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君の声聞いた気がして 失われた時間さ迷う

存在さえ忘れられた この想いはどこへ続くの?

俺に立ち向かうすべての 相手は後悔するだろう

半端にウロウロするなら 何もせずにじっと見てな

「……イマジンが……!?」
「クソ……待て!!」
今、彼らの目の前で一体のイマジンが一人の女性の体の中へと入っていった。
もちろん中へ入るといっても、そのまま体内へ入る訳では無い。
イマジンは女性の体を真っ二つに割り、その中に現れた緑色の空間-過去-へと飛び込んだのだ。
二人はすぐに女性に近寄り、一枚のチケットをかざす。
そうすると、チケットにイマジンの姿と、過去の日付が記されていた。

「2004年、10月9日……。」
「……この日付に、覚えは?」
二人はチケットを見ながら女性に問い掛ける。
「…………!?」
だが、女性の様子がどこかおかしい。この日、彼女の身に何かが起こったのだろう。
「……この日に、何かあったんだな?」
「ば……化け物が……」
「化け物だと……?」
もう一度問われた女性は、恐る恐る言う。
どうやらこの女性は2004年の10月9日、「化け物」に襲われたらしい。
「(化け物だと……?)」
「……侑斗!」
「……ああ、わかってる!行くぞデネブ!!」
侑斗と呼ばれた少年は、すぐに元の寡黙な表情を取り戻し、「デネブ」と呼び返す。
次の瞬間、空を裂いて巨大な二両編成の列車……『ゼロライナー』が現れる。


Extra ACT.03「ACTION-ZERO」


「うーまーいッ!!これがショ・ミーンの味か!」
「あはは、剣君ホントに美味しそうに食べるね」
「ああ、なんせ俺は美味しそうに食べる事においても頂点に立つ男だからな!!」
剣は美味しそうに熱々の豆腐を頬張りながら、いつも通りの台詞を口にする。
現在、剣が食事をしているのは八神家だ。剣はなのは達と一緒に八神家で夕飯をご馳走になっている最中なのだ。
ちなみにメニューは寄せ鍋だ。
何故こうなったのかというと、数時間前に遡る事になる。
………………
…………
……
同日、03:05PM

今日は何事も無く学校も終わり、なのは達もあとは自宅へと帰るだけだった。
そんな時……
「今日は久々にうちで鍋パーティーするねんけど、良かったらなのはちゃん達も来ぉへん?」
突然話題を振ってきたのははやてだ。
「「鍋?」」
「うん。もうすぐキャンプもあるし、久々に皆で晩御飯でも食べたいなぁって思ってん。楽しそうやろ?」
凄く楽しそうに、満面の笑顔で言うはやて。
そんなはやてを見たなのはとフェイトは顔を見合わせ……
「「うん、喜んで!」」

こうして現在に致る訳である。

「ところで、主はやて……」
「ん?何や、シグナム?」
シグナムに話し掛けられたはやては、白菜を頬張りながら返事を返す。
「先ほどの説明で高町やテスタロッサがここにいるのはわかりました……ですが。」
シグナムは今度は冷静な面持ちで箸を置き……
「何故この男までここにいるのでしょう?」
次にシグナムが睨んだのは凄いペースで鍋の中身を平らげていく剣だ。
「細かい事を気にするな!それよりこの白いヨーグルトは一体何だ!?」
「あ、それはヨーグルトじゃなくて、豆腐だよ。気に入ったの?」
「なにぃ……!?トゥーフーだとぉ!!」
フェイトに教えられた剣は驚いた表情で豆腐を見つめる。
「いや……剣くん、トゥーフーじゃなくて……」
「うまい!このトゥーフーとやら、気に入った!!」
「駄目だ……聞いちゃいねぇ。」
シャマルの言葉を遮り、一人で感動している剣に流石のヴィータも呆れた表情だ。
そんな時、ふとなのはの目はふとテレビの画面へと移る。
「あれ……?」
「どうしたの、なのは?」
「あのドラマに出てるの……」
画面に映し出されているテレビドラマには、どこかで見覚えのある人物が出演していた。
『悪いオーラが見える……』
「トゥーフー……あっさりとした味の中にも独特のコクと奥深さがある……
この高貴な味こそ、ノブレス・オヴリージュ!!」
なのは達はテレビ画面に映る人物と、目の前で美味しそうに豆腐を食べながら訳のわからないことを言う剣を見比べる。
「あはは……そっくりだね……」
「世の中には三人同じ顔がおるって言うけど……」
「うん、ホントに似てるねぇ……」
三人は剣とドラマの人物を比較しながら箸を進める。
すると……
「なぁ、この難波って奴、天道総司に似てねぇか?」
ヴィータの言葉に固まる一同。
なんと、テレビ画面には剣のそっくりさんだけでは無く、天道のそっくりさんまで写っているというのだ。
「……そんなアホな~」
「う、うん。そうだよヴィータちゃん、いくらなんでもキャラが違いすぎるよ~」
「きっとただのそっくりさんだよ?」
「……や、やっぱそうだよな?」
一同はまた元の笑顔を取り戻し、楽しい夕飯の時間を再開した。
剣だけはテレビには目もくれずに嬉しそうに鍋-というより豆腐-を食べ続けていたが……


「侑斗、さっきの女の人が言ってた化け物って……」
「……さぁな。既に2003年に別のイマジンに出くわしていたか、それとも……」
ゼロライナー車内、侑斗とデネブはさっきの女性の言っていた化け物について考えていた。
「まさか……ワーム?」
「ああ。奴らは1999年には地球に現れている。2004年に奴らが人を襲っていてもおかしく無い」
「でもワームに襲われたなら、あの女の人が今生きてるのはおかしいんじゃないか?」
「あぁもう……知るかよそんなこと!行けばわかる!!」
苛々していた侑斗はデネブを怒鳴り付ける。
「そ、そうだな……ごめん、侑斗」
「……ったく!」
シュンとした態度で謝るデネブに、侑斗は「フン!」と不機嫌そうにデッキから外の景色を眺める。

存在しない存在を 証明し続けるためには

ゼロというレール駆け抜け 止まる事など許されない……

「(侑斗……)」
デネブは不機嫌そうな侑斗を見つめる。
「(孤独だけを強さにする心を……痛い程分かってる……)」
こんな性格のせいか、侑斗には昔から友達ができないのだ。
そんな侑斗を心配し、また思いやるデネブはまさに、父親の様な存在だろう。
「(……だから俺はいつでも侑斗と一緒に戦う……。)」
それがデネブが心に誓う、戦う理由だ。


一方の八神家では、過去の思い出話に花を咲かせていた。
勿論剣はそんな話を全く知らないために、興味津々といった感じだ。
はやてもこの頃のなのは達の話にはあまり詳しくは無い。その点でははやても興味津々と言えるだろう。
「……そのジュエルシードという宝石が犬や植物に取り付くというのか?」
「うん……ユーノくんと初めて会って、レイジングハートを受け取って……」
なのはは3年前の自分の物語を話し始める。
ユーノの世界で発掘された21個のジュエルシードが、事故でこの世界に散らばってしまったこと。
一人ぼっちでジュエルシードを回収しようとしていたユーノの手伝いをし、魔法少女となったこと。
なのはの丁寧な説明に剣やはやて、それからヴォルケンリッターの一同も次第に話に引き込まれていく。
「……それでね、こんなことがあったんだ」と、一つのエピソードを語り始めるなのは。
それはなのはがまだレイジングハートやバリアジャケットを使いこなしていなかった時期の話。
「一つ目のジュエルシードを封印してすぐの話なんだけどね……」
なのははそう言い、二つ目のジュエルシードの回収時の出来事を思い出していた。

そして、今からなのはが話そうとする歴史は、こうしている間にも改変されようとしているのだった……


-2004年10月9日-


「はぁ、はぁ……」
一人の女性が、ランニング中に海鳴市のとある神社に立ち寄った時の事だ。
「……っ!?」
神社に入った瞬間、女性の足が止まった。
なんと、目の前の子犬が、突然巨大な化け物-犬獣-へとその姿を変えたのだ。
犬獣は巨大な漆黒の体に、4つの瞳をギラつかせ、まさに化け物といった印象の姿をしている。


「あ……!?」
学校から下校途中のなのはが何かの気配を察知する。
「(ユーノくん、今のって!)」
「(ジュエルシードが発動した!すぐに向かって!!)」
「……うん!」
念話でユーノと連絡を取ったなのはは、すぐにジュエルシードが発動した場所へと走り出した。

吠える犬獣を前に、ランニングをしていた女性はついに意識を失ってしまった。
そんな女性の体から大量の白い砂が零れ落ち、白いイマジンが現れる。
白いイマジンは、フクロウの様な印象の外観をしており、両肩からは翼が生えている。
このイマジンは、取り付いた女性のイメージする「フクロウと鳥たち」のフクロウをモチーフとした『オウルイマジン』だ。
「何だ……コイツは?」
犬獣を見たオウルイマジンは、最初は少し驚いたが、すぐに自分のするべき事を思い出す。
この化け物が勝手に暴れてくれるなら好都合だ。オウルイマジンはその場を飛び去ろうとするが……
「何……!?」
凄まじい轟音を響かせて現れたのは、漆黒の列車-ゼロライナー-。
その列車に逃走を遮られたオウルイマジンは、「今度は何だ!?」という表情でゼロライナーを見つめる。
すると、ゼロライナーから一人の男……『侑斗』が降り立ち……
「貴様……さっきの男か。」
「ったく、手間掛けさせやがって……!」
侑斗は苛立ちながら『ゼロノスベルト』を手に構え、それと同時にゼロライナーもいずこかへと姿を消す。

その時だった。

「ぐぉおおおおおおおおッ!!!」
「うわッ!?」
突如として巨大な犬獣が侑斗に襲い掛かってきたのだ。
まったく、この手の敵があえて悪者には襲い掛からずに、良い者側に牙を剥くのはもはやセオリーと言っても過言では無いだろう。
「クソ!なんなんだよコイツは!!」
『侑斗、アレ!!』
「な……!?」
突然襲い掛かってきた犬獣に悪態を付いていた侑斗は、どこからか聞こえて来るデネブの声に反応し、神社の入口辺りを見る。
そこにいるのは、まだ幼いどう見ても小学生な少女……高町なのはだった。
しかもタチの悪いことに、犬獣はなのはへと走りだし、イマジンはどこかへと逃げようとしている。
『どうする、侑斗!?』
「んなモン決まってんだろ!!」
デネブの問いに即答する侑斗。今なのはを見捨てても被害に合うのはなのはだけだ。どうってことは無い。
だがイマジンを逃がせば、大勢の人間が死んでしまい、下手をすれば世界を消滅させる可能性だってある。
侑斗はイマジンが逃げようとする方向へと走りながら、ゼロノスベルトを腰に装着する。
「デネブ、カードは残り何枚だ!?」
『残り16枚だ!』
「チッ……まだしばらくは大丈夫か……!」
言いながらゼロノスベルトの上部レバーを右側へとスライドさせる。

「変身!!」
『Ultair Form(アルタイルフォーム)』
侑斗は腰のカードケースから取り出した『ゼロノスカード』をゼロノスベルトへ装填-アプセット-する。
次の瞬間、侑斗の体を二本のレールの様な物が走る。

「なのは、早くレイジングハートを起動して!」
「えぇ……!?き、起動って何だっけ!?」
なのはは目の前に迫る犬獣に、完全にパニクっていた。
しかもこの当時のなのはは、まだ一度しか変身した事が無い。咄嗟に変身しろと言われても無理な話だ。
「……ッ!?」
なのははついに目前まで迫った犬獣に、目をつぶった。

「(間に合え……!!)」
侑斗……いや、『仮面ライダーゼロノス アルタイルフォーム』は、飛び去るイマジンとの距離を詰めていた。
あと少しで追いつける。
ゼロノスとイマジンとの距離を見れば、誰もがそう思うだろう。
しかし、ゼロノスの目的はイマジンでは無かった。

なんと、もう少しで追いつけるというのに、途中で立ち止まってしまったのだ。それも猛進する犬獣の目の前でだ。
「うぉおおおおおりゃあああ!!!」
ゼロノスそのままゼロガッシャーをサーベルモードに連結し、犬獣の突進を受け止める。

「え……何……!?」
なのはには何が起こったのかがわからなかった。
突然、雷と一緒に誰かが割って入ったと思えば、目の前で緑の装甲に身を包んだ戦士が自分を守るように犬獣を受け止めているのだ。
『Set Up』
さらに、なのはが持っていた赤い飴のような宝石-レイジングハート-が輝き、自分の体を光が包む。
起動パス無しでレイジングハートを起動させた事には、流石のユーノも驚いているようだ。
だが、それよりも気になるのが、目の前の緑の戦士……ゼロノスだ。
「(もしかして……管理局の人かな?)」

ユーノがそんなことを考えているとも知らずに、ゼロノスは犬獣を弾き飛ばし、ゼロガッシャーを肩に乗せる。

俺に立ち向かうすべての 相手は後悔するだろう

半端にウロウロするなら 何もせずにじっと見てな

「最初に一つ言っておく……!俺は今、か~な~り!機嫌が悪い!!」
まさかこんなイマジンでも無い相手に貴重なカードを使う羽目になるとは思っていなかったのだ。
『侑斗、偉い!侑斗なら女の子を助けると思ってた!!』
「うるっさい!!」
苛々していた侑斗は、柄にも無い事を言われ、さらに逆ギレする。

「何?この人達……?」
「さ、さぁ……?僕にもわからない……」
なのは達もゼロノスの登場に戸惑っているようだ。

「お前も、逃げれると思うな!!」
ゼロノスはゼロガッシャーをボーガンモードに連結変形させ、オウルイマジンに向けて連射する。
「何ッ!?」
ゼロノスが発射した全ての光弾に当たったオウルイマジンはすぐに地面に落下する。
さらに侑斗は、ちらっとなのはを見て、「コイツ魔導師だったのか……」とようやく気付く。
ならばあの犬獣は魔導師であるなのはに任せても大丈夫だろう。
「おい、そこの魔導師!あのイマジンは俺が殺る!その化け物はお前に任せた!!」
「あ……え?イマジン……?」
ゼロノスはなのはに向かってそう叫んだ。もちろんこの時代のなのはにはイマジンなんて言葉に聞き覚えは無い。
「とにかく、邪魔だけはすんなよ!!」
「う、うん……わかった!」
その言葉を聞いたゼロノスは、すぐに落下したオウルイマジンへと走り出した。

「なのは、とりあえずジュエルシードを!」
「……うん!!」
取り敢えずなのはは、ユーノの言う通りにレイジングハートを犬獣へと向ける。
ちなみにこの当時のなのはには技と言える技はほとんど無い。
「ぐおおおおおおッ!!」
さっきのゼロガッシャーの攻撃で吹っ飛んだ犬獣は、再び体勢を立て直し、今度はなのはへと飛び掛かる。
「わっ……!?」
なのはは咄嗟にレイジングハートを振り上げた。
すると、レイジングハートは自動的にプロテクションを発動。そのまま犬獣を弾き飛ばす。
「大丈夫、なのは!?」
「うん……あんまり痛くは無いかも」
なのはの安否を心配するユーノに、なのはは大丈夫だと主張する。
そして、今が封印には絶好のチャンスだ。
「なのは!」
「うん、封印っていうの、すればいいんだよね?」
『Sealing Mode』
なのはの声に反応したレイジングハートは、再び自らの意思で封印用モードであるシーリングモードに移行する。
同時にレイジングハートからピンクに輝く翼のような光が現れる。

「逃げんな!戦え!!」
ゼロノスは回避を続けるオウルイマジンに、ボーガンモードにしたゼロガッシャーを連射する。
「く……!管理局の犬め!」
「何だとぉ!?冗談じゃない!誰が管理局の犬だ!!」
オウルイマジンの一言により侑斗はさらに激怒したらしく……
「おらぁッ!!!」
「な……!?」
一気にジャンプで飛び上がったゼロノスは、オウルイマジンの両足をがっしりとホールドし、そのまま地面にたたき付ける。
「この野郎!」
そして再びゼロガッシャーをサーベルモードに変形させ、オウルイマジンに振り下ろす。
「うわっ……ちょッ……クッ……!!」
それも一度では無い。倒れたオウルイマジンに何度も何度もゼロガッシャーを振り下ろすのだ。
さすがにその光景はデネブも見兼ねたらしく……
「侑斗……!!」
「はぁっ!おりゃあ!!」
デネブは侑斗を止めに入るが、それも聞く耳を持たずにゼロガッシャーを振り下ろし続ける。
「侑斗……落ち着け!侑斗!!」
そこでデネブは無理矢理ゼロノスをオウルイマジンから引き離す。
「……何すんだよッ!!」
デネブの余計な行動にいらついたゼロノスはデネブにヘッドバットをかますが、もちろんあまり効いていない。
「駄目だ侑斗!こんな戦い方、卑怯すぎる!」
「あぁもう……面倒臭いな!じゃあお前やれよ!!」
「了解!!」
デネブは少し嬉しそうにそう言うと、すぐにゼロノスの背後に立った。
そしてゼロノスはベルトからカードを抜き取り、再びレバーをスライド。さらにもう一度カードをアプセットする。

『Vega Form(ベガフォーム)』
機械音声が『ベガフォーム』と告げ、デネブがゼロノスと合体。
肩にはデネブの手……ゼロノスノヴァが装着され、胸についたデネブの顔が特徴的だ。
やがて頭に装着されたドリル型電仮面は、星型に展開。これが、『仮面ライダーゼロノス ベガフォーム』だ。

いつかたどり着くだろう すべての謎 説き明かされ

そして、ゼロノスがベガフォームになった途端に、ゼロノスが立っていた地面が「ズンッ!」と沈み込む。

止まったままの時計の針 動くさきっと

さらに強い風が神社全体に吹き込み、周囲の木々がざわつく。ゼロノスのマントもそれに合わせてはためいている。

もう任せておけない 悲しい歴史いらない

ゼロノスはゼロガッシャーを構え直し、オウルイマジンを睨みつける。

そのためだけに見せる本当の強さ……『ACTION-ZERO』!

「最初に一つ言っておく!!」
「お前もかよ!?」
「正直、お前よりもあの犬みたいな化け物の方が気になる!!」
「なら、あの犬をなんとかしにいけよ!?」
デネブの人格が表に出た状態のゼロノスは、侑斗の真似か決め台詞を言う。
まぁ少し間が抜けているイメージがあるのもデネブの特徴だ。

オウルイマジンはツッコミながら羽手裏剣をゼロノスに飛ばすが……
「……わかった!!」
デネブはオウルイマジンの言葉を「早く自分を倒して、あの女の子を助けろ」と勝手に解釈。
羽手裏剣を全てゼロガッシャーでたたき落とす。
「チッ……!」
オウルイマジンも少し悔しそうに再び羽を飛ばそうとするが、ゼロノスはそれを許すつもりは無かった。
「これで終わりだ!」
『Full Charge(フルチャージ)』
ゼロノスは一瞬の内にゼロガッシャーをボーガンモードに変形、さらに
ゼロノスベルトから取り出したカードをゼロガッシャーのスロットに押し込む。
同時に、ベルトの黄色いV字マークが輝き、ゼロガッシャーに光が集まる。
「……な、何!?」
うろたえるオウルイマジン。ゼロガッシャーの中心は、稲妻のような光を集めながら自分を狙っているのだ。
「クソ……フン!」
オウルイマジンはそれに対抗し、今までに無い程に無数の羽手裏剣を飛ばすが……
「はぁッ!!」
ゼロノスはそれを無視し、光の矢と化した閃光を撃ち出す。
そのまま矢-グランドストライク-は一気に全ての羽手裏剣を撃ち落とし、オウルイマジンを貫通。
「うわぁあああ……!?」
そして、オウルイマジンの体はV字型に発光し、次の瞬間には爆発していた。

『あの魔導師はどうなった!?』
侑斗はイマジンの撃破後、すぐに犬獣と戦闘していたなのはを思い出す。

「リリカルマジカル、ジュエルシード・シリアル16!封印!」
『Seal』
調度ゼロノスがイマジンを撃破した頃、なのはは犬獣に取り付いたジュエルシードを封印しようとしていた。
犬獣はなのはが放った桜色の光に拘束され、身動きが取れない状態にある。
なのはが封印の呪文を唱えた途端に、犬獣から青く輝く小さな光が飛び出した。
青い石……ジュエルシードは吸い込まれるようにレイジングハートに接近する。
後は封印するだけだが、そう思い通りには行かない。
「え……何!?」
なんと、ジュエルシードはレイジングハートに封印されずに、倒したはずのオウルイマジンの体に吸い込まれたのだ。
そしてイマジンの体は一気に大型化し、まるで鳥のような巨大な化け物へと変貌する。
名付けるとするならば『シードギガンデス ヘヴン』とでも言ったところか。
「まさか……ジュエルシードがアイツの願いに反応した!?」
「そんな……!?」
なのは達もこの意外な展開には面食らっているようだ。

「侑斗!コイツ……ただのギガンデスじゃない!」
『んなこと見りゃ分かる!多分、あの青い石の影響だ!』
侑斗達も、この状況を分析。こうなった場合の対象方とは……
『ゼロライナーだ!!』
「わかった、侑斗!」
次の瞬間、またしてもどこからかゼロライナーが現れ、ゼロノスは急いでゼロライナーに飛び乗る。

「あの人達……何する気なのかな?」
「戦うのかな?あの電車で……」
なのは達にしてみればもう何がなんだか分からないといった感じだ。
特になのははまだ魔法すら馴染みが無いというのに、二回目の実戦で
いきなりこんな「戦う列車」を見てもそう簡単に納得が行く訳が無い。
そうこうしてるうちに、すぐにゼロライナーの先端は180度回転し、ドリル状に変形する。これが制御車両でもある『ゼロライナードリル』だ。

『一気に決めるぞ!』
「ああ、わかってる!」
ゼロライナー車内、マシンゼロホーンというバイクに跨がりながら二人のゼロノスが息を合わせる。
シードギガンデスはそんなゼロライナーへ向けて無数のニードルを発射するが……
「レイジングハート!」
『Protection』
すぐにプロテクションを作動させたなのはが介入。それらを全て弾き、ゼロライナーを守る。

『そこの魔導師!』
「え……!?」
「なのはの事だよ!!」
突如、ゼロライナーから聞こえた声に困惑するが、ユーノのお陰ですぐに自分の事だと気付く。
ちなみに当然の事だが、ベガフォームに変身しているからには聞こえる声もデネブの物である。
「な、なんですか!?」
『一気にゼロライナーで突っ込む!キミはその隙にあの宝石を封印してくれ!!』
「えと……わかりました!」
威勢よく返事を返すなのは。そうと決まれば、なのはもすぐに行動を開始する。
まだレイジングハートはシーリングモードのままだ。このままゼロライナーが攻撃する
チャンスを作るために、シードギガンデスを拘束する。
「レイジングハート!!」
『Standby ready』
なのははすぐにさっきと同じように桜色の光でシードギガンデスを拘束。
だが……
「う……さっきのより強い……!!」
流石にイマジンに取り付いただけに、さっきの子犬に取り付いていた犬獣とはパワーが段違いなのだ。
「……早くしないと、拘束が解ける!」
『デネブ!今のうちに一気に決めろ!!』
「任せろ、侑斗!」

強き者に強き力 言っておく「かなり強いぜ!」

ゼロライナーは先端のドリルを高速回転させながら、一気にシードギガンデスへと突っ込む。

極めつけのVega Ultair 始まるBattle『ACTION-ZERO』!

「行ける……!!」
シードギガンデスに突き刺さるドリルを見たユーノも、ゼロライナーの勝利を確信する。

強き心強き願い 重なる時 無敵になる

『ブチ抜け!!』
侑斗もシードギガンデスの腹部を貫いてゆくドリルに、気合いを入れる。

デュアル仕様Vega Ultair 繰り出すAttack『ACTION-ZERO』

そして、ゼロライナーはシードギガンデスを貫通。一気に車両全体がシードギガンデスの体を突き抜ける。

「今だ!」
「うん、今度こそ……!リリカルマジカル、ジュエルシード・シリアル16、封印!!」
なのはは、桜色の翼が生えたレイジングハートを、ドリルによって風穴を開けられたシードギガンデスにかざす。

強き者重なれば……
極めつけのVega Ultair ACTION-ZERO

そのままシードギガンデスからジュエルシードが取り出され、レイジングハートに吸収される。
後は残ったギガンデスヘヴンを片付ければ終わりだ。
ゼロライナーはUターンし、再びギガンデスに突進。そのままギガンデスを打ち砕く。

それは最強の意味……
デュアル仕様Vega Ultair ACTION-ZERO……

そうしてゼロライナーは、なのは達の前で停車することなく、再びいずこかへと消え去っていったという。

全てが終わった後、神社は何事も無かったかのような平穏を取り戻す。
イマジンに取り付かれていた女性も、意識を取り戻して自宅へと帰ったらしい。
「えと……何はともあれ、これでよかったのかな?」
「うん!完璧だよ、なのは!!」
二人はゼロライナーが消えた夕焼け空を眺めながら、笑顔で顔を見合わせた。
そんな時、何かに気付いたなのはは足元に落ちていた物を拾い上げる。
「何かな、これ?」
「キャンディ?」
「やっぱり、そうだよね?」
なのはの問いに答えるユーノ。それはどう見てもキャンディだ。
なのははそのキャンディをにぎりしめ、再び空を見上げる。その表情はとても爽やかだ。
「また、会えるかな?」
「うん。きっと……そのうち」
ユーノは笑顔で答えた。


「……と、まぁこんな話があった訳で……」
こうして話は現在に戻る。
既に鍋は全員にほぼ完食されており、今は平和な雑談ムードだ。
「戦う電車かぁ……ってそんなアホな!」
「お前、頭でも打って幻覚でも見てたんじゃないか?」
一同は黙ってなのはの話を聞いていたが、はやてとヴィータが真っ先にコメントする。
「でも、その話が本当ならまた会えるかもね。その電車の人に」
「うん!そうだよね?」
否定的なヴィータに対し、フェイトは楽しそうに言う。だが、そこでなのはは一つの異変に気付く。
「……剣くんは?」
なのはの言葉に一斉に剣を見る一同。すると……
「うん……マイラヴァ~……ミサキーヌぅ……」
「「「……寝てる?」」」
なんと、幸せそうな顔をして眠っているのだ。
「にゃはは……私の話も長かったし、仕方ないかな?」
苦笑いしながら言うなのは。
「疲れてるみたいだし、休ませてあげよっか」
「うん、そうやな。後でじいやさんに連絡しといたらええか」
フェイトとはやてもそれに返事を返す。剣がどこまで話を聞いていたのかは不明だが、まぁそこはいいとしよう。

鍋も食べ終わり、なのははふと八神家の窓から夜の空を見上げた。
「ベガと、アルタイル……か」
あの緑の戦士は今もきっとどこかで戦っているのだろう。
闇の中で唯一光る「真実」を守るため……
ゼロライナーは今日も時の中で旅を続ける。
約束の場所まで……

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最終更新:2007年09月07日 12:13