その頃、地球は日本国北海道のドクター剛の生家では先程イタチ鍋が食べられなかった代わりに
スーパーで買って来た野菜などで鍋を作り、クロ達が集まって食べていた。
「いや~イタチ鍋食べたかったな~。」
「まったくだ。」
クロ達はもうデビルの事などすっかり忘れてしまっていたのだが…その時だった。
「何だ!?」
突如剛邸の上空の空間に穴が開き、そこからデビルアースラが現れたのである。
「何だ何だ!? いきなり変なのが現れたぞ!」
「また何処ぞの世界征服を企む悪の科学者の送り込んできた超兵器か!?
それとも新たな侵略宇宙人か!?」
鍋どころの騒ぎでは無くなる事態によって大騒ぎとなっていたが、
デビルアースラの艦板上にはデビルなのはが立っていた。
「あ! あれ良く見たらこの間ここに来た女の子じゃないか!」
「しかし…何か様子が変だぞ…。」
『ハッハッハ! 久し振りだな~クロちゃん?』
「そ…その声は! デビルか!?」
クロ達はとっさに身構えた。それに対しデビルなのはは大笑いを始める。
『ハッハッハッハ! 二度有る事は三度あるってな! また蘇って来たぜ!』
デビルなのはは背の漆黒の翼を広げ、ゆっくりと降り立つ。
「あ~も~! アレだけあの時小瓶のフタを開けるなよって念を押しておいたのに
結局奴の封印を解いちまいやがってぇ!! またデビルと戦わなきゃならないじゃねーか!!
だがお前は失敗したぜ! 何しろそんな人間のガキなんかに乗り移ってるんだからなぁ!」
『本当にそう思うか?』
その直後、デビルなのはの指先から漆黒の魔砲が放たれ、周囲に投棄されていた
粗大ゴミの一塊が吹き飛んだ。
「な…!」
「指先からビームが出たぞ!?」
『ハッハッハッ! 人間にもよぉ…極稀にいるもんさ! 突然変異的にすげぇ力を持って
生まれてくる奴がよぉ! コイツがまさにそうだったのよ! オレはただコイツの
元々あるスゲェ力にちょ~っと手を加えただけなんだなぁこれが!』
「なるほどな…。」
「まったくとんでもない突然変異があったもんだぜ!」
デビルの能力はクロ達も良く分かっている。過去に戦った強敵達に乗り移り変質させた
デビルの攻撃を受けた事が既にあったのだ。そのデビルの能力を理解していたとは言え、
デビルなのはの基となったなのはにあの様な力があったとは知らなかったクロ達は
驚愕するしか無かった。
『さぁて…第三ラウンド言って見ようか!! なぁクロちゃん!?』
「くそ! やるしか無いのか!?」
クロとミーくんは自身の腹を開いて武器である長剣を取り出し、構えた。
しかし、それより先にデビルなのはがデビルレイジングハートを振り上げていた。
『死ねぇ! デビルディバインバスター!』
「うひゃ~!」
「ああ! 剛くんが!」
クロとミーくんはとっさにデビルディバインバスターをかわしていたが、
剛だけは逃げ切れずに巻き込まれ、遠くに吹っ飛ばされてしまった。
「畜生よくも剛くんを!」
怒り狂ったミーくんが長剣を振り上げてデビルなのはに突撃した。
しかし冷静さを欠いた太刀筋はデビルなのはにたやすくかわされてしまう。
『どうした!? 太刀筋が甘いぞ?』
「この! くそ!」
「下がれミーくん!」
今度は後方からクロのガトリング攻撃。
「オラオラオラ!! 蜂の巣にしてやるぜ!!」
クロは両前脚にガトリング砲を構えてデビルなのは目掛けて撃ちまくる。
しかし、デビルなのはの正面に現れた防御魔法によって阻まれてしまった。
「何てこった! 攻撃だけじゃなくて防御も出来るのか!?」
『それで終わりか? なら次はこちらから行かせてもらうぞ? デビルエクセリオンモード!!』
「何!?」
ただでさえグロテスクに変質していたデビルレイジングハートがさらに変質し、
デビルエクセリオンモードと呼ばれる形態へと変化した。
『デビルエクセリオンバスター!』
「うわ!」
「避けられない!」
デビルエクセリオンバスターはデビルディバインバスターの比ではない。
出力、破壊範囲共に高いレベルの漆黒の魔砲がクロとミーくんへ迫る。
『ハッハッハッハッ! さようなら! クロちゃ~ん!』
「くそっ! 万事休すか!?」
思わずクロもミーくんも目を強く閉じる。しかし…漆黒の魔砲が二匹に襲い掛かる事は無かった。
「え…?」
恐る恐る二匹が目を開けた時、二匹の前には防御魔法によってデビルなのはの漆黒の
魔砲を防ぐ一人の少年の姿があった。
「だ…誰だ?」
「酷いな~…この間僕をイタチ鍋に食べようとしたくせに忘れちゃったのかな~?
ってそう言えばあの時は僕フェレットに姿を変えてたから分からなくて当然か!」
「え!? イタチ鍋って…お前まさか…。」
「そういえばイタチ鍋食いたかったな~…。」
突如クロとミーくんのピンチを救ったのはユーノ=スクライアその人である。
しかし、駆け付けて来たのはユーノだけでは無かった。
「バルディッシュザンバー!!」
フェイト=T=ハラオウンがバルディッシュザンバーを振り上げて真上から
デビルなのは目掛け襲い掛かった。しかし、それもデビルプロテクションによって阻まれてしまった。
最終更新:2007年08月14日 17:13