【5】天空に舞う希望 BARSITY 後半

2番機のアルトマンに対し、シグナムの駆るフルクラムが烈しい機動を見せた。
《では、無理矢理にでもこちらへ振り向かせてやる》
翼端から雲を長く曳きながら、バレルロールした機体をスライドさせ、アルトマンの背後を窺う距離に付く。
だが、アルトマンもイェーガーを援護できる位置でありながら、
シグナムからの攻撃は回避できる絶妙のポジショニングを取る。
《隊長、そろそろ決めにかかってください》
《弱音を吐くとは珍しいなライナー》
隊長のイェーガーは振り切ろうとするフェイトの動きだけではなく、後方のアルトマン、更にその後方のシグナムの動きも考えていた。
《さすがにこれほどのパイロットから回避を続けるのは骨です》
囮役を務めるだけあって、キレの良い動きを見せるフェイトのF-20タイガーシャークは決定的なチャンスを掴ませない。
ファイトはカウンターアタックで背後に回ろうとする動きは見せたものの、
積極的に格闘戦で背後に回りこもうという動きはみせなかった。
その飛行は囮役としては当然の事だったが、
フェイトは自分の囮としての役割をゲルプ隊に見破られた事には気がついていなかった。
敢えて策に乗られているとは全くの想定外していない。


上空ではなのはが攻撃開始のタイミングを図れずに躊躇していた。
「ありゃ?予定、狂っちゃったね」
敵のフォーメーションを崩して2機を引き離すのが目的だったが、
シグナムを後ろに従えながら、ゲルプ隊がフェイトを追っていた。
単純化すればフェイト・イェーガー・アルトマン・シグナムの順で追いかけっこをしているように見える。
アルトマンがシグナムの攻撃を振り切ろうとしなかったのは誤算だ。
<シグナムさん。私も下に降りて援護します>
<助かる。強敵とはいえ、戦う気がないので、上手くかわされる。仕掛けられん>
機体をロールさせ、一気に高度を落とすと雲を曳くフルクラムの位置が容易に特定できた。
「あれだね・・・」
軽く呟くと相棒に確認する
「レイジングハート? 行くよ!」
「All right My Master」
なのはがスロットルを全開にしながらフェイトにも指示を出す
《フェイトちゃん? 方位1-5-0 高度11000まで上昇》
《了解!》
F-20タイガーシャークのエンジンノズルが開き、蒼い炎をちらつかせながら、フェイトが急上昇を始めた。


イェーガーはタイガーシャークの飛行パターンが唐突に変化したことに訝りながらも、
急上昇をチャンスとみて、ミサイルトリガーに親指を乗せ、力を込めようとした。
瞬間、そのタイミングに併せて別の敵機が迫ってくる気配を感じた。
ゲルプ隊の2機はフェイトを追って急上昇を行っているが、
その後ろ、ウスティオのフルクラムが追従していないことに違和感を感じたのだった。
シグナムが追尾を止めて、そちらにゲルプ隊の意識を集めさせた隙に
なのはが2番機アルトマンめがけてアフターバーナー全開で突っ込んできた。
《頂き!》
翼下のパイロンからAAMが放たれる。

《アルトマン 狙われているぞ》
《ちっ・・・あまり・・・やりたくないが》
なのはは絶対の自信のある距離でミサイルを放ち、
高機動のSu-37といえども逃さないという気迫をもってミサイルの誘導制御に集中していた。
ミサイルからの回避運動は恐ろしく神経と体力をすり減らす。アルトマンとしては起死回生の賭けに出ざるを得ない。

なのはの目の前を遠ざかっていったアルトマンの機が一瞬だけ奇妙な動きを見せた。
それまでの激しく鋭いがダンスのように流れるように華麗な一連の飛行から、一転した明らかに不調和な飛び方だった。
「えっ!?・・・」
その直後、ファントムめがけて白い煙が迫ってくる。
白煙はやがて長細い白い槍に変わり、コクピットの右に流れさろうとする。
「ミサイル!」
突然の出来事で全く予想していなかった展開に、なのはの中で視覚以外の五感が完全に停止していた。
一瞬の出来事をなのははスロー再生のビデオのようにゆっくりと、
だが、
何の反応もできないままミサイルが自らの愛機に命中するのをじっとに見守った。


強烈な衝撃がなのはの全身を包む。

「きゃぁぁぁぁぁぁあああ」
ファントムの右主翼が裂け、爆発に包まれる。
なのはを乗せたまま、きりもみ状に急速に高度を落としていく。
まだ生きているが幾つかアラームが鳴り響くコクピットで、なのはは懸命に操作しようとしていた
だが、急激なG変化に耐え切れず、やがて意識を失った。

右主翼を完全に失い2基のエンジンも破壊された白いF-4Eファントムがなのはを乗せたまま
不規則な回転をしながらぶざまに落下していった・・・。


アルトマンが土壇場で行った奇襲は、意外なほどあっけなくなのはのファントムを撃墜したが、
アルトマンもなのはのミサイルで損害を蒙っていた。
ミサイルの追われているという極限状況の中でもアルトマンは
なのはが無警戒な飛行をしていることに気がつき、
ミサイルの誘導を中断させようと、突然無理な機動で逆撃をしかけていた。
結果的にファントムは撃墜できたが、回避に専念する飛行から急に反撃行動に移ったことで
後ろを執拗に追い回していたミサイルに食いつかれてしまった。
《痛っ・・・やられた!》

但し、なのはと違ってミサイルに追われている状況を冷静に検討するだけの余裕があった。
被弾する直前に機体を捻り、主翼やエンジン重要部にダメージを受けるのを避ける。
《こちらコルモラン2、後部警戒レーダーと右エンジンノズル、エルロン周りを吹っ飛ばされた。》
《戦線離脱しろ。命令だ》
いくらTOPエースでも大きく損傷した機体では空戦を勝ち抜くことは難しい。
《2対4ならともかく、1対3ではな。 勝てなければ負けないようにする》
ゲルプ隊の隊長イェーガーはどこまでも冷静だった。



「「なのは!」」
白いファントムが落ちていく場を目撃したフェイトとシグナムは、
首筋の辺りからぞっとするような恐怖が心の中に入り込んでくるのを感じた。
飛行魔法も十分に使えないこの世界では戦闘機から飛び出して救難に向かうこともできない。
「クソッ!」
機体の限界まで追い込んだ旋回と自身の魔法による空力・重力制御の相乗効果で
タイガーシャークはSu-37に負けない機動を見せたが、中の人には大きな負担がかかっていた。
重力制御の許容を超えた旋回でフェイトは意識が徐々に途切れそうになるのを必死で踏ん張る。
《テスタロッサ、そのまま右ロール。後ろを取りにいくぞ!》
シグナムが僚友にサポートの声をかけながら、もう一人の僚友に通信を送っていた。
《シャマル! タカマチが落ちた》

元々口数が少ないシグナムだが、
その切羽詰った様子は低空で機会を伺っていたシャマルにも只事でないとはっきりとわかるものだった。
《嘘っ・・・・》
シャマルは衝撃の大きさに声を失ってしまい。シグナムに言葉を返せなかった
《北東方向に向かって落ちていった。捜索を頼む!》
聞かされる者は俄に信じられないが、自分の目で確認した者の言葉は受け入れやすい。
それでもショックは大きい。
《わかりました!》
シャマルも俄には納得しがたいが、シグナムが戦いの場で冗談を口にするとは考えられない。

シグナムのサポートもあって、意識を半分失いかけながらも
フェイトは機体を右に捻りこみ、高度を下げた。
《こいつか!?》
そのSu-37は飛ぶのがやっとというぐらいに大きく損傷していた。
「なのはを落としたのはコイツだ。」
直感的に理解したフェイトの心にどす黒い感情が湧き上っていた。
《この・・野郎・・・殺してやる!》
普段の穏やかで秀麗な顔に似合わないと殺意と憎悪に満ちたフェイトの声は、
ゲルプ隊の2人にも無線が入っていた。
《変わった娘だな・・・自分達が無敵だとでも思っていたのか?》
どこか嘲笑するようにも聞こえるし、呆れたようにも聞こえる。また諭すようにも聞こえる声は
フェイトの前を飛ぶ傷ついたSu-37、アルトマンのものだった。
不思議な事に真後ろにフェイトが迫るにも関わらず動揺する気配をみせなかった。
《おのれ、貴様!》

フェイトは自分でも気がついていないほどの烈しい感情に駆り立てられていた。
こいつは、赦さない。地獄に叩き落してやる・・・・・!
ミサイルで落とすのは容易いと思ったフェイトは敢えてガンアタックを選択した。
さらに距離を詰める。
意識を集中させ、HUD越しに傷ついたSu-37の後姿が大きくなると操縦桿の発射ボタンに指をかけた。


だが、あまりに意識を前に集めすぎていたため、後方ががら空きになっていた。


そんな単調な飛行をイェーガーが見逃すはずも無く、
機動を絡めあっていたシグナムのMiG29フルクラムを強引に引き離し、
部下の危機を察知して全力で接近してきた。
フェイトはアルトマンの背後に迫ってからは特に空戦機動をとってはいなかったので、
あっという間に距離が詰まる。

タイガーシャークの機内で後方警戒レーダーが鳴り響き、バルディッシュが警告する。
《Bandit's aprroaching direction 1-8-5》
執念深い憎悪に燃えていたフェイトもアラームで咄嗟に冷静さを取りもどし、
堪らず機体をロールさせ、深いバンクのナイフエッジターンで追いかけてきたイェーガーの機体を確認する。
《貴様達、まとめて片付けてあげるよ!》

相手は最新鋭とはいえ、大型機。
軽量なタイガーシャークなら十分に勝算はあった。
互いに長い雲を曳きながら後ろを奪い合う。
上昇、旋回、減速、急降下、フェイトの操縦技術もこの世界に来たころと比べれば随分上達していた。
本来の空戦技能でも元々中距離攻撃に重点をおいているミッド式魔法でSランク保持者であり、
個人的に得意な間合いは中近距離、と極めて高いレベルでバランスしており、魔導師の理想形に到達している。
ただ、フェイトは魔法に頼らなければ戦闘機での空中戦では技量はともかく、体力が持たない事を判っており、
いつもなら強烈なGを和らげるために制御魔法を使っていた。
「バルディッシュ、重力制御、モードリリース」

身体への負担は承知のうえで、できるだけミサイルの誘導に注力しようと考えていた。
「I do not recommend turning off the gravity control.」
ひとこと反論しながらも主人に忠実なバルディッシュは、素直に従った。
「ぐ・・・、負ける・・・か!」
途端にズン!と全身に襲い掛かるGがフェイトを襲う。
奥歯を軋ませて踏ん張ろうとしたところに、
横合から飛び出してきた薄紫の機影がフェイトの視界を遮った。

バランスを崩し、ふらふらと挙動を乱すタイガーシャークがようやく立て直した所で、
邪魔者の正体を確認した
《シグナム!? 邪魔しないで!》
《テスタロッサ、憎悪を糧に戦うな。逆にやられるぞ》
《頭ではわかってる。でも、心が納得しない!》
一旦フェイトの横に並んだシグナムが、騎士としての忠告をする。
《受け入れろ。タカマチが落ちたのは誰のせいでもない。タカマチ自身の責任だ》
キツい言葉だったかもしれないが、弁舌爽やかな政治家ではなく、必要なことを最小限で語るシグナムの言葉は、
フェイトには残酷なまでに無慈悲に響いた。
《だからといって見逃す訳にはいかない》
《ああ、無論だ。上手くいくか判らんが、策がある。聴く気はあるか?》

フェイトはシグナムが説明した作戦でこの忌々しいSu-37を落とすことに同意した。
フェイトのF-20タイガーシャークがシグナムのMiG―29フルクラムの真後ろにへばりつく。
イェーガーのSu-37が正面から突っ込んできた。
シグナムが照準ロックもかけないままにAAMを連続して発射する。
が、
イェーガーに判るはずもない。堪らずバレルロールで回避していた。
《今だ》
シグナムのフルクラムが急激に機首をもたげて、迎え角を極端に大きくとる。
プガチョフコブラとよばれるトリッキーな動きでイェーガーの注意をひきつける。
その動きは敵に機体の腹を晒すという危険なものだった。
こちらの予測通り、イェーガーがシグナムの機に攻撃を仕掛けようと速度と針路を微妙に調整した。
どれほどエースパイロットであっても攻撃の始まる直前と攻撃中はしっかりと安定した飛行姿勢をとる。
それが狙いだ。
フルクラムの後ろにぴったりと隠れていたフェイトがイェーガー機を狙う。
フェイトは前を飛ぶフルクラムが機首をもちあげて壁のように立ちはだかっても、躊躇することはなかった。
ほぼ正面を向いているが、敵はもう一つの味方機を狙っているので、タイガーシャークの攻撃に対応する間は無い。
一瞬の迷いにつけこんで、イェーガー機のカナードと右主翼に風穴を穿つ。
フェイトは攻撃に手応えを感じなかった。
確実な戦果を確認するまでは発射ボタンを押す手を緩める訳にはいかなかった。
だが、Su-37はフェイトのガンアタックで多少のダメージを喰らったものの、
優美で鋭い翼が折れる事はなかった。
それどころか、腹を晒しているフルクラムに機銃を浴びせているではないか!
《この・・・・・・っ! 落ちろぉぉ!》
ウスティオ軍の2機とベルカ軍の1機が交叉した一瞬の戦いは、
そのままイェーガーのSu-37が全力離脱したことでそのまま幕切れとなった。
既にアルトマンの機体も遠方に離脱を果たしており追撃は困難な距離だった。
ウスティオ軍側にも燃料の問題もある。
《してやられたな。 ここは退くぞテスタロッサ。あとはシャマルに任せるんだ》
《え?・・・ええ、判った・・・・糞っ ガン!》
低く毒づいてから、
フェイトはタイガーシャークのコクピットパネルに拳を乱暴にたたきつけた。

シグナムは無線越しに聞こえてくるフェイトの荒れように対してかける言葉を必死で捜していたが、
自らの表現力の乏しさを嘆きつつ、無言で見守るしかなかった。





シャマルにとってシグナムからのなのは被弾の連絡は俄に信じがたいものだったが、
戦いの最中に冗談をいうような人物ではない。
《こちらシャマル・・・・・捜索を開始します!》
シャマルはトーネードの可変翼を一杯に広げ、超低速に速度を落とすと周囲を捜索を始めた。
ただ、戦闘機のコクピットから下の地面を見るというのはなかなかに難しい。
「んもう!地面が見ずらいわねぇ・・・っ!」
誰に聞かせるでもなく、シャマルは一言ボヤくと機体をロールさせ、トーネードを背面飛行させた。
そして背面飛行したトーネードの大きな垂直尾翼が森の木にぶつからないように少しだけ高度を高くとる。
背面飛行でなら操縦席から上をみれば地面が良く見える。
地面を舐める超低空での背面飛行を難なくこなすあたり、
シャマルも空中戦とはまた異なる点で良い腕を隠し持っていた。

4つ目の山の稜線を背面飛行で超えた先、
ソーリス・オルティスの北東に広がる森林地帯に黒煙が不気味に立ち上っていた。

《黒煙を発見、確認に向かいます》
その一帯は空挺部隊が降下した地点とソーリス・オルティスを挟んだ反対側で、
運の悪いことにその森はまだベルカ軍の勢力地帯だった。
シャマルが黒煙が立ち上る周囲に接近すると、戦闘機の部品が周囲に散乱しているのが見えた。
墜落時に炎上したらしく、それは黒っぽい金属の塊のようだったが、
よく目を凝らしてみると、周辺に白地に青ストライプが入った機体の外装らしいものが散乱していた。
「嘘・・・でしょ?」
目を凝らして見直せば網膜に映る情景が訂正されると信じてシャマルは戦闘機の墜落現場の上空を定円旋回しつづけた。
「なのはちゃん・・・」
ようやく状況を受入れ、なのはの消息を探そうと周辺探索を行おうとした時に
トーネードのミサイル警報が狂ったように鳴り響いた。
「敵!?」
それは携帯SAMだったが敵勢力下の上空で単調な旋回飛行をしていたトーネードは絶好の標的だった。
シャマルはトーネードの可変翼を折りたたんで、急上昇を開始し、後ろから迫るミサイルを右に左にと回避する。
ミサイルをかわしきり、高空へ一旦逃げたシャマルは公式通信で連絡を入れた。
《こちらガルム4タリズマン。ガルム1サイファー機の墜落を確認、場所はソーリスオルティスから北東40km地点》
《こちらイーグルアイ、報告了解。パイロットの消息は確認できたか?》
《いいえ、まだです。対空攻撃を受けたので、周辺を制圧してから確認に移ります》
上品な口元を強い意志で結んだシャマルは再びトーネードを低空に降下させた。

そのシャマルのトーネードを出迎えたのは散発的な対空機関砲の攻撃だった。
だが、突進するトーネードを捉えることができない。
「邪魔しないで!」
軽く機体をジンクさせながら、ミサイルを対空砲に叩き込み、吹き飛ばす。
もう一度、ファントムの周囲を探索したところ、クラールヴィントが森の中を進むベルカ地上部隊の存在を告げた。
墜落した機体の調査とパイロットの身柄確保にやってきた連中だろう。
なのはちゃんのファントムには近づけさせない!
「次元の彼方まで吹っ飛ばしてあげる!」
まだ残弾のあるJP223ディスペンサーで広域制圧するつもりだ。
クラールヴィントが示した位置に向かって、突き進んでいたトーネードが可変翼を一瞬広げ速度を微調整した。
針路良し、高度良し、投下まで5、4、3、2




<シャマルさん ダメ!>
<なのはちゃん? なのはちゃんなの?>
いきなり思念通話での呼びかけはなんとも嬉しい驚きだった。
シャマルも慌てて攻撃軸線から機体を旋回させ、周辺の探索を行う。
<どうにか、脱出できたけどね。周りに敵の兵隊さんが一杯。今は隠れている所だよ>
<じゃあ、なおの事、一気に吹きとばして・・・>
<それで、敵と一緒に私も吹き飛ばすの?>
声を立てずに笑う声は思念通話であっても元気そうに感じられた。
<って、そんなに近いの?>
<目の前、3メーターってところかな。靴しか見えないけど、20人ぐらいは居そう>
<なのはちゃん、怪我は?>
<あちこち打ち身とか捻挫とか・・・あ、大した怪我は無いよ大丈夫。けど>
言葉の最後を逆接の接続詞で結ばれ、
シャマルは心臓を氷の手でつかまれたように感じた。
<けど?>
シャマルは続きを聞くのが怖かった。

<疲れた。動けない>
<とにかく、じっと隠れて休息を取ること。いい?医務官としての忠告よ>
<はい。シャマル先生>
苦笑とともに聞き分けの良いなのはの返事が返ってきた。なのはは医者の言う事は良く守る。
<みんなには私から連絡するから。魔力も温存してね>
<シャマルさんも早く戻って。敵が対空ミサイルを展開しようとしているみたいだよ>
<判ったわ。救難が来るまで待っててね>
<できれば黒塗りの高級リムジンで>
シャマルは意識して大きく笑った。
<手配するわ。なのはちゃん>
こちらを安心させようとしているのかもしれないが、
冗談をいう余裕があるのはいいことだ。と思いながらシャマルはヴァレー基地に針路を取って全速力でソーリス・オルティスから離脱した。

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最終更新:2008年01月10日 20:01