オープニングフェイズ1 シーンプレイヤー:月居天音
天音はある奈落の化け物を追っていた。 その名も“奈落棟梁”ゾンバス。
ゾンバスは世界に奈落の汚染を広げるダークレイスであり、その戦闘力もまた大変危険な存在だ。
天音が奴を追い詰めた時、ゾンバスは何かの制御装置のようなものを操作していた。
GM:詳しい場所等は本編の舞台とはちょっと違うので、曖昧にしておきます。
天音:「やっと捕まえたよー。 止まりなさーい」
GM:ゾンバスは六本の腕を操り、器用に機械を操作していましたが、その言葉に作業を止めます。
「おぬし、何者か。この“奈落棟梁”ゾンバスとまみえるに足る戦士なのであろうな?」
なおゾンバスは、その二つ名にふさわしく、巨大な武士のような外見をしています。
ただし腕は6本あり、どことなく騎士めいた雰囲気も備えています。
天音:「この天音ちゃんを知らないだなんて……って、まぁそりゃそっか」
気を取り直してチャンバースタッフをびしっと構えます。
「ゾンバス! わたしが倒しちゃうんだからね。 大人しくやられなさーい」
GM/ゾンバス:「ムハハハハ……、残念ながら今日は貴様の相手をするわけにはいかぬ。 この制御装置を見よ!」
天音:「なに、それ……」 得体が知れないのでいきなり仕掛ける事はせず様子を窺います。
GM/ゾンバス:「これこそ、ワシが長年探し求めてきた、剣王の蔵を異空より召還せしめるものよ。 そして、今、全ての準備が終わった……」
天音:「剣王の蔵? 準備?……なにはともあれ、悪だくみはそこまでなんだからねー!」
GM/ゾンバス:「ムハハハ、判断が遅いな。 甘い、甘いぞ。
そぉーれ、スイッチオン!」
天音:「あっ、ちょっと、だめー!」
GM:ゾンバスがボタンを押すと、目がくらむような光とともに機械が起動した。
天音:「う、まぶしい……っ。 なに、何が起きたの??」
GM:それとともに、上空に巨大な空間の裂け目が生じる!
空気が激しく揺れ、なんと、裂け目の中から宙に浮かぶ城が現れたではないか!
現れた城は巨大なもので、いわゆる西洋風の城が空に浮かんでいると思ってかまいません。
天音:「なに、あれ……ゾンバス、あなた、いったい何をしたの!?」
GM:ゾンバスは、高笑いしながらそれに答える。
「ムハハハハ……見たか!あれこそ、伝説の武具を収めた剣王の城の一部よ! あの剣王の“蔵”は、今こそ我が手中に落ちる!
すなわちあの伝説の剣も、あの伝説の斧も、全部……ぜぇーんぶワシのものよー!」
天音:「そんなことは、させないんだから!」
ここで魔法で攻撃をしかける、のはありですか?
GM:うむ。 しかしキミが放った一撃をゾンバスは3本の腕が構える武器で防ぎ、残りの腕から次々と武器を投げて牽制してくる。
天音:「わ……っ」 慌てて何とかかわそうとしますけど、防戦一方です。 たぶん。
GM:キミが体勢を崩した隙に、ゾンバスは、巨体に見合わぬ速さで剣王の蔵の中へと消えていった。
天音:「あっ、逃げられたぁぁ」
GM:その巨体を収めた剣王の蔵は、どこかへと移動を開始する。
剣王の蔵は空間を超えて移動するので、天音の今の力では追うことができません。
しかし、奴が強大な力を手に入れる前に、追って、奴を滅ぼさねばならない!ということになりました。
天音:剣王の蔵が消えて行くのを見送って、スマホを手に取ります。 依頼主に連絡は可能です?
GM:はいな。 前回と同じようにラオさんと連絡を取ったということで、演出は省略しましょう。
天音:はーい。 ラオさんたいへーん、という感じで連絡しました。
GM:OKです。【クエスト:ゾンバスを追う】を配布して、シーンエンド。
オープニングフェイズ2 シーンプレイヤー:レイズル
エクスカリバー所属の強大なクエスターであるキミのもとに、導師ケイローンから連絡が入った。
GM:強大なバイトとかでもいいが、その辺の立ち位置はキミに任せる。
レイズル:普通に所属のクエスターということでいいでしょう。
GM:ともあれ、エクスカリバーのコインから、賢人ケイローンの姿が浮かび上がる。
レイズル:「お久しぶりです、ケイローン師。 新たな奈落が出現しましたか?」
GM:灰色の髪のアルフは、厳かな声でキミに語りかける。
「偉大なる戦士、レイズルよ。 緊急の任務である。
ブルースフィアに、剣王の蔵と呼ばれる異世界の城が召還された。 かの蔵はダークレイスによって支配され、現在、七瀬市に向かっておる」
レイズル:「剣王の……蔵? 聞いた事はありませんが、ダークレイスの仕業となれば穏やかではなさそうですね」
GM/ケイローン:「左様。 剣王の蔵は伝説の武具を数知れず収めておる。
ダークレイスに奪われれば、大変危険な存在となるであろう。
ただちに七瀬市に向かい……これを奪還せよ」
レイズル:「分かりました、最大戦速で対処します」
GM/ケイローン:「……これは必須ではないが、剣王の蔵には、もともとグリューネという管理人のヴァルキリーがついていたはずである。
ダークレイスと戦う知恵をくれるかもしれぬゆえ、彼女のことも探すがよい」
レイズル:「心にとどめておきます。 生きていれば必ず助け出して見せます」
GM/ケイローン:「ではレイズルよ……おぬしにシャードの導きがあらんことを!」
レイズル:とケイローン師の幻影が消え、ただの100円玉になったコインをそのまま自販機に投下。
GM:ゲェーッ!
源一郎:「あと20円入れてください」
智:足りない分は蹴りを。
レイズル:コーラを一飲みしてゲップ出した後「……しんどいけどボチボチ行きますか」と原付にまたがり目的地へ向かいます。
GM:お、おう。 【クエスト:奈落を倒す】を配布。シーンエンド。
マヤー:ヴァルキリーなら自販機と交渉して安くしてもらえるでしょう。
GM:機械神でもあるまいし。
オープニングフェイズ3 シーンプレイヤー:知花マヤー
マヤーは今、七瀬市に出現した奈落の元に向かっている。
奈落は数時間前に出現したばかりで、状況は混沌としたままだ。
マヤー:「うっうっびんぼーはつらいっす。 奈落を潰して金を稼ぐっす!」
GM:先んじて、キミの相棒(後輩)である海藤保(19)が現場に向かっていた。
海藤の細かいイメージはマヤーに任せるけど、基本的には未熟な後輩です。
急ぐキミのもとに、その海藤から連絡が入る。
マヤー:「はいーもしもし、知花っす」
GM/海藤:「マヤーさんですか!海藤です! 奈落を……発見しました!」
マヤー:「近づかないように気をつけるっす。 身の安全優先っすよ」
GM/海藤:「ええ、これ以上近づきません! こいつはやばいです。
マヤーさん、早く誰かが止めないと……っ!」
マヤー:「場所だけ教えるっす。 詳しい様子とか見ないほうがいいっすよ。 マジヤバイっすから」
GM:しかしそう言った瞬間、受話器から、大きな音が響いた。 巨大な何かが着地したような――。
「しまった、見つかった……うわっ!」
マヤー:「まじっすか……ヤバイダッシュ!」
GM/海藤:「こ、こうなったら、俺ひとりでも……うわぁー!」
マヤー:「早く逃げるっすよ!!! 1人でなんとかやっちゃだめーす!!!!」
マヤーが現場に駆けつけるまでは、ほんのわずかな時間だった。
しかし、そこに敵の姿はなかった。
ただ奈落の武器と思しき黒い長剣と、その剣に貫かれた海藤の姿があった。
マヤー:「……これは、たもつくん!?」
GM/海藤:「ご、ごめんよマヤーさん……やっぱり、俺、役に立てなかったよ……」
マヤー:「大丈夫っす、まだ行けるっす。 役に立てるっすよ」
GM:明らかに致命傷になりそうな位置に剣が突き立っているが、海藤の声は苦しそうではあるものの、何か様子がおかしい。
マヤー:「あまりしゃべらないほうがいいっす。 知り合いの誰かならまだ治せるっすよ」
GM:その時、闇の色をした長剣がぬらりとうごめくと、その闇が海藤の身体を侵食し始めた!
「う、うわあっ! か、身体に奈落が……侵食してくるっ!?」
マヤー:「なんっすか!? これは一体どうなってるんすか!!」
GM:キミが何かする間もなく、その闇の色は刀身から抜け出るように、海藤の身体へすっかり潜り込んでしまった。
「ダメだ、マヤーさん! 俺はもう、自分の身体がコントロールできない……!」
マヤー:「気をしっかりたもつっす。 いけるっす。 気合っすよ!」
GM:「さ、最後までダメな後輩で、すみません……」
そして、苦しそうだった表情は、ぴたりとその表情を消して。
海藤は、自分の身体から剣を引き抜くと、それを振るう。 すると剣から闇が広がり、マヤーの視界を遮ってしまった。
マヤー:「……なんじゃこりゃ!? こんなこともできるんすか、奈落は」
GM:剣から放たれた闇に紛れるように……海藤はいずこかへと消え去った。
そして、キミには奈落の討伐と、操られた海藤の討伐、あるいは救助……が命じられることになった。
マヤー「たもつくんを何とか助けないと……」
GM:うむ、素晴らしい。 【クエスト:海藤保を助ける】を配布。 シーンエンド。
マヤー「ぜったいたすけるっす。 気合っす。 根性注入!!」とりあえず近くの電柱に頭を打ち付ける。
GM:気の良い後輩だったので、悔しさもひとしおなのでしょう。
なお、実際に助ける方法はあります。シナリオの中で探ってください。
オープニングフェイズ4 シーンプレイヤー:往来司源一郎
現在、七瀬市上空には奈落に汚染された城が浮かんでいる。
既に街では、奈落に侵された者が暴れ始めているという。
源一郎は灰原古凛から緊急の連絡を受け、フォーチュンサービスの七瀬支店にやってきた。
GM:というわけで、緊張した面持ちの古凛と顔付き合わせています。
源一郎:「さて、今回は緊急の依頼と言うことですが」
GM/古凛:「源一郎さん、来てくださってありがとうございます。 早速ですが、事件の説明をしますね。
今現在、七瀬市に奈落を広めているのは、あの上空に浮かぶ城――剣王の蔵と呼ばれる、異世界の建造物です。
正確に言うと、あの城から無数の武器が飛んできて、人々を奈落化させているんです」
……蔵なのか城なのかはっきりしろって感じなんだが、要は<剣王の城>の一部が、いま上空に浮いている剣王の蔵なのだ。
源一郎:「……ほう? そういえば最近クエスターになった<剣王の城>の使い手の少年がいたな」
智:そわそわ。
GM/古凛:「彼もどうなったことか……いかんせん、状況はつかめていません」と表情を曇らせる。
源一郎:「これも何かの運命か……いずれにしろ依頼はその蔵を落とせということですか?」
GM/古凛:「私たちは城の存在の隠匿で手一杯です。
飛んでくる武器を遮断するための結界も構築していますが、それも風前の灯火です。 長くはもちません。
一刻も早く、あの城に取り憑いた奈落を倒してください。 もちろん、報酬はお支払いします」
源一郎:というかよくバレないレベルだよなコレ。
GM:あとで凄い勢いで記憶を消すことになる。
マヤー:記憶操作すげー。
GM:まあ、空飛ぶ城自体はかろうじて隠蔽できているせいで、日本中が大パニックとかそういう事にはなっていないと思いねえ。
源一郎:「情報は逐一入れてもらいたいところですが、とりあえず現地で色々と探ってみましょう」
GM:では、古凛がお願いしますと答えたところで、【クエスト:七瀬市の奈落を倒す】を配布。 シーンエンド。
オープニングフェイズ5 シーンプレイヤー:曲尾智
現在、七瀬市には大きな異変が訪れている。
突如として現れた奈落に、クエスターであるキミは戦う準備を進めていた。
そこへ、通りがかった路地裏から、助けを求める声が聞こえるのに気がついた。
見ると、奈落に取り憑かれた人々が、武器を取ってひとりの少女に襲いかかっているのであった。
GM:で、シーンスタートね。
「くっ……誰か!助けてください、このままでは~!」
智:「間に合うかっ……」と駆け出し、圧倒的存在感を放つ剣を召喚ようとする。
GM:えー、少女は特に戦闘力の無いエキストラなので、ぎゅっと目をつぶっていますが、囲んでいる連中もエキストラです。
市井の人々が、剣やら斧やら持って囲んでいるという絵ですね。
で、キミの手にはいつも通りに大剣が召喚されるので、適宜吹き飛ばしてOKです。
智:あれ? 普通に剣呼べるんですかね?
レイズル:GMが「今はその特技が使えません」と言わなければ基本的に呼べる。
智:「行けーっ!」と剣を薙いでまとめて敵を蹴散らすと、急いで少女に近づく。
「立てるか? 走るぞ」
GM:「剣王の蔵の武具によって倒されるなんて、こんなのあんまりです~!」と目をつぶりながら少女が叫ぶ。
ちなみに周囲の人々は、侵食が浅かったため、倒されると同時にしゅうしゅうと音を立てて奈落が抜けていく。
彼らが手にしていた武器も同様に奈落の影響を受けていたらしく、闇が抜けていきます。
智:「大丈夫そうだな。 追われてるのか?」と言いつつ回りを確認してみる
GM:ま、今のところ安全です。
いつまでたっても何も起こらないので、少女が目を開けます。
「……はっ!? そ、その剣は、まさか“剣の女帝”です~!?」
智:「ああ、そう呼ばれてんな、これ。 よく知ってるな」
GM:襲われていた少女は、驚きの表情でキミとキミの武器――“剣の女帝”を見ていたが、我に返ると、キミに助けてもらった礼を述べる。
「助けていただいて、ありがとうございます~。
私は剣王の城、第129武器保管庫分室、通称“剣王の蔵”の管理ユニット。 個体名はグリューネです~」(ぴこぴこ)
源一郎:くっ、幼馴染に引き続いて人外ヒロインだとっ!
GM:なお、管理ロボなので服装はメイド服です。
智:幼子メイドかいな。
GM:や、外見年齢は十代後半くらいだな。 ただ、しゃべり方がおっとりしているというか、間延びしている感じ。
智:「おう、俺は智って言うんだ。 “剣の女帝”が世話になってる、ってことでいいんだよな?」
GM/グリューネ:「はい、その剣、“剣の女帝”ですよね。 それは普段、私が管理している物なんですよ~。
いつもはあの剣王の蔵(と空に浮かぶ城を指す)で整備されているのですよ~。
その剣、あなたと強く惹かれあっているようです~。 いい持ち主と出会えたようで、安心しました」
智:「ありがとな。 確かに最初からえらい手に馴染んでた」
GM/グリューネ:「はい~、その子をよろしくお願いします~。 では、私はこれで~」
ばいばい、と手を振って去って行くが、しばらくすると慌てて引き返して来ます。
智:「……どうしたよ?」
GM/グリューネ:「ま、間違えました。 お別れしてはいけないのです~。 私のことを助けてくださいませんか、あなた様~」
智:「俺で助けになるんならいいけど……一応、訳を教えてくれるか? あの……城?あれの管理者がなんでこんなとこに?」
GM/グリューネ:「現在、剣王の蔵は奈落によって支配されてしまったのです~。
あそこにある武器も、あなた様のその剣を除いて、すべて敵に奪われてしまったのです~」
智:「マジか!?」
GM/グリューネ:「あの城を取り戻すためには、あなた様のお力が必要です~。 どうかご協力を~」
智:「わかったよ。よろしくな」
GM/グリューネ:「なんと頼もしい~。 ありがとうございます、恩にきます~」
智:「……ところで、この剣はほんとに平気なんだよな?」
GM/グリューネ:「はい~。今のところ、全く奈落の影響は受けておりません~」
GM:ぎゅ、と両手で手を握られて【クエスト:グリューネの頼みを聞く】を配布。 シーンエンド。
……写真撮りたい!後でネタにしたい!(誰だ)
天音:智くん、修羅場ですよ修羅場!
智:え、写真ってそう使いますか!
GM:なお、グリューネは蔵の管理人といえどエキストラなので、戦闘力0です。 最初にぴこぴこ動いていたのも耳です。
智:もっといい武器貸与してほしいよ~。
GM/グリューネ:「女帝ちゃんも伝説の武器です~」
マヤー:世界を革命する力を!って言えばグリューネから剣を取り出せるはず。
GM:確かにウテナもよくわからんパワーだったが。
最終更新:2015年02月13日 14:04