ある日の、午前最後の授業。
突然――勇ましい唄が教室中に響き、クラスの大半が噴き出した。
鳴った着うたは某野球チームの応援歌。しかも旧バージョン。
こんなチョイスをする生徒は、さしあたり1人しかいない。
「あー……シュール。授業中は携帯の電源切っておけー」
「あーい」
「授業を続けるぞー。はい、笑うのやめっ」
そう簡単な注意をして、教師は授業に戻った。
特に反省する様子も無く、シューは堂々と携帯をチェックする。メールだ。
「………………」
それは、彼女をよく知る者でないと分からないくらいの表情の違いだった。
シューは、微笑んでいた。
突然――勇ましい唄が教室中に響き、クラスの大半が噴き出した。
鳴った着うたは某野球チームの応援歌。しかも旧バージョン。
こんなチョイスをする生徒は、さしあたり1人しかいない。
「あー……シュール。授業中は携帯の電源切っておけー」
「あーい」
「授業を続けるぞー。はい、笑うのやめっ」
そう簡単な注意をして、教師は授業に戻った。
特に反省する様子も無く、シューは堂々と携帯をチェックする。メールだ。
「………………」
それは、彼女をよく知る者でないと分からないくらいの表情の違いだった。
シューは、微笑んでいた。
その日の、昼休み。屋上にて。
「男ォォォ!!! 今日こそ私の昼飯を食べろォォォォォ!!!!!」
「つぶれるつぶれる!! そんなに強く握ったらサンドイッチの具がおんも出る!」
「古式ゆかしい殷の手法で作ったハンバーグよ……食べてっ」
「うわあい矛盾たっぷり! 漫画だろ!? 出展あの漫画だろ!?」
「私の弁当はいつも通りまともだ。食べるがいい」
「ごはんの上に桃屋のアレで『愛』と書かれている弁当の何処がまともだ!? その技術を他に活かせ!」
「私も珍しくまともアルね、食べるヨロシ」
「逆! 御飯とおかずの位置逆! 御飯すげぇ少ない! 炭水化物ダイエットか!」
「きょ、今日もたまたま余っちゃったから分けてあげるだけなんだからね!」
「だからってなぜ学校にカレーを持ってくる!? しかも専門店のようなカレー器まであるし!」
いつかも見たような、いつも通りの風景だ。男のツッコミは今日も冴え渡る。
いつも通り屋上の隅で仲良く食事を取っている日和とゆうやも、その光景を見て微笑む。
10数分後、大騒ぎしながらも楽しい食事を終えて、さて戻るか、と男が立ち上がったとき。
「男ォォォ!!! 今日こそ私の昼飯を食べろォォォォォ!!!!!」
「つぶれるつぶれる!! そんなに強く握ったらサンドイッチの具がおんも出る!」
「古式ゆかしい殷の手法で作ったハンバーグよ……食べてっ」
「うわあい矛盾たっぷり! 漫画だろ!? 出展あの漫画だろ!?」
「私の弁当はいつも通りまともだ。食べるがいい」
「ごはんの上に桃屋のアレで『愛』と書かれている弁当の何処がまともだ!? その技術を他に活かせ!」
「私も珍しくまともアルね、食べるヨロシ」
「逆! 御飯とおかずの位置逆! 御飯すげぇ少ない! 炭水化物ダイエットか!」
「きょ、今日もたまたま余っちゃったから分けてあげるだけなんだからね!」
「だからってなぜ学校にカレーを持ってくる!? しかも専門店のようなカレー器まであるし!」
いつかも見たような、いつも通りの風景だ。男のツッコミは今日も冴え渡る。
いつも通り屋上の隅で仲良く食事を取っている日和とゆうやも、その光景を見て微笑む。
10数分後、大騒ぎしながらも楽しい食事を終えて、さて戻るか、と男が立ち上がったとき。
「あー、先に戻っててくれ。私はちょっと彼女達と話がしたいから」
そう、シューは言った。
そう、シューは言った。
午後の授業も終わり、放課後。男は1人で校門を出ていた。これは相当に珍しい事であった。
なにせいつもの5人のうち誰ひとりとして、「一緒に下校しよう」と言わなかったのだから。
昼間のシュー達の話し合いに関係があるのだろうか、そう考えた男は発端であるシューに尋ねてみたのだが、
『……そろそろ戦隊物ユニットとしてやっていきたいと思って』といつも通りの不可解な発言ではぐらかされた。
さらに不可解なことには、『学校近くの定食屋で待っててくれないか。あとで皆で向かうから』という発言もついてきた。
他の4人に尋ねてみても、用があるんだ、の一点張り。
そこまで言われては仕方ないので、男は言いつけ通りに定食屋に行き、待つことにした。
背中に一抹の哀愁が漂っているように見えるのは、錯覚ではないだろう。
なにせいつもの5人のうち誰ひとりとして、「一緒に下校しよう」と言わなかったのだから。
昼間のシュー達の話し合いに関係があるのだろうか、そう考えた男は発端であるシューに尋ねてみたのだが、
『……そろそろ戦隊物ユニットとしてやっていきたいと思って』といつも通りの不可解な発言ではぐらかされた。
さらに不可解なことには、『学校近くの定食屋で待っててくれないか。あとで皆で向かうから』という発言もついてきた。
他の4人に尋ねてみても、用があるんだ、の一点張り。
そこまで言われては仕方ないので、男は言いつけ通りに定食屋に行き、待つことにした。
背中に一抹の哀愁が漂っているように見えるのは、錯覚ではないだろう。
「……行ったね」
校門を出る男の姿を、教室の窓から遠目に確認したシューが呟く。
おもむろに振り返り、室内を見回す。そこには5人の女と1人の男がいた。
「さて、諸君」
彼女達に向かい、切り出す。
「部屋の隅でガタガタ震えて命乞いをする心の準備はOK?」
台詞のチョイスが致命的に間違っているが、言いたいことは分かる。
「オッケェェェェイ!!」
「肉片は作れないけど……ま、いいでしょ」
「無論万全だ」
「し、仕方なく付き合ってあげるんだからね! 仕方なく!」
「ああ、頑張るよ。な?」
「がんばるよ~」
その返答を聞き、シューは頷く。
「では行こっか……と言いたいけど、あと1人」
6人の頭上にクエスチチョンマークが浮かぶが、シューはそれを無視し、教室入口の陰にむかって呼びかけた。
「ぎーちゃん――行くだろ? 久々に彼女に会えるんだから」
校門を出る男の姿を、教室の窓から遠目に確認したシューが呟く。
おもむろに振り返り、室内を見回す。そこには5人の女と1人の男がいた。
「さて、諸君」
彼女達に向かい、切り出す。
「部屋の隅でガタガタ震えて命乞いをする心の準備はOK?」
台詞のチョイスが致命的に間違っているが、言いたいことは分かる。
「オッケェェェェイ!!」
「肉片は作れないけど……ま、いいでしょ」
「無論万全だ」
「し、仕方なく付き合ってあげるんだからね! 仕方なく!」
「ああ、頑張るよ。な?」
「がんばるよ~」
その返答を聞き、シューは頷く。
「では行こっか……と言いたいけど、あと1人」
6人の頭上にクエスチチョンマークが浮かぶが、シューはそれを無視し、教室入口の陰にむかって呼びかけた。
「ぎーちゃん――行くだろ? 久々に彼女に会えるんだから」
時が、止まった――実際に止まったというか固まったのは私自身だけど――確実にそう感じた。
正しい反応だと思う。だって――だって、電車を降りて駅から出てみたら。
正しい反応だと思う。だって――だって、電車を降りて駅から出てみたら。
「荒鷹あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ヒーちゃんと、
「解体し甲斐のある体付きになったわね、荒鷹さん……」
クルちゃんと、
「久しぶりだな、荒鷹くん」
クーちゃんと、
「おみやげちょーだい、鷹ちゃん」
シューちゃんと、
「べ、別にまだ戻ってこなくてよかったのよ荒鷹さん! ……ライバルの数が元に戻って困るわ!」
ツンちゃんと、
「や、元気そうだな荒鷹」
ゆうや君と、
「あらぶるたかのぽ~ず~。どう? うまくなったかな、たかちゃん?」
日和ちゃんと、
「………久しぶりね」
ぎーちゃん――ぎぜんちゃんが、
ヒーちゃんと、
「解体し甲斐のある体付きになったわね、荒鷹さん……」
クルちゃんと、
「久しぶりだな、荒鷹くん」
クーちゃんと、
「おみやげちょーだい、鷹ちゃん」
シューちゃんと、
「べ、別にまだ戻ってこなくてよかったのよ荒鷹さん! ……ライバルの数が元に戻って困るわ!」
ツンちゃんと、
「や、元気そうだな荒鷹」
ゆうや君と、
「あらぶるたかのぽ~ず~。どう? うまくなったかな、たかちゃん?」
日和ちゃんと、
「………久しぶりね」
ぎーちゃん――ぎぜんちゃんが、
「お か え り っ ! !」
ヘ○ヘ ヘ○ヘ ヘ○ヘ ヘ○ヘ ヘ○ヘ ヘ○ヘ ヘ○ヘ ヘ○ヘ
|∧ |∧ |∧ |∧ |∧ |∧ |∧ |∧
/ / / / / / / /
|∧ |∧ |∧ |∧ |∧ |∧ |∧ |∧
/ / / / / / / /
皆して荒ぶる鷹のポーズを決めていたんだから。
皆の出迎えを受けて泣いちゃった荒鷹
シュー「よーしよし泣くな鷹ちゃん、まだ肝心な奴に出会ってないぞ」
鷹「ふぇ?」
クー「よし皆、定食屋で男も交えて荒鷹くん帰還記念パーティだ」
鷹「え? え?」
鷹以外の全員「お――――――!!!」
鷹「ええええええええええちょっと待って心の準備が!」
ヒー「問答無用ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!(がしっ)」
鷹「ちょっと!かつがないでぇぇぇぇ!!」
鷹「ふぇ?」
クー「よし皆、定食屋で男も交えて荒鷹くん帰還記念パーティだ」
鷹「え? え?」
鷹以外の全員「お――――――!!!」
鷹「ええええええええええちょっと待って心の準備が!」
ヒー「問答無用ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!(がしっ)」
鷹「ちょっと!かつがないでぇぇぇぇ!!」
ゆうや「見てて飽きないね、男君の周りの人たちは」
日和「あきないねー」
日和「あきないねー」
一方定食屋
定「……すっぽかされたんじゃないのか?」
男「泣いてない!泣いてないもんね!!」
定「……すっぽかされたんじゃないのか?」
男「泣いてない!泣いてないもんね!!」
面々が遅すぎるので泣いてました