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男が記憶喪失になったようです(仮)50 - (2010/04/29 (木) 17:00:34) のソース

登場ジャンルより表記一例 


※注意:多少ゆがんだ観点多いです 


新ジャンル全般=男

ツンデレ=ツン

新ジャンル「淡白」=淡白



新ジャンル「通訳」=通訳(ひたひたと散歩する ゆらゆらの頭は空っぽで きちきちした目的なんてうわのそら)
----

駅前


「ハァ!ハァ!ハァ!」


雑踏

「どこ?」

雑踏

雑踏

「どこなのよぅ…男」

雑踏

雑踏


強風

ツン「あうっ、、、!」

ツン「風っ…強いっ、、、こんな、嵐がきてるってのにっ……!」

ツン「どこほっつき歩いてるのよぅ!バカ男!携帯に連絡も…―――あ、」

雑踏

雑踏

ツン「そうだ…GPS携帯持たせてるんだった……」

 ゴソゴソ…

携帯  ―――パカッ

ツン「メールも着信もこんなに来てる……男…」

ツン「心配かけてごめん…その前に居場所だけ、確認させて」


 GPS

 男

 in

ツン「――――っ」



 思い出の

 公園




ツン「…………………………………………」

ツン「はは…」

ツン「あはは」

ツン「なによぅ…」

ツン「人に、かけるだけ心配かけてっ……あげくに…大変な目に合せてっ」

ツン「自分は勝手に記憶失って、勝手に記憶取り戻して……バッカじゃないのっ?」

ツン「バカで…トンマで…どこか抜けててスケベ顔で…」

ツン「そのうえ鈍感で、ヘタレで、目つきの悪いスットコドッコイで…」

ツン「何時だって前を向いてて、純粋で…真っ直ぐで…夢見がちで……」


 雑踏

 雑踏

 雑踏

ツン「―――男ぉぉっ……良かったよぉぉ…」ギュッ

 ◇ ◇

 公園

 もはや薄闇

 ベンチ上の二人へ
 
 強風


男「うぅぉ!」

淡白「……っ」

 ビョオオオオオオ!

男「ぉぉぅ…木がしなっとるわい……」

淡白「………」

男「し、しかしこんな近くにあったなんてなあ!公園!びっくりだわい!」

淡白「そうね」

男「これまでの苦労はなんだったのか―――なんつってよぅw…はは」

淡白「………」

男「ツンもいないし、さすがにこりゃあ警察に電話して―――」

淡白「………」

男「してー…」

淡白「………」

男「あー…」

淡白「………」

男「その………今日はありがとな?いろいろ良くしてもらって…」

淡白「お互い様。デートに付き合ってもらったんだから、むしろこっちがお礼を言うべき」

男「だ、だなあ!ギブアンドテイクっつうかな!ケースバイケースつうか!うんうん………」

淡白「………」

男「で。そのー、だな…大丈夫か?こんなに風強くなってるし…家、帰るのに…」

淡白「このすぐ近くだから。家」

男「そ、そっか…じゃ、じゃあ、とりあえずウチまで送ってくか?暗くもなってきてるし、、、」




 男
 
 立ち上がりかけ




男「――――え?」

 つかまれる







淡白「………」


 男 ベンチへ トスン


男「な、なんじゃいっ?」


淡白 ……

淡白「―――けて…」


男「な、なんて言っ――」

淡白 ズイ…

男(んなっ!)

淡白「………っ」

男(ちょ、、、顔、顔近ぇ!い、息かかっとるじゃあねえかぃっ…!!)バクバクバク

淡白「………男」

男(つかヤベ、、、胸当たって、どころか腹も、、だけでなく――ええい全身当て放題ってなんじゃい!)ドキドキドキ

男(や、柔らけ、、髪だって細かくて、、肌も白くて、、『白磁』って見たことねえけど…こんなんか?)ドッドッド

淡白「………」

男(意識してなかったけど、顔も整っててめっちゃキレイだしよう…鼻すじとか柳眉?とか……)

男(なんつうか、神様ってのがいるなら、こんな感じで……)

淡白「っ」

男(引き締めた口元も、、あぅぅぅ、、、潤んだ瞳なんか、、こうやって見つめられた日にゃぁ…)

淡白「なにかいってよ…『男』」

男「なにかっ、て?」

淡白「………」

男「映画のっ、話っ、とか…?」

淡白「―――っ」

淡白「………」すぅ

男(ちょっ、、、何故閉じる?何 故 そ こ で 目 を 閉 じ る ?)バクンバクンバクンバクン

男(え…これってもしかして…―――『キス』か?接吻とか口づけとかいう。ベロとかフレンチとか…ある…)

淡白 んっ…

男( キ ス で す よ 。本当にありがとうございました。
   俺、、、キス迫られてんのか?マジか?デートってそこまでやるつもりだったのかっ…?)

淡白「………」

男(う、うぉぅ…そこで目を開けるか卑怯者めぇ、、!)

淡白「―――」

男(―――あ…)

男(やっぱり……おかしいだろ…なんでそんな……途方に暮れたような目で見てくるんだよ…)

男(わからんっ。最初から…そんな目、してたよな……)

男(他の奴らとは何か、違う……お前だけは、なんだか……なにか解らんが………
   オレに対して距離を取ってるような……遠慮してるような……
   古本屋でも、映画館でも…最後まで嬉しそうな顔はしなかったよな
   ここでも、そうなのか?オレがキスしても……お前はずっと苦しいままで何にもならないで、、、それで…)

淡白「男…」

男(だあああっ!!そんなんじゃねえだろ!!なんでオレはゴチャゴチャ考えてんだよ!)

淡白「たすけて…」

男(現にこいつは、苦しんでるんじゃねえか……なんでかなんて解らんけど…)

男(そんな奴が、こうして、求めてるんだ…)


淡白「………」


男(だったらちゃんと応えてやらないと可哀想じゃねーか…)

男(それに…いつか誰か一人を選らばないといけないってんだから…―――)




 ゴオオオオオオオオオオオオォォォォォ!




 ―――コイツは、他の奴らとは違う。そういう意味でなら、もしかして…



 ◆

ツン「ハァ!ハァ!ハァ!!ハァ!!」

ツン「男…男っ…ハァ!ハァ!」

ツン「小さい頃から好きだった。ずっとずっと、好きだった」

ツン「小学校にあがって勉強ができないって泣いてたの、思いだしたのよね…?」

ツン「中学校にあがって男女が疎遠になっちゃっても、何度も私に世話を焼かせたの、思い出したのよね?」

ツン「高校にあがってから、男は女の子にモテはじめて……そのうち一緒にいる時間も減ってきて……
    …………覚えてる?修学旅行の時期に……あの時は大変だったなぁ――――」

 ドシッ

ツン「わっ、すいません……あ、あの急いでますのでこれで!」

通訳「………」




ツン「公園…見えてきたっ」

ツン「あ…」

ツン「服、泥だらけだぁ……こんなんじゃ男に笑われちゃう……私が大好きな―――あぅ…」

ツン「あの時飲まされた真実薬…きれてなかったんだ…………どうしよ…これじゃあ……」


ツン「……違う」


ツン「打ち明けよう………本当の気持ち…
    ずっと好きだったって…幼稚園のころから……男のこと…12年間言えなかったけど」

ツン「今日こそ……」タッ

ツン「受け入れてもらえるか不安だけど……男なら、、、」タッタッタ

ツン「男なら…絶対に大丈夫っ……だって、男は――――」タッ

  ――――『おとなになったら、ここでまた、チューしてケッコンしようね?』


  公園
 
  入口


  ダッ!




ツン「男ぉっ!!」



  ゴオオオオオオオオオオオオォォォォォ!


 

  ――――だって、男は、ここで約束したんだから…大人になったら結婚しようって…




ツン「―――え?」


  男

  見知らぬ誰かと


ツンのバッグ ドサッ…


  キス…


----

淡白「ん…」

男「む……」


 ――――ドサッ

男「…?」

 公園の入口に

 ツン

男「――――!!!!」


ツン「あ、あ……おと…こ………」


男「ツ…ン……なん、で…」

ツン「~~~~~っ!、、、つっ、、、あ、ぅくっ…!」

ツン ダッ!

男「ま、待て!ツン!どこに――」


ツン「来るな!!」


男「え……」

ツン「お願い…お願いだから…―――来ないで…私の顔、、見ないでよぉぉ」

男(な、泣いて―――)

 ギュッ

男「え?」

淡白「………」

男「あ、あの、えと、、、―――あ!ツン!!」


 ツン 公園から いなくなる

淡白「―――」

男「た、淡白…その、、、」

 ビュオオオオオオ!!―――ンさんは!!

男「風の…声?」







 オオオオオオオォォォ!
 バタタ、、タタッ…タタタッ







通訳「ツンさんは…」

男「誰…だ…?」

----

ツン「ハァハァ!ぅ、、うぅっ、、」

----

通訳「『なんで?なんで男が、ここで他の人とキスしてるのよぉ…』と言っています」

男「………」

----

ツン「私が悪いの…?ひっ」

----

通訳「『私が、いつまでも告白しなかったから待ちきれないで………でも…』と言っています」

男「それは…」

----

ツン「でも…ぅぅううえぇぇぇ…」

----

通訳「『覚えてるでしょ?ここで約束したの…なんで?なんでよりにもよってそこで…』」

男「なんだよ…それ…約束って…」

----

ツン「いやだっ…こんな…」

----

通訳「『こんな顔…見せたくて、必死にここまで走ってきた訳じゃないのにっ…』」

男「なあ…」

----

ツン「きっと酷い顔してる…」

----

通訳「『憎いよ……男とキスしてる子が………アタシの顔、見ないで……来ないでよぉ…ひどいよぉ…』」

男「なあ!」

----

ツン「バカ…男ぉ……っ!」

----

通訳「………」

男「教えてくれよ……オレは…いったい誰なんだよ…」

通訳「………」

男「記憶失う前のオレがどうだったかなんて関係ない…」

通訳「………」

男「でも、みんな受け入れて、こうなっちまうなんて…誰かを選ばないと傷つけていくだけだっていうなら…」

通訳「………」

男「オレは…―――オレはっ!」

通訳「…………………」

男「くっ」ダッ!

淡白「男っ」

男「……!」

男「………」

男「すまんっ…」



 男 公園から いなくなる

 …………

 ………

 ……

 …

 ビュオオオオオ!

淡白「………」

通訳「………」

淡白「―――」

通訳「あの…」

淡白「アナタ…古本屋からずっとつけてたわね…」

通訳「その…それは…」

淡白「なにが目的かなんてわからないし興味もないけど―――」

通訳「………」

淡白「これだけは言える。アナタは私と同じ」

通訳「………」

淡白「あの修羅場を前にして、何も感じない、何も思わない。人形みたいに、神様みたいに、人じゃないみたいに」

通訳「………」

淡白「誰かが必死に留めたはずの言葉を、眉ひとつ動かさず口にしてしまう。言わずにはいられない
    それで相手は傷つくだけなのに。痛いだけの言葉を平然と」

通訳「………」

淡白「なにも…かえさないのね。これだけ言われてるのに」

通訳「………」

淡白「…さようなら。もう会わないかもしれないわね……」


 ポツン…

 パツン
 バツン
 ポツポツポツポツボツボツボツバツバツバツバツ

 落ちる
 
 落ちる落ちる

 大粒の……


淡白「―――――」


 そして彼女もいなくなる

 一人残され蚊帳の外

 招かれざるは、

 傷つかざる。

 ポツンと


通訳「違いますよ」
 

 言葉は嵐にさらわれて

 どこへと知れず…

 震える理由も


 わからない







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