※この物語は本編とは一切関係無く、キャラの崩壊が著しく見られる為、
苦手な方は閲覧しないことをお勧めします。
1/1AM7:00
…瞳に光が当たる、そう感じいつの間にか眠っていた事に気が付いたレザードは、体をゆっくりと起こして腱延びを始める。
レザードが眠りについていた場所は食堂を改造して造られた居間の“ような”場所にあるコタツの中、
何故このような場所が存在するのかというと原因はスカリエッティにあった。
それは昨日の丁度今頃の時間帯であった、彼は何かを考えながら食堂で食事をしていたところ、
ふとテレビに目を向け画面には正月行事の特集が取り上げられていたのだ。
「 コ レ ダ ! ! 」
スカリエッティは目を輝かせ早速ウーノを呼び出し情報を収集、次にガジェットII型を使って材料の確保、
その後ガジェットI型によって食堂を改修、人海戦術もとい機械戦術により一面は畳張り、
各所に大小様々なコタツ、そして襖が敷居の様にして並び、
各所のコタツの前にはブラウン管を装ったテレビ、そして何故かカラオケセットまで置かれていた居間を完成させる。
いや…その風貌は何処かの大きな居酒屋か宴会場としか思えない造りであった。
自分の予想の範疇を越えた造りに流石のスカリエッティも顎に手を当てて考え込む。
この造りで他に出来る事といえば――あの行事があるじゃないか!!と考え、
目を輝かせながら大きく頷くスカリエッティであった。
「さあ!ここで一年を締め括ろうじゃないか!!」
その日の夜、スカリエッティは襖を勢いよく開け其処には各コタツの上に鍋が置かれてあり、既に食べ頃といった様子で煮えていた。
逆に他のナンバーズとルーテシア達そしてレザードは唖然とした表情を浮かべていた。
どうやらスカリエッティは一年の締め括りとしてこのような場所を用意したのだという事らしい。
「…相変わらず無駄な事に努力を惜しみませんね」
「有り難う、それが私たる所以さ」
レザードは皮肉を放ったつもりであったのだが右の親指を立て満面の笑顔で返され、
やれやれといった表情で肩を竦めるとそれぞれ足を運び始める。
そしてトーレとセッテ、チンクとノーヴェが正面から見て右側のコタツに入り、
オットーとディード、ゼストとディエチが左の堀コタツへ、
セインとウェンディとアギトが右奥のカラオケセットがある席に、
ウーノとクアットロとスカリエッティ最後にレザードが丁度中央と呼べる席に座った。
すると左奥にある襖がゆっくりと開き其処から御盆を持ったガジェットI型達が現れ、それぞれに飲み物を手渡し、
全員に行き渡ったところでスカリエッティがガラスのコップを片手に立ち上がった。
「では日ごろの感謝を込めて…乾杯!!」
スカリエッティの手短い挨拶を皮きりにそれぞれ手に持ったコップを掲げ挨拶を交わすと飲み始める。
…そしてナンバーズは勢い良く口に含んだ飲み物を吹き出した。
ディエチの目の前にはルーテシアが座っていた為に、
飲み物を顔に浴びルーテシアは小さく「冷たい…」と口にすると、ゼストと共に拭き始めるディエチ。
一方でコップに接がれていた物に対し抗議する為、スカリエッティの目の前にはチンクが立っていた。
「ドクター!これはどう言う事ですか!!」
「何のことだね?」
「トボケないでください!お酒!お酒ではないですか!!」
宴会の席でお酒は付き物であると肩を竦めながら答えるスカリエッティであるが、
チンクの言い分ではアルコールを大量に摂取して酔ってしまえば、万が一の時に対処出来ないと強く主張する。
だがスカリエッティは何も問題は無いと簡単に答える、何故ならばこの日の為にナンバーズの体内には
特殊な酵素をこっそりと備え付けてあり、緊急時の際にはその酵素によってアルコールを20秒で分解すると、
まるで何処かの公安のサイボーグ辺りが採用していそうなシステムが設けられてあるのだという。
「だから遠慮なく飲みたまえ!!」
そう言ってスカリエッティは手を叩くと奥の襖からガジェットIII型がケースを運んでガジェットI型が次々にお酌を薦めるのであった。
――暫くして
ルーテシア達はテレビに映っている大晦日の番組の一つバライティに釘付けとなっていた。
その内容はある設定の中、様々な罠が仕掛けられていて、引っかかってしまうと尻を叩かれるという内容である。
そして今回の題名は“笑ってはいけない機動六課”と言うものであった。
《…と、このように死体なので何度叩いても大丈夫なのです》
画面にはシャマルが両手にスリッパを持ってレジアスの顔を何度も力強く叩いている姿が映し出されていた。
そんな中、ルーテシア達の中で酒を飲んでいるのはゼストただ一人で、
かなり酒に強いのか次々にとっくりが空になっていったのである。
一方で他のメンバーはオレンジジュースや炭酸飲料を嗜み、ディエチは鍋を取り分けていた。
その中でディードとオットーはテレビにかじりつくかのように見入っており、
オットーに至っては持っている箸が宙に浮いたままであった。
「オットー、冷めちゃうよ?」
ディエチの優しい言葉にオットーはゆっくりと取り分けて貰った具材の中から肉団子を摘み、
口に運ぼうとした瞬間手が止まり、肉団子がコタツの上を転がっていく。
奇しくもこの時テレビにはMASSIVE WONDERSを歌う水木一郎の姿が映し出されていた。
歌詞の所々に「ゼェーーーッッ!!」とつけて歌う様は煩わしい部分がある。
それはさておき、どうやらこの中でオットーが一番楽しんで見ているようであった。
一方ウェンディとセインとアギトは終始カラオケ大会と化していた。
その発端は彼女達が見ていた番組である、毎年大晦日恒例の紅白歌合戦を見ていたところ、
声がフェイトと良く似た女性歌手が歌い始め、その歌声を切っ掛けに
誰が一番巧いのかという方向に発展、いつの間にやらカラオケ大会と化したのだ。
…とは言え彼女達の歌うジャンルは別々でセインは歌謡曲、ウェンディはアニソン、アギトは演歌と
比較する事が出来ず結果、歌えれば何でもいいやという事になり現在に至ったのである。
…ちなみに彼女達の部屋は襖で隔離されてあり襖には防音機能が備え付けてある為に
外部に音が漏れないようになっているのであった。
続いてトーレ達は格闘番組を見ているようでその戦いっぷりに興奮の坩堝と化していた。
特に引退を表明した拿乃覇とパトリック・サワーによる因縁の対決は目玉らしく応援にも熱が入る。
「ローだ!ローで崩せ!!」
「間合い!間合いが重要だ!!」
「だぁかぁらぁ!!お前はアタシと同じ蹴り型だろう!一気に足使えって!!」
トーレ、チンク、ノーヴェの順に次々に檄や身振り手振りでアドバイスする中で、セッテは黙々と鍋をつついていた。
そして更に上記三人は酒も入っている為かテンションは更に上がりヒートアップ、
トーレの右拳が思わずノーヴェの左こめかみにヒットし、
その痛みに報復とばかりにノーヴェの右ローキックがトーレの左すねを直撃
トーレは倒れ込むと其処にいたチンクの頭部にトーレの肘が直撃した。
「何するだぁーーーっ!!」
「トーレ姉が殴ったのが悪いんだろ!!」
「…いいからトーレ姉……どけ!」
「うわぁチンクの目が据わったぁ?!」
ここからはもうどんちゃん騒ぎ、それぞれこの狭い空間の中で戦い始め、
どたばたする中で一人セッテはコタツの中で引き続き鍋をつつきながらテレビを観戦していた。
「この子は……伸びるわ!!」
そう言って目を光らせ、春菊を頬張るのであった。
「隣は大丈夫なのですか?部屋壊されそうですけど……」
「心配ないよウーノ、これも計算のうちさ」
一方でトーレ達のいる部屋を締め切ったウーノは心配そうな顔で問い掛け、スカリエッティがウーノの問い掛けに簡単に答え始める。
この部屋は改修の際に耐衝撃性性能を高めてあると、何だか後付けのような説明で終えた。
「流石ドクター!素晴らしい判断です!!」
「ハハハッ!だろうだろう!!」
恋は盲目とはよく言ったもので二人のやりとりを細い目で見つめながら白菜を頬張るレザード、
一方でクアットロは一升瓶片手にテレビにかじり付いていた、今放送されている番組は未来から来た猫型ロボットの話…つまりはアニメである。
なぜこのような番組を見ているのかというと番組に登場する道具の中で、
実際に再現出来そうな物を模索しているそうで、現在は扉型の移送装置が実現可能ではないかと考えられていた。
だが実際にこれを実現するには移送先のタイムラグ、エネルギー問題などがあるのだが、
エネルギーはレリ―――もとい高エネルギー結晶体を用いり、タイムラグは移送方陣を用いれば可能であるのだという。
だが起動までに時間が掛かり“どこでも”行ける訳でも無い為、改良の余地があるのだという。
それはさておき、テレビをまじまじと見つめていたクアットロが突然レザードの方を向きしがみついてきた。
その行動に流石に焦るレザード。
「はぁぁかぁせぇぇぇ~~!!」
「な…何ですかクアットロ」
どうやら激しく酔い始めていたらしくピークを通り過ぎて暴走し始めたようである。
するとクアットロは徐に眼鏡を外し口付けを要求してくる。
これには流石のレザードも焦り始める、何故ならばレザードの唇はチン―――もとい“愛しき者”の為にあるからだ。
だがクアットロは更にレザードに馬乗りになるとレザードの顔を両手で押さえ込み徐々に近づいていく。
「くっ!このままでは!ドクター!あの特殊な酵素とやらはどうやって起動させるのですか!!」
「え~?そんなの嘘に決まっているじゃないか」
「そんな嘘だったなんて!ドクターは私を酔わせてどうするつもりなのですか?!」
「それは勿論、ウーノ……君を――」
バカップルシネ!!そう心で響きながらも現状の対策を考えるレザード。
そして―――
クアットロはレデュースパワーとガードそれにプリベントソーサリーで、簀巻きにされたのであった。
時間は11時30分を周り、隣でイチャついていたスカリエッティは急に立ち上がりし切り分けていた襖を開きそれぞれ呼び出すが、
オットーだけはジッとその場から動かずテレビに見入っており、半ば諦め掛けているとディードが録画を始めそれに折れるようにして集合する。
そして全員が集まると徐にスカリエッティは手を叩き始める。
すると左奥の襖が大きく開き其処にはカウンター席が置かれた厨房があり、中にはガジェットが存在していた。
どうやらここで年越し蕎麦を作るようである、そこでそれぞれは席に座り注文を始める。
トーレ・セッテ・ルーテシアは掛け蕎麦を、セイン・ウェンディ・チンク・ノーヴェが天ぷら蕎麦を、
オットー、ディード、ゼストが鴨南蛮を、チンク・ノーヴェ・ディエチ・アギトがざる蕎麦を
最後にスカリエッティ・ウーノ・レザード・クアットロが月見そばをそれぞれ注文すると、
厨房の中で調理が開始、先ずはガジェットIII型がそば粉をこね、II型が生地をのばし
VI型が刻んでII型が茹でてIII型が盛りつけを行いI型が配っていた。
そしてそれぞれ注文した物を受け取り、手を合わせ一斉にすすり始めると、
カウントダウンが開始されカウントを読み上げていき新年を迎えたのであった。
それから暫くして蕎麦を食べ終わった面々は先程までいた場所まで赴き、
オットーは録画した続きを食い入るように見続け、トーレ達は暴れ回ったせいか、すっかり酔いは醒め今度は格闘番組の内容に対して話し合っていた、
そしてセイン達はカラオケ大会を続行、レザードは一人コタツに戻り朝までテレビを見ていた。
「そうか…このまま眠り付いていたのか……」
頭を掻き大きくあくびをして昨日の事を思い出していると後ろの襖が威勢良く開き、
レザードがゆっくり振り向くと其処には上半身は白の着物、下半身は黒の袴を着たスカリエッティが佇んでいた。
「あけましておめでとう!今年もよろしく頼むよ!!」
「……何ですか?その格好」
「正装だよ正装!正月の」
そう言って一回りして腰に手を添えて構えるスカリエッティ…女子高生か!とつっこみたくなるのは気のせいだろうか、
話は戻り他のメンツはどうしているのか訪ねると簡潔に答え始める。
先ずはトーレとセッテは臼と杵で餅をついているのだという、二人はノリノリでついているらしい、
次にオットーとノーヴェとディードは徹夜でゲーム、まぁ戦闘機人だから問題ないだろうと、
一方でディエチはルーテシアを寝かしつけている内に一緒に寝てしまったらしく
扉の前ではゼストが胡座を掻いて寝ていたらしい、何でもスカリエッティ対策………らしい。
「全く…失礼だと思わないかい?私には―――」
「あぁそれはいいです、それで他の方はどうしたのです?」
のろけ話は飽き飽きといった表情で先に進めるように進言すると、一つ咳払いをして話を続ける。
セイン・ウェンディ・アギトはあれから歌い続け、今いる部屋の右奥の部屋で爆睡しているという、
そして話し終えた頃にはレザードから見て左の位置にスカリエッティは座っていた。
すると―――
「ドクター、博士よろしいでしょうか?」
「あぁ、入って来たまえ」
スカリエッティの返事と共に目の前の襖が開き其処には花が刺繍されてある帯に薄紫の着物を纏ったウーノが現れ手にはお盆が握られており、
レザードとスカリエッティにお茶を差し出しコタツ中心にはカゴに山積みされたミカンを置くと、
玉飾りが付けられたガジェットI型が姿を現しウーノはお盆を渡しウーノはスカリエッティと同じ位置に座り込む。
この玉飾りはガジェット全て、更にはゆりかごの先端部分にも飾られているのだという、
どうやらガジェットI型が一晩でやってくれたらしい……
…そう言えば先程のガジェットに付けられていた玉飾り、
ミカン部分のところをガジェットの中心部分のセンターパーツで模されていたような気が…
「…で何をしに?」
「ん?」
スカリエッティは首を傾げながらみかんに手を伸ばし皮を剥き始め、
まぁ別に…そう口にしながらミカンの小袋を破き身を食べる。
その言葉に首を傾げミカンに手を伸ばし皮を剥き始めると、袋ごと口に運び考え始める。
この時期で彼が考えそうな事、それは恐らく羽子板や福笑いなどの対決などではないかと考えるが、
当のスカリエッティはウーノと共にミカンの食べ合いをしており、若干腹が立つレザード。
結局本当に何にも考えていなのではないかそう考えていると、スカリエッティは徐にテレビをつけ始めテレビでは漫才が始まっていた。
そして暫くすると後ろの襖が開き其処からは胸元をサラシで隠し白い褌を付けた
トーレとセッテが出来立ての餅を大量に持って現れその姿に若干引くレザード。
「なんと…いう格好しているんですか貴方達」
「餅つきの正装はこうだと聞いたもので」
トーレの言葉に呼応するようにセッテも頷く…とはいえその格好にヘッドギアはどうかと思うが…
それはさておき、出来上がった餅は奥の調理室に運ばれていくと、奥ではガジェットが一生懸命調理を行っていた。
そして暫くテレビの雑音が部屋を賑わせていると後ろの襖から銀の刺繍が目を引く帯に白い着物を纏ったチンク、
金色の鳥の刺繍が美しい帯に赤い着物を纏い金のかんざしを付けたノーヴェが恥ずかしそうに現れ
黒い帯に気金の刺繍が印象的な黒い着物を纏っているディードに何故か袴姿のオットーが姿を現す、
どうやら本人の言い分では格好いいからだそうで、人の美的センスは分からないものである。
「どうでしょう?この格好」
「えぇ良く似合っていますよ」
チンクの問いにレザードはそう答えると満面の笑みを浮かべ、
その笑顔に心が揺さぶられる頃、未だに恥ずかしがっているノーヴェ。
どうやらこういう女の子らしい格好は気恥ずかしいらしい。
それはさておき、右奥から物音が聞こえ寝ていたセイン達が起きたらしく、
襖が開き其処からボサボサな髪を掻き大きなあくびをしながら三人が現れ、
アギトに至っては腹を掻きながらウェンディの肩に乗っかっていた。
「三人とも!何という姿で!」
「いや…そっちも中々のもんッスよ?」
…というより状況が全く読めない三人に対し、とにかく顔だけでも洗ってくるようにと急かすウーノ、
そして渋々と歩き始めていく中で入れ替わるようにして可愛らしい蝶の刺繍がされてある帯に薄ピンクの着物を羽織ったルーテシアと、
袴姿のゼストに派手な銀色の帯と着物を纏ったクアットロ、そして何故か通常の戦闘スーツ姿のディエチが姿を現す。
理由としては置いてあった着物を来てみたのだが、どうみても巫女姿にしか見えないからだそうで……
それはさておき、他に来ていないのは寝坊助三バカトリオだけである、 暫くして――
「ウーーーッスおはようッス」
「なんか動きずらいんだけど……」
「アタイは飛びにくい……」
ブツクサ文句を言いながら水色の帯と波の絵が描かれている水色の着物姿のセインと、白い帯と濃いピンクの着物を纏ったウェンディ、
そして赤い帯と赤い刺繍が炎を見立てている黒い着物姿のアギトが順々に姿を現す。
そして全員が揃ったところでガジェットが現れコタツの上に突き立ての餅が入った雑煮を配り、
更に様々な味付けがされた餅も次々に並ばせていく。
「では諸君!今年もいい年でいこう!」
スカリエッティの相変わらず短い挨拶が終わり一斉に食べ始める一同、
そんな中トーレとセッテは餅をうどんのようにすすっていた、何でもこれが一番美味い食べ方だからとか何とか……
一方でチンクは磯部焼きノーヴェは辛み餅を選びお互いに食べ比べおり、オットーとディードはきな粉餅、ルーテシアとアギトは餡ころ餅を、
ゼストとセインとウェンディは納豆餅を選び餅と共に糸も伸ばしていた。
そしてスカリエッティとウーノは枝豆をすりつぶして餡にした、ずんだ餅を選びお互いに食べ合いをしていた。
一方でクアットロとレザードは餅には手を伸ばさず雑煮のみを食べていた。
するとディードがオットーの異変に気がつく、どうやら喉を詰まらせたらしく見る見るうちに青くなっていく、
それを見たトーレがオットーの背中を思いっきり叩くと、口からきな粉餅が吐き出され難を逃れた。
どうやら話を聞くとトーレの真似をしようとして、きな粉餅で試したところ喉を詰まらせたのだという。
それもそのハズ、トーレ達の芸は突き立てで、しかも何も味付けもされていない餅だからできる芸当、
それを味付けされた、ましては水分を奪われるきな粉餅でやれば喉を詰まらせるのは必定である。
とは言え危険な行動をとっていたことも事実であり、
トーレとセッテはオットーに謝ると手を指し伸ばしてきた、……どうやらお年玉が欲しいらしい。
トーレとセッテはお互い目を合わせると一目散に逃げ出した、……駄目な姉達である。
一方でスカリエッティは一人一人にお年玉を配っていた、どうやら正月最大の行事であるのだという。
そして配り終わると一斉に蜘蛛の子を散らすかのように部屋を出ていき、
部屋にはゼスト・レザード・スカリエッティ・ウーノの四人だけが残されていた。
「……まぁ取り敢えずレザード、君はどうするんだい?」
「暫く此処でテレビでも見ていますよ」
そう言いながらミカンに手を伸ばして皮を剥き始めるレザード、すると手を振り部屋を後にするスカリエッティ・ウーノ・ゼスト、
部屋の中ではテレビから笑い声が流れたままであった。
その後、ディエチは新しいRPGをやり始めチンクとノーヴェとゼストとルーテシアは初詣へ、
クアットロは自室でPCゲームを、トーレとセッテは未だに餅をついていた。
セインとウェンディとアギトは同じ部屋同じベッドで二度寝、オットーとディードは外でガジェットII型ソックリの凧を上げており、
スカリエッティとウーノは二人で研究の纏めと今回の皆の反応を報告書のようにして書き綴っていた。
「……この芸人は―――売れませんね」
レザードはテレビに映っている銀色の服を着たアイドルもどきに対し、
痛烈な一言を浴びせながらミカンを平らげていった。
……今日も平和である……
最終更新:2010年01月01日 21:04