闇の書事件からだいたい二週間ぐらいが過ぎた
はやてや他のみんなは時空管理局の本局っていう所にいる
はやてはもう終わったみたいなんだけど他のみんなは面接と試験があるらしい
はやては付き添いで俺は留守番だ
ずっと家を空けておく訳にもいかないしね
本当なら俺も本局に行くはずだったんだけど
あの後、リインフォースの自殺を止めた後
俺達は一人ずつ事情聴取を受けることになった
ちなみに俺の事情聴取をする人はリンディさんだった
その時この世界に来た理由、境遇、蒐集活動をした理由などを洗い浚い喋ることになった
その結果リンディさんが色々としてくれたようで俺は漂流者扱いということになった
比較的自由な身らしい
でも今後はできるだけ時空管理局に協力するように言われた
はやてのためとは言え多くの人に迷惑を掛けたからしかたがないけどね
後………甘いお茶を飲んだのは生まれて初めてだった
と、言う訳で俺の処遇はすぐに決まり家で留守番をすることになった
勿論ただ留守番をしてる訳でもない
戦闘力を上げるために修行は毎日欠かさず行っている
それと落ち着いたらやろうと思ってたことを実行に移した
常に…寝る時以外は超サイヤ人でいるということだ
そうすれば超サイヤ人になった時に表れる凶暴性や残忍性が消えると思ったからだ
そしてもう一つわかったことがあった
それは超サイヤ人は体に負担が掛かるというものだった
なんでわかったかと言うと寝る時に超サイヤ人を解いたら疲れが急に出て来たからだ
恐らく超サイヤ人になった時には軽い興奮状態になっているので体に掛かる負担に気付かないんだろう
その結果、超サイヤ人を解いたら溜まって負担が全部出てきたんだろう
だが、常に超サイヤ人でいれば体に掛かる負担もいずれは無くなる
そうなれば超サイヤ人状態で更に上の力が発揮できるのではないかと思う
まだその状態になっていないのでわからないが
そうなれば…人造人間を倒せるかもしれない
平和を取り戻せるかもしれない
だから…必ず…
ん?
電話か
「はい、もしもし?」
『あ、私私、はやてや。』
「はやてか。どうしたんだ?」
『実はな、お昼なのはちゃんとフェイトちゃんも一緒に食べることになったんや。』
「あ、そうなんだ。」
『悟飯も一緒にって思ったんやけど時間大丈夫?』
「俺は大丈夫だよ。」
『よかった。』
「ならみんなこっちに帰ってくるのか?」
『私はもう帰れるんやけど、家の子達はお昼までかかりそうなんや。』
「そうなんだ。とりあえず…公園でよかったよな?そこまで迎えに行くよ。」
『ありがとな。』
「いいって。それじゃ、後でな。」
『うん。』
上に何か羽織れば胴着のままでもいいだろ
今日は人通りも少ないし超サイヤ人のままでいいか
さて、はやてを待たせるわけにもいかないし行くか
えーと、はやては…いたいた
「はやて。」
そう言ってはやてに近づく
「悟飯。」
「元気そうだな。」
「うん。悟飯も元気そうでよかったわ。」
車椅子を押しながら家に向かう
「それにしても悟飯ってずっと超サイヤ人のままなん?」
「寝る時以外はね。これも修行だよ。」
「修行もええけど無茶したらあかんよ。」
「わかってるって。無茶なことはしないよ。」
「そやったらええけど。」
「大丈夫だよ。それより今日は何作ろうか?」
「そやな…みんなで食べるし冬やから…鍋物にしよか?」
「鍋か…いいねそれにしよう。」
「あ、材料とか平気?」
「うん、みんなで食べる分には問題ないよ。」
「じゃ、二人とも来るかもしれんし家に帰ろっか。」
「そうだね。」
「お、綺麗にしとるなぁ。」
「掃除は毎日してるからね。」
「ありがとな、悟飯。」
「いいって。でも洗濯物はそのままだけどね。さすがにそれは俺がやる訳にはいかないしね。」
「女の子ばっかやしねぇ。それは後で私がやっとくわ。」
「お願いね。そういえば二人ともそろそろ来るんじゃないか?」
と言ったらチャイムが鳴った
はやてと一緒にそちらに行ってドアを開けると
なのはとフェイトが居た
「こんにちはー。」
「お邪魔します。」
「二人ともいらっしゃい。」
「あ、悟飯君。」
「何?」
「ずっと超サイヤ人のままなの?」
「何かそれはやてにも聞かれたな。まぁ、修行だよ。」
「そうなんだ。」
「あ、材料買ってきたからよかったら使ってね。」
「ほんまに?おおきにな。」
そのまま四人で台所に向かった
「それじゃ、作ろっか。」
「そよな。腕を振るおうか。」
「あ、お手伝いするよ。」
「私も。」
「ほんまに?なら二人のお手並み拝見させてもらおうかな。」
そんな訳で四人で料理をしている
なのはもフェイトもうまいな
「お、二人とも中々やるなー。」
「ほんと?」
「あんまり慣れてないんだけどね。」
「そうかな?十分できてると思うけど。」
「そう?私は基本的なことはリニスに教わってたんだ。
材料切ったり火を使ったりするのは少し得意かな。」
「私は一応喫茶店の娘だから、味付けとか盛り付けとかは得意かな。」
「二人ともそないなとこまでコンビの相性発揮せんでもええのに。」
「「あ、あはは。」」
こうやって話せたり笑え合えるようになってよかったな
さて、次は何切ろうかな
「そういえば悟飯君も料理上手だよね。」
「そう?」
「うん。男の子って料理とかあまり得意じゃないと思ってた。」
「まぁ、こっち来るまでは一人暮らしみないな生活してたからね。
材料が手に入れば少しは凝った物作ってたけどそうじゃなかったら
大抵は魚や肉の丸焼きとかで済ませてたなぁ。」
「あ、そうなんだ。」
「ちなみに悟飯って裁縫とかめっちゃ上手なんやで。」
「「え、そうなの!?」」
二人が凄く驚いた顔して俺の方を見た
「一応この胴着とかは手作りだけど…。」
そう言ったら少し落ち込んだ顔をした
「どうしたの?」
「ちょっと女の子としての自身が無くなったような…。」
「そんなこと無いって。」
「そやで。二人とも十分女の子らしいで。」
少し落ち込んだ二人を励ましながら料理を作ってく
「おーし完成や。後は温めるだけや。」
途中色々あったが無事完成した
といってもみんなが帰ってくるまでまだ少し時間があるな
「何か飲み物持ってこようか?」
「あ、お願いな。二人も飲む?」
「うん、お願い。」
「私も。」
何にしようかな
少し冷えるし…紅茶でいいかな
「お待たせ。」
そう言ってみんなに紅茶を配る
「ありがとう。」
「そういえば二人とも今夜から旅行やったね。
もう準備とかできてるん?」
「うん。」
「はやて達も一緒に行ければよかったんだけど…。」
「まー、行動拘束とかはそないないんやけど一応自粛ってとこやね。
真面目に罪償っていかなぁあかんしなぁ。
重傷者や死人とかが出なかっただけ不幸中の幸いやけどな。」
「まぁ、加減はちゃんとしてたしね。」
どうしようもない、救いようの無い悪党はいなかったしね
「でも、悟飯も悟飯やで。」
「何が?」
「蒐集活動してたことや。みんなもやけど何の相談も無く…。」
「ならさ、蒐集活動しないとはやての命が無いって言われたらどうする?」
「え?」
「はやての事だから誰かに迷惑掛けるぐらいなら自分が死んだ方がマシだって
言うんじゃないか?」
「あ…。」
「やっぱりそうか…。俺達はそれがいやだからはやてには内緒にしてたんだ。
それに、あの時はあれしか方法が無かったし…。
忘れるなよ、おまえが死んだら泣く奴が大勢いるっていうこと。」
「うん…。」
…そういえばなのはとフェイトほったらかしにしてたな
「っと、こっちだけで勝手に話してゴメンな。」
「あ、ううん。気にしないで。」
「聞いてるだけでも楽しかったりするから。」
「そっか。それとさ、不謹慎な言い方かもしれないけど俺は蒐集活動して
嬉しかったり楽しかったりしたんだ。」
「どうして?」
「誰かと一緒に戦えたり、背中を任せることができたから…かな。
みんなが死んでから、ずっと一人で戦い続けてきたからもう二度とそんなことは
できないと思ってたから…。」
…何かみんな暗い顔してるな
「あ、ゴメン。何か暗い話しちゃって。」
「あ、ううん。」
「あ、えと、そういえば、リインフォースさんはどうなのかな?」
「私が聞いた話やと、無限書庫でそれらしいのがパラパラ見つかってるらしいんや。」
「そっか…見つかるといいね。」
「絶対見つかる。そう信じていれば必ず。」
三人とも俺の方を見てきた
「どうした?」
「いやな、悟飯がそう言うなら必ず見つかる気がしたんや。」
「うん。私もそんな気したよ。」
「私も。」
「そう…なんだ。」
「あ、あ、何か言っちゃいけないこと言った?」
「いや、そうじゃなくてさ、ちょっと死んだお父さんのこと思い出して…。」
「あ、その…。」
「いいって。気にしてないから。」
「…あの…悟飯君。」
「何?」
「悟飯君のお父さんのこと…聞いてもいい…かな?」
「お父さんのこと?いいよ。」
他の二人も聞きたそうにしてたし
「俺のお父さんはさ、誰よりも強くて優しい人だった。
そしてどんな状況でも、普通なら諦めるような状況でも、もう無理だって思えるような状況でも
お父さんなら何とかしてくれる。そう思わせてくれる人だった。そうしてくれる人だった。」
ベジータさんと戦った時も、フリーザと戦った時もそうだった
お父さんがいたから勝てた
お父さんがいたから希望を失わなかった
「そんなお父さんのようになれればと思ってお父さんがよく着てたこの胴着を作ったんだ。
少しアレンジは加えたけどね。でもまだまだお父さんみたいにはいかないけどね。」
「…そんなことあらへんよ。」
「え?」
「悟飯は悟飯のお父さんのようになれてると思うよ。」
「悟飯君がいたからリインフォースさんは死なずにすんだんだと思うんだ。」
「私等じゃあ説得できたかどうかわからへんかったしなぁ。
それに、悟飯なら何とかしてくれるって悟飯はちゃんと思わしてくれてるんよ。」
「うん、この前の時も悟飯君と一緒に戦った時安心感があったよ。」
「だから悟飯、自信を持って。」
そっか…俺はお父さんのようになれてきてるんだ
「ありがとう。自信が出て来た。」
そう言ったドアが開く音がした
「ただいまー。」
「みんな帰ってきたみたいだね。」
ドタドタという音をたてながらみんなが居間にやってきた
「お帰り、みんな。」
「ただいま戻りました、主はやて。」
「ん?なぁ、悟飯。」
そう言ってヴィータが俺の傍に来ていた
「何で超サイヤ人のままなんだ?」
「何かそれ会う人会う人に言われてるな。」
「そうなのか?」
「うん。」
「でも何で超サイヤ人なんだ?」
「修行だよ。」
「ふーん。」
「まぁ、話はそれくらいにしてお昼にしよか。」
そういってはやてがコンロに火を通す
「あ、リインフォースの席はここな。」
「はい。」
「あ、シャマルさん。お皿出すの手伝ってくれません?」
「わかったわ。」
そんなこんなでみんなでお昼を食べた
みんな終始笑顔だった
こういった平和や平穏が少しでも長く続けばいい
そう思った
そして元の世界に戻れる時がきたら必ず俺が平和を取り戻す
必ず…
最終更新:2013年04月13日 05:54