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毛糸にこめた思い in C1111

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毛糸にこめた思い in C1111

ただひたすら手を動かし続ける。
いつものようにお菓子も焼かず、二本の棒と毛糸玉相手に格闘して。
人狼騒ぎなど頭の中から追い出すようにして――


自称霊能者として名乗り出たディタさんとヨアさんヒムさんの双子のコンビ。
占い師として名乗り出たパメさんが襲われて、もう一人の占い師のヤコさんを処刑して――二組の霊能者の判定が割れた。

きっとヤコさんに人間判定を出したディタさんが偽者だと思う。それも高確率で狂人。
こういう勘だけは昔から外したことはない。

でも――

村を滅ぼそうとする人狼は憎まなければならないのに。
どうしてボクの視線は自然とディタさんに吸い寄せられるのだろう?
どうしてディタさんに見つめられるたびに胸がドキドキ高鳴るんだろう?


ゲルさんが狼に襲われた日。あの日はリナさんの羊のメリーさんが、ボクの髪の毛を食べようとしていたため、教会に避難したのだ。
神父さんとは夜通しお喋りしていたため、神父さんがゲルさん殺害に関わっていないのを証明できる。逆にボクの身の潔白も保障されている。

神父さんが襲われたら、ボクがまとめ役になるのだろう。
そして村のみんなを襲う狼撲滅に邁進するんだろう。

でも、ディタさんは偽だと思っているけど、狼ではない確率が高いと知って「処刑しなくてもいいかもしれない」と胸を撫で下ろすボクに、村の将来を決めることなどできるのだろうか?

手元には白いセーターが大分できあがってきている。

赤い髪が白色に映えて、きっと似合う。
これで寒い晩の漁でも暖かいはず。
喜んでくれるかな?とそんなことばかり考えて。


夜になったら嫌でも人狼について考えなければならず、ボクは今日も「ディタさんが偽」と主張し続けることだろう。

だから、今だけ。
今だけはディタさんのことだけを考えたいから。
手は引き続きセーターを編み続ける。
夜なんてずっとこなければいい、そう思いながら。

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