猫耳少女と召使の物語@wiki保管庫(戎)内検索 / 「プロジェクトなんたら」で検索した結果

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  • プロジェクトなんたら
    プロジェクトなんたら ~挑戦者達~ 兵器開発編 ここは狐耳国の花火職人のお家です。 今日はヒトの子供がお話をしに来ています。 この子供はまだ小さく、最近狐耳国に落ちてきたばかりです。 ですがこの国ではヒトの知識は貴重なものとされ、こんな小さな子供の言葉も真剣に聞く人がたくさんいます。 なにせ狐の大好物の油揚げやお酒、うどんといった嗜好品が現在の形になるには、ヒトの知識が大いに役立ったからです。 さすがに四の国島のようなマレビト信仰はありませんが、それでも他国に比べればヒトの立場は比較的良いものと聞きます。 お話を聞いているのは年老いた二尾狐の花火職人(打ち上げ花火の技術も実はヒト由来だそうです)で、ヒトの子供の話を興味深げに聞いています。 「せんこう花火?」 「うん! はなびのおわりにね、ぜったいにするの!」 「ふうむ。儂に作れるものじゃろうか」 せんこう花火。 花火の中でも必ず最後の締...
  • 短編SS一覧(メイン)
    ...7 突発 2KB プロジェクトなんたら 16=719 キツネ 16=719氏 2KB ぷらなりあ 16=843 - 16=843氏 3KB 鬼火 避難所4=898 キツネ 避難所4=898 4KB 博物館 避難所5=84 複数 複数 3KB 草食系男子 避難所5=220 - 避難所5=163 1kb らぶほてる 避難所5=381 - 避難所5=381 2kb エセ坊主 16=947 ネコ 16=947氏 2KB 君は人のためにティンダロスになれるか 避難所5=601 イヌ 獅子鹿 -kb ウサギと仮装道具でないほうの鼻眼鏡 ロダ243 ウサギマダラ あああああ 6KB アトシャーマの音楽隊 避難所5=659 複数 避難所5=659氏 4KB 日記ネタ 避難所5=748 - 複数 -kb やぎさんゆうびん 17=318 ヤギ 17=318 -kb ウサギ夫婦とメスヒト 18=660 ...
  • 蒼拳のオラトリア 最終話
    ――猫の国 公文書館 「ありました、主任!」  特別な許可をもらい、以前の奇怪な光を発した落ち物に関する記述を求めて資料を探す調査隊の 主任のもとに、副主任がある資料を手に勢いこんでやってきた。 「騒がしいぞ副主任……間違いないのか」 「ええ、それらしい記述が55年前のものに」  副主任の開いた資料に目を通す。 「こいつは…」  主任はそれが、たしかに当たりであることを確信して息を飲んだ。 ――内容は以下の通り。  55年前、公海上を航行中の武装商船『お前のものは俺のもの』号が進路上に緑色の発光現象を 確認。光の中から、突如巨大な鉄の軍船が出現した。  奇妙なことに軍船にはヒトの姿しかなく、漂流奴隷と判断した船長の号令により略奪を決定。  交戦状態に陥った数分後、軍船は出現した時と同じく緑色の怪光を発生。白兵戦の為乗り込んだ 数名の乗組員と...
  • 俺の同僚がメスヒトを飼い始めたらしい(ry)
    【俺の同僚がメスヒトを飼い始めたらしい(ry) ……お前らもうくっつけよ。】 俺の同僚がメスヒトを飼い始めたらしい。  堅物なあいつがヒトをねぇ……なんて思いながら興味半分で俺は就業直後を狙って同僚に話しかけてみた。  「よっ、グリード! お前最近メスヒトを飼い始めたんだって?」  「……よく知ってるね。ああそうだよ、拾ったんだ」  「へぇ、拾ったってことはお前、落ち物かよ! ヒトって買ったら高けぇもんな。羨ましいなぁ! どんなメスヒトなんだ?」  「ジョシコーセーで、年は16歳だってさ。名前は……忘れた」  「メスヒトって言ったら妊娠しねーオナホみたいなもんだろ。じゃあ毎日ヤリまくりで楽しいだろうなぁ」  「そんなことしないよ。抱いたら食欲失せるじゃない」  「は? 食欲? ……あぁ、性的にってことか?」  「違うよ。ヒト肉って食べたことない? コリコリとしてて珍味で美味しいんだよ」 ...
  • プラグイン/ニュース
    ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 【グランサガ】リセマラ当たりランキング - グランサガ攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」 (2021年12月6日) - エキサイトニュース マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」 - PR TIMES 「Wiki」創設者のPC 競売に - ...
  • 万獣の詩外伝07
    万獣の詩外伝 MONOGURUI 007     ━━ Take.3 素直じゃないんです ━━    ネコは守銭奴の拝金主義者で、血も涙もないサディストなのだという。  身勝手で空気を読まない、協調の「き」の字も知らない個人主義者なのだという。   「会社はね、仲良しごっこする所じゃないのよ、ティルちゃん」  そう、ネコである彼女の先輩は説法する。 「それを『友達』とか『仲間』とか、バッカみたい。…あくまで仕事の『同僚』でしょ?」  知性の輝きを湛えた瞳でもって、さも当然の事とばかりに。 「協力した方が都合がいいから、利害関係が一致してるから協力するんであって、 それをラスキみたいに忠誠とかまで行っちゃうのは、はっきり言って、…ねぇ?」  ネコは『忠誠』なんか誓わない。誰にも『服従』なんてしないし、『屈服』もしない。  彼女の魂は彼女だけのもの。彼女の世界は彼女だけのもの。  彼女の財産も...
  • たんたんたぬきの01
    たんたんたぬきの 第一話 はじめて  地方都市のイベントホール。その女子トイレの一室で。 「……んっ、んんあっ」  ボクは実の姉にセクハラされていた。 「声出してもいいよ~?ばれちゃうかもしれないけど」  声を出すわけにはいかない。今日は同人誌即売会でトイレの中にもそれなりに人がいる。 もし、見つかったら……。  こんな危険な状態なのに、ボクのスカートに顔を突っ込んだお姉ちゃんは楽しそう。 「あはっ、おちんちんすっごくおっきくなってきたよ☆ もしかしてスリルで興奮しちゃった?  この変態♪あむっ」 「んぐ――っ!!」  ペンだこの付いた右手がボクのおちんちんの根本を擦る。と同時に先っぽを甘噛みされた。 痛気持ちいい快感が背筋にゾクゾクってきて、ボク、ボクッ!! 「んうっ!んっ、んっ、……」 「ふむっ」  ドクドクと口の中に射精しちゃう。あーっ!口に出すとアレされちゃうのに、ボクの馬鹿ーっ!...
  • たんたんたぬきの02
    たんたんたぬきの 第二話 まいにち  とんとんとん。  葱を刻む音が台所から響く。  お布団を干してきた僕は手持ちぶさたに朝ご飯を待つ。  ほんとは『セイヤ様にお布団干させるなんて!』って言われたけど、ちょっと無理言ってやらせてもらった。なんか、何もしないなんて申し訳ないし、それにお布団がアレになったのは半分ボクのせいでもあるわけで……。 「おまたせしました~」  襖を開けて入ってきたイナさんがお膳を二つ抱えて入ってくる。 「あ、セイヤ様。そんなところにいないで、上座へどうぞ」 「いや、いいよここで。なんか上座は落ち着かないし」 「でも客人神様をぞんざいに扱うわけには……」 「いいよいいよ。それより早く食べよう?ボクお腹減っちゃった」 「はい。ご飯お代わりありますから」  二人でお膳を向かい合わせて手を合わせる。 『いただきます』  白いご飯に刻み葱入り御味噌汁、煮付けた鮎にお新香。  正...
  • たんたんたぬきの
    たんたんたぬきの 最終更新日 : 2011年01月20日07時53分09秒 【作者】 : 蛇担当(仮) 【舞台】 : 大陸東方の大きな島。四ノ国島(よのくにじま)。 【作風】 : ほのぼの エロエロ 【注意】 : 近親相姦アリ =話数= ________簡易解説や補足________ =文量= 01話 セイヤ×姉(近親相姦) セイヤ×イナ  「はじめて」 23kb 02話 セイヤ×イナ  「まいにち」 18kb 03話 セイヤ×イナ 3P 「えんかい」 23kb 04話 セイヤ×イナ オナニー 「不浄なる暗黒の屍より出でし背徳的な眼球をもったおぞましき蠢く肉塊」 17kb 05話 セイヤ×朱槍 セイヤ×イナ「なん…だと…」 23kb 登場人物紹介
  • 無垢と未熟と計画と?03a
    無垢と未熟と計画と? 第3話(前編)   「ねぇ、かーさん」 「ラヴィニア、ちょっと待ってね……ん、何かしら?」  晩御飯のシチューのお鍋をミトンを使ってリビングへ持ってくるかーさん。  今日のは上出来らしくて、後ろで纏めた灰色の髪がぴょこぴょこ機嫌よく揺れている 「なんでとーさんと結婚したの?」 「――げほっ、げほっ!」 「あ、それはわたしも聞きたいかも」  私の何気ない質問にとーさんは咳き込んで、暖炉の近くで暖まっていたロレッタが興味深そうに寄ってくる。 「んー、お見合いなんだけどね……これがもう喋らない人だったのよ、けどちゃーんと優しい人って事が分かったこうやって結婚して貴方達がいるのよ」 「…………ヘーゼル、その辺にしておいてくれ。恥ずかしい」  とーさんがもこもこの毛を震わせて小さく呟く。  顔が良く見えないけど、居心地悪そうに耳を震わせている。 「ふふ、あなたもしかして……照れ...
  • 最高で最低の奴隷10
    最高で最低の奴隷Ⅲ 嘲笑われた常識 第4話     「いたた――」 体の節々に痛みを感じながら身を起こすと、視界がぼやけていた。 一瞬涙のせいかと思ったが、眼鏡を取り落としていた事に気付いて慌ててあたりを手で探る。 よく眼鏡を取り落とすため、眼鏡の探索スキルについてはちょっと自信があったりするのだが、眼鏡を落とさないスキルは皆無なためあまり意味がない。 そうやって、手探りであたりを探っていると何か柔らかい物に触れた。 しかもそれは柔らかいだけではなく、ちょうど人肌ぐらいの温かさだった。 「……………これはセクハラと判断していいのかな」 「ふへぇっ!?」 突然その何かが声を発した。 ちょうど反対側の指先に触れた眼鏡を急いで掛ける。 ぼやけていた視界のピントが合い、周囲の風景がハッキリ見える。 (うわ、綺麗な子) 今の状態を理解するよりも何よりも、そんな感想が先に出た。 絹のような黒髪に中性的...
  • たんたんたぬきの05
    たんたんたぬきの 五話 なん…だと… 深山幽谷を二つの影が走る。 片や犬神。黒装束に垂れた犬耳。大柄な体躯に豊かな肉のついた色黒の女。 片や妖物。首から下こそ弓弦がごとき絞られた全裸なれど、首からは上は人とはかけ離れた異形。 頭の全体は短い獣毛に覆われているが、その正面には大きな目が一つ。頭の上には猫がごとき耳が二つ。鼻はなく、口は関節を無視したような開き方をし、ときおり腕がごとく長い舌をだす。そしてうなじに当たる部分には長い猫の尾が生えていた。 人にあらず、獣にあらず、神にあらず、妖しの物。 そしてそれが人にあだなすならば、これを討つのが犬神の仕事だった。 「取ってこい、五右衛門」 追いかけながら、女が命じる。 はたして、命じられた女の刀。五右衛門と名づけられた斬狛刀が瞬くうちに姿を変える。 刃が鎖へと転じる。切っ先が顎へと転じる。 刃で作られた犬頭型鎖分銅。それが五右衛門の真の姿だっ...
  • こちむいⅡあしたあえたら07
    こちむいⅡ 明日会えたらⅠ 第7話     リビングには暑いほどの暖房がかかっている。ユナ様がお湯のいっぱい入った鍋を 持ってくるとぼくはそこから煮沸消毒した手術道具を1個づつ取り出してガーゼで 丁寧に拭いて並べていく・・・。ちなみにユナ様もぼくもタオルでマスク代わりの覆面を している。  「あの・・・ユナはあと、何をすればいいですの・・・」  心なしか顔色の悪いユナ様が心細げにぼくに聞く。ぼくが口を開く前に背後から声・・・  「・・・どうせユナは何も出来にゃいにゃ、ユナは黙ってリナ様の手でも握ってれば いいにゃ・・・」  ご主人様が部屋に入って来ていた・・・手を洗いに行ってから10分ぐらい経って、 やっとやって来たのだ・・・。  「わかった・・・ですの」  ユナ様は自身の無力さと悔しさの半ば混じった言葉を口から押し出し、ペタリと ソファに座る。そして応接テーブルを利用した即席手術台の上の...
  • たんたんたぬきの04
    たんたんたぬきの 四話 不浄なる暗黒の屍より出でし背徳的な眼球をもったおぞましき蠢く肉塊 某大物Sさんに直接インタビュー Q.アレはすべてあなたの創作物なのですか? A.実在する生き物をモデルに作った方が簡単だとロボット工学者も言ってンぞ。そこから類推してくれや。 Q.協力してくれた友人とは誰ですか? A.わりぃ、指名手配犯だから詳しくは言えねェ。 Q.凶悪な犯罪者なのですか? A.あいつが人間殺したって話は聞いたことねェなあ。 Q.投げ技にこだわりが? A.スープレックスこそ王者の技よ。 Q.王者の技は関節技ではないんですか? A.王者が地べたに転がってどうするよ。自分は立って敵を這わせるのが王者ってもんだ。 Q.ふっ、どうやらあなたは本物の関節技使いに出会ったことがないようね。 A.おもしれェ、試してやンよ。(鮫のように笑う) 「――かしこみ かしこみ もうしあげるー……」 たっぷり...
  • 金剛樹の梢の下小ネタ集
    金剛樹の梢の下 小ネタ集    その1   「そう言えば、あんたらって年とかどうなってるんだ? あんまりおばちゃんとか見当たらないけど」   「卵が産めない年になったら、女は大抵家庭に入って外には出なくなりますねぇ」   「マテ、卵生なのか、あんたら」   「大体、15歳から40歳ぐらいが卵、それ以上の女は子供を生みますよ?」   「なんつーか、出鱈目な体のつくりだな」   「『かるしうむ代謝の関係』、とか、イーシャどのは仰ってますが。 卵が産めるうちに跡継ぎ作って置くと、いろいろと楽ですよ」   「詳しく」   「卵だと、妊娠期間短くて済みますし、後でゆるくなったりしませんし」   「・・・・シモに走るな」   「後で、うちの子の御守お願いしますね」   「居るのか! あんた幾つで、子供幾つだ!」   「私は18で、娘は3つを頭に32人ほど」   「多いよ!」   「誰が、一人で産んだと...
  • わたしのわるいひと 08
    「おれが思うに、これは夢なんだよ」 おれはそうは思わない。 「強いショックを受ければ目が覚める」 おい、しっかりしろよ。何を言い出すんだよ。 「陽もやってみないか?」 やだよ。 「そうか。残念だ」 次の日――あいつは首を―― 久しぶりにいやなことを思い出した。 北の街はいまだ寒い。 おれは少しぼんやりしていたようだった。ソファに座った自分の体を眺める。 「ニュクスー」 ふと見ると、ご主人様がニュクスに抱きつくところだった。 ご主人様が手を動かすと、ニュクスの服の下の毛皮がさわさわとざわめく。 「ちょっと、やめろライカ」 「だって寒いんだもの。ニュクスあったかー」 「仕事中だ。ちょ、こら」 ニュクスのしっぽがおれの目の前を舞う。 「やめろと言っている!」 「ひゃははーニュクス照れてる?」 「ニュクス。お使い行って来てください」 ...
  • 続虎の威18
    続・虎の威 18    カブラが出先から宿に戻ると、部屋は奇妙な沈黙に包まれていた。  部屋にいるのは深刻な面持ちのカアシュと、機嫌よさげに酒をあおっているブルックだ。なんらかの会話があってしかるべき雰囲気だが、二人とも無言のままお互いを見もしない。カブラは顔をしかめ、二人に交互に視線を投げた。 「……なにがあった?」 「なにがだ?」  答えたのはブルックだ。カブラはブルックから酒瓶を取り上げた。 「まさかこの状況で何もありませんでしたで済ますつもりじゃねぇだろうな。別に話したくないなら、無理に何があったか聞こうとは思わねぇけどよ」  突然硬い木が床を叩く音がして、カブラはベッドへ振り返った。カアシュが松葉杖を片手に立ち上がり、ゆっくりと歩き出す。 「少し、出てくる」 「……どうした突然」 「なんでもねぇよ。ちょっと外の空気が吸いたいだけだ」 「そうか……じゃあまあ、気をつけて……」  行...
  • 世界のジョーク小ネタ
    世界のジョーク小ネタ <1>大陸中の種族の紳士が乗り込んだ豪華客船が、氷山に接触、沈没し始めた。 周りの海は、冷え切った厳寒の北の海。 身体能力に優れたオスの獣人達だからこそ、流石に簡単に死んだりはしないだろうが、 それでもやっぱり冷たいのは嫌、みんな飛び込むのを躊躇っている。 船長は、乗客をスムーズに海へ飛び込ませるために、 ネコには 「生還の暁には今回の体験を出版してベストセラー、大儲け間違いなしですよ」 ウサギには 「そんなんだから自分の国でも女性に頭が上がらないんですよ」 イヌには 「規則です。飛び込んでください」 オオカミには 「イヌ族の方々はもう飛び込みましたが」 トラには 「飛び込まないでください」 キツネには 「油揚げの積荷が流されてしまいました! 今追えばまだ間に合います!」 クマには 「クマって体大きいわりに泳ぎが得意なんですってね、是非とも見せてくださいよ」 カモシカ...
  • 蒼拳のオラトリア 第三話
     気まずい一夜が過ぎ去って、俺の居候生活には必然的に変化が生じることになった。  まず、トリアさんが朝起きてこなくなった。  光にあまり強くないこともあって彼女は元々夜型の生活をしてたらしいのだが、落ちてきた俺が ここでの暮らしに慣れるまではと、ここ一ヶ月は早起きして随分無理をしていたらしい。  朝は俺一人で起き、トリアさんは昼に起きてくる。昼に出かけるのは変わらないものの、部屋の 掃除は夕方に、浜の掃除は夜にシフトした。…顔を合わせる時間が減り、会話も最低限になった。  このままではいけない、とは思っている。  だけど、顔を合わせるとどうしても鮮烈に思い出してしまうのだ。 『ねえ、気付いていた…?』 『私がずっと、あなたの胸板に釘づけになってたこと』 『この前、私の水着姿に興奮していたでしょう…?』 『食べちゃおう、かな』  …向...
  • たんたんたぬきの03
    たんたんたぬきの 第三話 えんかい 「ちめた~~~~~い!!」  四の国島来てから三日目の朝。  今ボクが何をしているとかというと、ベタベタに何かの粘液で汚れたメイド服を冷たい川の水で 洗濯しております。いったい何でこんな事になってしまったのか。思い返してみると……。 『あっ、ダメ、ダメですセイヤ様ぁ……』  付いてるのはどう見てもボクの精液です本当にありがとうございました。  うう、我慢できなかったからって昨日も猿のようにやっちゃった……。かつてお姉ちゃんがボクに したことを自分自身で繰り返してると思うと心が痛い。  なので川の水が冷たいのも罰と思えば我慢でき……うう、やっぱ冷たい。  とは言えもうほとんど終わったから、あとは気合いでがんばるぞ!! 「セイヤ様ー!ちょっとこっちにいらしてくださーい!!」  ん?あれ、イナさんが呼んでる。こんなに慌ててどうしたんだろ。 「なにー?何かあった...
  • 無垢と未熟と計画と?04a
     無垢と未熟と計画と?第4話(前編)       「『と、シンデレラは末永く幸せにくらしたとさ……めでたし、めでたし』……おやすみ、ロレッタ」 「う、うん」  おとーさんはわたしのあたまをなでなでする。  とってもあったかい。 「ねー……おとーさん」 「なんだい?」 「まほうつかいさんは、なんで、シンデレラをたすけたの?」 「うーん……」  こまったようなおとーさんのかお。  わるいこといっちゃったかな? 「あぁもう、泣きそうな顔するんじゃない……あぁそうだ! ロレッタが大人になったら分かるぞ、うん」 「ほんと?」 「あぁ、ほんとだとも」  もっとつよくなでなで。  あったかくてねむくなる……ねむく、なる……うにゃむにゃ……。                           §     §     1     §     §      ペンでさらさらっとサインを書いて、この書類は...
  • やけ買いなんかするもんじゃない
    やけ買いなんかするもんじゃない  ----*** 1・やけ買いなんかするもんじゃない ***---- 「ごしゅじんさまー。ごしゅじんー。あるじー。マスター。おーい」 「だー! うるさい、暇なら先に寝てろ! ……っひいいいい」  背中の毛がわさわさ一気に立った。ついでに裏声を出してしまった。いきなり後ろから耳にやわやわ噛みついたヤツがそのままの位置でうひひ、と笑うものだから、その息の圧力がまた耳にかかって首筋の毛まで立った。細い指が視界の隅に入ったかと思うと今度は 目元をマッサージされた。 「目の上ひげー。目の上ひげー」 「引っ張るなー! 頼む、邪魔しないでくれ、明日朝まで最低これだけは書類作っとかなきゃいけないんだよう……」  俺、なんでこんなの買っちゃったんだろう。  窓と戸を開け放ったままゆっくりと裏通りを進む馬車があった。中に詰めこまれたヒトメス奴隷の一人と目が合った。俺はその直前...
  • 万獣の詩外伝08
    万獣の詩外伝 MONOGURUI 008     ━━ Take.4 か弱い一般人なんです ━━    キャロ副主任がテーブルを担ぎ上げた。  猫井社員の必勝系である。  キャロ副主任がバス停を担いだ。  猫井社員の必勝系で(ry  キャロ副主任が道路標識を引っこ抜いた。  猫井社員の必(ry  キャロ副主任が雨どいの排水管を引っぺがして鉄パイプを手に取った。  猫(ry   「……いつも思うんですけど、俺らよく今日まで死なずに生きて来られましたねー」 「本当だよね……」    最強の民間人達が、今解き放たれる!  真剣勝負を制するのは、体格でも、剣技でも、魔術でもない!   「ッククク、ははははは、職業傭兵? 職業剣士? ひゃっはははははははは!!」 「なっ、何がおかし―― 「猫井(サラリーマン)なめんなよ傭兵共ッ! 猫井社員の毎日は戦いの毎日だ! 朝8時に家出て家帰るのは夜1時、満員路...
  • 無垢と未熟と計画と?01b
    無垢と未熟と計画と? 第1話(後編)   「はいどうぞ」   鍋でご飯を炊くのは難しかったが、ちゃんとできたかな。授業での調理実習をまじめにやっておいてよかったと心から思う。  それぞれの得物はラヴィニアはスプーンで、俺は落ちたときに持っていた鞄に入っていた弁当箱の箸。  時間と材料がないのでおかずなしが悲しいけど、久しぶりの白米だ。  タイ米とかではなく、日本のお米っぽいのがあるのだから、この世界は不思議に満ちている。というわけで、一口。  ……忙しくて朝はパンがいいといつも言ってたが米はいいね。ほんと。  彼女はというとスプーンを握ったまま、お椀からもうもうと湯気を上げている物体――ご飯を睨んでいる。なんというか警戒心丸出し? 「どうやって食べるの、これ?」 「普通にすくって食べなよ、俺はこれを使うけど」  箸を掲げて見せる。知らない人には確かに異文化だろう。 「そんな棒で食べれるの?...
  • 続虎の威14
    続・虎の威 14    店を飛び出して闇雲に人混みを駈け、気がつくと千宏は人気のない倉庫街に戻ってきていた。息が苦しかった。足を止めて 呼吸を整え、ふと顔を上げればはるか彼方に小さくニャトリの工房が見える。  人混みをすり抜けて走ることに関してはイヌよりヒトの方が優れているようで、ハンスはまだ追いついてきていなかった。 「……くそ」  小さく罵り声を上げ、千宏は作り物の虎耳を引き剥がす。 「こんなもの……!」  つけていたって、トラになれるわけではない。ただトラの姿を借りて、ヒトである自分を、弱者である自分を、周囲の目から 誤魔化しているだけだ。その行為自体がそもそも千宏の目指すトラの信念からかけ離れているというのに、どうしてトラの誇り などと口にする事が出来るだろう。  見ないふりをしてきた矛盾が、今になって千宏の背にへばりつく。  ひどく惨めだった。ヒトである自分が。なにより、ヒトであ...
  • 蒼拳のオラトリア 第八話
    『蒼拳士』  東方の海底に棲むという青き龍の住まいで修練を積み、その拳、あるいは爪を使うことを特別に 許されたシャコ族のことを、その蒼き戒めを砕くさまから『蒼拳士』と呼ぶ。  彼らシャコ族の拳は破壊的な威力を誇るが、その力は青き龍によって誕生と同時に封じられる。 しかしその力を正しき行いのために用いると誓い、修練を積み一人前であると認められてはじめて 一時的にその戒めを解く『許可を申請』できるようになるのである。  青き龍の薫陶を受け、さらに落ち物の書物からも積極的に闘術を取り入れる彼ら蒼拳士の実力は 凄まじく、封印を解除したその力は幾多の猛者を打ち破ってきたという。  また、シャコのことを獅子国で『青龍蝦』と表記することがあるのも、この蒼拳士の存在が理由 であると云われている。  しかしながら青き龍より印可を受けるまでに要する鍛錬は並大抵のものではなく、受...
  • 探偵にゃんこーの厄日05
    探偵にゃんこーの厄日 ~あふたーでぃず~   課題:お前はもっとゆるくなれ。     「おはよう、ご主人」   「ああ、おはよぅ」   ふぁあ、と大きなあくびをする。 昨日はいかんせん夜更かしをしすぎた。   仕事関係の報告書をまとめていたのだ、口頭で説明もしなければいけないが、 いかんせんそれだけだと説明しずらい部分も多い。   探偵だけで食っていたころはそれほど報告に難儀することも なかったんだが、今回の依頼人は他ならぬ領主様だ。   探偵としての名声が広まった、と考えると良いことではあるのだが、 実際の所、公的な立場の人間からの依頼が大半であり、民間の協力者という名の 軍属帰還に近しい辺りが頭が痛いところだ。     それが嫌で私立探偵になったのだが、まあ仕方ないか。   ばれたものは仕方ない、仕方ないものは仕方ない、人生は諦めが肝心だ、日々これ厄日 そもそも人生なんて思い道理になら...
  • 続虎の威29
    「どう? 味、する?」  甘く煮詰めた果実を一口。口に入れた瞬間、コウヤはかすかに目を見開いた。 「――甘い」 「やった! やったよカアシュ、味わかるって!」 「まあ、まだ少しだろうがな。そのうち普通に味が分かるようになるだろう」  焼けた石を口に押し込まれ、以来コウヤの味覚は消えた。だが、ただの火傷ならば治療はできる。ネコが寄越した 塗り薬を舌に塗り続けること五日――コウヤはしばらくぶりに味という物を意識した。 「コウヤさん、何か食べたいものある? 落ちる前に好物だった物とか……あたし、できる限り用意するからさ。 何食べたい?」  コウヤはゆっくりと果物を飲み込み、視線すら動かさぬまま答えた。 「何も」 「な……何もないの? ほんとに? 焼肉とかさ……わりと、すき焼き的なのも作れるんだよ。頑張れば醤油 手に入るし。砂糖は普通にあるから。こっちの魚も結構おいしいから...
  • 土の恵み プロローグ
      土の恵み プロローグ  土のにおいが嫌いだった。  湿った土、乾いた土、腐葉土。化学肥料にまみれた土、牛糞を混ぜた土、粘土質の泥。  何もかもが嫌いだ。アニキは好きだっていうけど、オレは嫌いだ。大っ嫌いだった。  だから、逃げ出してやった。何もかも捨てるつもりで。    そして、オレは全てを失った。      ※      太陽は既に風車小屋の翼を逃れ、遠く見える山々に向けて傾き始めていた。青い空の下、影は徐々にその長さを伸ばし始める。 「もうこんな時間か。おーいガキども、メシにすっぞー!」  オレがそう呼びかけても、ガキどもはひとりも姿を現そうとしない。そうまでしてオレに見つけて欲しいか、おい。 「タリィな、ったくよぉ」  ガリガリと髪を掻きむしりながらオレはひとつ盛大にため息を落とした。こいつらにメシ食わせねえと親御さんたちに怒られるのはオレなんだぞ、全くよぉ。  好かれてる? ...
  • 太陽と月と星2.5
    太陽と月と星がある 第21.5話  小雪のちらつく日、寒さの余りコタツに入ったまま動かなくなっても美形な人を眺めながらミカンを食べていると騒がしい物音と共にジャックさんがやって来ました。    雪で頭が白くなっているのでタオルを渡そうとしたら、耳をプルプルされ水飛沫が飛びました。  不快です。 「教育に悪いのでそういう行為は慎んでください」 「あーうんうん、ごめんごめん」  全然悪く思ってなさそうです。  仕方なく、垂れた耳をタオルで擦ると耳の毛が毛羽立ちました。  ……全部毛羽立てたらどうなるのか興味が有ります。  ゴシゴシしておきます。 「てゆーか、ジャック何しにきたのさ」  サフがコタツから頭だけを出してそう言うと、チェルも真似して同じように頭だけ出しました。  ちなみに2人とも尻尾がはみだしていますが、可愛いので黙っておくことにします。 「実はね!今日凄い事を知ったんだよ!なんで...
  • 太陽と月と星21.5
       小雪のちらつく日、寒さの余りコタツに入ったまま動かなくなっても美形な人を眺めながらミカンを食べていると騒がしい物音と共にジャックさんがやって来ました。    雪で頭が白くなっているのでタオルを渡そうとしたら、耳をプルプルされ水飛沫が飛びました。  不快です。 「教育に悪いのでそういう行為は慎んでください」 「あーうんうん、ごめんごめん」  全然悪く思ってなさそうです。  仕方なく、垂れた耳をタオルで擦ると耳の毛が毛羽立ちました。  ……全部毛羽立てたらどうなるのか興味が有ります。  ゴシゴシしておきます。 「てゆーか、ジャック何しにきたのさ」  サフがコタツから頭だけを出してそう言うと、チェルも真似して同じように頭だけ出しました。  ちなみに2人とも尻尾がはみだしていますが、可愛いので黙っておくことにします。 「実はね!今日凄い事を知ったんだよ!なんでキヨちゃん教えてくれなかったん...
  • 閣下と秘書官
    閣下と秘書官 「おはようございます閣下! 結婚してくださいっ!」 「おはようございますスギタ秘書官。これらの資料を文書にまとめて、20部清書しなさい。それと、コーヒーを」 「スルーですか! 渾身の俺プロポーズをスルーですか!  さすが閣下俺たちにできないことを平然とやってのける! そこに痺れる惚れなおすぅ!」 「うるさい。早く業務に取り掛かりなさい」 「イエスマム!」  ああ今日も閣下は可愛いなあ。元気に仕事を始めよう!  俺のご主人は黒犬娘。可愛い顔してけっこうエライらしい。  憲兵だか公安だか、なんだかよくわからんがこの辺では結構な顔であるんだとか。  いきなりこの国に『落っこちた』俺がイヌ面の変態野郎にとっ捕まって掘られかけてたのを、  通り過ぎた閣下がとんでもねえ大金はたいて買い取ってくれたのだ。  ちらつく雪の中、二つの月を背負った真っ黒い閣下は悪魔みたいに奇麗だった。  光を...
  • 続虎の威20
    「ここからは道が悪くて進めないが、真っ直ぐいけば森を入ったところに廃墟が見えてくる。 そこがお前さんらの目的地だ」  年老いた御者が森を指差し、ひび割れたしゃがれ声で早口に言った。  目深に被ったフードで顔はよく見えなかったが、ひょろりと伸びた長い尻尾からその種族 がネズミと知れる。「ネズミは本能的に危険な道を避けて通るから、御者にするならネズミ に限る」というハンスの持論から、千宏たちはネズミの御する馬車を利用することが多かった。  とくに誠実であるとか、サービスが行き届いているというようなことはないが、実際今まで ネズミの御者を選び続けて、詐欺にあったり盗賊に襲われたりしたことはない。  なので千宏もネズミの御者には好意的な印象を持っていたのだが、今回ばかりは素直に 馬車を降りる気になれなかった。  千宏は目を瞬いて窓から周囲を見渡し、ハンスと顔を見合わせた。 「...
  • こちむいⅡあしたあえたらⅡ02
    こちむいⅡ 明日会えたらⅡ 第2話      「えっ、あの、その・・・」  今度はぼくがうろたえる。あわててぼくは二人の服を脱ぎ始めたネコ姫様を止めようと 声をかける。  「リナ様、ユナ様も・・・いきなりこんなコト・・・」  目をやるがすぐに声が飛んだ。  「み、見るなっ・・・は、恥かしいのだ・・・」  「エッチですの――っ!!目をつぶってるですの――っ!!」  「あわわわわっ・・・す、すみませんっ!! 」  後姿だが肩まで真っ赤にして身をすくめる二人。初々しく恥らう二人に、いつもの悪いクセで あっさりと状況に流されてしまう。反論するのも忘れ、ぼくは目を固く閉じ、さらにくるりと ベッドサイドに腰かけ後ろを向いて固まる・・・衣擦れというよりはパタパタ、そしてゴムのパチン という音がするような・・・    「いいにゃ、もう振り向いいてもいいにゃよ・・・」  ご主人様の声。ぼくはさっきまでの良識...
  • きつねものがたり プロローグ
    きつねものがたり 序  扉を開けると、私の奴隷が床に寝転がっていた。  仰向けに寝転がっているヨゼフ・ラドヴァーは私の方を見上げると、 「出たか、ご主人」  楽しそうに言って、にい、と笑う。奴隷を自称するにしては、実に不敵な笑みだ。  それもそうか、と思う。実際にこいつは私よりずっと強いのだ。  ヨゼフは分厚いコートの懐から一枚の紙を出し、 「そちらはどうだった? 俺は『歯をよく磨きましょう』だったんだが」 「そんな子供みたいなことを書かれたの……」 「良いじゃねえか。あんたが完治するまで歯の磨き方でも勉強するとするよ」 「そうかもね」  呆れ混じりにそう言ったが、そうだよ、とヨゼフは笑う。 「あんたの傷はウサギの国でも、ちと長くかかるだろうが。暇で仕方がないからな」 「暇なら来なきゃ良かったんだ。森番を任せるなんてことをせずにな」  実際、それは本音だった。来なくても良かったのだ。  ...
  • 狗国見聞録01
    狗国見聞録 第1話     どこまでも続く、鬱蒼とした森。 幾つ越えたかも判らない、斜面と崖。 梢の合間から射しこむ強い日差しと鳥の鳴き声に翻弄されながら、 あたしはもう半ば機械的に、両足を前へと進めていた。   放課後の学校で帰り支度をしていたはずだったのに、 ふと立ちくらみを感じてうずくまってみれば、気がつけばそこは森の中。 ……当然、最初は夢かと、夢だと思いたかったのだが。 だけどお約束でつねった頬に走るのは紛れもない現実の痛み、 風も、音も、空気も、どれも夢だと決め込むには生々し過ぎる代物だった。   …それから二日目になるのか、三日目になるのか。   寝ずの山中行軍の間にじわじわと数を増やした草の葉による切傷は、 今やむき出しの生腕生足に無数の赤い線を走らせていて。 何よりも昨晩、迂闊にも斜面に足を取られて捻ってしまった右足首は、 飛び上がるほどの痛みでもってあたしの脳天を揺さぶ...
  • 続虎の威02
    続・虎の威 02    翌日、ハンスにかせられた仕事は身だしなみを整える事だった。  ヒト奴隷を所有してるような男が貧相なナリをしていたら、誰も怪しんで近づいてこないだろうし、色々と面倒な問題が出てくる可能性があるのだと説明しながら、千宏は「へそくりなんだ」と笑ってかなりの金額が入ってると思われる皮袋を掲げて見せた。 「凄いな……どうやって稼いだんだ?」 「悪い事」  にこりと、千宏が屈託なく笑う。  ハンスはそれ以上質問することをやめた。  昼食後、激しく不平不満を並べ立てるカブラを宿に残して、千宏はハンスを連れて宿を出た。  元々ぼろきれを纏っていたハンスは、一番体格の近いカアシュの服を借りなければならなかったが、千宏が一言お願いすると、カアシュは特に抵抗する事もなく、むしろ快く服を貸してくれた。  これもカブラは死ぬほど反対したが、千宏はまるでカブラの声などまるで聞こえていないかのよ...
  • 紅衣の乙女達
    紅衣の乙女達     ある良く晴れた日のことでした。 右手に草原、左手に森を望む街道をニャンパラリとトッテンパラリが歩いていました。 「平和だにゃー」 「平和ですねー」 「反乱でも起らねーかにゃー」 「いきなり不穏当にもほどがあるッ!!つーかなんですか。たちの悪いジョークですか」 「にゃー。最近こー刺激が足りにゃーから、ここらでひとつ反乱鎮圧でもして  ぽりっと功徳を大量ゲットしたいのにゃ」 「退屈の反動にしてはカオスが過ぎる願望ですよ、それ。大体平和だとしても功徳は  積めるでしょうに」 「オール・オア・ナッシングがにゃーの人生哲学にゃ」 「仮にも聖職者の言葉ですか!!……あれ?」 「にゃ?」 トッテンパラリにつられてニャンパラリも道の先に目を向けました。 「助けてー!」 道の先から一人の農夫のような格好をした女のネコが走ってきました。 彼女はその後ろからやってくる山賊のネコ達に追われて...
  • 無垢と未熟と計画と?
    無垢と未熟と計画と? 最終更新日 : 2009年12月06日21時32分42秒 【作者】 : 鼠の人 【舞台】 : 大陸中央部、犬/猫/虎/狐の四ヶ国の狭間、国境沿いの小都市国家 【作風】 : ほのぼの らぶらぶ 燃え戦闘 【注意】 : エロ少なめ。 =話数= ==================簡易解説や補足================== =文量= -- 『ラヴィニアの集落』編 -- 01話a 非エロ「出会い」 25kb 01話b ラヴィニア&ロレッタ×りょー 33kb 02話a 非エロ「ロレッタ奮闘」 37kb 02話b 非エロ「仲直り」 32kb 幕間01 非エロ「ラヴィニアの一日」 49kb -- 『迷宮』編 -- 03話a ラヴィニア×りょー 74kb 幕間02 ロレッタ単体 10kb 03話b 非エロ「迷宮での攻防」 84kb -- 『決着』編 ...
  • 虎の威11
    虎の威 第11話    三日三晩降り続いた雪がやみ、広々とした草原が一面銀色に染まった朝。青々と晴れ渡った 空にいてもたってもいられなくなり、千宏はもこもこの厚着をして階段を駆け下りて、一階の 窓から勢いよく銀世界へと飛び出した。  ずぼ、と、盛大に膝上あたりまで沈み込み、都会育ちの千宏はかつて経験したことのない積 雪に感動し、おおいにはしゃいで柔らかな雪の中を思う様ずかずかと突き進んだ。  押しても引いても一向に動かなかった玄関の石扉は、外から見ると雪のせいですっかりと雪 に埋もれており、これならば動かないのは納得だと千宏は呆れに近い感動に白い溜息を吐き出した。 「雪かきしないと、玄関使い物にならないなぁ」  ゆうに数センチの厚みで扉にへばりついてる雪をごそっと剥がし、ぎゅうぎゅうと両手で丸く固める。  投げる相手もいないのでえいやとその辺に投げ捨てると、ごす、と重たい音を立てて雪の塊 ...
  • こちむいⅡあしたあえたら04
    こちむいⅡ 明日会えたらⅠ 第4話     ぼくは暗い王宮を手探りで歩いていく。東ウイングから王宮へと抜ける 廊下に出れば、眩しいほどの月の光・・・四角い窓の形に切り取られた 青白い月光が廊下にペタリ、ペタリと貼り付いているよう・・・ぼくはピョンピョンと その月光を踏みつけながら、思考は千路に乱れている・・・ 『どうしよう・・・ぼく、ご主人様に内緒で・・・でも、今日はリナ様の所に 居たから仕方なくて・・・』 などと言い訳をしてみるが自分が一番良く知っていた。密やかに聞こえる ウワサで、『フローラ女王はヒトの世界に行く方法をついに編み出し、 買い取ったヒト召使いを密かに元の世界に返してやってる』というのがあるのだ・・・ ぼくは信じてはいなかったけれど、今日の朝、外に落ちていたとは 信じられないような美品の漫画雑誌を見たのは初めてだったから・・・まるで、 実際にヒトの世界から直接持ってきたみた...
  • ある日、町の中
        ある日、町の中♪   ネコの国のとある都市  ちょっぴり煤けた研究所に、今日もちみっこの元気な声が響きます。 「助手君助手君!」  イチゴのような赤い瞳に白い肌、小ぶりで愛らしい顔を囲むふわふわくるくるな真っ白な髪の毛にょっきり生えた半円の白い耳。  小さな体を包む大きな白衣、裾からはみ出る細い尻尾はピンク色。  頭脳明晰天真爛漫なこの美幼女の名前はステファニー通称アルジャーノン博士。 「どうしました?」  対するは、ご近所から(男女共に)「エプロン姿の細腰(普通のネコ男性に比べると)がマジ堪らん」と密かに人気なヒトオス中年の通称助手君。  今日は憔悴し、うっすらと無精ヒゲが生えています。  コレを見て向かいのゴメスさん(♂独身)はネコマンマ三杯いけました。 「ちょっと買い物に行ってくるよ!助手君はきっちりしっかり寝てなきゃ駄目駄目だよ?」 「気をつけ…って、駄目です。一人で買い...
  • 続虎の威07
    続・虎の威 07    安っぽいオルゴールのネジを巻く。  所々音のとんだくるみ割り人形を聞きながら、千宏は大振りなナイフの白刃に指を這わせた。  使い込まれたくすんだナイフは、刃の部分だけがギラギラと輝いていて、とても観賞にたえるようなものではない。千宏の手には大きすぎるし、美しい装飾があるわけでもない。おまけに、握りの部分は血や泥を吸い込んで黒ずんでいる。  それでも、千宏はこのナイフが好きだった。  これが千宏の牙だ。これさえあれば、千宏はどんな事にだって耐えられる。  静かにナイフをひらめかせ、千宏なにかの儀式のような慎重さでナイフをしまった。  その時、静かに廊下へ続くドアが開いた。相変わらずの無表情で、ハンスが部屋に入ってくる。 「おかえり」  声をかけると、ハンスはどこか気まずそうに視線をそらした。 「ああ」  頷いて、そそくさと後ろ手にドアを閉める。千宏は首をかしげた。 「...
  • 太陽と月と星13
      「なんだコレは」  紙で作った飾りで彩られ、風に煽られパタパタサカカサと音を立てるソレに警戒の眼差しを向ける御主人様。  近づこうともせず、尻尾の先をパタパタさせ厳戒態勢です。  そして眉間に皺を寄せ、拳でこめかみをぐりぐりと抉っています…私の。 「七夕ですー…ご存知ありませんか?」  御主人様が近いです。  しかもこめかみが痛いです。 「こういう行事は、子供に積極的に体験させるべきだと思いましたので、独断で購入しました…もしかして笹アレルギーですか?」  ぐりぐりが停止しました。  速攻逃走しようとしたら今度はヘッドロックです。  重いです絞めすぎです。  顔が近過ぎます。 「あっちの行事か?」  あっちとはいうまでもなく日本の事です。 「普通に花屋さんで七夕用として売っていましたが…」  正直、コレは笹や竹とも何か違うように見えますが…  なんか…変な笹というか…でも七夕用だし...
  • わたしのわるいひと 11
    ご主人様が、溶けている。 ソファにべたーっと寝ているご主人様。それに沿ってふわふわした毛並みが流れる。 「……起きてください。ご主人様」 「うー」 ご主人様は謎の声を発しもぞもぞ動いたが、やがて止まった。おれはご主人様の体をひっつかむと、ゆっさゆっさ揺らした。 「起きんかい、こら」 「あつい」 「たいしたことないじゃないですか」 おれはちなみに長袖を着ている。 「私は寒いところの生まれだから暑さは苦手なの」 ゆっくりと体を起こし、ご主人様はおれを見る。白い肌に黒い目が印象的だ。 「今日はお休みじゃないの」 「今日は『あれ』の日ですよ」 「えっ」 ご主人様は目をぱちくりさせた。 「言った?」 「言いました」 「聞いてないよー」 「はいはい。わかったからとっとと着替える」 「えー」 ご主人様はぶつぶつ言いながら自室へと消えた。 ――寒い地...
  • 木登りと朱いピューマ10
    木登りと朱いピューマ 第10話     --------------------------------------------------------------------------------                   ~ 10 ~ --------------------------------------------------------------------------------      比べてみなければ分からないほど淡い黄緑色の灯の下、俺は大の字に寝転んでいた。  体中が、指先に至るまでぽかぽかとした熱をもっていて、  寝台に敷かれた清潔そうな白い薄布から漂う太陽の匂いとブレンドされて、心地よい眠気を誘う。  半乾きの黒髪をくしゃりとつかみながら、深く安堵のため息をついた。   「フユキ……」  寝室の入り口がある方角から、俺の名が小さく細い音色にのって聞...
  • こちむいⅡあしたあえたら05
    こちむいⅡ 明日会えたらⅠ 第5話      「そ、そんな、うそっ・・・ふあっ、締まるっ・・・でこぼこがっ!ひあああっ・・・」  「くくくっ・・・子を50人も産むと子宮口が柔らかくなってな・・・ほら、こんなに 奥まで・・・あ、んっ・・・」  微かに喘ぎながら、女王様はぼくの頭をぎゅっと抱きしめる。恥骨と恥骨が ぶつかり合うぐらいの深い挿入・・・子宮口のカベはなんかツルッとしてて、 みっちりとくるまれる・・・と言うよりは、巾着のようにギュッと絞られる感じ。 そしてシャフトはさらに奥へと進み、その狭いカベを唐突に突破すると、 ひどく広いところに出る・・・ぼくはビクッと震えた・・・  「あっ、ふあっ・・・ん・・・え、あ、熱いっ!? 」  「ここに昔マナが居た所だ・・・熱いか?羊水がお前のペニスを浸している・・・ さあ、フローラを存分に犯すがよい・・・」  頭を抱かれ、熱い吐息を耳の後ろに吹きかけ...
  • 通●生活
    通●生活     「…カザト、どーしても行ってしまうにゃ?」 「うん」 「どーしても、どーしてもにゃ!?」 「うん。仕事だからね」 「どーしても、どーしても、どーしてもにゃあああ!?」 「うん。ごめんね、ミルサ」 「謝って欲しいんじゃないにゃああああああああん!!」  とうとう泣き出してしまった恋人を前にしても、カザトは微塵も慌てたりしない。  慣れているのだ。にこにこと呑気に笑いながら、滝のような涙を流し続けるミルサを見守っている。  これは毎朝恒例の儀式のようなものだった。  5分ほどしてようやくしゃっくりが止まりかけたころ、カザトはうんと優しく微笑む。  ミルサのやわらかいオレンジがかった金髪と、先っぽのほうに少しだけ黒いぶちの入った三角の耳を撫でてやる。 「じゃあ、行ってくるね。戸締りはしっかりするんだよ」 「ぐすっ…ふぁい」  まだ涙のなごりを残し、洟をすすりながらもミルサは頷く...
  • ウラオモテ異界帳02
     獅子国の南、ヘビ国の西、非常に中途半端な位置に島があります。  この島の名前をエディル島、またの名を蝶の島といいます。  住んでるのはもちろんチョウです。正確に言えば「ガ(蛾)」も住んでいるのですが、ややこしい事情がありますのでその話は別の機会にしましょう。  気候は常夏、雨季と乾季があります。三毛作できる温暖さと、放っておけばアフアやマンゴーやパパイヤが生えてくる豊かな土壌のため、よっぽどでなければ飢え死にはしません。  難点といえば台風が毎年何度も直撃することでしょうか。  主な産業は観光業と、色鮮やかな織物です。  私の主人はこの島の王様(傀儡)です。    王宮は、一つの建物というよりも、複数の建物が渡り廊下でつながっている作りになっています。  後宮の入り口にヤンさんがいました。ヤンさんは獅子の国から来た役人です。ヤンというのは姓で下の名前は別にあるらしいんですが、こっちの...
  • 虎の威06
    虎の威 第6話      長い、長い夢を見ていた。  それは小さい頃の夢だったような、つい最近の夢だったような、体験した事もない出来事の 夢だったような気がするけれど、恐らくそれら全ての夢を見たのだろう。  睡眠と覚醒を繰り返し、夢の現の間をうろつきまわり、熱に浮かされ、寒さに震え、渇きに 喘いで得た水分を嘔吐して、起き上がれぬまま三日が過ぎた。  実際は千宏に日付の感覚は無かったのだが、常識的な高熱レベルまで熱が引き、ぼんやりと した意識の中で誰かと交わした会話の中で、三日も寝込んでいたんだぞ、と聞かされた。  もう大丈夫だ、と言って頭を撫でてくれた大きな手は、たぶんアカブのものだっただろうと思う。  何か食べられるか、欲しい物は無いかと聞かれ、千宏は困らせるだけだと分かっていながら 熱のせいにしてプリンが食べたいと答えた。  数時間後、当たり前のように手作りプリンが出てきた時には驚愕し...
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