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こうして殺戮者がまた一人


 喫茶『翠屋』。
 ここは参加者の一人である高町なのはの実家であり、地球の海鳴市にあるはずの施設。
 何故ここにそれがあるのか、それは果たして本物かなどといった疑問が湧くが、それに答えられる者はいない。
 ただし、一つだけ確かなことがある。それは――――


 参加者の一人である赤い髪の少女が、今現在ここの2階……丁度なのはの私室にあたる位置にいる事である。


「あいつら、一体どういうつもりなんだ?」

 そう言いながら、少女は支給されたデイバッグを開け、中の荷物を確かめる。何が入っていても、とりあえず役には立つだろう。
 ……何? 何の役に立つかだって? それはもちろん――――

「あたし達にとっちゃ、いつもやってる事だってのに」

 ――――この殺し合いに乗った上での行動に、である。


 少女……ヴィータはロストロギア『闇の書』により生み出された守護騎士である。
 闇の書はある事をきっかけにして異世界へと渡り、そこにいる人間を主として騎士達を作り出し、魔力を蒐集する本だ。
 今の主はヴァチカンの特務第13課『イスカリオテ機関』所属の神父。彼はヴィータ達守護騎士にイスカリオテの仕事をやらせていた。
 さて、その仕事内容だが……それは、化け物やカトリックに牙を剥く異教徒を撃滅することである。
 それ故、ヴィータにとって殺し合いはもはや日常と化していた。


 だから、ヴィータがこの会場へと飛ばされたときには既にやる事を決めていた。
 その「やる事」とはイスカリオテの行動方針に従った行動……すなわち、カトリックの敵の撃滅である。
 早速いつも使っているデバイスのグラーフアイゼンを取り出し、出発しようとするが……手元にはなかった。

「アイゼンが無いって事は……武器は支給品を使えってことか?」

 ヴィータはそう言って、スタート地点であるなのはの私室でデイバッグを漁り始めた。
 グラーフアイゼンがあれば御の字、そうでなくてもよほど運が悪くない限りはそれなりの物が入っているだろうと思って。


 そして、今に至るというわけである。
 最初に出てきたのは、数枚のカードのようなもの。何やら動物をメタリックにしたような絵が描かれている。
 ふと、最初に黒い鎧の男が使ったカードを思い浮かべるが……デザインが違いすぎるということで、すぐに却下する。
 だとすれば、これは一体何なのだろうか。殺し合いをさせようというのだから、さすがに何の効果も無いゴミを支給するとは思えないが……

「ん? 何だこりゃ……説明書?」

 ふと、カードと一緒に取り出した一枚の紙に目が行く。上部には太字で大きく「説明書」と書かれていた。
 何故本来読めないはずの日本語が読めたのか一瞬気になったのだが、字が読めようが読めまいが殺し合いには影響しないと考えて頭の中から叩き出す。
 ちなみに、説明書にはこう書かれていた。

『             ラウズカード
 ライダーシステムに使われるカード。種類によって様々な効果を発揮する。
 使い方はライダーシステム使用中にラウザーに通すだけという簡単設計。
    ちなみにアンデッドと呼ばれる生命体が封じられている』

 ライダーシステムやラウザーといった意味の分からない単語が入っているが、おそらくカードを使うための道具だろう。
 そこからヴィータは、ライダーシステムが誰か参加者の手にあると考えた。いくらなんでもカードだけ支給するとは思えないからだ。
 そして説明書に書かれている「様々な効果」……おそらく戦闘の役に立つものだ。ならば手に入れて損は無いだろう。
 それらを頭の中でまとめ、そして出した結論を口に出した。

「ライダーシステムか……暇があったら探してみるか」

 ヴィータはそう言い、次の支給品を探す。幾らなんでも武器も無しにカード数枚で戦えると思うほど自惚れてはいない。
 次に取り出したのは、大剣のように見えるがそれとは違う何か。サイズ的にデイバッグには入りそうも無いが、どうやって入れていたのだろうか?
 ……具体的にどう違うかだが、まずは刀身にチェーンのようなものが付いている。
 続いて手元に目をやると、でかいバッテリーでも入っているかのようなサイズだ。ついでに手元には紐のようなものが。

「……なんだこりゃ?」

 これが何なのか分からないらしく、再びデイバッグを漁る。先程のラウズカードの時のように説明書が入っていることを期待して。
 ついでに他のランダム支給品があればそれも調べようと思っていたようだが、残念ながらこれだけらしい。
 そして数秒後に説明書を発見。それによると――――

『       大貫さんのチェーンソー
 陣代高校の用務員である大貫さんが使っているチェーンソー』

 肝心の使い方は書かれていなかった。

「……誰だよ大貫さんって。つーか使い方くらい書いとけよ」

 カードの時とは違いすぎる不親切ぶりに思わず呆れ返っているヴィータであった。


 気を取り直し、これから行う事を考え始めたのはそれから一分後の事だった。
 まず考えたのは、最初の部屋で見かけた人影のこと。
 彼女の記憶が正しければ、あれは第3課『マタイ』所属の神父、アレクサンド・アンデルセンだった。
 だとすれば、他にもヴァチカン関係者がいるかもしれない。ヴィータが名簿を手に取ったのは、そう考えてすぐの事だった。

「……やっぱりな」

 あった。
 彼女にとっては馴染み深い名が。
 闇の書とともに様々な世界を渡ってきた仲間……ヴォルケンリッター達の名がそこにあった。
 それ以外の名で覚えがあるのは、最初の部屋で見かけたので既に存在を知っているアンデルセンのみ。
 このメンバーとの合流は……必要ないだろう。全員そう簡単にやられるほど弱くは無い。
 ならば自分のやるべきことは、一人でも多くのカトリックの敵……異教徒と化け物を打ち倒すことだ。


 数分後、翠屋からヴィータが出てきた。
 支給されたデイバッグを背負い、右手にはチェーンソーを持っている。ギガントフォルムよりは軽いので、持ち歩きにはそれほど苦労しない。

「とにかく、早ぇとこアイゼンを手に入れねぇとな」

 やはり装備は不満だったらしい。
 無いよりはマシだと思ったのか手に持ってはいるが、やはり得体の知れないものよりも扱い慣れた相棒の方が戦いやすいだろう。


 こうしてヴィータはこの殺し合いに乗った。

 だが、彼女はまだ知らない。後の主の影響で、他のヴォルケンリッターの面々が変わってしまっていることを。

 それらと出会った時に、彼女は何を思うのか。そしてどう行動するのか。それを知る者は未だいない。


【一日目 PM0:05】
【現在地 C-4 翠屋前】

【ヴィータ@NANOSING】
[状態]:健康
[装備]:大貫さんのチェーンソー@フルメタルまじかる
[道具]:支給品一式・ラウズカード(種類・枚数は不明)@リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー
[思考・状況]
基本 カトリックの敵の撃滅
1 異教徒・化け物を打ち倒す
2 グラーフアイゼンの入手
3 あいつら(ヴォルケンリッター、アンデルセン)は……ほっといても簡単には死なないな
4 余裕があればライダーシステムの捜索

[備考]
※参戦時期はNANOSING幕間……つまり、イスカリオテに所属していた時期です。なので基本的にイスカリオテの考え方に染まっています
※ヴォルケンリッターとアンデルセン以外とは面識がありません
※ラウズカードの種類及び枚数は後続の書き手さんに任せます
※チェーンソーの使い方を理解していません

001 本編投下順 003

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最終更新:2008年02月15日 22:58