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ザジ♂×千雨

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だれでも歓迎! 編集
「・・・・・・よし、更新完了、っと」

転送ボタンをクリックし、んーっと伸びをする千雨。
今日の更新内容は、「ちうの新コスチュームお披露目するよん♪」だそうで。
パソコンの画面には、なにやら様々なコスチュームでポーズを決めた千雨の画像が並んでいる。
ちなみに千雨がサイトを更新するときに必ず起こす高笑いの発作はもちろん起こっている。
いい加減どうにかしたほうがいいと思うが。
しかしもちろんそんな余計なお世話を千雨が知ろうはずもない。
せっせと更新作業を進め、ようやっと終了して一息つくところだ。
どうやら撮影してそのまま更新作業に取り掛かったようで、千雨の服装はまだその「新コスチューム」とやらのまま。
うむ、まぁ、なんというか・・・筆舌には尽くしがたい格好ではある、ある意味で。
このあたりは読者の想像に任せたい、とりあえず結構過激なことは確かだ。

「はぁやれやれ、久々の撮影だったから疲れたぜ・・・そろそろ着替えるか」

とか言いつつもどこか満足げな表情で椅子から立ち上がり、衣装に手をかける。
しかもご丁寧にトリップ状態で鼻歌まで歌ってらっしゃる。
ううむ、まるで目の前に突然UFOが降りてきて中からツチノコを持った美少女宇宙人が救いを求めてくるくらいレアな光景ですね。
・・・そこまで言うほどでもない?
ああそうですか、すいません。
無論そんなことは千雨が気にする理由もなく、ぱっぱと衣装を脱ぎ捨て、おっと着替え出し忘れてた、と下着姿のまま千雨がクローゼットに近づいたあたりで。

がちゃっ

ドアが開く音。
続いて、顔をのぞかせる同居人。

「・・・・・・ちさ・・・・・・め?」

そして、下着姿で呆然と立ち尽くす千雨と眼があったザジは、これまた呆然と立ち尽くした。
おそらく、鼻歌をからかってやろうとか、着替えを覗こうとかしたわけでないことだけは確かだ。
他の誰か――――いたずらの度が過ぎた空とか、そのつもりはなくてもそういう事象を引き寄せてしまう明日太とか――――ならばいざ知らず、このザジに限って覗きなんてことはしない。
だが、事故であろうが何だろうが、ザジが千雨のあられもない姿を目撃してしまったのは事実である。
そして、ザジも千雨も最初こそあまりの衝撃に茫然自失の態だったが、時間と共に段々思考が正常に戻ってくる。
ザジのほうは、非常に珍しい、ぽかーんとした顔が普段の無表情に戻っていき、だが頬を明らかに紅潮させて、何気に千雨の下着姿を眼に焼き付けようとしっかり見つめている。
うん、ザジ君もやっぱり男の子だったんだね、お兄さん安心した。
対する千雨はといえば、まずギギギギギ・・・という効果音がまさにふさわしい動きで自分の姿――――もちろん下着しか着ていない――――を確認し。
さらに同じような動きでザジに視線を向け――――ここで思いっきり凝視されていることに気付いた――――再び自分の下着姿を確認して。

「・・・・・・・う」

一気に顔をトマトみたいに真っ赤に爆発させて。

「うわあああああああああああああああああああああああああああ?!?!?!」

絶叫した。
その叫び声は、絹を裂くような、とか、耳をつんざくような、などという言葉では表せない。
羞恥と怒りと驚愕と困惑と悲しみと八つ当たりと怨念とその他諸々がすべてないまぜになった、とにかく凄い叫び声だった。
そしてもちろん、そんな叫び声を聞いても千雨を凝視し続けるようなことはザジにはできない、というか出来る奴がいたら見てみたい。
大慌てで部屋の外に身体を翻してドアを閉める。
次の瞬間、ドアに何か――――千雨が投げた小道具のステッキ――――が、千雨の全力と明確な殺意をもって投げられたことがわかる勢いでぶつかった。
あと一瞬、あと一瞬ドアを閉めるのが遅かったら・・・・・・直撃だったろう、間違いなく。

「ここっ、このバカヤロウ! 部屋入るときはノックしろっつったろっつうかお前最後落ち着いて眺めてただろ絶対ッ!!!」

「・・・・・ノックはしたけど、返事なかったし・・・それに眺めてない・・・・・・」

「嘘つけぇぇぇっ! どう見てもじっくり眺めてたよこのスケベェっ!」

罵声と、弁解と、罵声。
明らかに怒り狂っている千雨と、表情そのものは普段と変わらないが青ざめているのがよーくわかるザジ。
一応、ザジがノックしたのは事実だ、ザジの名誉のために宣言しておく。
それなのに、中にいるはずの千雨からの返事がなければ――――まだ寝るには早い時間だ――――、さすがに心配して様子を見ようとするだろう。
うむ、間違ってない、ザジの行動は間違ってはいない。
間違ってはいないが、事態がこうなってしまった場合、どんなに正当な理由があろうと悪いのは男の側になってしまう。
なぜ、どうしてということは問題ではない、太古の昔からそう決まっているのだよレイニーディ君。
それを悟ったのか、それとも何も言わないほうが今は賢い選択だと気付いたのか。
ザジは抗弁することなく、ドアの前からこっそり離れて――――誰だって生きる核弾頭となった人間のそばにいるのは避けたい――――リビングで神妙に待機。
千雨のほうも、それ以上何も言ってこない。
おそらく服を着ているのだろう。
――――ドア越しからでもひしひしと分かる殺気を飛ばしながら。




――――しばらくして。

「・・・つまり、お前はドアをノックしたけど返事がなかったから心配して部屋に入った、と」

「・・・・・・(こくこく」

「覗くつもりなんか最初からなかった、と」

「・・・・・・(こくこくこく!」

重い静寂が包むリビングで、仁王立ちして尋問する千雨と、正座で引き据えられ尋問されるザジ。
普段着に着替えた千雨は、まるでさっきのことなど露ほども気にしていないような、しかしどう見ても怒っているのがよくわかる、凄みのある笑みを浮かべている。
怖い、正直滅茶苦茶怖い。
今の千雨を見て逃げ出さずにいられる人間がいたら心の底から尊敬する、心の底からそう思うザジであった。

「ふむ・・・まぁ、ノックされたのに気付かなかったのは私が悪いよな。 うん、悪かった、謝る」

しばし笑みを引っ込めて思案顔をしていた千雨が、ぽつりとつぶやく。
わかってくれた――――そう思ったザジが、無表情に明らかな希望の光をともして顔をあげた。

「でも、なぁ・・・・・・?」

だがしかし、その希望の光は、千雨が浮かべた綺麗な笑顔――――そう、まるで天使のような――――に、一瞬にしてかき消された。

「・・・だからってあからさまに人の下着姿見つめてた言い訳にはなんねぇんだよわかってんのかこのスケベピエロッ! もしも次にあんなまねしやがったら二度と表出歩けねぇようなカッコさせてネットにばら撒いてやるからそう思え!」

「・・・・・・・・・・!!!(ぶんぶんぶんっ!」

夜叉の形相で詰め寄り、リアルに恐ろしい脅迫文句をのたまう千雨に襟首を引っつかまれ、あまりの恐ろしさに全力で承諾の意思を表すザジ。
ていうか、この脅し文句でビビらない人間っているんだろうか、いや多分いはしない、反語。
そして、もはや怯えの域に入ったザジに「二度とこんなまねはしない」という念押しをし、はぁーっと大きな息をついたかと思うと、千雨はザジに背を向けて座り込んだ。
そのまま沈黙。
なんとなく気まずい空気が漂うが、ザジのほうから声をかけられるような状況ではない、というかかけたくない。
しかしどうしようか、とザジが思案し始めたとき、千雨がぼそぼそっ、とつぶやいた。

「・・・べ、別に撮影だと思えば、ちょっとアレなカッコくらい、いくらでもしてやれるから・・・だから、その、あんなのはもう勘弁、な」

ザジに背を向けて座ったまま、そこまで言って押し黙る千雨。
言われた内容が一瞬理解できず、ぽかんとしていたザジの表情がふと緩む。

――――ああ、千雨は何も怒ってるんじゃなくて・・・・・・照れくさかったんだ、むしろ。

よくよく考えてみれば、同室で生活している以上、下着なんて否応なく目に入ってくる。
ぶっちゃけ、そんなに目くじらを立てるほどのことではないのだ、普段のふたりの間では。
それでも、あんなに怒ったのは――――怒ったように見えたのは、まったく無防備な自分を見られるのが恥ずかしかったんだ、と。
そう結論付けると、無意識のうちにザジは千雨の背に手を伸ばし、あぐらをかいたうえに千雨を乗せるようにして抱きかかえた。

「――――うひゃあっ?! ななな、何なんだよ一体!」

顔を真っ赤にしてまた怒鳴る千雨。
しかしそんな抗議も聞き流して、ザジは千雨の頭を優しくなでる。

「な、なんだよ、ご機嫌取りのつもりか? こ、こんなもん全然嬉しくなんか・・・」

なでなで

「お、おいコラ聞いてんのか!? こんなまねされたって嬉しくもなんともねえんだから、早く離し・・・・・・」

なでなで

「だ、だから、やめ・・・・・・・・」

なでなで。

「う・・・・・・・・・・」

さすがの千雨も、ザジの執拗ななでなで攻撃に沈黙した模様。
顔を赤らめてうつむいてしまった。
だがそれでも、穏やかな微笑みを――――千雨にしか見せない笑顔を浮かべながら、愛しい相手の頭を優しく撫で続けるザジ。

「・・・・・・ったく・・・バカヤロー」

まんざらでもなさそうに微笑みつつ、千雨は悪態をついた。

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