「先日夜半に起きたホテルでの銃撃戦の続報が入ってきました。
 混乱の続くホテル・リオ前より、BNBブラジルのフェルド・パーシェルがお送りします」

 事件から一夜明けた朝、某所の一室にて。
 前日のホテル・リオでの激闘はやはり大きな事件になっていたらしく、どこのチャンネルでもそのニュースばかりである。
 太った眼鏡の男性は、チャンネルをBNBブラジルにし、そのニュースを見ていた。

「こちらホテル・リオ前及び周辺病院。関係機関などでは一夜明けた今も、さながら戦場の様子を見せています」

 画面が切り替わり、多数の警官と救急隊が救護活動をしている。
 ……もっとも、救護活動というよりは死体処理の方が正しいかもしれないが。

「死者107名、負傷者64名を出したこの大事件の主犯たちは、現在もようとして行方が掴めておりません」

 一般人を巻き込んでのあれだけの激戦、しかもその前にも警官隊を大量に殺していたのだから、この多数の犠牲者にも納得がいく。
 犠牲者達にとってはたまったものではないだろうが。
 そして再び画面が切り替わる。写っているのは警官数名と、脱出に使われたヘリ。そして頭がパーにでもなったような顔の警官が二人。
 この警官は、ヘリ奪取の際にスバルが叩き伏せたのだが、それだけで頭がパーになるものだろうか?

「強奪され、脱出手段に使われた警察用ヘリは市外郊外に乗り捨てられておりましたが、発見時はもぬけの空。
 そのヘリを守っていた警察官2名は、ホテルの裏手で意識を失っているのを発見されました。
 不可思議な事に警察官は事件のことを全く記憶しておらず、何故こんな所に自分がいるのかすら理解できていない有様でした。
 当局では犯人らが何らかの薬物を使用して、警察官の記憶を操作したのではないかと調査を進めております」

 ……カラクリ判明。どうやら記憶操作によるものだったようだ。
 魔法に記憶操作ができるものがあるかも分からないし、あるとしてももう少しピンポイントに……誰が殴ったかを消す程度でいいはずだ。
 ならば思い浮かぶのは薬物での記憶操作。それならこの広すぎる範囲も狂人のような顔も納得がいく。そんな薬物があるかも同じように疑問だが。

「警察当局の必死の調査にもかかわらず、犯人らの行方は全く不明のままです。
 BNBブラジルのフェルド・パーシェルがライブでお送りしました」

 その一言が流れると同時に、太った男……少佐はモニターの電源を切った。


第七話『AGE OF EMPIRE』(1)


「あッはっはッはっはっは。あの伊達男(アルハンブラ)がまるでボロ雑巾じゃないか。
 やっぱり強いなぁ! あいつは! べらぼうに強いな! 存外に強いな!」

 ニュースを見終えた少佐が、大笑いしながらリモコンを操作する。
 その後ろではドクが指を噛んでいる。しくじったのが悔しいのか、それとも少佐の期待に応えられなかったのが辛いのか。

「も、も、申し訳、申し訳ありません。やはり、やはり私共はまだ、私共は……」
「否! 馬鹿を言うな。むしろ大成功に近い」

 トバルカインは大敗。先ほどのニュースで知った結末は、それを如実に表していた。
 それなのに大成功とはどういう事か。そう思っていると、少佐がその理由を話した。

「あのアーカードに対してあれは、我々は一定の戦果を上げたのだ。それは驚くべき存在への媒介だ。
 怪物! 人外! 夜族! 物の怪! 異形!(ミディアン! ミディアン! ミディアン! ミディアン! ミディアン!)
 それはもはや人ではない……化け物(ミディアン)! すなわち、我々は半世紀の時をかけ、その本懐へと指をかけたのだ」

 つまり、あの最強にして最凶の吸血鬼アーカードとの戦闘で、あれだけのダメージを与えることに成功した。
 それが表していた事実……すなわち、アーカードとも真っ向から戦える化け物へと着実に近づいているということが分かっただけでもいいという事だろう。
 そして少佐は歌うかのように、彼らの組織のことを話した。もちろんドクへの謝辞も忘れずに。

「化け物を構築し、化け物を兵装し、化け物を教導し、化け物を編成し、
 化け物を兵站し、化け物を運用し、化け物を指揮する。
 我らこそ、ついに化け物すら指揮する我らこそ『最後の大隊(Letzt Batallion)』
 世はまさに世紀末、まさしく世も末だよドク。
 Welcome to this crazy time♪ このイカレた時代へようこそ♪
 君は実に恐るべき天才だよ大博士(グランドプロフェッショナル)」
「感謝の極み!」

 ドクがナチス式の敬礼をすると同時に、少佐がリモコンをさらに操作。
 すると前方のモニターが引っ込み、代わりにあるのは真っ青な大空。そして目下には操舵手やオペレーターといった戦艦のブリッジ要員。
 そう、ここは――――

「では諸君、楽しい楽しいショーもひとまずお開きだ。そろそろ帰ろうじゃないか、愛しき我が家へ」

 ここは――――彼らの飛行船である。いや、サイズを考えると飛行『艦』と呼ぶべきか。

「艦長、回頭用意だ。急げよ。オペラハウスのご老人達がお待ちかねだ。
 くれぐれも急げよ。きっと怒り心頭で顔を真ッ赤にしているだろうからな」

 少佐が冗談を飛ばし、ブリッジ要員全員が「HAHAHAHAHA」と大爆笑。

「成程!それはまさしく一大事ですな。急行致します、大隊指揮官殿!」

 そして艦長が冗談で返し、ブリッジ要員へと指示を飛ばす。
 彼らは指示の通り動き、そして飛行艦『グラーフ・ツェペリンⅢ』が始動する。
 グラーフ・ツェペリンⅢはそのまま高く浮上し、ジャブローの方向へと回頭した。

「目標ジャブロー、豹の巣(パンテルシャンツェ)。
 行くぞ、ご老人方。私の邪魔をする奴が何百、何千、何万、何億死のうが知ったことじゃない……否!」

 ジャブローへと向かう艦の中で少佐は狂笑とも凶笑ともつかぬ笑顔になり、そして宣告した。

「私の往く道に立ちはだかる者は皆、死ぬのだ」


「ところで、セイン嬢は置いてきてよかったのですか?」
「……しまった、忘れていた」

 その後すぐに反転し、着陸。セインの搭乗を待って再び離陸した。
 当のセインはというと、忘れられていたことに気付いていないらしい。何とも幸せな脳味噌である。


 トゥルルルル……トゥルルルル……
 HELLSING機関の電話が鳴り響く。その音を聞いたインテグラは、すぐに受話器を手に取り、開口一番に言った。

「アーカードか!?」

 それは一刻も早い状況の報告を望む焦りからだろうか。今「違います」と言ったらすぐに電話を切られそうなほどの勢いだ。
 残念ながら受話器の向こうから聞こえた声は望んだものではない。だが、望んだ声の主とは近しい者からの声だった。

『いえ、違います。マスターは……その、今寝ていて……』

 声の主はティアナ・ランスター。HELLSING機関の一員にして、アーカードの従僕である半吸血鬼である。
 望んだ相手ではないが、状況確認ならばティアナが相手でもこと足りる。そう思い、インテグラがティアナへと質問をぶつけた。

「ティアナか。この際お前でもいい。今どこにいる?」
『リオ郊外の小さな町です。確か……セントローズでしたっけ』

 そう、現在地はセントローズにあるホテル。あの後ヘリを乗り捨て、ここまで徒歩で来たのだ。
 ちなみにその時眠っていたスバルとヴィータは、両方ともティアナがここまで運び込んだ。吸血鬼になったのでその分の腕力はある。
 現在地の次は任務状況だ。昨日の一件で既にある程度進んではいるだろう。そう考えたのだろうか。


 視点は一度、インテグラからティアナへと移り変わる。
 部屋にいるのは彼女の他にアーカードとヴィータ。スバルとベルナドット、ヴァイスは外出中。

『それで、任務はどうなった?』
「情報源になりそうな相手はいましたが……マスターが血を吸って殺してしまいました。
 マスターが情報を聞き出したとは思えませんし、多分また調査のやり直しになると思います」

 それを聞き、しばらく黙るインテグラ。
 無理もない。普通ならば情報源を殺したというのは重大な失策。得られる情報も得られはしないだろう……普通ならば。

『ならいい。ご苦労。すぐに帰還し、報告を正式にしろ』

 インテグラの反応は意外なものであった。
 何の叱責もなく、情報すら得られていない。それなのに「帰還して報告しろ」だ。普通ならありえない。
 その事に戸惑い、聞き返すティアナ。それに対するインテグラの反応はさらに理解しがたいものだった。

「え? で、でもまだ情報も集まっていないんですよ?」
『血を吸って殺したのだろう? ならば問題は無い』

 血を吸って殺す。それで何故問題が無いなどと言えるのだろうか。ティアナにはそれが理解できなかった。
 ……詳しくは今後のネタバレになるので言えないが、吸血鬼にとっては相手から聞き出すよりも血を吸って殺す方が、早さも情報の正確性も上である。
 そんな事など全く知らぬティアナの背後に赤い影が。その影はすぐにティアナから受話器を奪い取り、電話を代わる。

「それで、その調子では円卓にずいぶんしぼられたか」

 声の主はアーカード。吸血鬼であり、ティアナの主である。
 会話の内容が分かっているような口ぶりだが、おそらく吸血鬼の発達した聴覚が、受話器から洩れ聞こえた音を聞き取ったのだろう。
 相手がアーカードである事をすぐに理解したインテグラが、その問いへと答えた。

『それならばまだどれほど気が楽か。その上から直々の命令だ』
「その上? すると?」

 円卓会議メンバーにこってりしぼられる。それがまだ気楽とまで言い切るような命令。それは一体何なのだろうか。

『陛下御自ら、円卓を召集なされた』

 陛下……すなわち、イギリスの女王が自ら円卓会議を招集するという事。それが何を意味するか……
 アーカードはそれをすぐに理解し、そして笑顔で答えた。

「ほう、女王が!」
『笑い事か!? 笑い事ではないぞ。すぐに脱出し、帰還しろ! 彼女を待たせるな。
 13課も動き出している。連中に出し抜かれたくはない』
「Ja.」

 そしてアーカードは受話器を右手に持ち替え……前日の命令の結果、それに対しての感想を聞く。
 傍から見れば「こいつは何を言っている」と言いたくなる様な、そんな言葉を発して。

「……ときにインテグラ、戦争の愉悦の具合はどうだったかな? 局長殿?
 たぎったかね? 赤黒く燃える炎を見ることはできたかな?」
『うるさいバカ! 知ったことか! さっさと帰って来いバカ!!』

 ああ、やっぱり。インテグラの怒声が受話器の外にもはっきり聞こえるほどの音量で響く。
 そしてインテグラが乱暴に受話器を叩きつける音がし、それと同時に電話が切れる。
 後に残されたアーカードは……ただ、笑っていた。

「ふふふ、ふふん、ふははははは。まさしく人間とは複雑怪奇。ふははッ」

 アーカードが笑う。トチ狂ったかのような笑い声を上げる。その様子にティアナもヴィータも引いているようだ。
 ……と、部屋のドアが開き、そこから見知った二人分の顔が。

「ただいま、ティア」
「ウイーッス」

 その主はスバルとベルナドット。この二人は外に出て、この国を出る手段を探しに出ていた。
 ちなみにヴァイスはもうしばらく別の方法を探すつもりらしく、まだ戻っていない。
 この三人が出た理由だが……あとの三人は指名手配。しかもうち一人は日光に弱いという理由である。
 こんな所で逮捕される気も屍を増やす気も無いので、まあ妥当なところだろう。

「お帰り。それで、どうだった?」

 ティアナがその手段の成果を問う。答えたのはベルナドット。昼食のハンバーガー片手に報告。

「やっぱダメッスね。ムリッスね。どうしたってダメダメッスね。
 船だとあと一週間は無理ですな。航海日程も入れるともう大変でございマス」

 このメンバーが考えた方法、それは船だ。
 何せ転移魔法は許可が下りないため没。飛行機も指名手配の件で没。徒歩や車・電車などの陸路に至っては海を挟んでいるので論外。
 そして消去法で残った手段である船を使う事にしたのだが……ベルナドットが言った通り時間がかかりすぎる。

「論外だ……全員準備しろ」
「え?」

 そしてその事実に業を煮やしたアーカードが、とんでもない手段を挙げた。

「航空機を奪う」

 ……What?

「他に手段がない。準備しろ」

 何を言っているのか理解できず、その場にいた全員の意識が上空へと飛んだ。それはまさにフライ・イン・ザ・SKY.
 さすがに止めるべきだと思ったのか、いち早く意識が戻ってきたヴィータとベルナドットのツッコミが入る。

「ちょっと待てーーー!! 昨日あれだけやっといて、まだ暴れ足りねえのかてめえは!」
「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ今度こそ死ぬ! オレが死ぬオレが死ぬオレやだオレがやだ! もーいーかげんにしてー!!」

 二人分の大反論をものともせずに、航空機強奪の準備を進めるアーカード。正直言って、ワクワクしていると言えそうな表情だ。
 ……ふと、アーカードがその手を止め、ドアの方を向く。何かの接近を感じたような、そんな表情だ。
 そして、意識が戻ったティアナもそれに気付く。もっとも、何が来るのかまでは分かっていないようだが

「?」

 なので、迫り来るものを確認すべく、ドアの覗き穴から外を見た。
 ……刹那、素早く後方へと下がり、ヤクトミラージュを取り出す。何かヤバイ存在が近付いていると言うのだろうか。

「……スバル、いつでも戦えるようにしておいて」
「ティア? 一体どうしたの?」

 スバルへと警告を発するが、当のスバルは何があったのか理解できていないようだ。
 そしてティアナは次の瞬間、言葉を発した。意味を理解する者にとって、恐るべき一言を。

「あの神父が来るわ」

 言った瞬間、その神父が……アンデルセン神父がドアに前蹴りを叩き込み、ぶち破る。いや、蹴り壊すと言った方が正しいだろう。
 つい先ほどまでドアがあった場所には、もう何も無い。代わりに外に繋がる空間と、そこから踏み込んできたアンデルセンがあるだけだ。
 アンデルセンはそのまま拳を構えてアーカードへと接近。アーカードも拳を構えてアンデルセンへと接近。

「BURUAAAAAAAAAAAAAAAA......」
「RAAAAAAAAAAAあ゛あ゛......」

 互いが声を出し、その間も距離は縮まる。他のメンバーはこのあまりの状況に動けない。
 そうこうしている間に、気付けば互いの腕が届く距離まで接近。その直後――――

 ドギャアッ!!

 互いの拳が、その相手の体へと叩き込まれた。
 両方ともかなりの威力だったがために、体がビリビリと痺れているのだろうか。動けない。
 鳩尾に鉄拳を叩き込まれたアンデルセンが、ヘドを吐きながら言う。

「ぶあッ、ばッ、がは、化け物(アーカード)ォ!」

 顔面に剛拳をぶち込まれたアーカードが返す。

「がッ、はア、はッ、もうガマンできないってか人間(アンデルセン)!」

 互いの方向はさらなる拳を呼び、ここに殴り合いの喧嘩が始まった。ただし、一発一発が常人の致命傷に相当するレベルの。
 バキィッ! ゴオッ! ドギャッ!
 轟音とともに拳の応酬。その状況に割って入れる者は、この場には存在していなかった。
 ただ、ヴィータだけは別の理由で動いていなかったのだが。

(こいつがあのアンデルセンだってのか? 何をどうすりゃ吸血鬼と生身で殴り合えるような超人になれるんだよ……!)

 かつてヴィータがイスカリオテにいた頃、当然ながらアンデルセンとの面識もあった。
 但し、アンデルセンは当時イスカリオテ所属ではなかった。故にこんな超人である理由も事実もある訳が無い。
 ならば何故、こんな超人になっているのだろうか。ヴィータにはそれが全く分からなかった。
 ……それを考えている間に、殴り合いも佳境に入っていた。

「がッ、ばはッ、げは、がぼはッ、がはぁははは! 人間め、ははは!」

 アーカードは、哂っていた。
 顔から鼻血を出し、ヘドを吐き、さらに口から血を流すという、言わば血化粧とでも言えるような状態になりながら。
 もうこうなってしまえば、彼らを止める事はできないだろう。互いのどちらかが死ぬまでは。
 それを体現するかのごとく、両者が互いの得物を取り出す。アーカードはご自慢の二挺拳銃を。アンデルセンは愛用のバヨネットを。
 ……お忘れかもしれないが、今この場には指名手配犯が三人もいるのだ。こんなところで戦闘なんかされても困る。
 それを理解しているが故に、スバルはとんでもない手段をもってこの戦闘を止めた。

「ウゥゥイング……ロォォォォド!」

 何を思ったか、狭い室内であるにもかかわらずウイングロードを展開するスバル。
 全員が「!?」といった感じの表情でそちらを振り向くと、展開されて物凄い速度でアンデルセンの方へと伸びるウイングロードが。
 そしてウイングロードはアンデルセンの周りを螺旋状に駆け、その動きを封殺した。
 先ほどのを見る限り、バインド程度なら簡単に破られそうだ。ならば奇をてらって隙を作ることもできるであろうウイングロードを使うが上策か。
 そこまで考えたのかどうかは分からないが、とにかくその上策を採ったスバルの判断は正解であろう。
 そしてそれが、アンデルセンに本来の目的を思い出させるきっかけにもなった。

 手に持っていたバヨネットを、突如スバルの方へと投げつける。
 ウイングロードによる封殺も、その螺旋の間に隙間があるためにそこからの飛び道具の使用は可能である。
 投げつけられたバヨネットは一枚の紙を縫い止め、スバルのすぐ近く……具体的には、顔の右数mmといった位置に突き刺さった。
 アンデルセンの顔からは、先ほどまでの狂気と殺意はなりを潜めている。
 そして先ほどの殴り合いの際に落ちた眼鏡を拾って掛け直し、バヨネットとともに投げた紙を指差して言った。

「北に13kmほど行った所に、農用飛行場を偽装したヴァチカンの飛行場がある。そこで小型ジェットがエンジンを温めてある。
 行け、さっさと行け。それの譲渡書だ。持って失せろ。俺が貴様らへの殺意を抑えられているうちにだ」


「なあ、アンデルセン」
「何だ」

 ヴィータが去り際に、アンデルセンへと問いかける。それは先ほど疑問に感じたあの事に関しての質問である。

「お前は聖遺物を管理してたとこ……確か第3課『マタイ』だったか? そこにいたはずだろ。
 それなのにどうやって、アーカードと殴り合えるくらいに強くなったんだ?」

 アンデルセンはかつて、聖遺物管理局第3課『マタイ』へと所属していた。
 その内容は、文字通りイエス・キリストの残した聖遺物を回収し、管理すること。つまり戦闘など無いはずだ。
 それが何故、これほどの……それこそ吸血鬼と殴り合えるほどの力を得たのだろうか。
 その答えは、アンデルセンの口から語られた。

「闇の書の性質とやらでお前達が去った後、俺はイスカリオテへと入った。
 そしてそこで吸血鬼と戦うための体……再生者(リジェネーター)になった。そういう事だ」

TO BE CONTINUED

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最終更新:2007年12月29日 21:20