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「あててんのよ」

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
休日、楓が修行で寮に居ない日、風香と史也は部屋でゴロゴロしていた。
今日は風香はマンガ雑誌を読み、史也は携帯ゲームをやっていた。
ペラペラと風香は雑誌を捲り、途中で視線を止めた。
そのページでは女が男を後ろから抱きしめていた。

『む、胸が当たってるんですけど……』
『あててんのよ』

コマにはそんな台詞が入っていた。
そのページをしばらく見つめ、史也へ視線を移す。
背丈は二人とも同じ程度。
丁度良い位の高さだった。
風香はこっそり史也の後ろへと忍び寄り、ギュッと抱きしめた。
史也の反応は、

「……暑い」

ゲームの画面から眼を離さず、迷惑そうに言った。

「…………」

風香は予想した反応が来ない事に少し戸惑い、その後に一応言ってみた。

「……あててるんだけど」
「え?」

史也は画面からちょっと顔を上げて聞いた。

「何を?」
「…………」

ゴス
風香は史也の頭を殴り飛ばした。

「いったー、何するんだよ!」
「うるさい!ボクだって、ボクだってあと十年すれば楓姉くらいになるんだぞ!」
「……何の話?」
「うるさーい!」

風香は史也の頭をひたすらボコボコと殴った。
今からでも遅くない、毎日牛乳を飲もう。
そして立派に育ったらもう一度チャレンジしよう。
そう心に誓いながら。


end.

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