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『夢と希望とその巨乳』

「むぅ…」

綾瀬夕映は悩んでいた。
自分のスタイルの悪さに。

「なぜ同じ中学3年生の女子生徒ですのに…」
あたりを見渡すと、次は自分自身に目をやる。真下がはっきりと見える。足元まで見える。
「こんなにも差があるのでしょうか…。」
そして、またため息をついてしまう。

ここは大浴場。かなり広い。今は3-Aが利用している。
見渡す限り「ぼんきゅぼん」な人が沢山いる。千鶴、朝倉、ハルナとか沢山。
ほぼ一部、夕映のような体型の人がちらりちらりと見られるが、自分もその中の1人である事ははっきりと分かっているのが悔しくて。
のどかとハルナよりも先に上がる。なんとなくこのつるぺたな体型を他にさらしたくない。


「成長差は人それぞれだとは思いますが…これは圧倒的に悪すぎるのでは…?」
ぽつりと不満を漏らしてしまう。
「神様は不公平すぎるのです…。こんなスタイルの悪い人なんて、この年齢でそこそこ居ないと思いますし…。」
ついつい独り言のつもりでぼやいた。
するとなぜか後ろから声を掛けられた。

「夕映殿、どうかしたでござるか?元気がないように見えるでござるが…。」
いつの間にか、長瀬楓が夕映の後ろに立っていた。真名も一緒だった。
今からお風呂に入るのであろう。

「楓さん、龍宮さん…。」
振り返りながら、返答する。いつの間に後ろに居たんだとか突っ込みどころは満載だったが、今はそんな事どうでも良かった。

(そういえば、楓さんも龍宮さんもスタイル抜群ですね…。まぁ、身長もとても高いですが…。相談に乗ってくださるでしょうか…)

「…楓さん」
少し曇り気味な声で楓を呼んだ。
楓はその曇っている声に気づき、夕映のことが少し心配になる。
「…どうしたでござるか、夕映殿」
何かあったのか、真剣な目つきで対応した。
だが返ってくる答えは、その緊張なこの場にはあまり似つかわしくない答えだった。

「…どうしたら、そんなに胸が大きくなるのですか…?」

やや上目遣いでそう言ってきた。

「胸、でござるか…?」

楓は予想外の答えに冷や汗を垂らした。
傍観者である真名は楓と夕映を見比べて、『納得』といった素振りを見せた。
楓は答えるのが難しくて、少し苦い表情で「ん――…」と悩んだ。
そして、


「拙者の胸には、夢と希望が詰まっているでござるよ!!」


どーん、効果音が聞こえていそうなくらい胸を張って自信満々に答えた。
真名は、少し『え~…』としたような目で楓を見ていた。

『楓…お前のバカレンジャーの肩書きは伊達ではないな…』

「そ、そうなのですか!!?」

『信じた!!?』

夕映の目は真剣だった。そのことに真名は驚きを隠せなかった。

「楓さん!その夢と希望についてもう少し教えてほしいです!!」
夕映は楓に聞いてみるが、楓はもっともらしい事を言った。

「夕映殿、夢と希望は…自分で見つけるものでござる。その答えは…きっと、夕映殿にしか分からないでござるから…。」

夕映は、ハッとした。
前、大好きな祖父が死んでから、夢や希望とか、そんなことですらどうでもいいと思っていた。
でも、それは違う。

「楓さん…。わかったです。自分で見つけます!」
(夢や希望、とても美しい響きですね…。)

『な、なんなんだこの会話…』

龍宮は今日一番のため息をついて、そう思った。






ちなみにこれは、作者の夢のお話です。夢の中の体験談です。楓の「夢や希望」辺りは。
久しぶりに書くと…やっぱむつかしい。
ちゃんと「期待しないほうがいい」って言いましたからね;

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最終更新:2009年08月11日 14:11