS同士のタイマン勝負。どちらも被害を増やしやすい武器の為、余波が他の戦いに影響する?
対戦カードb:ジョーカー(相川)vsギラファ(金居)vs魔王ゼロ(キング)
※同郷の三つ巴戦。キングはゼロを演じており、この場にいる参加者には正体が知れていないのがミソ
対戦カードc:カブト(天道)vs聖王ヴィヴィオ
※豪快に誤解で始まった戦い。天道の説得力次第ではヴィヴィオと協力する事が可能かも?
対戦カードd:アーカードvsリニス&量産型フェイト2~5号体
※遂に始まった参加者と主催側の戦闘。主催側の武装は協力だが、殺意がないのが逆転の秘訣?
対戦カードe:王蛇(浅倉)&ジェノサイダーAvsキックホッパー(かがみ)vs“雷神”エネル
※2対1対1の変則戦。王蛇とジェノサイダーAに対してかがみとエネルは協力していないのがミソ
※ミラーワールド内部からの離脱手段
・カードデッキ(王蛇)…浅倉威が使用中
・カードデッキ(ベルデ・ブランク体)…浅倉威が所持中
・主催仕様カードデッキ(オーディン)…量産型フェイトが使用中
・専用の転移魔法…ミラーワールドではリニスのみが使用可能
【ミラーワールド生存者 残り12人と1匹と1種(合計100体)】
|Back:[[13人の超新星(6)]]|時系列順で読む|Next:[[ひとつ分の陽だまりに ふたつはちょっと入れない]]|
|~|投下順で読む|Next:[[ひとつ分の陽だまりに ふたつはちょっと入れない]]|
|~|浅倉威|Next:[[]]|
|~|柊かがみ|Next:[[]]|
|~|エネル|Next:[[]]|
|~|新庄・運切|Next:[[]]|
|~|キース・レッド|Next:[[]]|
|~|アレックス|Next:[[]]|
|~|相川始|Next:[[]]|
|~|金居|Next:[[]]|
|~|ヴィータ|Next:[[]]|
|~|キング|Next:[[]]|
|~|ヴィヴィオ|Next:[[]]|
|~|天道総司|Next:[[]]|
|~|高町なのは(StS)|Next:[[]]|
|~|アーカード|Next:[[]]|
|~|&color(red){柊つかさ}|&color(red){GAME OVER}|
|~|&color(red){万丈目準}|&color(red){GAME OVER}|
|~|プレシア・テスタロッサ|Next:[[]]|
|~|リニス|Next:[[]]|
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*13人の超新星(7) ◆WslPJpzlnU
持っていかれたな、というのが正直なところの感想だった。
浅倉の見やる先で巻き起こる新たな戦い、それは赤と黒の高速戦闘だ。さながらルーレットのように両者は旋回し、しかしながらルーレットならざる身ゆえに、幾度となくぶつかり合う。
「うううううううううううううううううううぅぅぅぅぅ!!」
「ぐ……!」
圧倒的な猛攻を加える女に対し、天道を秘める赤い仮面ライダーが攻勢に転じることはない。
専守防衛だ。過剰なほどの外殻を切り離し、スマートな体格となった姿だからこそ攻撃に応じることが出来るが、同時に衝撃をもろに受けることになっているのか、その挙動と声には苦しみが滲んでいた。
(馬鹿が……)
攻めれば良いものを、と麻倉は思う。精々俺が行くまで生き延びろ、とも。
「浅倉ぁ……!」
名を呼んで振り向き、眼前に迫る靴裏をベノサーベルで払いのけた。
どれほど強固にして強靭な脚なのだろう、斬れることも削れることもなく、迫る脚は弾かれただけで終わってしまった。だがそうした動きの乱れさえも利用して、蹴りの連続は発動する。
「死ね!」
「ダラぁ!」
右に払い、
「消えろ!!」
「ウラぁ!!」
左に払い、
「潰れろ!!!」
「オラぁ!!!」
受け止めて、
「「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーー!!」」
重複する叫びに互いを弾き合った。
じゃ、というアスファルトを擦る音を引き、2人の仮面ライダーは距離を開ける。
「殺してやるぅ……」
ベノサーベルを構える浅倉に対し、緑の仮面ライダーがとる姿勢はまるで野獣のようだ。
中腰の姿勢で腰を折り、尻を高々と掲げる態勢。両肘はだらりと路上につき、掌はアスファルトを愛撫するかのようだ。全てを睨み上げるようにひねられた首には、死体に睨まれているような心地がする。
まさしく幽鬼といった風情だ。
「悪くねぇ」
考え無しに加虐したものの、ここまで形になるのは予想外だった。てっきりあのまま、地と嘔吐の中に倒れ、適当に誰かに踏み潰されて終わるものだと浅倉は思っていたのだ。
しかし今、少女は仮面ライダーとして自分と拮抗する。
悪いのは自分の体調だった。
(……っ)
ミラーワールドに引きずり込む以前のこと、相川との戦いで受けた傷が痛む。今の応酬で傷が開きつつあるのだろうか、しかし鎧の上からでは自覚症状以外に被害を把握する術はない。
(だせぇなぁオイ)
せっかく盛り上がってきたというのに、始めた自分がこれでは楽しめない。
もっと滾れよ、と浅倉は自らの体に思う。
と、
「……当たり前よぉ」
聴こえたのは相変わらずの陰気な声だった。緑の仮面ライダーが、姿勢を一定させることもなく、ゆらゆらと揺れながら声を吐き出している。
「悪いのはぁ……全部あんたぁ…………私は清廉潔白良い子ちゃんなんだからぁ…………」
「言ってろ」
高揚しつつある感情を剣に込め、踏み出した脚で緑色の頭を狙う。
対する緑の仮面ライダーも急激な動き、猫背を戦闘にした跳躍はまるで烏賊か蛸のようだ。そのままもんどりうって前転、ベノサーベルの刀身と交差するようにして、踵をこちらの顔面へと振り下ろす。
そして、
「……!!!?」
強烈な閃きに目が眩み、怯んだためにお互いの攻撃を受ける形となった。
「がっ!」
浅倉は顔面から吹っ飛び、
「ぎゃんっ!」
緑の仮面ライダーは胸を斬りつけられて火花を散らす。
転げ回る2人の姿の姿は白と黒の二色刷り、余りにも強い光が有色を殺し、光当るところを白、当らぬところを黒と明瞭簡潔に切り分けたのだ。
2人だけではない、大通りの一角は、まるで太陽が降り立ったように輝いている。
否、降り立ったのは雷か。
それとも、神か。
「……溶解だと!?」
それは浅倉だったかもしれないし、緑の仮面ライダーだったかもしれないし、他の誰かかも知れなかった。しかし言われた通りの事実が発生している。
大通りに並ぶビルの1つが、突如として融解したのだ。
じゅ、と蒸気をあげるコンクリートはまるで溶岩といった風体、瓦礫を呑み込み、手前の歩道を伝って、大通りのアスファルトにまで生コンを垂れ流す。
そして、コンクリートの泥から現れるのは巨大な、
「野犬?」
違う。それは流動によって野犬の形をとりつつある、ビルの鉄骨だ。1棟分の鉄材は帯電によって光を迸らせ、表面を真っ赤に灯らせた溶岩のように変形していく。ビルの4隅は4脚となり、天に向かって伸びる長方形は高さを落とし、引き換えに前後へと太くまとまる。
「……ふっ! とっ! どっ! きィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
声がしたのは、鋼の巨犬の頭部辺りだ。人間で言うならばうなじ、頭部と首の境目あたりに、長い耳たぶを振り乱す雷の男がいる。
いる、というよりも、合一している。
四肢を雷電に変化させた男は四つん這いにも似た姿勢だ。4つの雷電は巨犬の内部へと浸透し、未だにそれを赤く輝かせる力の原動力となっているようだ。
「“雷治金”応用版ーー“雷獣・鉄”!! 雷なる我が手足を通わすことで鋼鉄は現在進行形で形を変える!! その重量! その高熱!! その高圧電流で!!! 路上にこびりつく炭となるがいい!!!」
ベノスネーカーに匹敵する巨体で、赤熱する鉄犬は遂に歩き出す。歩くたびに道路は赤く変色し、足裏のままに硬度を緩めて陥没していく。男の言う通り、度を超えた熱量と重量が為せる業だ。
『…………!!!』
鉄犬が音もなく吼える。
生物ではないそれに声帯や肺などある筈はなく、四肢を踏ん張らせて顎を開いたところで、浅倉達はそよ風一つ感じることはない。
ただし、巨体が発散する熱気と稲妻はその限りではない。鉄犬の出現とともに周囲の気温は上昇し、体毛のように迸る電気は頻繁に弾け、変動する明度と炸裂する電気の末尾が視覚と聴覚は撹乱する。
鉄犬よりも遥かに小さな浅倉としては、鉄犬の首に乗っている雷の男の姿は見ることができない。
しかし、その声は明確に聞き取れた。
「まずは貴様からだ“紫鎧”! 愚考と愚挙に全身の体液を流して詫びるが良い!!」
芸も細かく、鉄犬の凶暴な顔が浅倉を見据えた。
「人を鎧の色で呼びやがって……」
文句を漏らすが、しかし内心ではそれほど悪い気持ちではない。
何故なら、未だ出さずにいる力を発動する機会を得られたからだ。
「お前等ぁ!」
浅倉の呼びかけに答えたのは、怪物達だった。
『GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAーーーー!!』
『SYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAーーーーーーーーーー!!』
『VOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!』
深紅、紫紺、燻銀、それぞれにそれぞれの色を持つ怪物達が一斉に並び立つ。浅倉に、正確には浅倉が使うカードデッキに隷属するミラーモンスター達だ。
だがそれさえも雷の男は嘲笑う。
「ヤハハハハハ! 珍獣を並べたところで私に敵うと思ったか!?」
彼我の戦闘力の差が解るのだろう。浅倉ですら解るのだ、雷の男に解るのもまた道理。
だから、浅倉は三たびにベノバイザーを現してスリットを起こす。
バックルのカードデッキから抜き放たれるカード、その名は、ベノバイザーが眼光を点滅させて告げる。
『UNITE VENT』
それは王蛇のカードデッキだけが持つ、特殊なカードだった。
『『『OOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOーーーーーーーーーー!!!!』』』
「……!!?」
バイザーの宣言に呼応して同時に叫ぶ化物、それに気圧されたのか、雷の男は一歩たじろいだ。
それは、カードの効力が果たされるには十分過ぎる時間となる。
『VOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!』
変化の始まりはメタルゲラスだった。
もがくようにして外殻を掻き毟り、人型の犀が唐突に倒れる。だがそれは立てないほどの痛みや苦しみがあるからではない。犀として本来の姿、4脚によって体躯を支えることを目的としていたのだ。野太い両腕が道路に突き刺さる。
続いての変化は体積だ。
お、と吐瀉を寸然にしたような呻きを幾度も零し、メタルゲラスの体がどんどんと膨れていく。まるで空気を吸い込んでいく風船のように、外殻同士の接続を解き、赤紫の体色を露出させる。
今やメタルゲラスの体躯は、ビルの2階辺りまで肩が届く大きさだ。
それを待ち受けて動いたのは雷の男、ではなく、天地からメタルゲラスへと迫る2つの長胴だった。
地にはベノスネーカー。
天にはドラグレッダー。
それらは一様にメタルゲラスの背後へと回り込み、そして背中へと飛び込んだ。
『GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!』
『SYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAーーーー!!!』
メタルゲラスの背中と頭部が発光し、いかなる変容がなっているのかは把握出来ない。しかし光の中を大蛇と飛龍が左右に並列しながら進み、野太いうなじへと至り、遂にはメタルゲラスの顎より上を削ったのだった。
消えてしまったメタルゲラスの頭はどこにいったのか。答えはドラグレッダーとベノスネーカー、いやさそれらであったものの頭部にある。
ドラグレッダーだったもののに右半分を、ベノスネーカーだったものに左半分を分ち、覆い隠してたのだ。今やメタルゲラスの頭部は龍と蛇の顔を半分だけ隠す仮面となっていた。
そして2体の化物を“だった”と過去形にする理由は一つ。
発光が止んだ今、メタルゲラスの背へと突っ込んだそれらは、メタルゲラスの体と融合しているからだ。
最早そこに立つのは3体のミラーモンスターではない。最強と、最悪と、最硬を兼ね揃える、帝の名を冠する化物だ。
『『ZYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAーーーーーーーーーー!!!!』』
巨大化したメタルゲラスの体を胴体とし、右にドラグレッダー、左にベノスネーカーの首を生やす四足の地龍は、歓喜のままに2本の尾を振り回して周囲のビルを抉り裂いている。
今や轡を並べる龍に、無双の名は失われた。
番う頭の龍を表すは又を並べた双の一語、虚無は無として新たなる契約モンスターが生まれた。
双帝ジェノサイダー・アレンジ、浅倉はそれをそう呼ぶことにした。
『『ZYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAーーーー!!』』
「……小賢しい!!!」
もはや力も体躯も鉄犬と同等以上になった化物が、2つ並んだ顎を先駆けにして突撃する。
『『ZYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAーーーーーーーー!!!』』
「…………!!!」
双頭の化物と、異形の巨犬が正面から激突した。
轟音と火花が2体の設置面より弾け、大きく開けた大通りを震撼させる。
「ぬうぅ……!!」
『『ZYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAーーーーーーーーーー!!!』』
猛牛など比べるべくもない突撃力の応酬、しかし分はジェノサイダーの方にある。
鉄犬の重量、熱量、帯電を受けてなお拮抗しうるジェノサイダーを前にして、それだけの特殊効果を満足に通用させられなかった鉄犬が、いつまでも拮抗を維持することなど出来るはずがなかったのだ。
「がぁあああああああぁぁぁぁぁぁーーーー!!」
雄叫びも虚しく、ジェノサイダーに押された鉄犬は、首に乗せた雷の男ごと背後のビル群に押し倒される。
舞い上がる粉塵と蒸気、鉄もコンクリートもアスファルトも、ジェノサイダーの圧力と鉄犬の熱量が蒸発させた。噴煙と悪臭が路上を包み、だがその中で剣戟は再開される。
浅倉もだ。舞い上がる土埃を貫いて、緑の仮面ライダーが飛び蹴りとともに現れる。
「浅倉ぁーーーーーー!!!」
「はははっ!!」
憎悪に答えるのは歓喜、武器としての靴裏をベノサーベルが迎え撃つ。
(……楽しい!! 楽しくて仕方がないなぁ!!!)
浅倉の胸中は歓喜で渦巻いていた。
何もかものが望み通りだ。本来ならばもう仮面ライダーならざる者は全て消滅しているだろうに、それが起こらない不思議も気にならない。というよりも、思い浮かぶことさえない。
ただ浅倉威は、自らが開いた修羅の庭を堪能するだけだった。
【浅倉威@仮面ライダーリリカル竜騎】
【状態】仮面ライダー王蛇、疲労(中)、全身ダメージ(中)、右手に火傷
【装備】カードデッキ(王蛇)@仮面ライダーリリカル竜騎、ベノサーベル
【道具】サバイブ“烈火”のカード@仮面ライダーリリカル竜騎、カードデッキ(ベルデ・ブランク体)@仮面ライダーリリカル竜騎
【思考】
基本:戦いを楽しむ。戦える奴は全員獲物
1.紫髪のガキ(柊かがみ=仮面ライダーキックホッパー)を手始めに殺す
2.エネル→天道→キング、相川始、金居→その他手近な参加者、の順で戦う
3.鎌を持った奴(キャロ)、フェイト、はやて、ヴィータ、シャマル、ユーノと戦う
4.首輪を外したい
5.プレシアに「規定人数を殺害した参加者には希望した人間の居場所を教える」という特典を採用してほしい
【備考】
※プレシアは殺し合いを監視しており、参加者の動向を暗に放送で伝えていると考えています
※ヴィンテルシャフトのカートリッジシステムに気付いています
※カブトに変身できる資格があるかは不明です
※なのは、フェイト、はやては自分の知る9歳の彼女達(A's)とヴィヴィオの言っていた大人の彼女達(StS)の2人がいると考えています
※カードデッキの使用制限時間が極端に短縮している事に気付いていません
【柊かがみ@なの☆すた】
【状態】仮面ライダーキックホッパー、ツインテール剥離・頭皮出血、肋骨数本骨折、やさぐれ(極)
【装備】ゼクトバックル(ホッパー)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、ホッパーゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、ホテルの従業員の制服、ストラーダ(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【道具】なし
【思考】
基本:みんな死ねばいいのに
1.浅倉威を最優先で殺す
2.他の参加者を皆殺しにして最後に自殺する
【備考】
※デルタギア装着により放電能力を得ました
※心身に対するショックで、一部の参加者やそれに関する知識が戻っている可能性があります
※極度の錯乱状態です。自分以外の生物全てを分け隔てなく憎んでいます
※変身時間の制限にある程度気付いています(1~1時間30分程度の間隔が必要という事まで把握)
※エリアの端と端が繋がっている事に気付いています
【エネル@小話メドレー】
【状態】“雷治金”発動中、疲労(中)、胸に打撲痕(大)、全身に切傷(小)、『死』に対する恐怖、激怒
【装備】巨大な犬型鉄像(“雷治金”により形態操作中)
【道具】支給品一式、顔写真一覧表@オリジナル、ランダム支給品0~2
【思考】
基本:主催含めて皆殺し。この世界を支配する
1.この珍獣(ジェノサイダーA)めがぁ~~!!!
2.この場にいる全参加者を皆殺しにする
3.浅倉威からカードデッキ(王蛇)を奪う
4.ヴァッシュに復讐したい
【備考】
※心網の策敵範囲がおよそ1エリア分だと気付いています
※黒い鎧の戦士(カリス=相川始)、はやてと女2人(=シャマルとクアットロ)を殺したと思っています
※自身の制限およびゴロゴロの実の能力を使っても首輪が外せないと気付いています
※なのは(StS)のことはうろ覚えです
※なのは、フェイト、はやてがそれぞれ2人ずついることに気付いていません
※背中の太鼓を2つ失い、雷龍(ジャムブウル)を使えなくなりました
※ヴァッシュに『参加者の現在地と生死を把握する能力』があると思っています
※ヴァッシュに対する恐怖と怒りで“心網”が使えなくなりました。払拭された場合のみ使用可能になります
【ジェノサイダー・アレンジについて】
・ベノスネーカー、メタルゲラス、ドラグレッダーがユナイトベントで融合した形態。10000AP
・四つん這いのメタルゲラスの背中が、ベノスネーカーとドラグレッダーと癒着している。メタルゲラスの頭部は左右で分断され、それぞれベノスネーカーの顔左半分とドラグレッダーの顔右半分を覆っている
・ベノスネーカーの口から強酸を、ドラグレッダーの口から火炎を吐く。どちらも単体でのものより強い
・極度のダメージを受けると3体に分解する。各個体はジェノサイダーAと同等のダメージを維持する
・ファイナルベント:ストームスディ(11000AP)
アクション順序
・ジェノサイダーAの背を駆け登り、敵の直上へ跳ぶ
・2つの頭部が吐き出した火炎と硫酸を脚に巻き付ける
・敵に垂直からの蹴りをぶつける
・衝撃で火炎と硫酸が解放され、大規模な粉砕・灼熱・溶解の渦が発生する
・ジェノサイダーAの胸部にブラックホールが開き、舞い上がった全てを呑み込む
【共通の備考】
※F-6 レストラン前(ミラーワールド)に以下のものが落ちています
・相川始のデイバック(ベルト破損)
収納:支給品一式×2、パーフェクトゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、録音機@なのは×終わクロ
・浅倉威のデイバック
収納:支給品一式×2、ヴィンデルシャフト@魔法少女リリカルなのはStrikerS、肉×10kg、魚×10kg、包丁×3、フライパン×2、食事用ナイフ×12、フォーク×12、レヴァンティン(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ライディングボード@魔法少女リリカルなのはStrikerS
・柊かがみのデイバック
収納:支給品一式、Ex-st(残弾なし)@なのは×終わクロ、柊かがみの制服(ボロボロ)、スーパーの制服、ナンバーズスーツ(クアットロ)
・キース・レッドのデイバック
収納:支給品一式、ヴァッシュのコート@リリカルTRIGUNA's、首輪×2(優衣、なのは@A's)、優衣のデイバック【収納:レリック(No.・)@魔法少女リリカルなのはStrikerS】、カレンのデイバック【収納:支給品一式、ランダム支給品0~2】、アンデルセンのデイバック【収納:各種弾薬30発ずつ、カートリッジ×13、レイトウ本マグロ@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER、杖@ゲッターロボ昴】
・アレックスのデイバック
収納:支給品一式、Lのデイバック【収納:首輪探知機(電池切れで使用不能)、ガムテープ@オリジナル、ラウズカード(ハートのJ、Q、K)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、レリック(No.・、幻術魔法により花に偽装中)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、首輪(シグナム)、首輪の考察を記したメモ】、ザフィーラのデイバック【収納:支給品一式、ランダム支給品1~3】
・金居のデイバック(ビル内部)
収納:支給品×2、トランプ@なの魂、いにしえの秘薬(残り7割)@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER、砂糖1kg×8、USBメモリ@オリジナル
・キングのデイバック
収納:支給品一式、おにぎり×10、ハンドグレネード×4@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ギルモンのデイバック【収納:支給品一式、RPG-7+各種弾頭(榴弾5/照明弾2/スモーク弾2)@ACE COMBAT04 THE OPERATION LYRICAL、トランシーバー×2@オリジナル】、アグモンのデイバック【支給品一式、菓子セット@L chenge the world after story】、C.C.のデイバック【支給品一式、スティンガー×5@魔法少女リリカルなのはStrikerS、デュエルディスク@リリカル遊戯王GX、治療の神 ディアン・ケト(ディスクにセットした状態)@リリカル遊戯王GX】
・アーカードのデイバック
収納:支給品一式、拡声器@現実、首輪(アグモン)、ヘルメスドライブの説明書
・ヴィヴィオのデイバック
収納:支給品一式、フェルの衣装、クラールヴィント@魔法少女リリカルなのはStrikerS、レークイヴェムゼンゼ@なのは×終わクロ、ヴィヴィオのぬいぐるみ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
・天道総司とヴィヴィオが争うビルの側に爆砕牙@魔法妖怪リリカル殺生丸が突き刺さっています
・万丈目準のデイバック
収納:支給品一式、考察などを書いたノート
※レストラン前に装甲車@現実 が駐車しています。鍵はすでに入っている状態です
※多種多様な火器が装甲車の周囲に散逸しています(全て人間が所持して使用するタイプのものです)
※アーカードがいるビル屋上、および左右2棟に量産型フェイトが変身する仮面ライダーオーディンが100体います。
【ミラーワールドについて】
カードデッキによって鏡(景色を反射するもの)から出入りできる異世界。その中に生物はなく、現実世界側の被害は受けず、またミラーワールド側の被害も影響しない。カードデッキを持つ者は鏡越しに出来事を見ることが出来る。
以下、本バトルロワイヤルにおける制限
・ミラーワールドにいる参加者は、カードデッキ系仮面ライダーを装着していない場合、12時間後に消滅します
※ミラーワールドから脱出すると、あらゆる変身状態は解除されます
【ミラーワールドサバイバル戦・現在の状況】
対戦カードa:キースレッドvsアレックス
※ARMS同士のタイマン勝負。どちらも被害を増やしやすい武器の為、余波が他の戦いに影響する?
対戦カードb:ジョーカー(相川)vsギラファ(金居)vs魔王ゼロ(キング)
※同郷の三つ巴戦。キングはゼロを演じており、この場にいる参加者には正体が知れていないのがミソ
対戦カードc:カブト(天道)vs聖王ヴィヴィオ
※豪快に誤解で始まった戦い。天道の説得力次第ではヴィヴィオと協力する事が可能かも?
対戦カードd:アーカードvsリニス&量産型フェイト2~5号体
※遂に始まった参加者と主催側の戦闘。主催側の武装は協力だが、殺意がないのが逆転の秘訣?
対戦カードe:王蛇(浅倉)&ジェノサイダーAvsキックホッパー(かがみ)vs“雷神”エネル
※2対1対1の変則戦。王蛇とジェノサイダーAに対してかがみとエネルは協力していないのがミソ
※ミラーワールド内部からの離脱手段
・カードデッキ(王蛇)…浅倉威が使用中
・カードデッキ(ベルデ・ブランク体)…浅倉威が所持中
・主催仕様カードデッキ(オーディン)…量産型フェイトが使用中
・専用の転移魔法…ミラーワールドではリニスのみが使用可能
【ミラーワールド生存者 残り12人と1匹と1種(合計100体)】
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|~|天道総司|Next:[[D.C. ~ダ・カーポ~ SURVIVE]]|
|~|高町なのは(StS)|Next:[[D.C. ~ダ・カーポ~ SURVIVE]]|
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|~|&color(red){万丈目準}|&color(red){GAME OVER}|
|~|プレシア・テスタロッサ|Next:[[D.C. ~ダ・カーポ~ SURVIVE]]|
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