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第九話 復讐

楓を急いで病院へ連れて行った。

刹那の翼をかりて、真夜中に急いで病院へ向かった。

楓の身体に残っている傷は、真名をかばって負ったもの。

真名は、かなりの罪悪感を感じていた。

とても、痛々しくて。

私が楓を護ると言っておいて、私が楓に護られた。

そのせいで、致命傷に至るほどの傷を負ってしまっていた。

…とても、考えるのを拒むほどの予想だが、

『楓が、その命を落としてしまう』

そんな嫌な事まで考えてしまう。

それほどの不安だった…。




私は、病院のベッドに横たわっていた。

脚と腕にしびれを感じた。

「龍宮…。」

ふいに、誰かの声がする。

この声は…刹那か?

「おい、龍宮!?」

より大きな声で呼ばれて、ハッと我に返った。

「…刹那か。」

「龍宮…、脚と腕、大丈夫か?」

心配そうに刹那が問う。あまり見たことのない表情だった。

「あぁ…、少し痺れるが、すぐ治るだろう…。って、刹那!!!かぇッ、楓は!!?」

かなり心配であったため、かみながらも刹那に聞いた。

刹那は俯いて、答えた。

「致命傷だ…。最悪の場合、死ぬかもしれない…。」


『死ぬかもしれない』


この状況、この場所で一番聞きたくない言葉だった。

大切で、大好きな人の死は、一番認めたくなかったから。

「…刹那。」

小刻みに震えている、真名の声。

「なんだ…、龍宮。」

暗い声で刹那は返答する。

「…私は、馬鹿だ…。楓を護り通す、と誓ったはずなのに、護るはずの楓が死にかけている…。」

「……。」

刹那は何も問わず、静かに真名の話を聞いている。

「私はなんて弱いんだ…!もう誰も失いたくなかったのに、また大切な人を失うようなことをしている…!!護りたいのに…!!!なぜ護れないんだ!!!」

「…龍宮。」

真名の言葉を遮るように、真名を呼んだ。

「なんだ…。刹那。言っておくが、慰めなんか無用だ。」

「人の話をちゃんと聞け。龍宮。」

刹那は、一時間を置いて、

「お前に、依頼をする。」

「!、なに…!!?」

真名は驚いた表情を見せるが、刹那は構わずに続ける。

「依頼内容は、楓を傷付けた悪魔の抹消だ。」

「…!!?」

「龍宮…。楓の仇を取りに行かないか?私も戦友として、楓が好きだったからな。それと、…1人より、2人のほうがいいだろう?」

「…刹那。お前…、」

「今度は1人で戦おうとしないでくれ。龍宮…。」

2人の固い決意。

「あぁ、あの悪魔を消しに行くぞ。」

楓の仇を取る。

『楓…、まだ死ぬなよ。また起き上がって、あの美しい紅葉を見に行くぞ…。』

そして2つの影は、病院の外へ消えていった。

それは、復讐という汚い言葉で表せない。



つづく>>

  • 復讐を止めたり綺麗事言う奴の大事な人が殺されらどうなるのかしら? -- 名無しさん (2024-07-01 20:29:17)
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最終更新:2024年07月01日 20:29