年金受給者の約6%が既に死亡と厚労省サンプル調査で判明。毎年3兆円の無駄
高齢者の死亡後に遺族らが年金を不正受給していないか把握するため、厚生労働省が85歳以上の年金受給者770人を対象にしたサンプル調査で、同省は27日、実際は48人が死亡していたと発表した。所在不明者も27人に上り、同省は85歳以上の800人程度に対し、安否不明のまま年金が支払われている可能性があるとした試算結果を明らかにした。
死亡者48人のうち、47人は同日までに支給が止められたが1人には支給が続いており、同省は「不正受給の可能性が高い」として返納を求める。
一方、政府は同日、首相官邸で関係閣僚会議を開催。自治体が100歳以上の安否確認をした結果、271人の所在が不明で、うち25人に年金が支給されていたことも報告された。
厚労省によると、85歳以上の調査の対象は、住民票上の住所と実際の居住地が異なるため「現況届」を提出し年金を受けたケース。4月生まれの中から無作為抽出した770人を対象に安否を調べた。(2010/08/27-13:03)
2人は容疑を認めているという。一連の不明高齢者問題で関係者の逮捕は初めて。
発表によると、2人は教師だった加藤さんの妻が死亡した2004年8月以降も加藤さんが生存しているように装って、公立学校共済組合(東京都千代田区)に遺族共済年金を請求し、同年10月から今年6月にかけて計35回にわたり、加藤さんの名義で計約915万円をだまし取った疑い。
加藤さんは1969年8月から老齢福祉年金を受給していたが、2人は妻の死亡後、支給額が多い遺族共済年金に切り替えて受給を続けていた。加藤さんの口座からは今年7月15日以降、7回にわけて計約300万円が引き出され、口座の残金は約290万円だった。
同庁は、2人が不正受給した年金を自宅の修理費や証券取引、生活費などに充てていたとみて使途の解明を進めている。加藤さんは1978年頃、「即身仏になる」と告げて自室に閉じこもり、そのまま死亡したとみられている。
全国ではこの事件を機に、100歳以上の所在不明者が多数判明した。(2010年8月27日19時39分 読売新聞)
本格捜査に向け、27日にも検察当局と協議する。高齢者所在不明問題の発端となった事件は、家族の刑事責任が追及される見通しになった。
同庁幹部によると、2人は教師だった加藤さんの妻が死亡した2004年8月以降も加藤さんが生存しているように装い、同年10月から今年6月にかけ、公立学校共済組合(東京都千代田区)から加藤さん名義で遺族共済年金計約915万円をだまし取った疑いが持たれている。
加藤さんは1969年8月から老齢福祉年金を受給していたが、2人は妻の死亡後、支給額が多い遺族共済年金に切り替えて受給を続けていたとされる。加藤さんの口座からは今年7月中旬以降、6回にわけて計約250万円が引き出されており、口座の残金は約340万円だった。引き出した年金の一部は銀行の貸金庫で保管されていたという。
同庁千住署は7月28日、自宅1階で白骨化した加藤さんの遺体を発見。加藤さんは1978年頃、「即身仏になる」と告げて自室に閉じこもり、そのまま死亡したとみられている。
孫娘は同庁の事情聴取に「祖父が死亡していることは家族全員が知っていた」と供述しており、同庁は、2人が加藤さんの死亡を認識しながら年金を不正受給したとみて、使途の解明などを進める。
事件を巡っては、公立学校共済組合が2人について、詐欺容疑での告訴状を同庁に提出している。(2010年8月27日07時59分 読売新聞)
所在不明者に生存確認、書類返送ないと年金一時停止:日本経済新
厚労省方針 2010/8/12 20:57
所在不明の高齢者が相次いでいる問題で、厚生労働省は12日、所在不明者が年金を受給している場合、生存確認を求める書類を郵送し、2週間以内に返送がなければ年金の支払いを一時差し止めることを決めた。期限内に返送されても本人に面会できない場合は停止する。
同省は同日までに、全国の自治体が確認した所在不明者について、20日までに年金事務所に情報提供するよう要請した。本人の死亡が確認され、死亡後も家族などが受給していた場合は最大5年間分の返納を求める。
所在不明者の住所が公園や更地になっていると、書類が未記入のまま返送されるため、年金支給を差し止められる。ただすでに判明している所在不明者の情報について、個人情報保護を理由に氏名などの提供を拒む自治体もあったという。
日本年金機構の職員が緊急に実施している110歳以上の年金受給者に対する安否確認でも、所在不明と確認されれば同様の対応を取る。
同省は現在、年金記録と、住基ネットで登録されている氏名や住所などが異なるなどの人を対象に、年1回「現況届」を郵送。月内に返送がなければ再び郵送し、返送がなければ一時差し止めている。今回の措置はより迅速に支給を差し止めることができるという。
年金積立金取り崩しも 政府検討 国庫負担2.5兆円不足
2010年8月5日 朝刊
政府の二〇一一年度予算編成で、公的年金の受給者に給付される基礎年金の財源確保策として、約百二十三兆円の年金積立金の一部を取り崩す案が浮上していることが四日、分かった。
基礎年金は給付費約二十一兆円の二分の一を国庫(税)で負担しており、〇九、一〇年度の二年間は財政投融資特別会計の「埋蔵金」の充当でしのいだが、一一年度は不足の財源約二・五兆円をどう捻出(ねんしゅつ)するか全くめどが立っていないため。しかし、積立金の取り崩しは年金財政の持続性や将来世代の給付水準に影響しかねず、年末の予算案決定まで調整はもつれそうだ。
基礎年金は現役世代が支払う保険料と国庫で賄う。国庫負担は以前は三分の一だったが、年金財政の安定化のため徐々に増やし、〇九年度から二分の一に引き上げた。だが、引き上げに要する財源として当初見込んでいた消費税増税は先送りされた上、埋蔵金はもう残り少なく、活用は困難だ。
そこで政府は苦肉の策として、厚生年金と国民年金の積立金を最大で二・五兆円取り崩し、国庫(一般会計)に貸す形にした上で財源をひねり出す案を検討。同様のやりくりは過去にも行ったことがあるため、「理屈は通る」(厚生労働省幹部)との考えだ。
ただ将来、利子を付けて年金積立金に戻す必要があり、実質的には国債発行による借金と変わらない。過去に貸した分でさえまだ返ってきておらず、国の財政が改善せずに積立金への返済が実行されなければ、年金財政に穴があくことになる。
大田区で見つかった白骨遺体は、生きていれば104歳の三石菊江さんとみられています。警視庁によると、64歳の長男の日記には、2001年6月12日のページに「母、死亡」と書かれていましたが、死亡届は出ていません。その後の警視庁への取材で、長男が「母親の死後も3年間、母の年金を受け取り、それで生活していた」と話していることが分かりました。三石さんが死亡したとみられる2001年以降も、年金など合わせて130万円以上が支給されていて、警視庁は、長男が年金を不正に受給した疑いがあるとみて調べています。
「年金目的 死亡届けず」 熊野・母放置死
2010年8月17日 10時38分
三重県熊野市で同居する80代の母親を世話をしないで死なせたとして保護責任者遺棄致死容疑で熊野署に逮捕された無職桐本行宏容疑者(56)が16日、接見した国選弁護人に対し「2009年2月13日に母親の死亡を確認したが年金を受け取るため届け出なかった」などと話したことがわかった。熊野署にも同様の供述をしているといい、同署は詐欺の疑いで調べている。
弁護人によると、12日に一部白骨化した状態で見つかった母親の千代さんは、08年10月ごろに足を悪くし自分で食事を作らず部屋に閉じこもるようになり、桐本容疑者が朝夕に好物のあんパンを渡すようになった。11月中旬に千代さんが部屋の引き戸に突っかい棒をして「入らないで」と言ったため、パンを部屋の前に置くようにした。当初はパンがなくなっていたが、数日後からそのまま放置され、同月末に置くのをやめたという。
12月4日に桐本容疑者の妻の葬儀があり、桐本容疑者が無理に部屋に入ると、座禅を組むような姿勢を取っていた千代さんがにらみつけてきた。「こんな状態の母親をだれかに会わせるわけにはいかない」と戸を閉め切って放置。その後、物音がしなくなったのを不安に思い翌年2月に部屋をのぞいたところ、千代さんが横になって死んでいたという。
桐本容疑者は「自分が働けばよかったが、死亡を届ければお金が入ってこない。世話をしなければ死ぬのはわかっていたが、部屋の戸は内側からは開けられた。はって台所に行くことはできたし、異常があれば助けを呼ぶ声がすると思っていた」と話したという。
桐本容疑者が家族とともに千代さんと同居を始めたのは、05年6月で、「年金の半分を渡すから一緒に住んでほしい」と千代さんから頼まれたという。(中日新聞)
熱海署は当時、行方不明の女性の可能性が高いとの見方を強めたが、身元確認を求められた長男(80)は「母かどうかわからない」として、結局、人定に至らなかったという。
捜査関係者によると、見つかった遺体と女性の血液型が一致したほか、骨格や服装が女性と似ていた。こうした状況を踏まえ、熱海署は、同市に住む長男に身元確認を求めた。
この件に関し長男は4日夜、本紙の取材に応じ、「遺体を見た。母親の持ち物も近くにあったそうだが、誰かわからなかった。その後、警察から『母親は愛媛の実家にいる』と聞いた」と話し、遺体と女性は別人で、女性は今も生きているとの見方を強調した。
同署は、事件性の乏しい事案だったため、詳しい調査を見送り、「身元不明遺体」として熱海市に引き渡したという。また、複数の捜査関係者は、「(女性が愛媛にいると男性に伝えたか)わからない」としている。
県地域福祉課によると、県内各地で身元不明のまま死亡し、各自治体が埋葬処理する「行旅死亡人」は、県内では過去5年度で計137人いた。
長男は、女性に支給されている年金についても取材に答え、「自分が受け取っている」と認めた。その上で、「家族なので年金を受け取っても問題ない。母とは10年ほど会ってないが、『(年金を)返して』と言われれば返す。母は行方不明のように言われているが、愛媛県の実家にいる。騒ぎになること自体おかしい」とした。
(2010年8月6日13時33分 読売新聞)
最終更新:2010年08月28日 02:26